マイボート

 はじめてのボートは,アキレスのゴムボートでした。
それまでは夏場に短期間浜から遠投のキス釣りもしましたがほとんど磯釣り専門,それもクロダイねらいのみでした。
ある夏,友人に誘われて伝馬船に乗ってキス釣りをしました。数えませんでしたがおそらく3けたの釣果があったと思います。
磯からとは比べものにならない釣果に酔って,衝動的にゴムボートを購入しました。30数年前のことです。(1987年)
 ゴムボートに5年ほど乗ったでしょうか。手軽で安定感があるのは良いのですが後始末が大変でした。ゴムが硬化しないように釣行後は必ず真水洗いをして陰干しし,気室のゴムが固着しないように赤ちゃん用のパウダーを定期的に吹き込む。そんなメンテを続けてもなおかすかなピンホールができ,岩にこすれば裂けやすくなるなど管理が大変でした。
 そこで思い切って買ったのがFRPボートの第1号「かもめの6さん」でした。(1992年)

  • 全長180センチ,全幅130センチの木の葉のようなボートです。
    これはいい船でした。(今は友だちの物置に眠っていますが) 何より画期的だったのはメンテ不要であること,そして軽い。ボートの自重が20キロですから非力の私でも軽々?と持てる。というより,このころはカートップ(車の屋根に積む)できることが私のボート購入の条件でした。なぜなら係留場所が確保できなかったからです。つまり,車で持ち運べることが条件でした。
     当時のマイカーはハイルーフのエスティマでしたがそれでも一人でカートップ釣行しました。
     1993年に船舶免許を取得し,いよいよ船長になりました。とは言っても6さんにタナカの1.2馬力船外機をつけたおもちゃのような船の船長です。それでもそれまで手こぎだったのがエンジン付のボートになったことで画期的に行動範囲が広まりました。ただ,その分危険度も増したわけですが…。
    さて,この「かもめの6さん」でキス釣り,アジ釣りをそれなりに堪能したのですが,欲望は限りがないもので,もう少し大き目の安定した船が欲しくなりました。ただ,係留場所が確保できない状況に変化はないわけで,となるとカートップしかなく自ずと重さと大きさが限られます。そこで次に購入したのが艇長3m,重さ40kgのFRP船です。
     5馬力船外機付きで手頃な価格の掘り出し物がネットで見つかりました。ほとんど躊躇なしに落札しました。(2006年)
     たまたまその頃家にやってきたペットの名前「なな」から安易に「nanaⅢ」号と命名しました。「Ⅲ」は購入ボート3艇目と嫁さんの名前「三枝」を掛けたつもりですが,後で二人の娘たちから「私たちの名前はどこに?…」とクレームをつけられました。
    •  購入(平成14年)当初はカートップでした。軽いとはいえ,40kgの船体を車の屋根に積み込むには腕力と気力が要りました。そのためにキャリアに工夫を施したり,ランチャーを自作したり,それなりに楽しみもありました。
       しかし,なにより大変だったのは船体の上げ下ろしもさることながら船外機はじめクーラーボックス,魚探,バッテリー,竿,法定備品等のすべてを釣行の度に車のトランクに載せ替えしなければならないということでした。さらには,すべてを積み込んで港の斜路まで行ったのはいいけれど風や波が思ったより大きくてそのままもどってきて再び積み込んだ荷物と船体を車から降ろす労力は半端ではありませんでした。
      •  トレーラー運搬に変更しました(平成21年)。これはカートップに比べて画期的に気力・体力の消耗が少なくなりました。