レセコンのセールスマンから“キツーイ”メールが届きました。『薬の説明をする時も副作用などの説明もしてませんし、薬剤情報提供書からも薬の効能効果の説明文以外は出さないようにしてくれと言われます。』 薬剤師は患者さんの味方なの?それとも医者の・・・?副作用の説明がなければ薬剤師の仕事は片手落ち。薬を渡すだけなら分業の意味はありません。副作用の説明が法的に義務づけられてることはお忘れになったのかしら?それに、「副作用は言わないでくれ」との医者からの要求を拒否できないのはなぜでしょうか?これも門前薬局の弊害としか思えません。(11/11/15)
初めまして、私は大阪に住む某レセコン会社に勤務する者です。この度、吉田先生のHPを見ての意見を述べさせて貰います。
私の勤務する会社は医科と調剤向けのレセコンを取り扱っています。その仕事柄、多くのDrや薬剤師と接触する機会があるのですが、恥ずかしながら、医薬分業の真意に理解できたのがつい最近になってからです。それまでは、薬局なんて医師の税金対策とか副業として行っているものだと考えていたからです。その理由としまして、私が学生のころ実家の近くの病院に通院したことがありました。最初、その医院は院内処方だったのですが、いつ頃から院外処方に切り替わりました。しかし、院外処方と言っても門前薬局での処方だったし、近所でそのような噂が流れていたのでずっとそう思ってきてましたし、この会社に入ってからも薬局と病院の関係が繋がっている姿をみて、そんなもんだろうと実感してました。
しかし、とあるユーザー(薬局)にいたときに、そこの薬剤師の顧客との接し方を見て考え方が変わりました。その薬局は近くに医院があるわけでもなく、とある住宅街にあります。それに処方箋枚数もレセプト件数で言えば100枚にも満たない件数です。しかし、少ない分患者とのコミュニケーションが多くとれていました。薬についての説明は勿論のことOTCとの相性やお薬以外の他愛もない世間話とかをして患者とのコミュニケーションを取る姿をみて面分業とはどういう目的で行われるべきなのかと認識しました。
しかし、そういう薬局はホントに珍しく殆どの薬局は機械的に作業して機械的に説明をしてお終いです。仕事柄、門前薬局にも機械を導入しますが、そういう薬局や大型チェーン系列の薬局ほど機械的に接して人間としてのコミュニケーションを取ろうとはしません。みんな患者の立場でなく病院・診療所の立場でしか薬の説明をしません。薬の説明をする時も副作用などの説明もしてませんし、薬剤情報提供書からも薬の効能効果の説明文以外は出さないようにしてくれと言われます。その多くの理由が先生のHPにも載ってますように患者に余計な不安を与えたくない、病院・診療所との話し合いの末の結果と言われます。悲しいですけどこれが事実です。
しかも、それでは患者に対して何の説明もなく今までの院内処方をただ単に外に出しただけだと話しても全く聞き入れてもらえず、それで良いのだと言われます。確かにこの会社で扱っている薬剤情報の文章は薬剤師の方でも難しくきつい表現になっていますが文章の説明文は変えられるように設計してあるので文章表現を変える工夫はできるのですが扱う薬品が多いので嫌がる薬局は多くいます。しかし、それでも指導料は取ろうとするのですから呆れてきます。
結局のところ患者の命よりも金金金、金が全ての人が多すぎます。医療業界だけでなく全ての業界で言える事ですが、営利目的と言う概念を持つ人がいる限り医薬分業と言うのは永遠に出来ないと私は考えております。また、今までの文章はあくまでも私個人の意見であり、レセコン業界の他の方々とは一切関係が無いことを付け加えさせて頂きます。 2)NSAIDsとニューキノロンは痙攣を・・・ 転職薬剤師 今日、ある1枚の処方せんが来ました。処方内容は、肩関節痛もちで、ボルタレン(NSAIDs)を継続して服用されている患者です。そこに、気管支炎になり、スパラ(ニューキノロン)が、追加で処方されました。 NSAIDsとニューキノロンは痙攣を起こす可能性がありますので、併用を避けることになっています(頻度としてごくごく稀でしょうが)。処方医に疑義照会いたしましたところ、「その組合せはいけないの?」との返事でした。私は、ついうっかりスパラを追加処方していたのかと思っていましたが、NSAID sとニューキノロンの併用に問題があることをご存知なかったようです。 ここで、私は、この処方医が、こんなことも知らず勉強不足であると責めるつもりはまったくありません。この医師は、毎日、朝早くから、外来・検査、病棟、僻地への往診など、ほとんど1日中患者と接して地域医療を担っています。ですから、家庭は母子家庭状態です。そんな多忙な医師が、薬の相互作用の勉強までできるはずがないと思います。ですから、併用注意の組合せも知らずに、患者を治療しようと思って薬を処方しても致し方ないと思います。 ここで、薬剤師が関与しなければ、処方通りに投薬されているでしょう。たとえ、処方通り患者が服用しても重大な副作用がでることはごく稀ですが、起こってからでは取り返しがつかないことになります。一生にたった一度であっても重大な副作用を起こさないようにしなければなりません。そのためには、やはり、薬剤師の処方チェックが必要です。そのためにこそ薬剤師がいるのですから。(もちろん、医師の処方がチェックできる薬剤師でないとダメですが・・・。)(11/11/18) 3)「薬剤師1人体制」 ひげの薬剤師 先生、こんばんは。先日、こんなことがありました。 会議にて、私にこんな要求が・・。「夕方からは、薬剤師1人体制でやれ・・」 やはり、経営的な問題のようですが、賞与前のこの時期。まるで「踏み絵を踏まされたような感じ」です。しかし、私は断りました。「薬剤師1人体制」はやっちゃいけないと思います。もし、やるとしてもそれは最後の手段。「1人体制をやらなくてすむ・・」というのが私が今の会社にいる理由のひとつですので、正直言って「参ったなー」って思ってます。「人間はミスをする」「患者サービス第1」「調剤は真剣勝負・人の命に関わる仕事」そんなことを考えてると、1人じゃやりたくないんです。 情けない・・でしょうか。今週、一週間に、私の人生かかってるかも知れません。 頑張ります。全国の「1人薬剤師」のみなさん、ごめんなさい。 ****** その後、会社に言われる通り時間あたりの外来数のデータは取ってますが、どんな結果が出ても、私は「薬剤師1人状態」を拒否します。今日も薬剤師2人状態になってから、患者さんより深刻な相談の電話がありました。そんな時、1人では対応できないのは明白です。会社側は「甘えてる・・」って感じてるんでしょうね。でも、現場のことは現場にしかわからない。患者さんに迷惑をかけるストレス。患者さんを待たせるストレス。現場の人間にしかわからないことと思います。しばらくは戦いますよ。私も、今の会社を愛していますので。 ****** 先日の「1人薬剤師問題」のその後・・を、ご報告します。今日、社長と話をしましたが、一応、先日お話しした「1人薬剤師体制」の件は、白紙に戻す・・という事でした。理由はわかりません。私があまりに頑固なので、一応保留にしたのかも知れません。まあ、理由に関わらず、私の心配事のひとつが消えたことは確かです。「頑張ってやろーっ」って気になってます。会社の命令通り、時間あたりの患者数のデータをとることによって、私もちょっと成長できたかも知れません。それは、心の底から「患者さん、来てくれて有り難う・・」って思えるようになったことです。ちょっとだけ悟れたかも知れません。今日は大変楽しく仕事が出来ました。 4)薬という"もの"を通して、 仁礼久貴(茨城県つくば市、薬剤師 吉田先生 水戸でのご講演ありがとうございました。 大変勇気づけられると同時に、副作用についてもっと勉強せよとのご教示、しかと受け止めました。 ただ、医師にも副作用をしっかり患者さんに対して説明していただきたく思います。というのは、患者さんがインフォームド・チョイスをする前提条件として、その治療に関してリスクとベネフィットの両方がきちんと説明されている必要があるからです。それがなければ、薬局での副作用説明も、難しくなる場合も考えられます。治療に関するインフォームド・コンセントの責任は、医師にあるわけで、薬剤師はその医師-患者関係に対し、独立してかかわることになると思います。 薬剤師は、医師に変わって処方意図を説明できないというのは、仰るとおりだと思います。それを、あーだこーだと推測するよりも、聞いてしまった方がいいと私は考えています。もちろん、患者さんとの間に、聞けるだけの信頼関係が必要なのはいうまでもありません。また、考えられる処方意図を理解していることも必要です。(メルクマニュアルを勉強する理由です。) 「医師からどのような説明を受けていますか」と尋ね、不明確な部分を補強するのことはできます。また、自己決定したあとのサポートもできると思います。「先生には言えなかったんだけど・・・」「先生の前ではああいったけど・・・」といったことは、よくあります。事と次第では、すぐに直接、医師に連絡(疑義照会)しなければならないこともありますが、次回受診のときに、患者さんから直接、医師にお話しできるようサポートして上げることもあります。 副作用の説明も、その人一人一人によって説明の仕方が変わってくると思います。さらに、その説明を聞いたときの反応・感情の動きをしっかりフォローすることが重要だと思います。 過去の歴史のなかで薬剤師は、どちらかというと"薬"という"もの"を扱ってきました。しかし、医療法上も医療の担い手と位置づけられた、今、もっと"人"を相手に仕事をしなければならないと考えています。医療とは、"人"と"人"の関係性の上に成立するものと認識しています。ファーマシューティカルケアの"ケア"の持つ意味は、ここにあります。薬という"もの"を通して、目の前にいるその"人"の健康・QOLの向上に貢献する。それが、医療人としての薬剤師の仕事です。 聞かせてただいた感想と私の考えを書かせていただきました、今後ともよろしくお願いします。 (このメール全文をつくばファーマシューティカルケア研究会のメーリングリストに投稿させていただきました。ご了承ください。) 5)日医の本性を見たり… 薬師如来 吉田先生 ご存知のことと思いますが、またまた日医が分業絡みで日薬に噛み付いているようです。11月7日の朝日新聞掲載の疑義照会調査結果の件です。 確かに、あのような報道の仕方では一般の人にはその調査の目的、結果の意義が正確には伝わらないかとは思いますが、しかし事実は事実です。業界紙によれば、日薬が日医に対して、事前に公表するということを伝えた際、日医は業界紙にさえ公表を控えるよう抗議したとか…。日薬は重要な調査結果であるので断ったとか…。そんなことのあった直後に朝日新聞が日薬の公表前にスクープ(?)したとか…。誰かが情報を新聞社にリークしたとか…。まー、どの辺に真実があるのかは定かではありません。 しかし、疑義照会という医薬分業における薬剤師の最も重要な仕事について、その意義の裏付けとなる調査結果ですから、これだけはひけないといったところだと思います。当然です!最近日薬は日医に対して言いたいことを言えるようになったな、と感じます。まだまだ遠慮してますが…。 とにかく、最近のこの種の日医の分業絡みのバッシングは頭にきます。どうして日医というのはここまで人の職種の職能にまでガタガタ言うのでしょうか?いまだに医療というピラミッドの頂点にいるという意識でいるのでしょうか?なぜ、ここまで人の職種の職能にまで影響力を及ぼしたいと考えるのでしょうか?いい加減にして欲しいです!! 最後はいつものグチになってしまいました。とにかく腹立たしいやら、情けないやら、ついつい書いてしまいました。お許し下さい。また明日、こんな薬剤師でも頼って来てくださる患者さんがいらっしゃいます。そんな方のために、コツコツ努力するしかありません。いつも思いますが、これしかないのです。では、失礼します。 返書 吉田均 貴重な情報ありがとうございました。 日医は日薬にお礼を述べたのかと思ったら、逆だったのですね。「処方のミスを未然に防いでもらって、医療事故にいたらず、患者からの訴訟にもならず、日薬様ありがとうございます。今後ともご指導お願いします。」とお礼をするのが一般社会の通念、常識というものです。このデータは解析した日本大学の中村健教授が論文ですでに発表していますね。日本は言論の自由が保障されており、日医の行動は論外です。 今日届いた平成11年12月5日日医ニュース(日医の新聞)に下記の記事が載っていました。 *********************** 日医「疑義照会」報道について日薬に抗議 日医は、朝日新聞11月7日付朝刊掲載の記事「院外処方2.2%に疑義照会 日本薬剤師会初の全国調査 用量などに記載不備」について、疑義照会があたかも医師の処方の誤りであるかのような誤解を与えるものであるとし、調査結果を公表した日薬に対して抗議を申し入れた。 記事の内容は、1カ月間に公布された処方せんの2.2%で疑義照会があり、そのうち3分の2には、照会後に医師が処方せんの内容を変更したというものである。早速、日医では、9日、菅谷忍常任理事が定例記者会見に臨み、疑義照会は薬剤を安全に投与するために必要なことではあるとしながらも、その報道の仕方について、「医師と患者の信頼関係に問題を残す懸念がある。疑義照会を医師の処方の誤りだとする誤解を招きかねない」と不快感を表した。 さらに、11日、坪井栄孝会長名をもって、「医療保険改革に向かって関係者が一丸となって努力しなければならない時期に、このような事態を引き起こしたことは遺憾の極みであり、強く抗議する」という内容の文書を日薬に送付、改めて姿勢を質した。これに対して、日薬からは、「意図しない形で報道されたことは誠に心外である」とし、朝日新聞に抗議を申し入れたことを明らかにした。また、この調査はあくまでも分業の機能を検証するためのものであることを強調したうえで、資料管理の不手際を認めた。 なお、日医総研では、今回の日薬の「平成10年度『疑義照会等状況調査』の分析と評価」を改めて分析し、次のような結論を得た。安全性の疑義がある10,361件のうち、処方内容が変更になったものは、8,279件であり、処方せん全体の0,21%、処方せん千枚のうち2枚である。危険度が高いもののうち、あたかも、処方せん百枚のうち2枚に危険があるかのような解釈は間違いである」。 **************************** 返書の返書 薬師如来 どういう解析方法でこうにまで結果が違ってしまうのかよく分かりませんが、おそらく自分たちの都合のいいように解析しただけではないでしょうか?恣意的なものを感じます。 今回の解析結果の真偽はともかく、いずれにしても、ある割合の処方せんに何らかの疑義があったということは事実として全くうごきません。そういったチェックを院外の薬局がおこなったというところに大きな意義があるのではないでしょうか?0.21%とか、そんな数が大事なのではないのです。疑義照会することによって何らかの処方の変更が実現し、よりよい薬物治療が患者さんに提供できたというとこが大事なのではないでしょうか?まさに医師のよりよい薬物治療の為に薬剤師が貢献できたということです。非難されるべきことでは全くありません。 その又返書 吉田均 まさにおっしゃるとおりですね。危険な処方が約8000枚余もあったこと自体は間違いないわけで、疑義照会のお陰で多数の患者さんが救われたという事実は消えません。こんな抗議をせず「薬の安全のために日医は今後、積極的に医薬分業を推進します。」とコメントすればかっこ良かったのですが・・・。ところが逆に、「こんなにもミスがあった、国民に知れたらどうしよう」という心配ばかりが先に立っているようですね。日医のいう‘医者と患者の信頼関係’というのはもしかして「医療は安全だ」という【盲信】がなければ成立しないんでしょうか?まやかしの信頼関係よりも薬の事故を少しでも減らすことの方が大切だと思います。その努力もなしに、この報道ばかりを非難するということは、もしかして、信頼関係と言いながら、実は患者の命よりも自分たちのメンツが大切ということなんでしょうか。 なお、 この0.21パーセントという数字の計算方法がはっきりしません。私の計算ではその倍の0.54%になりましたが・・・。 6)薬局と病院は近いほうがいい・・・・ 後藤春河(病院薬剤師) 医薬分業に関して、発言させて下さい。僕は、二十年近く、病院薬剤師をしている者ですが、院外処方が発行される前は、一日千二百枚ほど院内処方箋がありました。それを、実質、十名ほどで処理していましたが、とても忙しく、調剤ミスなどもあり、患者さんに御迷惑をかけていました。院外処方が、部分的にですが、発行されて、一日、院内処方箋が千枚未満になって、余裕がでてきました。 病院の側に、門前薬局があってもいいと思います。現在では、パソコンを使った、医薬品情報提供など、多種類の物が存在し、色々な薬局(院内、院外を問わず)で、色々な方法を実践していますので、患者さんがその中で、一番いい物(薬局) を選べるようになればいいと思います。何故、門前薬局と言ったかと申しますと、実際、患者さんが欲していた薬を医者が処方してなくて、電話で問い合わせをしたら、患者さんと直接医者が話をしたいので、患者さんにもう一度、病院の診察室に来てほしいという事がありました。また、患者さんが、処方箋をなくしてしまったので、どうにかしてほしいと、院外薬局から電話があったとき、医者に処方箋をもう一度書いてもらってわざわざ病院から、その院外薬局までその処方箋を届に行った事もありました。ですから、薬局と病院は近いほうがいい、と思います。 ただ、テレビ電話などが普及して、自宅にいながらにして、医者に、診察してもらえて、処方が薬局にオンラインで届き、薬が、患者さんの自宅に届けられるのなら話は別ですが。検査データや、薬歴などが、カードや、オンラインから引き出せるようになる日も近いのでは、ないでしょうか。国民一人一人に、番号がつけられる日も近いはず。患者さんからID番号とパスワードを教えてもらえればオンラインで、患者さんのデータを引き出せるようになるかもしれない。アメリカなどで、一部の地域では、薬剤師が医者の監督下で処方し、癌患者へ、モルヒネ注を量を判断し、自分で処方したりしてます。これからは、日本の薬剤師も医者との連絡をとりながら、あまり、危険でない薬にかんしては、処方というか、与薬の範囲を広げてもいいような気がします。患者さんの情報が、把握できてなければいけませんが。 日本型皆保険制度ですが、僕は反対です。国民健康保険など、政府によって管理されやすい保険にかならずしも、入る必要はなくなればいいと思う。万が一病気になっても、医療機関に係ったお金を支払える保証が在れば、民間の保険にはいってもいいと思う。今の制度は、役人にコントロールされやすくなっている。 (組合の保険に関しては僕には分かりません。) 老人に係る、医療、介護などの費用は税金で賄えばいい。健康保険と一緒にされては、保険のお金を出す人が大変。 あまり細かく、医療の保険点数、薬などに関する しばり を設けないでほしい。ある程度は、患者さんのためになる事をしていれば、明細書をはっきり、提示し、渡したうえで、料金を請求していいと思う。実際、水薬に必要な容器代金は、患者さんからいただいてます。医薬品情報提供にしても、写真入り、カラー印刷で、文章も長くしたり、対応時間も長くすれば、印刷代、人件費など係る。これからは、患者さんも、議論のテーブルについてもらって、保険医療改革を是非成功させてほしい。税金 保険金 医療費 など ぼったくりは いかんぜよ。(2000/1/11)
今日、ある1枚の処方せんが来ました。処方内容は、肩関節痛もちで、ボルタレン(NSAIDs)を継続して服用されている患者です。そこに、気管支炎になり、スパラ(ニューキノロン)が、追加で処方されました。
NSAIDsとニューキノロンは痙攣を起こす可能性がありますので、併用を避けることになっています(頻度としてごくごく稀でしょうが)。処方医に疑義照会いたしましたところ、「その組合せはいけないの?」との返事でした。私は、ついうっかりスパラを追加処方していたのかと思っていましたが、NSAID sとニューキノロンの併用に問題があることをご存知なかったようです。
ここで、私は、この処方医が、こんなことも知らず勉強不足であると責めるつもりはまったくありません。この医師は、毎日、朝早くから、外来・検査、病棟、僻地への往診など、ほとんど1日中患者と接して地域医療を担っています。ですから、家庭は母子家庭状態です。そんな多忙な医師が、薬の相互作用の勉強までできるはずがないと思います。ですから、併用注意の組合せも知らずに、患者を治療しようと思って薬を処方しても致し方ないと思います。
ここで、薬剤師が関与しなければ、処方通りに投薬されているでしょう。たとえ、処方通り患者が服用しても重大な副作用がでることはごく稀ですが、起こってからでは取り返しがつかないことになります。一生にたった一度であっても重大な副作用を起こさないようにしなければなりません。そのためには、やはり、薬剤師の処方チェックが必要です。そのためにこそ薬剤師がいるのですから。(もちろん、医師の処方がチェックできる薬剤師でないとダメですが・・・。)(11/11/18)
先生、こんばんは。先日、こんなことがありました。 会議にて、私にこんな要求が・・。「夕方からは、薬剤師1人体制でやれ・・」 やはり、経営的な問題のようですが、賞与前のこの時期。まるで「踏み絵を踏まされたような感じ」です。しかし、私は断りました。「薬剤師1人体制」はやっちゃいけないと思います。もし、やるとしてもそれは最後の手段。「1人体制をやらなくてすむ・・」というのが私が今の会社にいる理由のひとつですので、正直言って「参ったなー」って思ってます。「人間はミスをする」「患者サービス第1」「調剤は真剣勝負・人の命に関わる仕事」そんなことを考えてると、1人じゃやりたくないんです。 情けない・・でしょうか。今週、一週間に、私の人生かかってるかも知れません。 頑張ります。全国の「1人薬剤師」のみなさん、ごめんなさい。
******
その後、会社に言われる通り時間あたりの外来数のデータは取ってますが、どんな結果が出ても、私は「薬剤師1人状態」を拒否します。今日も薬剤師2人状態になってから、患者さんより深刻な相談の電話がありました。そんな時、1人では対応できないのは明白です。会社側は「甘えてる・・」って感じてるんでしょうね。でも、現場のことは現場にしかわからない。患者さんに迷惑をかけるストレス。患者さんを待たせるストレス。現場の人間にしかわからないことと思います。しばらくは戦いますよ。私も、今の会社を愛していますので。
先日の「1人薬剤師問題」のその後・・を、ご報告します。今日、社長と話をしましたが、一応、先日お話しした「1人薬剤師体制」の件は、白紙に戻す・・という事でした。理由はわかりません。私があまりに頑固なので、一応保留にしたのかも知れません。まあ、理由に関わらず、私の心配事のひとつが消えたことは確かです。「頑張ってやろーっ」って気になってます。会社の命令通り、時間あたりの患者数のデータをとることによって、私もちょっと成長できたかも知れません。それは、心の底から「患者さん、来てくれて有り難う・・」って思えるようになったことです。ちょっとだけ悟れたかも知れません。今日は大変楽しく仕事が出来ました。
吉田先生 水戸でのご講演ありがとうございました。
大変勇気づけられると同時に、副作用についてもっと勉強せよとのご教示、しかと受け止めました。
ただ、医師にも副作用をしっかり患者さんに対して説明していただきたく思います。というのは、患者さんがインフォームド・チョイスをする前提条件として、その治療に関してリスクとベネフィットの両方がきちんと説明されている必要があるからです。それがなければ、薬局での副作用説明も、難しくなる場合も考えられます。治療に関するインフォームド・コンセントの責任は、医師にあるわけで、薬剤師はその医師-患者関係に対し、独立してかかわることになると思います。
薬剤師は、医師に変わって処方意図を説明できないというのは、仰るとおりだと思います。それを、あーだこーだと推測するよりも、聞いてしまった方がいいと私は考えています。もちろん、患者さんとの間に、聞けるだけの信頼関係が必要なのはいうまでもありません。また、考えられる処方意図を理解していることも必要です。(メルクマニュアルを勉強する理由です。)
「医師からどのような説明を受けていますか」と尋ね、不明確な部分を補強するのことはできます。また、自己決定したあとのサポートもできると思います。「先生には言えなかったんだけど・・・」「先生の前ではああいったけど・・・」といったことは、よくあります。事と次第では、すぐに直接、医師に連絡(疑義照会)しなければならないこともありますが、次回受診のときに、患者さんから直接、医師にお話しできるようサポートして上げることもあります。
副作用の説明も、その人一人一人によって説明の仕方が変わってくると思います。さらに、その説明を聞いたときの反応・感情の動きをしっかりフォローすることが重要だと思います。
過去の歴史のなかで薬剤師は、どちらかというと"薬"という"もの"を扱ってきました。しかし、医療法上も医療の担い手と位置づけられた、今、もっと"人"を相手に仕事をしなければならないと考えています。医療とは、"人"と"人"の関係性の上に成立するものと認識しています。ファーマシューティカルケアの"ケア"の持つ意味は、ここにあります。薬という"もの"を通して、目の前にいるその"人"の健康・QOLの向上に貢献する。それが、医療人としての薬剤師の仕事です。
聞かせてただいた感想と私の考えを書かせていただきました、今後ともよろしくお願いします。 (このメール全文をつくばファーマシューティカルケア研究会のメーリングリストに投稿させていただきました。ご了承ください。)
吉田先生
ご存知のことと思いますが、またまた日医が分業絡みで日薬に噛み付いているようです。11月7日の朝日新聞掲載の疑義照会調査結果の件です。
確かに、あのような報道の仕方では一般の人にはその調査の目的、結果の意義が正確には伝わらないかとは思いますが、しかし事実は事実です。業界紙によれば、日薬が日医に対して、事前に公表するということを伝えた際、日医は業界紙にさえ公表を控えるよう抗議したとか…。日薬は重要な調査結果であるので断ったとか…。そんなことのあった直後に朝日新聞が日薬の公表前にスクープ(?)したとか…。誰かが情報を新聞社にリークしたとか…。まー、どの辺に真実があるのかは定かではありません。
しかし、疑義照会という医薬分業における薬剤師の最も重要な仕事について、その意義の裏付けとなる調査結果ですから、これだけはひけないといったところだと思います。当然です!最近日薬は日医に対して言いたいことを言えるようになったな、と感じます。まだまだ遠慮してますが…。
とにかく、最近のこの種の日医の分業絡みのバッシングは頭にきます。どうして日医というのはここまで人の職種の職能にまでガタガタ言うのでしょうか?いまだに医療というピラミッドの頂点にいるという意識でいるのでしょうか?なぜ、ここまで人の職種の職能にまで影響力を及ぼしたいと考えるのでしょうか?いい加減にして欲しいです!!
最後はいつものグチになってしまいました。とにかく腹立たしいやら、情けないやら、ついつい書いてしまいました。お許し下さい。また明日、こんな薬剤師でも頼って来てくださる患者さんがいらっしゃいます。そんな方のために、コツコツ努力するしかありません。いつも思いますが、これしかないのです。では、失礼します。
貴重な情報ありがとうございました。
日医は日薬にお礼を述べたのかと思ったら、逆だったのですね。「処方のミスを未然に防いでもらって、医療事故にいたらず、患者からの訴訟にもならず、日薬様ありがとうございます。今後ともご指導お願いします。」とお礼をするのが一般社会の通念、常識というものです。このデータは解析した日本大学の中村健教授が論文ですでに発表していますね。日本は言論の自由が保障されており、日医の行動は論外です。
今日届いた平成11年12月5日日医ニュース(日医の新聞)に下記の記事が載っていました。
***********************
日医「疑義照会」報道について日薬に抗議
日医は、朝日新聞11月7日付朝刊掲載の記事「院外処方2.2%に疑義照会 日本薬剤師会初の全国調査 用量などに記載不備」について、疑義照会があたかも医師の処方の誤りであるかのような誤解を与えるものであるとし、調査結果を公表した日薬に対して抗議を申し入れた。
記事の内容は、1カ月間に公布された処方せんの2.2%で疑義照会があり、そのうち3分の2には、照会後に医師が処方せんの内容を変更したというものである。早速、日医では、9日、菅谷忍常任理事が定例記者会見に臨み、疑義照会は薬剤を安全に投与するために必要なことではあるとしながらも、その報道の仕方について、「医師と患者の信頼関係に問題を残す懸念がある。疑義照会を医師の処方の誤りだとする誤解を招きかねない」と不快感を表した。
さらに、11日、坪井栄孝会長名をもって、「医療保険改革に向かって関係者が一丸となって努力しなければならない時期に、このような事態を引き起こしたことは遺憾の極みであり、強く抗議する」という内容の文書を日薬に送付、改めて姿勢を質した。これに対して、日薬からは、「意図しない形で報道されたことは誠に心外である」とし、朝日新聞に抗議を申し入れたことを明らかにした。また、この調査はあくまでも分業の機能を検証するためのものであることを強調したうえで、資料管理の不手際を認めた。
なお、日医総研では、今回の日薬の「平成10年度『疑義照会等状況調査』の分析と評価」を改めて分析し、次のような結論を得た。安全性の疑義がある10,361件のうち、処方内容が変更になったものは、8,279件であり、処方せん全体の0,21%、処方せん千枚のうち2枚である。危険度が高いもののうち、あたかも、処方せん百枚のうち2枚に危険があるかのような解釈は間違いである」。
****************************
どういう解析方法でこうにまで結果が違ってしまうのかよく分かりませんが、おそらく自分たちの都合のいいように解析しただけではないでしょうか?恣意的なものを感じます。
今回の解析結果の真偽はともかく、いずれにしても、ある割合の処方せんに何らかの疑義があったということは事実として全くうごきません。そういったチェックを院外の薬局がおこなったというところに大きな意義があるのではないでしょうか?0.21%とか、そんな数が大事なのではないのです。疑義照会することによって何らかの処方の変更が実現し、よりよい薬物治療が患者さんに提供できたというとこが大事なのではないでしょうか?まさに医師のよりよい薬物治療の為に薬剤師が貢献できたということです。非難されるべきことでは全くありません。
まさにおっしゃるとおりですね。危険な処方が約8000枚余もあったこと自体は間違いないわけで、疑義照会のお陰で多数の患者さんが救われたという事実は消えません。こんな抗議をせず「薬の安全のために日医は今後、積極的に医薬分業を推進します。」とコメントすればかっこ良かったのですが・・・。ところが逆に、「こんなにもミスがあった、国民に知れたらどうしよう」という心配ばかりが先に立っているようですね。日医のいう‘医者と患者の信頼関係’というのはもしかして「医療は安全だ」という【盲信】がなければ成立しないんでしょうか?まやかしの信頼関係よりも薬の事故を少しでも減らすことの方が大切だと思います。その努力もなしに、この報道ばかりを非難するということは、もしかして、信頼関係と言いながら、実は患者の命よりも自分たちのメンツが大切ということなんでしょうか。
なお、 この0.21パーセントという数字の計算方法がはっきりしません。私の計算ではその倍の0.54%になりましたが・・・。
医薬分業に関して、発言させて下さい。僕は、二十年近く、病院薬剤師をしている者ですが、院外処方が発行される前は、一日千二百枚ほど院内処方箋がありました。それを、実質、十名ほどで処理していましたが、とても忙しく、調剤ミスなどもあり、患者さんに御迷惑をかけていました。院外処方が、部分的にですが、発行されて、一日、院内処方箋が千枚未満になって、余裕がでてきました。
病院の側に、門前薬局があってもいいと思います。現在では、パソコンを使った、医薬品情報提供など、多種類の物が存在し、色々な薬局(院内、院外を問わず)で、色々な方法を実践していますので、患者さんがその中で、一番いい物(薬局) を選べるようになればいいと思います。何故、門前薬局と言ったかと申しますと、実際、患者さんが欲していた薬を医者が処方してなくて、電話で問い合わせをしたら、患者さんと直接医者が話をしたいので、患者さんにもう一度、病院の診察室に来てほしいという事がありました。また、患者さんが、処方箋をなくしてしまったので、どうにかしてほしいと、院外薬局から電話があったとき、医者に処方箋をもう一度書いてもらってわざわざ病院から、その院外薬局までその処方箋を届に行った事もありました。ですから、薬局と病院は近いほうがいい、と思います。
ただ、テレビ電話などが普及して、自宅にいながらにして、医者に、診察してもらえて、処方が薬局にオンラインで届き、薬が、患者さんの自宅に届けられるのなら話は別ですが。検査データや、薬歴などが、カードや、オンラインから引き出せるようになる日も近いのでは、ないでしょうか。国民一人一人に、番号がつけられる日も近いはず。患者さんからID番号とパスワードを教えてもらえればオンラインで、患者さんのデータを引き出せるようになるかもしれない。アメリカなどで、一部の地域では、薬剤師が医者の監督下で処方し、癌患者へ、モルヒネ注を量を判断し、自分で処方したりしてます。これからは、日本の薬剤師も医者との連絡をとりながら、あまり、危険でない薬にかんしては、処方というか、与薬の範囲を広げてもいいような気がします。患者さんの情報が、把握できてなければいけませんが。
日本型皆保険制度ですが、僕は反対です。国民健康保険など、政府によって管理されやすい保険にかならずしも、入る必要はなくなればいいと思う。万が一病気になっても、医療機関に係ったお金を支払える保証が在れば、民間の保険にはいってもいいと思う。今の制度は、役人にコントロールされやすくなっている。 (組合の保険に関しては僕には分かりません。) 老人に係る、医療、介護などの費用は税金で賄えばいい。健康保険と一緒にされては、保険のお金を出す人が大変。
あまり細かく、医療の保険点数、薬などに関する しばり を設けないでほしい。ある程度は、患者さんのためになる事をしていれば、明細書をはっきり、提示し、渡したうえで、料金を請求していいと思う。実際、水薬に必要な容器代金は、患者さんからいただいてます。医薬品情報提供にしても、写真入り、カラー印刷で、文章も長くしたり、対応時間も長くすれば、印刷代、人件費など係る。これからは、患者さんも、議論のテーブルについてもらって、保険医療改革を是非成功させてほしい。税金 保険金 医療費 など ぼったくりは いかんぜよ。(2000/1/11)