最近、ある読者の方から当ホームページにスポンサーが「いるならいる」「いないならいない」と断ったほうがよいのではないかとのアドバイスを受けました。HPは「患者さんのために分業を」を主旨としていますが、内容的には薬剤師擁護と取られても致し方ない面もあります。「何で医者のあんたがこんなHPを」といぶかる方が確かにいます。読者によっては、このHPの作者は本当に医者なんだろうか?もしかして薬剤師では?日本薬剤師会が作らせているのでは?厚生省の回し者かも?仮に医者だとしても金銭的スポンサーがいるはずだ、などと思うのでしょうね。作者としてはちょっと寂しい気がしますが・・・・。とはいえそんなお方は一部でしょう。今日も当HPに賛同的なメールが届いています。まずは、新人薬剤師の真摯なご意見をご覧ください。(99/1/15)
新米薬剤師 |
時々、先生のホームページを訪ねさせていただいています。
学生時代、薬剤師免許を一度で通らなかったこともあり、かなり多くの講座を受けておりましたが、調剤薬局という社会に出て、初めての印象は、「こんな薬剤師でいいのだろうか」という不安でした。
現在の薬学部の教育は、御存知かと思いますが、かなり変化しています。薬から病気への一方的なアプローチだけではなく、病気そのものの成因、病態、また、病気からの薬剤の選択理由などを講議する講座なども設けています。また、薬剤師としてあるべき姿(吉田先生のおっしゃるような)、面分業の問題点、医師、歯科医師等との関係をどのように作って行けばいいか、ということまで、かなりの教育がなされているようにも思います。しかし、調剤薬局という現場では(少なくとも、私が今いる調剤薬局では)、それらが十分に役に立っているとは思えません。
まず、調剤薬局の上層部の人間が、新しい知識を持った新人薬剤師に対して、「ここではそんなことは必要無い」と、きっぱりと言い切ったことに、おおきなショックを受けました。
例えば、添付文書を読むこと(これは、時間があけば、必ずしたかったことのひとつです)。就業時間中、たとえ、患者さんの来局が途絶えても、ぼーっと立っていたり、無駄話をしているのはよくても、添付文書は読むものではない、ということのようです。そして、専門雑誌等を読むことを、異端視される環境。学生時代の教科書を引っ張り出して読むことも、同様です。
全ては、「患者さんとのコミニュケーションから学べ」が、我が薬局の新人教育だったのです。
ホームページの様々な部分で討議されている、面分業のあり方、薬剤師のあり方、医師、歯科医師、薬剤師の関係のあり方、患者にとっての医療サイドのありかた、…もしかして、私の見方が間違いでないとすれば、それは、かなり局所的な討議なのではないかと思います。
病院で薬剤師になって、錠剤を集めたり、水剤を作ったり、散剤を調合したり、軟膏を混ぜたり、ということを経験して、疑義照会調剤監査や服薬指導をするまでには、かなりの時間がかかると聞いています。しかし、調剤薬局では、ほとんどの新人薬剤師が、2、3ヶ月で監査や、服薬指導を行っていると思います。学生は、本当に多くの薬物の一般名は知っています。でも、商品名は全くといっていい程知らないのに、です。おそらく、一般名で相互作用、重大な副作用は知っていたとしても、商品名でとなると素人以下でしょう。そんな、素人に近い状態の私が、薬剤師免許を一年前に取得したから、という理由で、一ヶ月で監査や服薬指導をしていたとしたら、…おそらく先生は悲しまれるのではないでしょうか。しかし、特に私のいる地域では、それが実体であり、多くの先生方が、危惧しておられる様々なことの要因であろうと思います。
いつも、先生のホームページを読む度に、私も、薬剤師としての職能をいかにして伸ばすか、そればかり考えています。どうやったらいい師に巡り合うかということも、どうやったら、求められている薬剤師になれるのかということも、今の私の課題です。病気のことや、カルテのこと、患者さんからの要望、意識レベルの低い地域の新米薬剤師、こと私は、かなり苦しんでいますが、日々気を引き締めて頑張って行きたいと思います。
これからも、ホームページを楽しみにしていますので、先生も頑張って下さい。
返書 |
吉田均 |
こんにちは、貴重なご意見ありがとうございました。
「コミニュケーションから学べ」はある一面では正しいことだと思います。我々医者もなりたての頃もそして経験を積んでからも、「病気は患者さんから学べ」ですから・・・・ただその経験だけでは限界があります。薬剤師の場合は町の商売人で終わってしまう恐れがあります。学生時代に学んだことそしてその後の勉強があってこそはじめて薬剤師として一人前になれると思います。もし薬局の経営者が「添付文書や専門書で勉強すれば患者さんによけいなことを言うかもしれない。患者さんには愛想良くだけしておればいいんだ。余計な副作用の話などもってのほかだ。」とのお考えでそのように言っているのだとすれば論外ですね・・・・。
その又返書 |
新米薬剤師 |
早速のお返事、ありがとうございます。いままでは、ただ見ているだけでしたが、実際にお返事をいただいて、何か不思議な感慨がありました。
「コミニュケーションから学べ」のことについてですが、先生のおっしゃることは、本当によく分かります。実際私も、患者さんの反応から言葉を選んだり、言ってしまってはこの先の治療の妨げになる言葉もあるということを、患者さんから学ぶことは多々ありました。これからもきっとそうだとおもいます。しかし、医師も薬剤師も、医療に関わる全ての者が、本来ならば専門分野に磨きをかけ、日々新しい知識を吸収することも仕事であると、私は考えています。このようなことを書いて、実際のところの自分の姿を振り返ると、とても見られたものではないのですが…。
医師の場合、専門医として医院を開設するのには、いろいろな規定があると聞きました。これからは認定医という制度にもなるということも聞きました。薬剤師には、たった一度の国家試験に合格すれば、薬剤師として働けてしまいます。それも、最近は、地方で新卒薬剤師を管理者として採用するところもあるのです。いくら薬剤師が足りないからといって、これでは、医薬分業がきちんと進んで行くとは考えられません。このような薬剤師の使われ方があるところでは、この先の分業には一抹の不安を覚えます。
だからといって、分業に反対かというと、そういうこともありません。色々討議されている分業に関する問題点もふまえて、将来的には、分業はあるべきだとおもいます。医師は、病気、疾患についての、薬剤師は薬についての、いろんなアドバイスができると思うからです。
副作用の防止だけではありません。患者さんの訴えから、医師がどのような方針で薬を処方したかは、何となく分かります。あるいは、誘導尋問的とも言われますが、いろんな情報を患者から引き出すのです。分からない時は、私の場合、問い合わせを入れることもあります。患者さんには最後まで、治療手段である「与薬」に納得してもらって、コンプライアンスを高めるのも薬剤師の勤めです。薬に対する不満の解消も、その一つでしょう。医師に対しては、どうしても、抗生物質は飲みたくない、ステロイドは使いたくない、剤形を変更してほしい、とは言えないようです。ずっと同じ薬を飲んでいるための不安もあるようです。
こんな訴えを、スムースに医師にトレースできれば、もっといい薬剤師と医師の関係ができるのに、と思います。なにしろ、どちらも数が多くて、一つの集合体となるわけはないのでしょうから、足並みそろえて、は難しいと思いますが。
それでは。今日はこの辺で失礼します。
“転職”薬剤師 |
初めて、メールさせていただきます。約1年くらい前より、吉田先生のHPを拝見させていただいております。最初に見た頃は、これほどまで、薬剤師に期待をかけていただけるDr.が日本にもいるのかぁー、めずらしいDr.もいるものだなぁー、という感じで拝見しておりました。(失礼いたします。)
ここ半年くらい前からでしょうか、いや、もう少し前からでしょうか、いろいろな業界誌やHPのリンク先に、先生が頻繁に紹介されるようになり、先生のおっしゃていることが、やはり筋がとおり、説得力のある考えだということをあらためて再確認させていただいております。また、薬剤師への多大なる期待の大きさに責任を感じさせられております。
私も私なりの医薬分業の考え方がありますが、今回は「全国からのメール(10)の“新米薬剤師”」への意見感想をメールさせていただきます。“新米薬剤師”のメールを読んで、共感するところが多々ありました。
私は、平成4年に薬科大学を卒業し、製薬会社の医薬情報担当者として、6年間ほど、医療に貢献しようと努めて参りました。しかし、所詮、営利目的の株式会社では、適正使用推進よりも、「売ってなんぼの社員」という評価をされます。ですから、薬剤師として、適正使用推進のためには、現場に立たなくてはと思い、家族の反対を押しきって、製薬会社を辞め、薬局(調剤主体)に転職しました。
もちろん、就職する先は、患者のためを考える薬局に就職したつもりでした...(利益を追求することも確かに必要ですが、患者のための仕事をやってからの話になると思います。)社長(薬剤師)は「患者のためにやりましょう」と、ことあるごとに言います。ところが、社長の行動はといいますと、“新米薬剤師”と同じく、「こんな薬剤師でいいのだろうか」」という印象でした。と言いますのは、社長は、患者や Dr.に対しては、親切丁寧です。これは医療関係者すべてがやるべき当然なことです。
しかし、薬剤師として必要なのは、複数受診の相互作用チェックや、より適正使用をするための処方医へのフィードバックだと思います。これらの薬学的な仕事による、患者のための仕事がやりたいのです。また、これらの仕事がなければ、医薬分業はしない方が、患者にとっても、二度手間・負担金アップがなくよいと思います。また、“新米薬剤師”のお話では、「添付文書は読むものではない」と指導されているとのことでしたが、私の方では、インタビューフォームは、場所をとるので、自宅に持って帰って下さい、と言われています。一言に、「患者のため」といっても、人それぞれ考え方が違うということがわかりました。(99/1/25)
行政薬剤師 |
はじめまして。先生のホームページを偶然みつけ、その日のうちに全て読みました。
私は、無薬局地域を含む田舎の保健所の行政薬剤師(29才)をしています。薬事監視員として薬局薬店の監視指導から医薬品工場への査察などを業務としています。もちろん医薬分業の推進のため計画を策定するといったことも試行錯誤しながらやっています。
それにしても、先生の分業に対する考え方はすばらしすぎます。私達行政が作る分業計画よりもはるか説得力があるように思われます。ひょっとして、先生は、薬剤師でもあり、医師でもある人なのでしょうか?と思ってしまいます。
私達行政がつくる計画は、きわめて理想的であるせいか、説得力がないように思えています。なぜなら分業計画を策定するにあたり、市の医師会長や病院の院長先生等から意見を聞いて話をまとめていくのですが、医師のトップの方々は、この医薬分業には理解を示してくれません。なぜなのでしょうか? そんな訳で、行政が作る計画は、強引につくりあげられていきます(薬剤師側の考えのみで?)。医師側の意見があまり反映されていないように思われます。これでは、面分業で患者のための医薬分業にはいつまでたってもならないと感じています。
私も、その分業計画を策定している最中にあり、ぜひ先生の説得力のあるホームページを参考資料として検討会にて使いたいのでよろしくお願いします。これからもいろいろ教えて下さい。どうぞよろしくお願いします。(99/1/19)
患者の味方になりたい薬剤師 |
吉田先生、お久しぶりです。
薬剤師として働き始めてから、様々な薬剤師、薬局経営側の思惑に戸惑う事がありました。私のいる薬局は、処方せん受付を始めて約20年になります。基準薬局となったのも、大変早い時期でした。20年前の分業の状態からは、おそらく、私のいる薬局は最先端の業務をしていたでしょう。しかし、この数年間の薬業界の変化に対応しているのかとなると、どうなんだろう、という疑問符を否めません。
私のいる薬局では、第一にスピーディな調剤を求められます。どこの薬局もこの事には一番気を使われていると思います。しかし、私のいる薬局では、患者さんのお話を伺って、しっかりとした指導を行うには、時間的、人的余裕からも無理なように思えました。薬局の薬剤師の人員は、処方せん枚数と使用薬剤費のどちらかで、法的に規定されていますが、この人員をも満たしていなかったのです。経営側、管理側に改善を求めたのですが、「今までやってきたのだから」の一言で一蹴されてしまいました。
また、勉強会やセミナーの参加に理解がなく、いそがしい時は顔色をうかがいながらセミナーに参加し、参加後のレポートは、誰にも読まれる事なくファイルに重なってゆきます。セミナーや勉強会は、その人の趣味であるという考え方なのです。毎月送られてくる雑誌も重なってゆくだけ、読んでいる薬剤師はほんのわずかな限られた薬剤師だけで、さらに、就業時間中、空いた時間にふと手にとってみていても怒られてしまう(無駄話している方が、よっぽど時間の無駄だとはおもいませんか?)。私のいる「古典的な」薬局はこんな環境なのです。
先日、他の店鋪で薬歴簿についてのうんぬんがありました。薬歴簿は、医師の使用する所の、カルテになります。昔、薬歴簿は、システムの対応がないために、手書きでした。現在は、事細かな患者情報を貯えるために「必要」で、手書きになさってる薬局がほとんどと思われます。私のいる薬局では、レセコンに患者情報をいれ、毎回、服薬指導時にプリントアウトし、指導に望んでいます。過去数回分の薬歴だけで指導するのには、かなりの情報不足がありますし、患者情報の全てをレセコンに貯えるのには、コンピューターの容量的に絶対的な不足があります。その点の指摘に付いて、経営側、管理側は、全く根拠もなく「必要無い」の一言で、いまだにコンピューター管理をやめようとはしません。
一応、皆さん御存知かも知れませんが、確認の為に付加えますと、薬歴は、患者の過去の情報が一度に閲覧できないといけない事になっています。コンピューター管理ではその点ができない事も含めて問題だと思いますが、私のいる薬局は、それに気がついていながら全く無関心なのです。
薬剤師として古典的、というのは、この教育(勉強)、情報管理の面について、特に感じる事です。最近話題になっている調剤薬局のSOAPや、SAPなどの考え方は、私にはとても必要だと思いますが、こういった新しい考え方に「できない」「必要無い」と、その必要性を考える事なく否定してしまうことにも、不満と、この先の不安を感じるのです。(99/2/15)
インターネット初心者、薬剤師 |
初めまして先生のホームページを見たいが為にインターネットを始めました。私は山形県の個人医院の門前薬局に勤務しております。
薬剤師になって4年目、調剤薬局は2年目ですが医院の薬に対する認識には驚きます。まず処方箋の単純な間違いが多すぎること。医師名、日数、用法などの記載漏れが多いこと! 処方の内容そのものよりそういった単純な記載漏れの問い合わせのために患者さんを待たせてしまうことは心苦しいです。
あと個人医院に多いことだと思いますが、患者さんが求める薬をそのまま処方すること。そうしないと人気が落ちてしまうことを恐れているようですね。もちろん禁忌、重複投与等の問い合わせをすれば遠回しに「おたくはうちの下請けなんだからよけいなことは考えずにそのまま薬渡していればいいの、薬局はおたくばかりじゃないんだからね」と言うようなことをいわれる始末。本当に医者不信に陥りそうです。
でも先生のページを拝見するたび勇気づけられます。もっといろんなことを勉強しなくては、と思います。これからも楽しみにしています。(99/2/27)
茂木靜(2児の父親) |
吉田先生、こんにちは。
以下は、すでにご存知かもしれませんが、今年1月28日付The Wall Street Journalに掲載された記事の要訳です。日本の社会は米国の後を追っているといいます。医師と薬剤師の関係においても米国のようなことになっていくのでしょうか。それとも、医薬分業進展の先にある必然的な状態なのでしょうか。
全米の貧困者層を対象に実施している健康保険プログラムを取り扱う、米国健康保健財政庁(HCFA)は、昨年の4月、ミシシッピー州のメディケイドを取り扱う薬剤師に対して、糖尿病、喘息、高コレステロール、抗凝固剤を必要とする患者の医療相談、処方薬の変更等、必要な調剤を行う事を許可したが、同様の動きがウイスコンシン州、ミズリー州でも見られ米国健康保健財政庁はこれを承認する見通しだ。
ミシシッピー州Corinthの薬局に勤めるMikki Mooreは、カウンターで83才の患者の指から採血を行った結果、血液が急速に凝固する事に気付き抗凝固剤の割合を少し増やした。彼女は医師ではなく薬剤師。にも関わらず医療観察し、調剤内容を変更し、その業務に対して雇用主の James Bennett薬局がメディケイドから得た支払いの中から給料を受取っている。
アメリカ全土で23,000人いるといわれる薬剤師の仕事はこれまで薬を調合するだけであった。しかし、今日の薬剤師は患者の医療相談を行い、自分で処方するようになってきている。
こうした状況について、全米で620,000人と云われる医師はもちろんハッピーでいられるわけではない。ミシシッピー州VicksburgのJoseph
Ross 内科医は「これは良くない事で患者を危険に陥れる」と述べている。ワシントン州医師会のMark
Adams会長は薬剤師が徐々に患者の診断を行うようになり、調剤をする傾向に警鐘を発している。熟練看護婦(士)(Nurse
practitioner)の例では既にいくつかの州において医師同様の診断を行う事である程度の地位を確立しており、医師達は今後この傾向が強まる事に懸念を表明している。
幅広い患者のカウンセリングを行う薬剤師は、このような作業をdisease managementと呼んでいる。このような薬剤師達は、例えば高血圧のような慢性病を定期的にモニターする事を行っている。薬剤師によると、頻繁にモニタリングを行う必要がある患者、特にマネージド・ケアの下では、医師が行うモニタリングの数よりも更に多くのモニタリングが必要だと、述べている。例えば、非常に血圧の高い患者の場合は毎週モニタリングをする事が必要で、そうする事で患者が救急外来へ運び込まれるのを防ぎ、薬剤師は、結果としてヘルスケアのコストを抑える事が出来る。
全米薬協会の報告では、現在、21州で、医師との協調契約の下で、薬剤師が薬剤の調合を行ったり処方箋の内容を変更する事が出来るようになっている。つまり、医師はケアに関するブループリントを提供し、薬剤師はそのブループリントに書かれた内容を理解する事で変更する事が出来る、と云うもの。
例えば、脳卒中の患者の調剤では、患者が薬局に来て薬剤師が診断の結果、処方箋とは異なった調剤を行う事もある。又、親が子供を薬局へ連れてきてインフルエンザの注射を打ってもらう事も出来る。その他、22の州でも現在薬剤師にこのような権限を与えるかどうかを検討中である。
薬局では、民間の保険会社がdisease-managementプログラムの下で薬剤師に対してこのような処方を認めているが、しかし、現在では未だ 10%から20%にしか過ぎない。これら薬剤師の平均年収は$65,000と云われる。これに関してコネチカット州Hartfordにある民間保険会社Aetna社の臨床薬局主任のRobert Jackson氏は、問題は薬剤師がヘルス・プロフェッショナルよりも優れた価値を生み出すかどうか、と云う事であるが、答えは「No」だと云っている。
もし、この答えが「Yes」に変える事が出来れば、非常に大きなビジネスに繋がる事になる。全国規模で大々的なチェーン展開を行っている薬局、Rite
Aid Corp.、CVC Corp.、J.C. Penny Co.、Eckerd Corp.等では、この患者のカウンセリングを行う方向に動いている。現在では未だ調剤の内容変更するところまでは行っていないがRite
Aidでは近々そうする、と述べている。
ワシントン州の薬局は、例えばRentonにあるFairwood薬局等、医師との合意の下に、薬局にやってくる人に対して肺炎、風邪の免疫薬の注射、避妊薬の処方等自由に調合できる事になっている。
驚くかも知れないが、全米医師会は、このように薬剤師がdisease-managementを行う努力に対して支持している。これに関してミシシッピー州 Tupeloで全米医師会の管財人を務めるJ. Edward Hill医師は、「究極的には数多くの患者ケアが出来るようになり、チームの船長を医師が勤める限りよりベターなケアが行えるようになる」と述べている。
カリフォルニア州San BernardinoにあるInland Empire Health Planではマネージド・ケアに関し、薬剤師に対して、喘息患者のカウンセリングを行う様トレーニングを行っている。これに関してメディカル・ディレクターのBrad Gilbert氏は「医師が全ての教育を行うには時間が無さ過ぎる」と述べ、彼はその効果の程を同社におけるマネージド・ケア・プログラムの下での患者統計で、過去1年半に救急外来へ運び込まれる数が減った事を挙げている。
薬剤師のJames Bennett氏は7才になる孫Benjamin Stacyを連れて来たRoberta Bennettとのカウンセリングで、45分、この孫の喘息の相談を行い、Benjaminが現在服用している4種類の薬剤の相互作用に就いて調査。このBenjaminは祖母と一緒に住んでいるが、母親のところへ行くと喘息がひどくなる事が判り、Benjaminに吸入の仕方を充分に教え、母親のところへ行っても彼自身できちんと吸入が出来るように指導を行った。祖母と一緒に居る時は祖母が気を付けて吸入を行うものの、母親のところでは祖母のところに居る程吸入を行わない事が判った。このように薬剤師は、医師だけでは充分に行う事が出来ない日常生活に密着した形での患者のカウンセリングに力を発揮している。以上。
返信 |
吉田均 |
茂木靜さん、こんにちは。とても興味ある最新情報をありがとうございました。
米国の薬剤師は信頼できる職業ベスト・ワンにいつも選ばれているそうでね。そういう社会的背景に支えられての「承認」なのでしょうね。日本の薬剤師は現在発展途上ですので、これからということでしょう。あるとしてもかなり先のお話になるでしょうね。私としては、薬剤師が経験と実力が備わり、社会的認知が高まった時点で賛成したいです。現在の日本の現状は患者さんに目の行き届いた医療が出来ていません。私自身にとっても、地域の医療を24時間完全にはカバーできません。主に体力的にですが・・・。薬剤師の手助けできめ細かな医療が出来るとすればこんなありがたいことはありません。
全米医師会もこれを承認していることは日本から見れば驚くべき事で、日本では考えられないことです。某団体からは既得権の侵害と猛反対の声があがることでしょうね。きっと。