第三次ハリコフ戦ゲーム

KHARKOV 1943 [HC / Vae Victis #25]

Ecole de Guerre (VV #26) , vol. 6

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その6


19 - プレイ・オプション
(選択ルール)



1 - 《 閃きの一撃 》マーカー

このマーカーを提示したプレイヤーは、活性化を2回続けて行うことが出来る。すなわち、その2回の活性化の間に、敵の活性化が行われないのだ。2回目の活性化時に活性化されるユニットは、1回目の時に活性化されたものでも構わないのだが、強制はされない。
それに反して、このマーカーを使ったプレイヤーは、マーカーを相手プレイヤーに渡さねばならない。受け取った側は、使いたい時に自分の手番でこのマーカーを使用することができる。 《 閃きの一撃 》マーカーは、全シナリオにおいてドイツ軍側から登場する。

注: 編集部は、このマーカーを所持できることの著しい影響から皆様を守ることにする。 このマーカーの使用は、良く考えなければならない。と言うのは、このマーカーを使うことによって、あなたは相手にこのマーカーを手渡すことになるのだから! 
この選択ルールは、ドイツ軍プレイヤーを有利にする。



2 - ソ連軍の自動勝利

ソ連軍は 15戦闘ステップ分のユニットをマップ外へ出した時点で、戦略的勝利を得る。
この場合、10戦闘ステップ分の戦車がその中に含まれており、ハリコフが支配下にあらねばならない。ユニットはドニエプル川の西を除くマップ南端、もしくは西端からマップ外へ出なくてはならない。その上、ユニットが出るヘクスは、ユニットがマップ外へ出る時点に補給下にあらねばならない。さらに、何度かの活性化時に分けて複数ユニットをマップ外に出す場合、1つ目のユニットが 15ポイントの中に勘定されるには、別のユニットがマップから出る際に、(訳注:一つ目のユニットの)出口ヘクスが常に補給下でなければならない。

注: この付加勝利条件は、ソ連軍の初期目標を一層際立たせる。その上、この条件はドイツ軍プレイヤーにのし掛かる圧力を著しく増大させる。今後は防御配置の中のごく僅かな弱点が、直接的な結果を招く恐れがある。
この選択ルールは、ソ連軍を有利にする。




3 - ドイツ軍の KG と、ソ連軍の軍団

カンプグルッペ(KG)と、軍団(Crp.)駒は、いろいろな機能で役立ち、プレイヤーはゲーム開始時にこれを全て、または部分的に用いることを決めることが出来る。KG と軍団は司令部と同じ方法で除去される。(1.4 参照)

3.1 - KG ボックスと軍団ボックス

これらの駒は、スタッキングの選択ルール(10.3 参照)として部隊司令部と同じように次の制限付きで機能する。:
軍団ボックス、または KG ボックス毎に4ユニットより多くは置けない。;
スタック制限は尊守されなければならない。;
KG ボックス毎に2つより多くの異なるフォーメーションが在ってはならず、軍団ボックス毎に3つより多くの異なるフォーメーションが在ってはならない。
これらの駒は12作戦ポイントの行動力を持ち、機械化ユニットと見なされる。
司令部ユニットとは異なり、これらの駒は独自に配下のユニットを活性化することは出来ない。

3.2 - 指揮線の拡張

司令部ユニットとは異なり、これらの駒は独自に配下のユニットを活性化することは出来ないが、司令部の指揮範囲を拡張するのに役立つ。今後ユニットは、これらの駒を使うことによって指揮線を計算することが出来る。1つの軍団または KG 駒は、ターン毎に最大4ユニット(ただしソ連軍については同一正面軍に属していることが条件)に指揮線拡張の役に立てる。 拡張分の指揮線は、2ヘクスである。
拡張の役に立たせるには、これらの駒自身が司令部の指揮範囲内(5ヘクス)にいる必要がある。

3.3 - 補給線の拡張

KG または軍団駒は、司令部の補給範囲を拡大するのに役立つ。今後、ユニットはこれらの駒を使うことによって補給線を計算することが出来る。1つの軍団または KG 駒は、ターン毎に最大4ユニット(ただしソ連軍については同一正面軍に属していることが条件)に補給線拡張の役に立てる。
拡張分の補給線は、2ヘクスである。
ルール9.2の冒頭の文章は、以後、以下のように読み替える。:

ユニットが補給下にあるためには、下記の通りに補給線を引くことができねばならない。:
・KG または軍団駒まで2ヘクス以内;
・司令部まで・・・・・

KG または軍団駒が補給下にあるためには、下記の通りに補給線を引くことができねばならない。:
・司令部まで5ヘクス以内;
・補給線まで繋がる道路・・・・・

活用: シナリオ18.1と18.2において、KG と軍団駒はターンの初めに取り除くか、またはいずれかの司令部からでも新たに登場させることができる。

注: これらの駒はドイツ軍の最大級の柔軟性と、ソ連軍の「軍」の中に中間段階:狙撃兵軍団(史実では3個軍団が南西正面軍において使用されている。)が出現したことを、同時に表現している。
この選択ルールは、より大きな柔軟性を僅かながらもソ連軍に与える。




4 - 警戒大隊

補給および指揮フェイズの際に、ドイツ軍プレイヤーは警戒大隊(Wacht bataillon : 警備大隊)を、用意されたユニット数の範囲内で創設することができる。各警戒大隊は、歩兵補充ポイント2つの費用が掛かる。これらのユニットは敵ユニットに隣接することなく、補給を受けることができるのならば、マップ上のどのヘクスにでも配置することができる。

注: 危機的な状況の中でドイツ軍は、さほど戦意旺盛ではないものの敵を遅滞させることはできる組織を編成するための部隊を、前線の後方で常に見出す術を心得ていた。ただしプレイヤーは直ぐに気付くであろうが、補充ポイントを最も合理的に使用する方法が(本当は)重要では無いのだ。
この選択ルールは、ドイツ軍プレイヤーを有利にする。




5 - 徴兵

ソ連軍プレイヤーは 1 つの都市を解放すると、解放された都市ヘクス毎に歩兵補充ポイントを1つ受け取り、その都市ヘクスの周囲・半径5ヘクス以内に存在する自軍ユニットをその時点で補充することができる。ルール16.1と16.2は、依然有効である。
この効力を使用しない場合、その補充ポイントは失われる。
一度解放して、その後にドイツ軍に奪回された都市を再び解放しても、補充ポイントを再度得ることはない。

注: ソ連軍は実際に、兵役に適する大勢の男女を徴兵したが、時には彼らに軍事訓練を施さず、とりわけ銃を与えないこともあった。
この選択ルールは、ソ連軍プレイヤーを有利にする。




6 - 空軍

『0』の数値を持つ航空支援マーカーは、戦闘解決時にもう少し不確実さをもたらす目的で提供される。
プレイヤーは、航空戦力を投入せずとも空軍マーカーをマップ上に置くことができるようになるのだ。




7 - 偵察

ドイツ軍の偵察大隊は、自身の活性化の際に敵のZOCに侵入して、敵のスタックを偵察することができる。この偵察大隊は、その後直ちにその敵ZOCから再び退出しなければならない。以上の行動は、ルール4.2と4.3(敵ZOCでの戦闘義務を除く)を尊守し、さらに敵ユニットに対する戦闘を義務付けはしないものの、ルールによって定められたコストを消費することによって実行する。

注: このルールにより、ドイツ軍の偵察大隊を史実と同じように使うことが出来る。偵察大隊にヘクスから再び退出させる義務は、戦う危険を冒すことなく補給線と指揮線を遮断する目的で、このルールを使用しないようにするためのものである。
この選択ルールは、ドイツ軍プレイヤーを有利にする。




"Kharkov 1943" の詳細な説明とエラッタは、"Journal de Marché" にあります。




Fin

2002年8月 訳出



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