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第一回 あえて和泉元彌を弁護する(完全版)E

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   利害関係者の発言を安易に信じたマスコミ

 今回に限らず、家庭の中もしくは法廷で決着すべき事柄をリークして相手より有利な立場に立とうという意図を持つ人たちに、マスコミは利用されたり一方に与したりするべきではない。

 特に、利害関係のある反対派の発言には相手方を貶めるという隠された意図や裏がよくあるので、十分に注意し幾分差し引いて聞く必要があるのに、不用意に信じるケースが最近多すぎる。

  

 以前の松坂慶子と父親の確執の問題、野村サッチーと弟の問題、北大路欣也と兄弟たちの喧嘩など、マスコミを使っての暴露戦略は、実に見苦しかっただけでなく、本当に報道すべき事柄だったのか、疑わしい騒動であった。

 家族なら直接相手にすればいい話をマスコミにする場合、何らかの魂胆があると疑うべきである。

 本来は内々にすべき話であり、騒動は家族の恥と思って隠そうとするのが家族であるにも関わらず、マスコミにリークするのは、有名人の弱みに付け込もうとする計算が見え隠れした行為である。

 有名人にとっては、実の親や兄弟などの家族から批判されている、そのことが伝えられるだけでイメージダウンにつながる。

 その弱みに付け込もうと、マスコミを利用し、有利な立場に立とうとする家族、それはある意味、とても卑怯なやり方であるが、そのことに触れ、批判しようとしたマスコミを見たことがない。

 むしろマスコミは、リークを喜んで聞き、それだけではさすがに一方的過ぎるので、尤もらしい顔をして、「公平に話を聞くから、さああなたも話しなさい」と有名人に迫るのである。

 有名人の側からすれば、自分の正しさを主張すれば身内の恥を晒すことになる。

 かといって、しなければ、自分の非を認める形になる。

 痛し痒しの究極の決断を迫られ、結局、芸能人は、「ノーコメント」の姿勢をとらざるを得なくなる。

 するとマスコミは、「話せないのは、どんな理由があるのでしょうか」と常套文句を使い、いかにも有名人側に非があるようなイメージで終わらせるのである。

 素人を傷つけるより、有名人を傷つける方が後味がいいし、最終的には、同じ世界だからわかってくれるだろうという甘えがあるのだろうが、甘えられる側の気持ちを考えたことがあるのだろうか。

  

 マイケル・ジャクソンに関わった人間は、なんらかの形で裁判を起こす。

 相手はイメージダウンを避けて裁判になる前に、少しはお金を出してくれるに違いないという下種な魂胆からであるが、哀しいことにどこの国にも同様の輩がいる。

 それと知っていて、それに乗っかろうとするマスコミには、いい加減うんざりしている。

 それが報道すべき内容であったのか、過去にあった騒動について、マスコミは検証してみる必要があるし、これからは利用されないよう記者たちに指導・徹底させておく必要がある。

 今回も、何が報道したかったのか、法律の問題なのか、モラルの問題なのか、社会に何を訴えたいのか、和泉元彌や狂言の世界に対して深い愛情があるようにも見えないし、週刊誌やワイドショーにとっての大義名分が全く見えない。

 ただ売らんがため、視聴率を上げるために、興味本位の報道をしているとしか見えないマスコミには猛省を促したい。

  

   (文中敬称略)

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