◎伝統の味わいが64年目に進化、若鶴酒造のウィスキー蒸留所「三郎丸蒸留所」
2017年7月12日(水)若鶴酒造が北陸唯一のウィスキー蒸留所「三郎丸蒸留所」で進めていた改修工事が完了し、
石井富山県知事や橘慶一郎復興副大臣が祝辞を述べるなど記念式典と見学会が行われました。
昭和初期に建設された木造2階建て建屋の老朽化に伴い、昨年12月に改修に着工し、製造工程を体感できるよう
全体を見渡せる見学コースを設置し、ウィスキー造りの歴史を紹介し、香りを体験できるコーナーも設けられています。
製造ラインには新たに原料のモルト(麦芽)の粉砕機を導入し、また蒸留器の一部をステンレス製から
高岡銅器の技術を用いた銅製にしたことで、より質の高いウィスキー造りが可能になったとのこと。
改修の事業費約1億円のうち、一部をインターネットの「クラウドファンディング(CF)」で募り、3800万円余りが集まりました。
砺波の地域活性化や産業観光の拠点として期待されています。
三郎丸蒸留所は見学(1日3回)無料で、予約が必要、1名から見学できます。(TEL 0763-37-8159)
文久2年(1862年)創業の若鶴酒造の三郎丸蒸留所の誕生以来、地元で愛され親しまれてきた「サンシャイン ウイスキー」は
蔵に眠っていた20年を超える原酒(モルトウイスキー)を50%以上使用したプレミアムなブレンドです。
厳選したスコッチグレーンウイスキーを贅沢に使用した小さなウイスキー蒸留所ならではのこだわりのウイスキーです。
自家蒸留を含むモルトウイスキーは、イギリス産のヘビーピーテッドタイプで、スモーキーで、かつマイルドな飲み口です。
昨年は富山県産のミズナラを使ったウィスキー樽を試作し、今年から出荷を始めました。
ウィスキーは、蒸留した麦汁を木の樽に詰めて熟成させますが、普通は輸入したナラの木で作った樽が多く使われています。
近年はミズナラの木の樽で熟成させたウィスキーは、「白檀(ビャクダン)の香り」にたとえられるそうですが、
三郎丸蒸留所担当の稲垣貴彦若鶴酒造取締役によれば、「バタークッキーやポップコーンの香り」とのことで、
「富山でしか出せない味のウィスキーになってくれる」と期待しています。