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第一回 あえて和泉元彌を弁護する(完全版)N

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 U.Wブッキングや遅刻騒動について

 続いてWブッキング・遅刻騒動だが、これもあのように大々的に報道するほどの価値などはとてもなかった。

  

  

 Wブッキングや遅刻は大問題ではない

 マスコミは、Wブッキングや遅刻が、芸人として許されない大問題であるかのように、大騒ぎして報道しているが、昔も今もよくある、ありふれた話であってあのように大々的に報道する価値があるとは思えない。

  

 Wブッキングや遅刻をした芸能人は数多い

 かつて山口百恵が他の仕事でほとんどリハーサルに出られず、そのために母親役で共演していた八千草薫が困惑(激怒?)して下りた話は有名である。

 ピンクレディが全盛時代、番組を掛け持ちし、リハーサルに出られず、百恵と桜田淳子が代役を務めた場面などは、リアルタイムで見ていきた。

 今でも、他の番組に出演して欠席しているタレントのパネルが座席に置かれてあり、やがて遅れてスタジオにやってくるシーンなど日常茶飯事である。

 さんまやたけしなどは、遅刻を、さほど悪いと思っていない様子で、反省するどころか番組中で笑い話にしてしまっている。

 吉本興行では、Wブッキングなど日常茶飯事と所属タレント自身が笑いながら証言している。

  

 萬屋錦之助が、「子連れ狼」の早朝ロケがあったのに、好天気だからといって、ゴルフに出かけ、朝早くから、柳生烈堂のメークをし、衣装を着けて待っていた佐藤慶を始めとする俳優陣やスタッフを何時間も待たせたという出来事があったそうだが、これなどは単なる遅刻とは呼べず、よほど悪質だと思うが、私の知る限りテレビで報道されたことはない。

  

 ステージが出演者の都合で何時間も遅れることはよくある話である。

 それがただ単に出演者のわがままであったり、気まぐれであったりする場合もあるし、それ以外の理由もあるだろうけれども、それらを徹底的に取材して報道した記事など読んだことがない。

 急な病気を理由に公演が中止になり、別な日に繰り延べされたりしたけれど、実はWブッキングだったなどという話は、今までもあった筈である。

 大学の先生が、テレビの番組に出演するために、休講することも含め、一般の生活でWブッキング、掛け持ち、遅刻は、スピード違反同様誰もが経験してきたことである。

 みんなが表沙汰にならないように、必死に調整してきたことを、マスコミは、知っていても知らぬふりをして、報道してこなかった。

 であるにも関わらず、どうして他のタレントは見逃し、和泉元彌だけこんなに執拗に大騒ぎをするのだろうか。

  

 元彌だけ大騒ぎするのは弱い者イジメである

 和泉元彌と同じく、遅刻やWブッキングしてきたタレントを、マスコミは追求どころか、報道さえもしなかったことは実はたいしたことではないと思っていた何よりの証拠ではないのか。

 たいしたことと思っていたけれども、報道できない理由があったというなら、それを明らかにするべきである。

  

 和泉元彌と同様のことをしてきたタレントを、マスコミが見逃した理由としては、彼らの多くが売れっ子で大手プロダクションに属しており、数多くの番組やCMに出ているため、あちこちから圧力がかかることを恐れたのであろう。

 自社のCMや、提供番組に出ているタレントを追及するなと、スポンサーは、TV局に圧力をかけるであろうし、TV局も自社人気番組に出ているタレントのイメージダウンにつながる報道は視聴率低下を招くからと系列のワイドショースタッフに圧力をかけるであろうし、出版社側は、写真集やタレント本を出して、利益を出しているタレントを潰して貰っては困ると、系列の週刊誌セクションに圧力をかけるであろうし、そうした圧力やクレームがくることを恐れて、大手のプロダクション所属のタレントと、売れっ子、大物タレントたちには追求の手が及ばなかったのであろう。

  

 その点、和泉元彌は、大河ドラマに主演したとはいえ、民放にはまだほとんど実績がない新人同様のタレントであり、大手スポンサーのCMにも出ていないし、事務所も家族だけの弱小プロダクションであり同じ事務所に売れっ子のスターがいるわけでもない。

 クレームが来る不安のない、いわば安心して追求する(苛める)ことが出来る相手と、週刊誌もワイドショースタッフも値踏みし、報道しているに違いない。

 が、それらの要件を満たさないから、安心して和泉元彌を叩くというのでは、弱い者イジメとしか言い様がなく、あまりに情けない話である。

  

   (文中敬称略)

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