全国から寄せられたご意見、ご感想(18)

調剤薬局のおかげで在宅での高カロリー輸液が可能になったとのこと。松田寛之さんからのメールで初めて知りました。画期的なことです。今までこのような治療は入院でしかできませんでした。多くの患者さんが自宅に帰ることができるようになり、とても感謝されているとのこと。これがもっと普及すれば薬剤師の活躍の場がもっと広がり、調剤薬局の存在価値が飛躍的に高まるでしょう。
医薬分業の新しいメリットの一つになりますので、いま校正中の私の本にこのことを紹介したいと思いましたが・・・・、すでに「ゲラ刷り」の段階に入っており、大幅な変更は無理とのこと。残念です。何か他の方法でアピールできないか考えてみます。(2000/1/18)



1)院外処方せんのメリットがこんな所にも・・・

松田寛之(薬剤師)


いつもHPを拝見しております。充実した内容と活気ある意見交換が大変印象深く感じております。遅れましたが、私は調剤薬局に勤める薬剤師で松田寛之と申します。

私の勤める薬局はある企業が開設する薬局です。保険調剤が主で、特に注射薬を扱うための無菌室を設置し、毎月多くの高カロリー輸液を無菌的に調剤しています。生まれたばかりの赤ちゃんから、いわゆるターミナルの方まで年齢層は幅広く、塩酸モルヒネ注などによる持続注入の処方箋も日常的に行っています。

日々業務を行って実感することは、院外処方箋のメリット、デメリットはそれぞれご意見があるようですが、少なくとも私が関わっている患者さんは、院外処方箋がなければ入院するしかないと言うことです。在宅治療(療養)が可能かいなかはもちろん医師が病状によって判断する領域ですが、医師の判断があれば院外処方箋が発行され、私の出番!となるわけです。「私の子(赤ちゃん)は、初めて家に帰ってきちゃんです!」と泣いて喜んでくれたお母さんや「高校・大学に合格しました」という子供たち、「お蔭様で働きに出られるようになりました」と言うお父さん、「家で最期を看取れて良かった!」と言っていたご家族の方など、全ては院外処方箋に基づくHPNの調剤がなくてはならないものでした。

注射薬のみならず、先日私は「リスモダンRによるものと思われる排尿障害」を処方医に報告し、その結果医師の処方変更により解決したという患者さんもおられます。この患者さんは分業のデメリットと言われる「二度手間」を「素晴らしいサービス」と言ってくださいました。

私の薬局はいわゆる門前薬局ではありません。(近隣に病院があるのですが、分業開始の少し前に隣に薬局がオープンしてしまいました)サービス内容で勝負しなければ処方箋が集まらないのです。笑顔で接し、薬の説明や患者さんのご希望を聞き出してできる限り時間を取っています。いかに満足してもらうか、それしかないと思っています。

分業のデメリットを強調される方が多く見られ、その内容は大変勉強になりました。しかし、医療サービスを提供する側の意見もそうですが、サービスを受ける側の意見も重要で、その意味でも適正な競争なく存続できうる薬局の存在こそが、分業のメリットを分かりにくくしているのではないでしょうか。私は、「分業にメリットがない」と断言されている方へもっと広い観点から考えていただきたく、私の経験から意見を述べさせていただきました。

吉田先生、医薬分業や訪問看護など医師側から見れば「外注」のように写るサービスが充実してきていますね。いろいろな問題を抱えているようですが、全体として「患者さんがサービスを選べる」と言う点で良い方向に進んでいるのではないでしょうか。今後共、HPを見て考えさせていただきます。長くなりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。


返信
吉田均

松田寛之さん、メールありがとうございます。

薬局のお陰で在宅治療が可能となり、患者さんから喜ばれているとのこと。医薬分業のメリットがここにもあったのですね。お教えいただきありがとうございました。とても貴重なメールですので、もしよろしければHPに掲載させてください。できればもっと詳しく教えてください。高カロリー輸液の患者さんは毎月何名ほどになるのでしょうか?さらに、病気の種類は?年齢は?どんな薬を?点滴を実際にするのは家族ですか?ドクターですか?看護婦ですか?よろしくお願いします。


その又返信
松田寛之(薬剤師)


ご返事を頂戴しまして、ありがとうございました!HPへの掲載についてはその価値があると言うことでしたら喜んでお受けさせていただきます。

早速ですが、いくつかご質問・ご依頼がありましたので順次答えさせていただきます。

1)病気の種類について高カロリー輸液(TPN;IVHとも言う)は、ご承知のとおり、経口的に十分に栄養摂取できないあらゆる病状の方が対象になります。ただし、腸管機能が多少でも期待できる場合には経腸(管)栄養法のほうが優先されるようです。私が実際にTPNでお付き合いしている患者さんの病状としては次の様なものがあります。例を挙げますと・・先天的腸管機能障害(原因は不明)、短腸症候群(先天的なもの、腸管切除理由には悪性腫瘍切除、乳児の腸ねん転などによる腸管の壊死、交通事故によるもの、珍しい例では帝王切開術のミスにより腸管が腐り、切除した人もいました←訴訟を起こし勝訴されました)、広範囲に及ぶ原因不明の小腸・大腸の炎症、クローン病、腸管狭窄(原因は不明)、精神的な病気による食事拒否、栄養吸収不良、いわゆるターミナル期の人、脳卒中などによる食事摂取不能な人、これも特殊な例かもしれませんが、MRSA感染が原因(もしくはこの事に悩み)自殺志願の若い女性がいて腸管自体は内視鏡検査上は問題ないのにも拘わらず一切食事できず、無理して食事しても嘔吐してしまう人います。この女性もTPNを行っています。

2)患者数について私の店舗のみで、ターミナルの方は短い期間で終わるケースも少なくないので患者さんが入れ替わり立ち代わりしていますが、常時約100〜130人です。在宅医療ですので、5月の連休や正月前は一時退院のケースが増えますのでもう少し多いと思います。

3)年齢について0歳から90歳台まで

4)薬について実際の処方箋をご覧ください

MKさん(平成5年生まれ:男性)

@50%ブドウ糖液250mL/アミパレン120mL/注射用水800mL/カルチコール8mL/コンクライトNa28mL/コンクライトMg4mL/コンクライトP6mL/KCl(2モル液)6mL以上一日分を14日分

Aソービタ1/2A(火・木・土・日に使用)8日分

Bエレメンミック3/4A(月・水・金に使用)6日分

C輸液バッグ14個

Dチャンバーセット(CPC−11FCYN)14個

Eシリンジ(5mL、22G針付き)8本

Fシリンジ(10mL、22G針付き)14本

Gノボ・ヘパリン(5000単位)+生理食塩水(50mL);薬局で混合したもの2組

Hイントラファット(10%200mL)7本

I輸液セット(TS−A400CK)7個

AYさん(平成8年生まれ:女性)

@アリメール3号600mL/プレアミンP300mL/カルチコール10mL/エレメンミック1mL以上一日分を28日分

Aソービタ1A28日分

B輸液バッグ28個

Cイントラリピッド(10%100mL)8本

Dチャンバーセット(CPC−301FCY)28個/アイセット(IT−30Y)36個/インジェクションプラグ(IP−2)2個/輸液セット(TS−A200LK)8個/チャンバーセット(CPC−300C)8個

Eシリンジ(2.5mL、23G針付き)28本/シリンジ(5mL、22G針付き)28本/シリンジ(10mL、22G針付き)36本

Fノボ・ヘパリン(5000単位)+生理食塩水(50mL);薬局で混合したもの5組

G内服薬;(省略)

MHさん(昭和19年生まれ:男性)

@70%ブドウ糖液500mL/キドミン600mL/エレメンミック2mL/コンクライトP20mL/KCLl(1モル液)20mL/10%NaCl50mL/コンクライトMg5mL以上一日分を14日分

Aソービタ1A14日分

B輸液バッグ14個

Cコアレスニードルセット(22G3/4−450)5個

Dチャンバーセット(CPC−301FCYN)14個/インジェクションプラグ(IP−2)5個

Eシリンジ(10mL、22G針付き)45本

Fノボ・ヘパリン(5000単位)+生理食塩水(50mL);薬局で混合したもの5組


5)点滴の手技について幼児や老人の場合母親や家人が多いですが、中学生以降の方の場合本人が行う場合も珍しくありません。いきなり出来るわけありませんので入院中に看護婦さん等から指導を受けて退院されてきます。一度きりの指導で上手く出来ない場合や何らかのトラブルに対処できない場合もありますので、薬剤師の訪問指導(訪問加算を算定できるのは患者さんに寝たきりなどの制限がありますが、私見ですが、このような「規制」は内服薬の訪問指導を想定したもので注射薬の訪問指導の場合は除外していただけないものかと感じています)や訪問看護婦さんと連携を取って継続的な指導を行っています。最近は往診医も増えてきました。

視点を変えて、法的なことに関して言えば、自己注射ができる薬剤は「厚生大臣が定める注射薬」として明確に規定されています。病院で扱える注射薬がすべて薬局で扱えるわけではありません。「厚生大臣が定める注射薬」の代表選手はインスリンでしょう。もちろん高カロリー輸液も自己注射が認められています。他に抗悪性腫瘍剤、レペタン注、成長ホルモン製剤などがあります。シリンジや輸液セットなどの高カロリー輸液を行うために必要なルート類は「特定医療材料」として院外処方箋に記載できることになっています。

話がそれましたが、細かい手技・操作が出来ない家庭環境であれば、往診医や訪問看護婦さんの訪問が週に2、3回ある場合もあり、輸液セットなどの交換などはその時に行うことも可能で、ターミナルの場合は多くの場合、このパターンです。

 大変長くなって恐縮ですが、TPNを在宅で行うことの意義は、1人目と2人目の子供さんの例を見ていただければ分かるように、家で栄養摂取できる手段がなければ入院するしかない子供たちが最も分かりやすい例だと思います。児童〜学生〜就労年齢層も例には挙げませんでしたが、本当に大変喜んでいただいています。夜間のみ点滴を行い、昼間は学校でサッカー部で頑張っている子供や剣道部にいる子、水泳部さえいます。看護学校に通って無事看護婦になった女の子もいます。このような声の一つ一つが私の喜びで、やりがいです。本当に嬉しいものなんですよ!栄養摂取の部分さえサポートできれば何ら変わりありません。そのように思われませんか?皆その子らしく生きていける!

ターミナルの場合は本人の意思と家族の意思が必ずしも一致しないこともあり、医学的見地からも賛否両論があるようですが、サービスを受ける側の立場も複雑な事もあります。でも感謝していただいた例が本当に多いのがこのターミナルの人です。特に疼痛管理のサポートは薬剤師になって良かった!と感じた出会いがたくさんあります。一人一人のために何が出来るか、どのように満足してもらうか!このことを考えながらこれからも仕事をしていきたいです。本当に長くなってしまいました。お役に立つ部分があれば幸いです。


<追伸>

私が関わっている病院の医師から次の様な言葉を聞くことがあります。それも何人かの先生から。

  1. 病院の薬剤部では無菌調剤を積極的にしてくれない。またはその設備がない。
  2. 院内感染がある。
  3. 院内で使用する注射薬もオタクに頼めたら安全で便利なのに・・・
  4. 退院時処方にIVHを持ち帰らせたくない。出来るだけ早く院外処方箋から調剤したものを使って欲しい。
  5. 院内採用品にこだわらずに、患者さんに合った薬剤、医療材料を使いたい。
  6. (これは極端な例ですが)私どものお世話している患者さんが入院されて言いました。「早く家で安全な薬を使いたい。」看護婦さんが詰め所でIVHを調整していることを知り、そのように言ったそうです。(医師から聞きました)

これらの先生の気持ちは非常に純粋なものと思います。


調剤薬局にクリーンルーム を設置しても使う頻度が限られていますし、それだけに設備投資が難しいと思います(無論、これは医療を提供する側の理論に過ぎませんが)。一方、せっかく病院にクリーンルームが設置されていてもそこの薬剤師が非協力的であったり(無菌調剤って面倒が多いですから)、注射薬の「一本渡し」とやらで満足していたりで、上手く行きませんね。調剤薬局から病院へ無菌的な注射薬を提供できる合法的な道が合っても良いのにと思う事はあります。もちろん日本中の話ですから、私の薬局だけでは当然対応不可能です。需要があれば調剤薬局にクリーンルームがもっと設置されるのでは・・・と、夢みたいなことを考える事があります。まあ、それは夢物語ですが、もし無菌調剤をはじめたい薬局さんがあれば、私で間に合うのでしたら、どこへでもでかけるつもりなのです。

HPの「日本医事新報」のところを見てこのような事を思いました。純粋に、公平に院外処方箋のメリットを評価してくださる人もいるのですが・・・。(2000/2/26)


2)すぐに実践でき役に立てるようなことを学びたい・・・


古屋綾子(薬学生、北陸大学、金沢市)


始めまして。私は金沢に住む、薬科大の1年の古屋綾子(フルヤアヤコ)といいます。先生のHPは、これまで何度か拝見させていただいていました。1年の私にしてはその内容を理解するのに莫大な時間がかかるのではないか…と思っていたのですが、服薬ケア研究所の岡村さんとメールをやり取りしたり、その方の講演を聞きにいったりして、ようやく最近になって先生のHPに書かれてあることを理解できるようになってきました。

もしも私が岡村さんのHPを見なくて、岡村さんと知り合っていなければ、つくばに講演を聴きに行くことはなかったかもしれないし、医療現場における薬剤師についてだって、こんなに勉強したいと思わなかった(そこまで思えなかった)のかもしれません。今になって私にPCをいじらせてくれた父親に感謝・・・です(笑)。確かに大学では、あれくらいに説得力があって話の内容をわかりやすく解説してぜんぜん飽きさせないお話をされる講師はいないし、第一ああいう内容を聞いたことがない(t_t;)。ほんと『おもろない』講義を聞いているだけです。高いお金を払って通っているんだから、それくらいに興味が持てる講座の一つや2つあっていいのにと思いますがー・

というのも、大学の講義は物理とか統計学とか、まるで高校の延長のような講義がやたらに多いのです。もちろんそれが将来に役に立たなくはないって事は十分に分かっています。でも、私が今大学にいる間に(社会に出て薬剤師としての責任を負う前に)学びたいことというのは、そういうベンキョウに重点を置いたのではなくて、むしろ“薬剤師の現状から見た将来求められる薬剤師”とか、それこそPOSやSOAPの書き方など、すぐに実践でき役に立てるようなことを学びたいのです。

ところで先生、日本全国で医薬分業が盛んな地域とそうでない発展途上の地域とに大きくわかれたのってなぜなんでしょう・・・。ここ石川県はワースト1ですよね?そう言えば私は大阪出身なんですが(大阪といっても京都に近い田舎クサいとこです^^;)地元に比べて町の中に調剤薬局がとても少ないなーって、金沢に最初にきたころに思いました。将来調剤薬局に勤めたい私にとっては最悪な条件やなーって思いましたが、先生がおっしゃったように、これから良質な調剤薬局ができる可能性をいっぱい持っているわけですよね。そうとなるとヤル気万々になります(笑)。 4年間というとても短い間に、学外でどれだけ勉強できるか、私は期待に胸を膨らましています。自分の可能性も同時に計ることができるし・・・。『まだまだ私にはやるべき事があって、それを吸収することはできるはず・・・』みたいに。

こんな状況下でも、私がやりたいことができなくなったわけではないので、全国各地を飛び回ってでも精一杯勉強して行きたい!って思います。これからも先生のHPをみてたくさん勉強させていただくつもりです!自分の将来は自分の手に委ねられていることですしね・・・。それでは・・・(2000/2/9) 


3)お薬手帳は機械での記帳も可能なものに

後藤春河 (病院薬剤師、埼玉県)

私は、埼玉社会保険病院で、二十年近く薬剤師をしている者です。

薬剤情報提供の方法として病医院や薬局ではプリントを渡しているところが多いと思います。まめな患者さんならそれをファイルにつづって保管していると思いますが、そうでない方のほうが多いのではないでしょうか。一度読んだらそれっきり・・・あるいは、一度も読まないなどなど。

そこで提案ですが、厚生省か日本薬剤師会主導で全国統一のお薬手帳をつくり、銀行の預金通帳のように機械での記帳も可能なものに工夫してはどうでしょうか。もちろん、それには新しいコンピューターソフトと手帳用プリンター(廉価な)の開発が必要ですが・・・・。そうすれば、忙しい病院や薬局で人手が足りなくてペンでの記帳が出来ない場合などにとても便利ですし、読みやすいと思います。また、薬の詳細な説明文は筆記では時間がかかりとても無理ですが、プリンターなら早くて便利です。お薬手帳は光カードと違い患者さん自身が自分の薬歴も見ることができ、薬に対する認識(薬識)が深まり薬の自己管理にもつながります。副作用かな?と思ったときお薬手帳ですぐ調べることが出来、早期発見につながると思います。(2000/2/23)


お薬手帳は、日本薬剤師会が発行しているものを利用・・・・
田舎の薬剤師


今回(4/1)の診療報酬改定でお薬手帳による薬剤情報の提供に点数がつきました。お薬手帳は、日本薬剤師会が発行しているものを利用しているところが全国的にも多いと思います。各都道府県(市町村)の薬剤師会で独自に作られているところもあるようですが、内容的にはそう変わりはないと思います。又、印字については、直接は出来ませんが、シールに印字してはったり、紙に印字してのりではったりしていると思います。(当社はのりで貼るタイプです)手帳に直接印字するのはまだまだ無理でしょう。(2000/6/6)


開発されましたね。
後藤春河 (病院薬剤師、埼玉県)


調剤と情報 2000年7月号の6ページに、日薬版お薬手帳直接印字プリンターが、総合経理研究所 http://www.gai.co.jp/ から出ると広告が載ってました。「お薬手帳くん」といって、コンパクトサイズで操作は簡単だとか。


4)薬科大学は臨床系の教育をすることはできません。

"Hiroyuki"(会社員、薬学部出身)


当方、薬学系の大学院を出て会社員をしています。薬剤師資格はありますが薬剤師ではありません。薬剤師として働いたこともあります。学部卒業から4年ばかり経っています。 超大作のウェブページを拝見しました。著書はまだ読んでいませんので、以下の議論がすでにあったのなら、お教え願います。ご多忙だと思いますので、返事は必ずしも必要ありません。

以下の事情についてはどうお考えでしょうか。

  1. 薬剤師といっても、知識の範囲と量は千差万別で、一つの職種として扱えません。薬学教育基準が機能していないからです。指導教授に聞いたところでは、内容が古臭くて、誰も守らないそうです。かといって、臨床を中心とする内容にリニューアルされても、教えられる人間がいないので、やっぱり守る気はないそうです。科目名はともかく、講義内容までは文部省もチェックできません。
  2. 薬科大学は、1ヶ月以上の長期実習を行うことができません。実習場所にくらべて、定員が多すぎるからです。薬剤師需要にくらべても多すぎるでしょう。就職状況からしますと、定員は必要量の3倍以上あります。教育の充実には、定員削減が急務なのですが、医学部定員を減らすのに厚生省が苦労しているように(笑)、これはとても困難です。GHQなみの権力者がいれば別ですが。
  3.  薬学部教授は、実験講座をとりしきる実験科学者ですので、薬科大学は臨床系の教育をすることはできません。学外の客員講師を使って形ばかりの臨床系の講義をすることは可能ですが、常任教員の講義を減らせば、彼らの職が危うくなります。 臨床系の講座を作ろうにも、大学病院は医学部が管理していますから、薬学部が入っていくことはできません。医学部の講座として、薬剤疫学講座が作られている例はありますが、イレギュラーであり、それが主流になることはないでしょう。
  4. 常任の薬科大学教員に、薬剤師が一人もいないという状況を見る限り、「終わっている」としか私には感じられません。美容師の専門学校に美容師が一人もいない、というような状況が許されるでしょうか?薬科大学は許されるのです。 薬学部教授は、臨床薬理に詳しくないだけではありません。そもそも、薬理の知識があるのは、薬科大学教員のうちで、薬理学講座の教員だけです。製剤学も製剤学講座の教授しか知りません。また、これらは医薬品の開発に関係した学問で、医薬品の使用には無関係ですから、薬科大学の教員で薬物の専門家と言える人間は、一人もいません。 講座名や講義科目名が「薬品」とついているだけで、実際は医薬品とは無関係の講義や実験をやっているのが薬科大学です。

以上の理由により、薬剤師教育が改善される見込みはないと考えられます。薬剤師教育が改善されなければ、現場の薬剤師がいかに努力したところで、全体として薬剤師の地位が向上することはありません。医療業界ほど学歴主義の横行するところはありませんので・・。(2000/5/1)


臨床系の常任教員がいないと言うこと話には疑問を・・・
田舎の薬剤師


Hiroyukiさんは、どちらの大学の出身なんでしょう?まず、薬学部には臨床系の常任教員がいないと言うこと話には疑問を感じます。私の母校は、数年前から某国立大学病院で臨床に携わっていた 薬剤師が助教授としていますし、去年からはやはり某国立大学医学部で助教授として臨床に携わっていた医師が教授として着任しています。たしかに、私が学生の頃は、いなかったかもしれません。薬剤師の免許を持っていても使っていない方が多かったかもしれませんが、薬剤の教室の先生達は、国立の薬剤部で働いた経験があったように思いますし、奥様が開局しる先生、奥様が病院へ勤めている先生、又、ご実家が開局している先生がいらっしゃったと記憶しています。母校は、全国的に見てもまれなのかもしれませんし、現状の体制は始まったばかりなのかもしれませんがそういう取り組みをしているところもあるのです。

また、母校は4年時に4週間の病院実習(必修)を行っています。(私たちのころは、希望者が4年夏休みに2週間。全員が4年後期に数日の病院実習を行っていました)現在、春・夏・冬休みの病院実習は早期実習と言って、3年生以下の希望者の実習となっているようです。受講するほとんどの学生が1年生。病院だけではなく、調剤薬局、一般薬局の実習も受けられるそうです。1年生で薬剤師という仕事に触れることで、薬剤師像というものが多少なりとも見えてきて、元々企業にすすむ者より病院や薬局へすすむ者が多い大学でしたが、以前に増して企業にすすむ者が減ってきている傾向にあるようです。

聞きかじりなので間違いもあるかもしれませんが・・・ちなみに母校は単科大学です。私も薬学教育には改善が必要だと感じていますが、改善の努力 を惜しんでいない私立大学はいくつかあるように思います。早く6年制になって、薬学も医学のように専門性(例:小児薬学科、小児に使われるクスリのスペシャリストがいる)を持つべきだと感じます。(2000/6/6)


「薬剤師は臨床を学べない」との意見には違和感を・・・・
松田寛之(薬剤師)


私は大学教育の諸事情について明るくないのですが、調剤薬局に勤めるものの立場から意見を述べさせて頂きます。

hiroyukiさんが指摘されている一つ一つは恐らく正しいのでしょうが、だからと言って「薬剤師は臨床を学べない」との意見には違和感を感じます。もしそれが正しかったとしても、「現場の薬剤師がいかに努力したところで全体としての<薬剤師の地位>が向上するとは思えません」と言う意見までは賛成しかねるのです。

現に薬を飲む人は、処方箋の院外・院内を問わず、いらっしゃるのですから、薬剤師としての職能を利用者にいかに享受してもらうか、そのために何をすべきか、と言うことに重点を置く考え方の方が本当のように思います。(昨今、まさにこの点が問われていると感じます)

私自身のことに関して言えば、 自分の力不足をいつまでも「大学の教育システム」のセイにはできませんし、したくありません。自分自身の力不足を感じたなら、その原因を細かく分析することよりも、その力不足をいかに補うかと言う方向で努力したいと思います。多くの薬剤師が、諸先輩方がその様に努力されていることを、私は素直に見習いたく思います。

hiroyukiさんが「薬剤師の臨床の必要性」を強調されていた点は納得させられましたが、その「臨床」と「薬剤師の地位」は分けて考えた方が簡単のように感じます。同じようにhiroyukiさんが結論として書かれていた「医療業界ほど<学歴主義>の横行するところはありません」との言葉も同様に「臨床」と一緒に考えない方が良いかと思います。

私の目の前にいる患者さんにとって、薬剤師の<地位>や私の<学歴>がどれほど重要なのでしょうか。服薬指導を受けている患者さんにとって、何が重要なのでしょうか。そのことを考えることも立派な「臨床」かも知れません。私は日々患者さんと接する中、その様に感じます。

確かに、臨床を学べる環境作りと言う点については従来の薬学教育には欠落していたのでしょう。しかし、私の出身大学ではありませんが、調剤薬局を設置するなど臨床にも注力している薬科大学もあります。薬学を目指す受験生の目がそういう点にも向けられていけばいいのに、と思います。(2000/6/12)


私の卒業した大学では、希望者には半年間の実習が・・・・・
転職薬剤師

薬剤師は、医師とは違い、いろいろな方面での活動ができます。医師は、ほとんどの卒業生が臨床医になります。しかし、薬剤師は、製薬会社の研究者、医薬情報担当者、町の薬局薬剤師、病院薬剤師、保健所の職員など多岐にわたります。したがって、1つの職種として扱えないと言われるのはもっともです。なにも困ることはありません。いろいろツブシがききますので、薬学部は魅力的な学部だと思います。

薬学教育基準が機能していないことについても、だからどうしたの?というところです。指導教授が、「内容が古臭くて、誰も守らない。」とのことですが、時代にマッチしていない内容を守るほうがおかしいと思います。時代のニーズに合うように内容を変えて講義をしてもらう方が学生にとってはプラスになります。臨床を教えられる人間がいないとのこと、確かに、少ないと思いますが、いないことはないはずです。これからももっと増員される分野だと思います。講義内容のチェックですが、文部省が細かく指導するよりも各大学で特色のある内容にした方が、おもしろいく教授もやりがいがあると思います。

薬科大学は、1ヶ月以上の長期実習を行うことができないとのことですが、私の卒業した大学では、希望者には半年間の実習が行なわれていましたが・・・?(平成2年卒です)たまたま、その大学では長期実習がなかっただけではないでしょうか?実習場所は、たくさんあると思いますが・・・、県の薬剤師会に問い合せれば、学生実習の受け入れ先を教えていただけるはずです。教育の充実には、少人数クラスにすることはごもっともな考え方です。しかし、定員は、各大学で決めることであり、厚生省が減らそうとするのもどうかと思います。厚生省としては、薬剤師が多い程、薬剤師不足が解消されていいように思います。また、薬剤師が多い程、薬害は減ると思います。

薬剤師教育が改善される見込みは、大学の諸事情があり、すぐには変わりませんが、平成11年5月より、薬剤師養成問題懇談会が、日本薬剤師会、日本病院薬剤師会、厚生省、文部省、国立大学薬学部、私立大学薬学部の六者で、薬剤師教育充実のために薬学部の6年生についての検討が始まっています。したがって、薬剤師教育が6年生になれば、現在の4年よりはレベルアップするはずです。そうなれば、薬剤師の地位向上も期待できます。

医療業界での学歴主義についてですが、少なくとも、薬局では、学歴主義はありません。東大を出ていても、地方の私立大学でも、薬剤師は薬剤師です。いかに薬剤師としての知識と経験があるかです。(2000/6/14)

5)私はあえて、門前薬局をやっております。


薬剤師、大手調剤薬局チェーン、取締役


吉田様のホームページをはじめて拝見させていただき、医薬分業へのご尽力、医療に対するご姿勢に、敬服いたす思いです。私は、いわゆる大手調剤薬局チェーンの取締役をしている薬剤師です。

確かにこれまでの「門前薬局」は、ご指摘のとおりだと思います。 特に、マンツーマンの調剤薬局には、ご指摘のような問題点が多々見られます。しかし私はあえて、門前薬局をやっております。ご指摘いただいている問題点を、ひとつひとつ解消することを、目指しています。門前にあるから、患者様がいらしてくださるのではなく、私どもの薬局が他の薬局より、満足いただける薬局として、患者様に選んでいただけることを望んでおります。門前薬局は、オープンしたときが、もっとも患者様のご来局が多く、やがて減っていくというのが一般的です。当薬局においては、オープン時より数年たった時点のほうがご来局者数も、お持ちいただける医療機関の処方箋数も、はるかに増えて降ります。まだまだ微力ですが、患者様のご指示が得られたのではないかと思います。

私どもの最も大切にするものは、カスタマーサティスファクション(CS)です。けして、みなさまのご意見に、異を唱えるものではありませんが、門前という立地で一区切りにされてしまいたくないと思い、メールをいたしました。もしご不愉快のメールでしたらお許しください。

さて、なぜ私があえて門前薬局をやっているのか、すこしお話したいです。

「医薬分業」は、その是非を問うことではなく、医療に必要不可欠な制度であることは医療の歴史からも明らかなことです。ただし、もっとも大切なことは、医薬分業は「患者様のためにある制度」だということです。ところが、「日本の医薬分業」は、エンドユーザーである「患者様」を不在にしたまま、それ以外の人たちによって、議論し、進められてきました。その結果、患者様からみたとき、医薬分業の制度そのものが極めて不自然で、ゆがんだ形になってしまいました。

 「それ以外の人たち」とは、けして政治家や厚生省の役人だけでは、ありません。患者様に直接、接している医師や私たち薬剤師も含まれています。立場の違いはあれ、私たちも、自分の「既得権」や「利権」を絶対に手放さないことを条件として、この医薬分業制度を進めています。私たちが「既得権」や「利権」を手放さなかったということは、「誰か」にデメリットを負わせたということです。患者様にとって真にメリットがあれば、水が上から下へ流れるように医薬分業は患者様を主役として、ごく自然に進んでいったはずです。

薬局の場所が、院内であれ、門前であれ、駅前であれ、商店街であれ、患者様は、自分にとって、真にメリットがあるところへ処方箋を持っていかれます。どこで処方調剤をうけるか、決定する権利を持っているのは、唯一 患者様だけなのです。私たちは、患者様に「情報を提供する義務」をおっているだけです。「選択の権利」はあくまで、患者様にあります。医療の主権は、患者様にあるのです。

他の職種ではあたりまえの、この基本的なことが、私たち「医療業界の人間」は、全く理解していません。 院内薬局と院外薬局の基本料の格差や、集中率による基本料の格差は、ほんとうに患者様のためなのでしょうか。患者様主権の医薬分業を進めるためには、医療業界にある「既得権」を、まず私たちが、放棄するところから始まるのではないでしょうか。医薬分業の最も川上の立場からそれを行っていく必要があるでしょう。

処方箋を「成分名記載」にすること。これが医薬分業の第一条件です。 これがなされなければ、本当の医薬分業のメリットを患者様に提供することは、できません。そして処方箋を受けた薬剤師は、患者様に質の高い情報を提供し、薬品(商品)の選択を患者様にゆだねるべきです。質の高い情報が提供され(信頼)、便利な立地にあり(利便性)、そして料金が適正(経済的)な薬局を患者様は、必ず選択してくれます。

私は、門前薬局のすべてが、正しいとは全く思っておりません。(ほとんどの門前薬局は第二薬局とかわりがないでしょう。)しかし、患者様の立場にたった「信頼と利便性、経済性」の全てをそなえた医療機関としての薬局と「常に患者様の立場にたって考えられる薬剤師」を育てるために、現行の制度下において、私は門前薬局の経営へ参画することを選択いたしました。院内か、院外か、門前か、自宅のそばか、それは私たちが議論することではありません。患者様が、最もメリットある選択をしていただけるような環境作りこそ、私たちがなすべき仕事ではないでしょうか。私は、門前薬局でその努力を続けています。もし、言い過ぎのところがありましたらご容赦ください。

吉田様の今後のご健闘をご期待申し上げます。(2000/5/26)



6)患者さんも色々なことに気づき始め・・・


情けない薬剤師(愛知県)


吉田先生、こんばんは。「そのクスリを飲む前に」読ませていただきました。 私は愛知県の某市にある、医療法人病院に勤務している薬剤師です。先生の医療に対する考え方は、Niftyで、存じ上げておりましたが、この度御著書を拝読しさらに先生の医療に対する考え方、本当に患者さんのことを考えて取り組んでおられる事がとてもよく表現されており大変に共感いたしました。

私の勤務する病院は、いわゆる、総合病院的な病院ですが、まだ分業はしておりません。そのためにかなりの枚数の処方箋を調剤?しております。オーダリングシステムも導入されておらず、外来患者さんの薬歴管理も出来ません。複数科を受診されたときも、処方箋が同時にくればチェック出来ますが、別々にくればお手上げの状態です。外来患者さんに対する「薬剤情報提供」も一応形だけ、この様な状況では良くないことを分かっていながら何も出来ないでいる、情けない薬剤師の一人です。

でも最近患者さんからの薬に対する質問が多くなってきたような気がします。そんな時はどんなに忙しくても、私なりの誠意を持って答えるようにしております。質問が多くなったのは、マスコミのお陰でしょう。患者さんも色々なことに気づき始めていると思います。

国は経済的な締め付けをもって(今のところ病院に対してはムチ、薬局に対してはアメの様ですが)分業を勧めようとしています、これでは国民の理解は得られないでしょう。 そのためでしょうか、病院が分業しようとしても、調剤を任せられる薬局がない、どうしても核となる門前薬局の必要となるようです。その様な薬局を開局した知り合いが何人かいます。

先生の著書がより多くの人に読まれ、自分たちに本当に良いシステムはどちらだということを多くの人が気づくことを願います。 一つ残念なことは、先生の著書の中で病院勤務の薬剤師が存在していない。私たちの中にも何とかしようとしている、仲間がいます。

愛知県私立病院薬剤師会

名前は私立病院となっていますが色々立場の人の集まりです。強制されることも無く、業務を終えて集まって活動しています。宜しければ、一度のぞいてみてください。

何も出来ないでいる一薬剤師が、偉そうなことを言ってすいません。愚痴を交えたような長文に成ってしまった事もお詫び申し上げます。 今後も、先生の益々の御活躍をお祈りいたします。(2000/5/26)


7)「薬歴の充実」というスローガンを作り・・・

松田寛之(薬剤師)


HPの益々の充実ぶり、大変楽しみにしています。

私の薬局でも「薬歴の充実」というスローガンを作り、皆で奮闘しています。嬉しかったことは、言い出したのが私ではなくある信頼している女性薬剤師が率先してやってくれたことでした。彼女がある日、貼り紙を作ったと言うので見てみると「薬歴の充実!患者さんとのコミュニケーション」という大きな文字が踊っていました。私も早速便乗し、6項目シールという3×4cmのシールを用意し、薬歴に添付するようにしました。6項目の中には、「体調の変化」や「副作用」、「相互作用(飲みあわせ)」、「食べあわせ」などの項目があり、各自服薬指導時に必ずチェックすることにしています。「薬歴の充実」をキーワードに薬の作用、副作用、相互作用、患者さんとのコミュニケーションなどを学んでいければ、と思っています。

先日もずっと利用頂いている高血圧の患者さんが「朝リンゴを1個食べる様にしてから10mmHg血圧が下がった」と言うので、「リンゴにカリウムが豊富に含まれていること」、「ナトリウムのとり過ぎが高血圧に良くないことは広く知られているが、ナトリウムとカリウムのバランスが影響すること」(カリウムの摂取が高血圧に良い影響があること)、「他にバナナ、メロン、野菜もカリウムが豊富であること。ただし果実はカロリーオーバーに気をつけること」などを説明しました。彼はクスリこそ飲んでいないけれども、糖尿気味と言われているらしく、「それなら、リンゴをやめようか」と言うので、「朝に食べているのですから問題ないですよ。ネル前は量を気をつけて下さい」といいました。

次に来られた時に「カリウムの多く含まれる食材の表」を提供しました。食事が大きく血圧に影響することを実感した彼は大変大事そうに持ちかえられました。そして韓国人である彼は面白いことを教えてくれました。「朝のリンゴは金、昼のリンゴは銀、夜のリンゴは銅と言いますが本当ですね」(彼曰く、韓国の格言らしいのですが詳しくは私には分かりません)  (2000/6/12)


8)気軽にお話できるのは薬局の薬剤師さんだと・・

田嶋 夕子(医療業界に勤務、東京都)


先生のHPを拝見しました。初めてメールいたします。私自身は医師でも、薬剤師でもございませんが、医療業界(製薬業界など)にずっとおりますものですから、医薬分業を含め、今後の医療が抱えるさまざまな問題についても勉強中でございます。

先生のHP、内容もさることながら、クリエイティビティも、ものすごく良く出来ていて、生意気な言葉ですが、感動してしまいました。医療行為の質の向上のためにも、わたくしも医薬分業の普及は欠かせないものであり、分業は薬剤師の質の向上も非常に求められていくと同時に、患者の満足度も上げていけるものでもあると思います。医療情報の開示が進められている昨今、患者さんも治療法や医薬品について、とてもよく勉強されています。ただし、医師に対しての敷居は高く、気軽に相談や質問などはしづらいのが現実です。気軽に安心して、お話できるのはやはり薬局の薬剤師さんだと、、(わたし自身が患者の立場なので)思います。

実は、わたしは今、医療業界の媒体に勤務しておりますが、そういったことに関係なく、先生のHPにただただ感動してしまったので、思わずメールしてしまいました。失礼いたしました。(2000/6/15)