K.H氏との出会いからだから,もう40年も前になるだろうか。墨の濃淡とほんのわずかの色絵の具を使って,何の変哲もないそこらへんにある筆でいとも簡単に野に咲く草花を生き生きと描く。
はじめて氏の作品を見せてもらったときの感動を今でも覚えている。淡泊でありながらしかも深みのある墨絵の世界に魅せられてしまった。
こんな絵が自分にも描けたらいいなあ。K.H氏のような絵が描きたい。そう思って折りにつけ筆をもってきたがなかなか思ったように描けない。そうこうしているうちに気がつけばめぐり会った時の氏の歳をはるかに越えてしまった。
そのK.H氏が先日亡くなったことを新聞お悔やみ欄で知った。97歳だった。(2023.5.6)
墨彩画
- 2000.9