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第一回 あえて和泉元彌を弁護する(完全版)L

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 芸人が芸人の批判をしたのは問題

 「私は芸がある」と言う芸人も信用できないが、「和泉元彌には芸がない」と言った和泉流職分会の代表幹事は、反和泉家派としてのプロバガンダであったとしても、してはならない禁を犯してまった。

 芸人の風上にも置けないとはまさしくこのことで、真に残念な発言である。

 私は芸談が好きで過去30数年、歌舞伎、新劇、映画などあらゆるジャンルの雑誌のインタビュー記事に目を通してきたが、一流の芸の持ち主はストレートな悪口を決して言わないものである。

 芸人が同じ芸に生きる人の批評を、ましてや悪口を人前でするなど甚だ不見識である。

 「人間国宝といってもたいしたことないね」、「あれが宗家の芸かい」と悪口を言えるのが、観客の特権であり醍醐味である。

 それを言いたければ芸人を辞め、こちら側の人間になってからするべきである。

 また、「元秀氏は人望がなかった」という代表幹事の発言は、故人を冒涜しただけでなく、相手が反論できないことを見越した卑怯なやり方であり、故人だけでなく、和泉流や狂言界全体の名誉を毀損した発言で、破門されて当然の行為であり、それを擁護していた野村万之丞は常軌を逸している。

  

 そして和泉元彌と利害関係のある職分会側の人間の発言には、何か裏があると疑問を持ち、用心して聞くのが記者の務めなのに、なんら疑問をはさむことなく、有難く拝聴しただけでなく、それが正当な意見であるかの如く報道してしまった記者たちの見識のなさに呆れるばかりである。

  

   (文中敬称略)

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