俺だけかあ

突然,懺悔したくなるときがある。
大学時代,仲のよかった友達と朝まで飲んで議論をしたことが何度もある。数えきれないほどある。もちろん社会に出てからも同僚や,後輩,先輩と語りあかしたことがある。そんな時,ふっと自分の過去を話したくなることがある。
自分の中に忌まわしい過去として閉じこめていたものを,「俺の正体だ!」といってあからさまにしたい時がある。そして,もちろん相手を見極めてのことであるが,過去に数回懺悔したことがある。
しかし,このことは自分にとっていい結果を生んだためしがない。
嘉門達夫の歌に「俺だけかあ」という歌がある。詳しくは覚えていないが,「こんなこともあるよなあ,うん あるある。あんなこともあるよなあ,うん あるある。まだこんなこともあったよなあ, それはないぞお。」とどんでん返しをくわされ,「俺だけかあ!」といったような歌詞だった。
「この人には分かってもらえる」ということはそれほど多くはないのである。また,大部分は理解してもらったとしても,本当に分かってもらいたい部分は意外と分かってもらえないのが人間関係なのである。 2000.9.3