Panzerkrieg の箱に刻み込まれた名文である。
十年以上前のサントリー・ウイスキーの名コピー、「・・・なにもたさない、なにもひかない・・・」
に匹敵するクォリティーだ !?
そして、右に用意したアバロンヒル版の箱絵の素晴らしさを御覧頂きたい。 現在では散々に云われまくっている、かの
ロジャー・マクゴワン 画伯が才能の全てを注ぎ込んで描ききった、まるで映画のワン・シーンのような
(多分、そうだろうけど) 叙情溢れる傑作である! 画伯の手による数々のボックス・アートの中でも、1,2を争う人気作品だろう。
この絵のどこに惹かれるのか? 兵士や戦車も取込中の為か、揃いも揃って背中やお尻を向けて愛想が無いし、建物も正に炎上中と、全くこちらに意識がない。ややサービス精神に欠ける、突き放された感触が、逆に良いのである。
上記の名文と同様、余計な装飾が無くとも、必要なだけの情報 ・ ムード ・ 吸引力を備えている。まさにミラクル。
ところが、いざ箱を開けて内容物を点検すると ・・・・・ 落胆してしまう点がある。
アバロンヒル版は独特の変形機能を有するハードマップを備えているのだが、それが仇となり、ユニットの大きさに比べて
ヘクスが小さくなってしまっている。上手くユニットを並べて戦線を作ることが困難という悲劇! マップに関しては、現在購入できる
CoSi 版も少々問題あり、とのこと。初代 OSG版のマップをそのまま 「カラーコピー」 したかのような、ピンぼけ気味のテイストだという。これは同社が再販した
"Duel for Kharkov"でも同じ現象が見られる。
ゲーム内容は、1941年〜44年のロシア南部とウクライナにおける、ドイツ南方軍集団とソビエト軍の戦いのハイライトを8つのシナリオ
(アバロンヒル版は追加の仮想戦シナリオ有り) で再現する、1ユニット・師団/軍団規模の作戦級ゲームである。 補給確認
→ 移動 → 戦闘 (突破セグメント有り) → 管理セグメント を繰り返す、オーソドックスなシステムなのだが、予備の指定やリーダー・ユニットの存在、航空ユニットの活用などなど、楽しい要素が加わる。
ただ、初代 OSG 版が発売されてから 30年以上経過しているため、システム上の不備や古臭さがあるのは致し方ないところ。アバロンヒル社は、再販するにあたってルールを手直しし、その後もエラッタやルールの明確化を割と精力的に行ってくれたようだ。
日本でも、かつてホビージャパン社がアバロンヒル版ルールブックの日本語訳を作成し、タクテクス誌 30 ・ 31
・ 32 号で分割して掲載した。ゲームサークル等でベテランさんに尋ねてみれば、日本語ルールを入手できるだろう。
★ エラッタとルールの明確化を日本語訳してみました。
多分、役に立つと思いますので、御利用ください。
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