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第一回 あえて和泉元彌を弁護する(完全版)A

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 はじめに

   一連の和泉元彌をめぐる騒動に関しては、和泉元彌家(以下「和泉家」)側に問題が全くないわけではないが、あまりに偏向したマスコミの報道を見ていると、生来のつむじ曲がりが顔を出し、本当にそうかなという気になり、反和泉元彌側である和泉流職分会(以下「職分会」)の言い分やマスコミの報道内容を検討してみた。

 結果、職分会の言い分には矛盾があることもわかったし、マスコミ側に大きな問題があることがわかった。

  

 今回の騒動の大きさは、和泉家が起こした騒動の大きさに比例せず、売上増を図ろうとする週刊誌サイドと、視聴率を上げようとするワイドショー・サイドの仕掛けた結果によるものであり、実体は報道するに値しない、家の相続をめぐるトラブルであった。

 家の相続をめぐるトラブルは和泉家にとどまらず、何十万人もの弟子を有する極真空手の大山家にもあったし、歌舞伎舞踊・藤間勘十郎宗家にもあった。

 こうした問題にほとんど触れなかったマスコミが、両家に比べて世間の影響がほとんどない、たかだか50人程度しかいない和泉流狂言師の宗家問題を、今回に限り、あれほどの熱意と執念を持って、報道しなければならなかったのか、全く理解に苦しむと言わざるを得ない。

 となると和泉家に問題があるというより、これまでのマスコミなら報道するに値しないと見送ってきた問題を、今回に限りなぜか大きく取り上げ報道しているマスコミの側にこそ、より大きな問題があると言わなければならない。

  

 今回の騒動には、和泉流派内で内々に、解決・処理すべき勢力争いがもつれ、完全勝利を目指す多数派が、少数派である和泉家側にとどめを指そうと、自派の言い分が正しく、相手側には正当性がないという主張を、マスコミを味方につけ、世間にアピールしようとしたという背景がある。

 距離をおいて報道すべき立場のマスコミが、本来とるべき姿勢をとっていれば、これほどの騒ぎになっていなかったであろう。

 しかし、「貧すれば貪する」の諺どおり、マスコミは社会正義より自分たちの利益を優先させた。

 長期継続して追うことの出来るネタがなくて困っていたマスコミは、今が旬の和泉元彌ネタならば、読者や視聴者が飛びつくと判断した。

 権力は常に肥大し腐敗する傾向にあるので、それを常に監視し、大衆に警鐘を鳴らすというマスコミ本来の務めを忘れ、全く弱い立場の和泉元彌という芸人を監視し、徹底的に追求するというわけのわからないことをしているのである。

 「弱きを助け、強きをくじく、正義の味方」というより「強きを助け、弱きをくじく、イジメっ子」になり下がっているのが、今のマスコミである。

 そうした結果の大騒動であって、問題そのものが大きかったわけではない。

  

 騒動には大きく分けて和泉家宗家襲名騒動と、Wブッキング・遅刻騒動という二つの問題がある。

 前者は、和泉元彌が大河ドラマ等で注目され、売れる気配を見せ始めたために、これまで、元彌の宗家襲名を認めていなかった職分会が、「あの若造(元彌)が、売れるなんてくやしい。このままでは、元彌が、和泉家宗家であると世間に認知されてしまう。そんなことは許せない」とばかりに、元彌が宗家を継ぐことを我々職分会は認めていないという話をリークし、それにマスコミが飛びつき、後者の騒動を大義名分にして、報道の体をなしてはいるが、反和泉家側からの、和泉家つぶしの片棒を担ぐマスコミによる元彌潰しであり、弱い者イジメが実体である。

 

  (文中敬称略)

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