全国から寄せられたご意見、ご感想(14)


私はこの前からパソコンに向かって「一太郎を実行」「スピークパッドで音声入力」などと話しかけています。それでソフトが開くんです。アイコンをクリックしなくてもいいんです。そして自分の頭に浮かんだ文章をそのまましゃべりると、それがそのまま画面に現れます。「素晴らしい!!」の一言。句読点も「てん」「まる」などとしゃべればいいです。改行も「ここで改行」と命ずればいいです。

私にとっては革命的なソフト。今まで、キーボードでブラインドタッチを練習などしていましたが、なかなか上達しない。それにキーボードはやはり疲れる。それに比べ音声入力は本当に楽です。この文章ももちろん音声入力。

ただちょっと欠点もあります。それは、考え考え、途切れ途切れに、しゃべると誤変換がちょっと多くなることです。このソフトでは、同音異義語は全体の文章の流れから正しいものを選択するということです。人工頭脳のようでとても素晴らしいことですが、逆に単語だけを入力しようとすると誤変換が起きやすいのです。従って、私のような考え考え喋るタイプは少しやりにくいようです。話の上手な方には特に向いているかと思います。それと、誤変換されたものを修正するのも、同じ理由でちょっと苦手のようですね。そこで私は一太郎に転送してから(もちろん、その時、ペースト&ドロップなどしなくても「転送」と命じればいいのです)キーボードで修正するようにしています。

この点はまだちょっと厄介ですが、それでも全文キーボード入力に比べれば、かなりかなり、とてもとても、楽チンです。パソコン疲労度が10分の1になりました。ソフトのお値段もこの利用価値から考えれば安すぎるくらいです。(99/6/15)



1)知識の点でもでも他力本願・・・・・


ABAN(地方の卸に勤務している 薬剤師)


インターネットを初めて接続した時、読んだのが、吉田先生のHPでした.。感動しました。が・・・・

兵庫県の冨原先生のご意見(十分な不安感をもって、しかしながら気概を見せていただき)に喝采を送ります。

吉田先生の周りには実力のある薬剤師ばかりのようですが、実際はどうでしょう?ご自身のHPをもっていらっしやる方はレベルがかなり高いのではないのでしょうか?そもそもインターネットに接続する薬剤師の方はどのくらいいらっしゃいますでしようか。 

みなさん とはいいません。『不安』は薬剤師の職能としての不安ではなく、違うところにあるように思われます。

私はTELで薬剤師の先生方と対応していますが、よく苦笑します・・・時にはあきれたり、怒ったりも。問い合わせの内容云々より、大人として、社会人としての対応ができてない方のなんと多いことか・・・。「何々の薬剤を調べてください。急いでいます。ガシャン!」 (今、急用を3件頼まれているんだけどなぁ・・・・) 

「処方箋に書いてあったのでユーロジン2mg30日投与しました。」「えっ!! 14日までしか出せないの?・・・それでは損しちゃう、じゃあABANさんがドクターに電話してください。だってドクターが怒るんだもの。」 etc,etc・・・・・・・

「メバロチンは夕食後ですよね?朝で出ているのです疑義照会したのですがドクターがこれでいいと怒って・・・・・。メバロチンは絶対夕食後ですよねっ!」「 併用薬はございます?」「フルイトラン1錠が・・・」  「Drは薬剤一部負担金の事も考えられてそうなさったのではないでしょうか。」(小声で独り言。・・・リボバスなら夕食後ですが、メバロチンは水溶性なので夕方でなくても・・・・)  「70点が取れない!」に言葉出ず。 似たような会話のなんと多いことか。 



<解説>
>この「70点」に関しては私もよく理解できなかったんですが・・・・1包化加算じゃないんですね?(吉田均)

田舎の薬剤師

いつもレセプト関係は事務にまかせているのでわからなかったのですが、今日ちょっとしたことで、調べものをしていて「70点」の意味がわかりました。これは、調剤料の事のようです。薬局では内服薬の場合、1剤につき14日以下の場合、7日目以下の部分で1日につき6点、8日目以上の部分で1日につき4点とることが出来ます。確か、メバロチンとフルイトランが1錠ずつ投与されていたと思うのですがメバロチンは1錠5mgで103.80円、10mgで200.40円ですし、フルイトランは1錠11.20です。服用時間が同じ場合メバロチンが10mgだと無理ですが、5mgだとフルイトランと合わせて115円となり、205円ルールで1剤となされます。そうなると、14日分処方されていた場合、調剤料は6×7+4×7=70点となるわけです。しかし、服用時間が違えば、各々1剤とみなされ、70点ずつとることが出来る訳です。たぶん、このことだと思います。


在庫のない薬が処方されると卸の担当に取りに行かせるのは当たり前。・・・「何々の薬どこからかみつけて9錠買ってきて!」・・・・急配の多いこと、多いこと。(薬局はお得意さまですが 卸はあなた方の召使いなのでしょうか?・・・・・) 

吉田先生、広域面分業は大変です。

在庫の問題、薬剤師としての実力の問題(これが一番大切)、マナー、接客、若い薬剤師の方は問題意識を持って取り組んでおられる方は多いと思います。

チェーンのドラッグストアーに押されて、調剤(処方箋で稼がないと)をしないとこれからは生き残れないといわれた、おじさま、おばさま薬剤師の大先生方、考えが甘いのではないのでしょうか。在庫の問題1つでも他力本願、知識の点でもでも他力本願、ご自身で勉強なさろうとはしない(一生懸命やってあの程度なのかな?)今まで、威張って、高飛車商売をなさっていらしたので、お客様に対する口の訊き方がわからない。ドクターに対する疑義照会の最低限の(これはDrにだけではなく、何方に対してもですが)ことがわからない。例えばお忙しいところ申し訳御座いません、など相手の状況が見えないときの言葉かけなどいっさいなしに自分の用件のみ話す。例メバロチンの件など・・・・・・・・・結果怒らしてしまう。

いやな話ばかりをしましたが、これも現実の1つです。頻繁に起こっている現実です。

この現実に卵を抱かす勇気は御座いますか?

とはいえ、私自身、医薬分業に情熱を持っています。国民の皆様の期待に少しでも応える分業を・・・・と、心から願っています。医療は究極のサービス業です。たくさんの薬剤師(意識の高い薬剤師の方は別)に知識はもちろんのこと、向上心、接客、環境(汚い、暗い店舗等)個々の自立(薬剤師会、卸を必要以上に頼らない)に早く気がつくことを心から願っています。

返信
吉田均

「卸さんから見た‘薬剤師像’」大変興味深く拝見いたしました。

確かにおっしゃるとおり、マナーの悪い薬剤師は困った問題だと思います。特に、卸さんの方から見ると我慢ならないことも多いのでしょうね。疑義照会を自分でせずに卸さんに頼むなんて薬剤師としての仕事をどのように考えているのでしょうね。その役割をわかっていない証拠ですね。薬を渡すことだけが薬剤師の仕事と勘違いしているのでしょうか・・・・。

日本では薬の種類が多すぎますので、すべてを在庫することは不可能ですが、いつもいつも“在庫がない!”では困りますね。レストランでステーキの注文を聞いてから肉屋に走るようなものですから。もし、在庫がなければ、自分自身で調達すべきでしょう。卸さんへ注文するのならいざ知らず、他の薬局に薬を取りに行くのに卸さんを使うのはやり過ぎでしょう。そんな要求は断ってください。甘やかすだけで、在庫しようという意識が高まりませんので・・・。

私はおっしゃるようなマナーの悪い薬剤師を擁護するつもりは全くありません。しかし、だからといって、一部の薬剤師のせいで、医薬分業(面分業)全体を否定するのも間違っていると思います。全国でまじめに面分業に取り組んでいる薬剤師が多数います。それによって恩恵を受けている患者さんも、また、たくさんいます。私はそのよう薬剤師を今後も応援したいと思っています。(99/6/15)


2)ドクターが一番というのが世間の考え方・・・・


田舎の薬剤師


前略、初めてお便り致します。

いつも興味深くホームページを拝見しております。先生のホームページは友人より紹介されました。

私は、卒後、大学病院の研修生をしてから200床強の開業医に就職。その後、医薬品メーカー経て、現在は調剤薬局に勤務しております。

仕事をしていく上で色々と悩むところもあり、友人に相談をしたら先生のホームペーシを紹介されました。

私は面分業大いに賛成。そうあってほしいと多少は努力しているつもりでおります。しかし、皆が皆そうではないと最近ひしひしと感じております。

私の勤める調剤薬局は、近くの皮膚科が院外にするのにあわせて開局しました。その後、同じビルの内科も院外に出すこととなり現在7割弱が皮膚科。2割が上記の内科。残りが市内の他の医療機関です。私どもの薬局は半径1Km以内に処方箋発行医療機関が歯科も含め6件ほどあります。しかし、それぞれにメインの薬局を持っているためほとんど流れてくることはありません。市内の医療機関はすべて門前をもっているといっても過言ではありません。そして、その処方箋の流出ですが、どこも日に数枚といったところでしょう。私たちのメインの2軒も1日に流れるのは数枚程度にとどまっているようです。

流れてきた処方箋は、疑義照会すると○○へ行くように言ったのにとぼやかれることもしばしばあります。

流れたものはお互い、門前へ薬を調達にいきます。うちのメインのところの処方箋は、うちにお薬を調達しに見えるのでどこにいったかはわかるのです。

うちは1日90枚前後、月に2000枚強の処方箋を受けています。薬剤師2名。事務2名。現状ではかなりきつい感じです。皮膚科がメインなので楽だと思われているようですが、内服薬もよく使われる先生で、塗り薬1本というものがないとはいいませんがかなり少ないと思います。また、皮膚科の場合、MIXなども多いです。その上、内科は老人の1包化が多いので、軟膏1本という方を何分も待たせてしまうということもおこります。あと、一人薬剤師が常勤もしくは、パートでいると違うのですが、人件費的に無理のようです。

そんななかで、他の医療機関の処方箋が来るとどうしても持っていない薬が出てきます。門前に電話する前に、一応近場の薬局から当たって調達するのですが、その買いに行ったり買いにきたりするのが理解できないという薬剤師もいます。それでなくても忙しいし、面倒で嫌なのだそうで、よく患者さんに「門前に行け」と口にします。(陰ではありますが)

そして、調達に時間がかかると患者さんに必ず「取りに来て」といいます。「届けましょうか?」というのは薬剤師の仕事じゃないように思っている様子。かかりつけ薬局などという観念はないようで、本人は病院にかかるのなら院内投薬が良いと言っています(コスト的にも)。薬剤師はかかりつけ薬局という考えに積極的だとばかり思っていた私にはショックなコメントでした。私が、理想主義者なのかもしれませんが・・・

私の実力はメーカーにいた年月がブランクとなりまだまだ未熟です。(学術といっても製品を担当していなかったもので。)しかし、大学病院にいた当時、新人研修会に出席し、その場で聞いた確か北里の朝永先生の言葉を心に日々頑張っています。

「薬剤師の地位は低い、しかし、上げるための努力はしてきた。認めて貰うのは君たちの世代の仕事だ。努力をしなさい。」

私は、これからも信頼される薬剤師になるために努力はしたいと思っています。ドクターもそうでしょうが、薬剤師は学生を卒業しても日々勉強ですよね。勉強嫌いだから大学院にいかないで薬局に勤務したと言った友人がいましたが信じられません。そう言いながら、やってはいましたが・・・



ところで、面分業の最大のメリットはやはり薬の薬害防止だと思います。しかし、これって患者さんの意識改革も必要だし、ドクターも私たち薬剤師も意識改革が必要なのではないでしょうか?

新患や久しぶりの患者さんには併用薬のチェックを行っています。その時、皆さん、薬の名前はわからないけど、こういう症状でかかりました。ということは話して下さいます。しかし、それだけでは、私たちはチェックの仕様がありません。で、つっこんで聞こうとするとドクターは一緒で良いと言ったとか、皆さんおっしゃいます。えっ、その疾患なら同種同効薬出ているのでは?と思ってつっこみますがやはりドクターが一番というのが世間の考え方です。(私たちの努力不足かもしれませんが)とくに病院で待たされて、1分でも早く帰りたい人に多くみられます。で、飲んでいるのにドクターに話さなかったという人もいたりします。そういう人は服薬時間さえずらせば良いと思っているのです。(体の中には入っているのだから一緒だと説明して判ってもらえれば幸い)現に鎮痛薬が2カ所からでていてカットしてもらった例もありました。しかし、ドクターによっては、うちのを飲んでもらって向こうをやめさせてという先生もいます。

また、投与量をチェックしても反応があまりないドクターの場合、疑義照会の回数が自然に減る傾向にあります。あまり良くないことですので、反省はしています・・・。特に子供のシロップは積極的に疑義照会すべきと感じています。

最近ザシテンドライシロップで鼻出血というのを経験しました。しかも、この1年で実は3例目です。先生は、「えっ、そんなことあるの?」と驚かれました。偶然来たメーカーは聞いたことがないとおっしゃいました。

また、セフゾンの下痢はよくみかけますし、抗アレルギー剤の眠気はつきものでしょう。ACEの空咳というのも目にします。

長々と思うがままに書いてしまいました。また、先生のホームページを楽しませて頂きます。早々(99/6/17)




返信
吉田均

こんにちは、メールありがとうございます。当HPで、少しはお悩みの解決になりましたでしょうか?私のホームページで勇気づけられ元気が出たという薬剤師からのメールを、他からも時々いただいております。作者冥利に尽きますね。

ご近所では分業が順調に進んでいるようですね。しかし、お話を伺うとマンツーマン分業がほとんどの様子ですね。マンツーマンから面に広がっていくから、最初から面分業でなくてもいいんだと主張する方がいます。しかしお話をうかがうと面に散る枚数はごくわずかとか。分業が進んでもマンツーマンが固定化してしまう可能性が高いように見えますね。

朝永先生のお話の件ですが、理想を掲げて実際に日々努力されている薬剤師も多数います。私の周辺にも、メールをいただいた全国の薬剤師の中にも・・・。分業が進んできますと、今は薬剤師の売り手市場ですが、次には薬剤師が淘汰される時代に入っていくと思います。薬を患者さんに渡すことだけが薬剤師の仕事と勘違いしているお人は生き残れないでしょう。信頼される薬剤師を目指して、努力している方だけが受け入れられる時代が必ず来ます。

薬の薬害防止の件ですが、確かに薬剤師の努力だけでは難しい面があります。きちんと説明しても、薬剤師の言うことを信じてもらえなければ防止効果はありませんね。アメリカのように信頼できる仕事ナンバーワン=薬剤師になれば聞いてくれるようになるでしょうが、、、、それには地道な努力しかありませんね。薬剤師の地位向上および患者さんからの信頼性を獲得するべく・・・・。お任せ医療の患者さんも相変わらず多いのですが、それでも時代とともに病気のことをしっかり質問される方が増えてきています。あきらめることはないと思います。地道な努力は患者さんの意識を変え、必ず報われるはずです。

疑義照会しても反応があまりないドクターの件ですが、せっかくの薬剤師を有効利用せずに、もったいないことです。私の場合は、疑義照会があった場合は丁寧にお答えし、間違いがあればそれを見つけてくれたことに感謝の意を表します。そうするのは薬剤師のためというより私自身のためです。なぜなら、今後も間違った処方をきちんとチェックてもらえると思うからです。そうすることによって医療事故の可能性をゼロに近づけることができますので・・・。

ザジテンドライシロップでの鼻出血の副作用は私は不勉強で知りませんでしたが、先日、患者さんのお母さんからこれを飲むと鼻血がよく出るといわれました。調べてみましたところ、日本医薬品集にちゃんと載っておりました。副作用の勉強してるつもりでも抜けていることが多いと実感しました。もちろん、ドクターによってはよく勉強している方もいますが、意外と多くの方は副作用に無頓着です。この点も薬剤師の手助けが必要です。

現在の日本の医療は正すべきところが山のようにあります。くじけず、お互いがんばっていきましょうね。メール、また、お待ちしております。


返信の返信
田舎の薬剤師

早速お返事を頂きありがとうごさいました。もしかして・・・と期待をしつつメールチェックをしましたが先生のメールを発見して嬉しく思いました。

ところで、今回のメールを読んで・・・・


>マンツーマンから面に広がっていくから、最初から面分業でなくてもいいんだと主張する方がいます。しかしお話をうかがうと面に散る枚数はごくわずかとか。分業が進んでもマンツーマンが固定化してしまう可能性が高いように見えますね。

これは、分業をしている病院の処方箋発行部署のレベルの低さもあると思います。あそこに行ってくださいと口にしているところが多いようです。ちょっと、知識のある人が「全国どこでもいいんですよね」と聞いたところ「駄目ですよ。指示するところに行って下さい」と怒られたと耳にしたことがあります。うちもかなり遠くからの処方箋が舞い込んできますがその中の一部でさえ、病院側がうちを指定しているようです。(理由は、色々あるようですが・・・)


かかりつけ薬局の前途は多難と感じました。

人の考え方はなかなか変えられないものです。これって、かなりのストレスになります。多分、考え方の違う相手もそう感じているのでしょうが・・・。


>分業が進んできますと、今は薬剤師の売り手市場ですが、次には薬剤師が淘汰される時代に入っていくと思います。

同感です。わたしは、4卒で、研究というものをしたことがありませんでしたが、身近には院卒(修士)の方がいらっしゃいます。院時代の研究テーマに関することは、病態、薬のことなど専門医とかなりつっこんで会話が出来る感じですし、専門が異なるドクターに対してかなり詳しくアドバイス出来ると、見ていて感じます。こうなると一目おかれる存在、信頼される薬剤師というふうに見えます。今のところ、私にはそういうものがありませんが、朝永先生に「ドクターも専門に分かれているのです。薬剤師は、薬のプロと言っても今まではまんべんなく何でも知っていた。これからは、薬剤師も専門性をもつべきだ」とも言われ、一応目指しているわけです。大学時代は、すべてを覚えなくても何かを見れば、答えを引き出せるという“引き出し”をもつことが大切だと教わりましたが、それだけではだめなようです。


>信頼される薬剤師を目指して、努力している方だけが受け入れられる時代が必ず来ます。


これからも努力は続けなければなりませんね。ついつい、楽したくなりますが・・・努力のひとつとして、群馬県は、日系外国人が多く受診されます。特に投薬内容の決まっている子供のシロップについては、母国語(スペイン語とポルトガル語)の情報提供を作成し、配布しています。以前は、日本語オンリーで無理矢理説明していましたが、適当に返事している感じがあったため、本を買ったりして作ったら喜ばれています。ありがたい事に、少し日本語が出来る患者さんが添削とかしてくれてより良いものになりつつあります。

これ以外のものもなるべく母国語で書いて説明しています。発音するより、書いた方がわかりやすいらしいです。上手く発音できないための言い訳でもありますが・・・。同僚は、自分たちの資料にない説明をしなくてはいけないようなことがあると、その時はしょうがないにしても必ず次回、日本語のしゃべれる人に表現方法を聞いてメモっています。私にはそこまでやる気はありませんでしたが、見習わなくてはと思っています。


>薬の薬害防止の件ですが、確かに薬剤師の努力だけでは難しい面があります。きちんと説明しても、薬剤師の言うことを信じてもらえなければ防止効果はありませんね。


他で出た薬のことを教えてくれたり、副作用のことなど聞いてくれたりする患者さんがいないわけではありません。ひとりでも多くの人にそうなってもらえるよう努力していかなければなりませんね。


>疑義照会しても反応が少ないドクターの件ですが、せっかくの薬剤師を有効利用せずに、もったいないことです。


言葉が足りませんでしたが、これはこちらの疑義照会の仕方にも問題があると感じています。ドクターが直接電話に出られないことも多いですから。実はそのドクター、きちんと説明すれば判ってくださるのです。問題になりそうなものについては、最近、直接電話に出て頂くようにしています。病院時代もそうでしたが、ドクターに直接聞かずにあいだに看護婦さんなどが入られることが多いと思います。これって、表現が変わることもあり、疑義照会の内容が変わってしまう危険があると感じています。


>私の場合は、疑義照会があった場合は丁寧にお答えし、間違いがあればそれを見つけてくれたことに感謝の意を表します。そうするのは結局私自身のためです。


先生のような方ばかりだと嬉しいですね。実は、前述のドクターも直接きちんと説明したりすると「ありがとう」と言って下さいますし、「頭に入れときます」と言って下さいます。また、薬局で些細なことでもトラブルのあった患者さんのことを報告しておくと、次回フォローして下さったり、その場で慰めてくださったりするのです。


>ザジテンドライシロップでの鼻出血の副作用は私は不勉強で知りませんでしたが、


これは私達も同様です。去年、1例目からの電話があったとき、電話で応対した薬剤師は「ありません。」と言い切ったそうです。もうひとりが念のため添付文書を見て、発見。あわてて電話して訂正しています。こんなことがなければ私も上手く応対できたか不安です。

>もちろん、ドクターによってはよく勉強している方もいますが、意外と多くの方は副作用に無頓着です。この点も薬剤師の手助けが必要です。


できるだけ、治療の妨げにならない表現を使って、患者さん自身が早期に副作用を発見できるようしなくてはいけないと思っています。


薬歴があっても人間ですから見逃しがでます。投与禁忌も、相互作用も患者さんからせかされているようなときでは見逃す可能性があるのです。私の体験ではありませんが、先輩がNSAIDで薬疹が出たことのある患者さんにスタデルムクリームという薬を投与してしまい、副作用が出たという経験もしています。コンピーターは、万全ではありませんが、もう少し上手く使えたならばと感じています。

最後に、私どもの経験した、副作用(?)の可能性もある2症例をご紹介します。

1.関節痛でNSAIDが投薬され、片頭痛も出ているという患者さん。リュープリン(合成LH−RH誘導体)の注射療法を定期的に受けており、関節痛も偏頭痛もその副作用かもしれしないと考えられたのでドクターに相談するように指導。しかし、更年期様症状なのでしばらく我慢するよう言われたとのこと。

2.子宮内膜症でナサニールを1年以上も使用中の患者さん。その後、円形脱毛症となり皮膚科受診し、来局。ナサニールによる脱毛の報告もあるため、婦人科のドクターに相談をするよう患者さんに説明。しかし、因果関係は不明ということで、現在もナサニール継続中。


では、またメールいたします。



3)医薬分業をされていない先生へ---私の考え---

大浦薬局:金原 正宜(薬剤師、鹿児島県)


「医薬分業を巡る議論」より抜粋(日本薬剤師会雑誌 平成11年5月1日号)

「平成10年12月現在で、医薬分業率は、社会保険で34.4%となり、今や、国民にとって現実の日本の医療システムとして、日常生活の中に入り込み始めているということが言えるでしょう。 医療保険抜本改革の審議が続けられる中で、医薬分業はこのような進展を見せているわけですが、これに伴い、最近、医薬分業に対し、いろいろな意見、特に、批判的な指摘が聞こえて来るようになりました。それらの指摘を整理してみますと、概ね次のようなものです。」

  1. 薬局における服薬指導、情報提供が十分に行われておらず、また、未熟な例があり、分業のメリットが感じられない。薬局、薬剤師が患者のために何をしているのか、そして薬物療法の適正化にどのように貢献しているのか、見えていない。
  2. 医薬分業の意義、目的等が必ずしも国民に理解されているとは言えない。
  3. 院内投薬に比べ、二度手間であり、また費用が高く、医療費の低減につながらない。コストに見合った医薬分業のメリット、成果が得られているのか。


1)患者さんに納得のいくまで、薬の説明ができるよう努力しています。薬の効果、飲み方、服用後の気をつけること、保管方法等を患者さんの薬物知識レベルに応じて、不安を与えないように工夫しています。処方医の治療方針を十分尊重しながら、服薬の説明がうまくできるように、多数の医学、薬学雑誌を収集・チェックし、他の医療機関や製薬メーカー等からの生きた情報も積極的に収集するよう努めています。また、患者さんが処方医に言い忘れたことや申し出にくいことをうまく処方医にお伝えし、結果的に患者さんの治療に対する満足度を高めるようにしています。

薬物療法への適正化には、例えば、同じ成分でも、錠剤や散剤など患者さんのニーズは、一人ひとり違います。一人ひとりの患者さんに最も適した剤形、飲み方等を処方医にご提案いたします。もちろん在庫を抱えるのは薬局ですので、期限切れなどの心配はありません。薬局は薬局どうしで、薬の小分けが、法的に認められていますので、患者さんに最も適した薬をご処方してください。それが、適正使用にもつながります。


2)医薬分業の意義、目的は、ひとことで言えば適正使用を推進するための1つの手段であり、処方箋を発行することによる情報開示と薬剤師による安全性の再確認です。医師一人で、診断から治療方針の決定、処方設計、投薬まで行うのが、今までの日本の医療であり、医薬分業をしている国の患者さんから見れば、二度手間がなく、利便性では優れています。

しかし、医薬品の種類や情報量の増大、専門性の細分化による掛け持ち受診、作用のシャープな薬剤の開発等、一人の医師で、薬のことについてすべての責任を負うということには、非常に負担の大きい状態になっていると思います。医薬分業であれば、薬剤師が、少しでも治療における薬の面で、役割分担ができ、医療の効率化にもつながると思います。


3)「院内投薬に比べ、二度手間であり、また費用が高く、医療費の低減につながらない。コストに見合った医薬分業のメリット、成果が得られているのか。」については、事実、分業をすれば、二度手間になり、老人保険以外の方は、負担金が増えます。医療費もトータルでは低減にはならないでしょう。また、コストに見合った成果も得られていないといわれても仕方のない薬局もあります。

しかし、今は、分業の過渡期ということで、なんとか、見守っていただけないでしょうか。地域のかかりつけ医と協力して、地域密着型の医療に全力を注入いたします。また、将来的に、国民に、薬に対するコスト意識が出てくれば、同じ効果なら、安い薬を求めるようになり、医療費(薬剤費)は低減してくると思います。(99/6/18)



4)併用注意はどこまでチェックすべきか・・・


田舎の薬剤師

吉田先生、こんにちは。又メールです。

疑義照会についていつも思うことなのですが併用禁忌は当たり前として併用注意はどこまでチェックすべきか、疑義照会かけるべきかということです。先生は、どう感じていますか?

たとえば、マクロライド系の薬とテオフィリン製剤。これは、併用注意なのですが結構小児科でも頻繁に使われますよねぇ。老人の風邪でもテオフィリンを使った方が治りがよいという話を耳にしたことがありますし喘息患者ではなくても、喘息様気管支炎なんかの病名で使っているのだと思います。知り合いの小児科医の話では、エリスロマイシンは確かにすごく血中濃度が上がるのでテオフィリンの濃度が上がらないようなタイプ人以外には投与していないそうです。(一度、中毒を起こしかけたことがあると言っていました。)リカマイシンはまず影響は出ないので気にしなくてもよいようですし、クラリスもエリスロマイシンほどではないとのこと。そんなわけで薬剤師としての私は、マクロライド系でもエリスロシンでなければ一応は安心だなぁとは思っていますが、でも、念のため、併用時には疑義照会を行ってきました。先生や先生のまわりの薬局はどうなさっていますか?

マクロライド系は、炎症作用があるので副鼻腔炎や気管支喘息の人に良いとききますし腸管運動改善作用があるのでその効果も期待して使うこともあると聞いています。また、投薬時、炎症作用を持っているということを話すことにより コンプライアンスが良好になったという人もいました。

ところで、エリスロマイシンの消化管運動改善効果についてですが・・・・・。
題名 :モサプリドと消化管運動 〜New5−HT4受容体アゴニスト 著者 :東海大学医学部内科教授 三輪 剛、同助教授 原澤 茂 発行 :メディカルレビュー社)によるとエリスロマイシンは空腹時特有の一連の強収縮運動を発生させせることができるので、モチリン受容体を介して作用を発揮するモチリンのアゴニストとして分類されているそうです。その作用機序は、モチリン分泌細胞に作用し、モチリンの分泌を促進させる。または、平滑筋のモチリン受容体に直接作用して腸管運動を亢進させるというふたつがあるようです。ただ、その有効用量は多すぎて胃腸障害のため実際には使用が難しいとも書かれてあります。アセナリンなどが開発される前にはエリスロマイシンを使っていた時期もあったそうです。


返信
吉田均

併用注意はどこまでチェックし、疑義照会すべきかのご質問ですが、慎重に処方しているドクターなら滅多なことはありませんが、意外と軽率に、あるいはうっかり忘れて相互作用のある薬を出している場合も多いと思います。私個人のことで言えば、問題があると思われる処方箋はすべて疑義照会していただければとてもありがたいですし、また、そのように薬局側にお願いしています。どんな優れた人間でも(もちろん、私のことではありませんよ)、また、どれだけ注意しても、ミスを完全にゼロにすることは出来ないと思っていますので・・・・。


エリスロマイシンの消化管運動改善効果については、大変勉強になりました。この目的でエリスロマイシンを使用するとすれば有効用量が多い過ぎて、かえって胃腸障害の原因になるということですね。こんな場合は、当然なことですが、アセナリンを使えばいいわけですね。応需薬局の薬剤師にこれくらいの知識があるととても心強いと思います。


返信の返信
田舎の薬剤師

エリスロマイシンの消化管運動改善効果について、アセナリンなどと同様の効果を得るためには有効容量が多くする必要があるということのようことです。昨年、まるPが発売したガスモチンの勉強会でアセナリンが出る前にはエリスロを使っていたという話が出ていたようです。それほど、大量に投与しなくても多少効果は得られるのではと言っています。今度、まるPにでも聞いてみますので新しいこと判り次第報告します。(99/6/26)