人間の感情は、本能だけでなく、神経伝達物質の増減が大きく影響されることを知っておく必要があると思います。 以下の記述は、「家族という名の強制収容所」というサイトに書いてあったことの丸写しであり、神経伝達物質に関する正しい情報を知りたい方は、そちらへ、どうぞ。 神経細胞のニューロン間で信号(刺激)をやりとりするために必要な物質は、神経伝達物質と呼ばれています。 50種類以上の神経伝達物質が確認されていますが、その働きが比較的解っているのは20種といわれています。精神活動の面で重視されるのはγ-アミノ酪酸(GABA-ギャバ)、ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンなどです。 特にドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンを総称してモノアミン神経伝達物質と言いますが、モノアミン神経伝達物質は、情動に大変大きな働きを起こし、また多数の脳内の部位に大きな影響を及ぼすことで知られています。 人間は何らかの刺激を受けると、大脳でまず解析し、その後海馬に送られます。 海馬から「パペッツの回路」と呼ばれる各部位をめぐる流れに乗り、そこで感情が生まれます。 生まれた感情はふたたび大脳に取りこまれ、長期記憶などになります。 快感を増幅するトーパミン 脊椎近くにある腹側被蓋野【A-10(エー・テン)と呼ばれる】という原始的神経核からはじまって、高度な人間らしさを司る前頭葉まで達している神経路があり、快感神経系と呼ばれています。 この快感神経系のスイッチを入れるのがドーパミン。ドーパミンは、A-10神経系で作られます。 快楽神経系が興奮すると、ヒトは快感を感じ、身体の動きが活発になり、ユーフォリア(多幸感。ハイな感じ)を得ます。 ドーパミンを過剰に消費するようになると、幻覚や幻聴、妄想などが生じるようになり精神分裂病によく似た症状が出てきます。 ドーパミンは覚醒剤ととてもよく似た構造を持つので、覚醒剤を使用するとドーパミンが放出された時と同じような「ハイな感じ」を得ることになります。 覚醒剤依存がやがて精神分裂病によく似た症状を来すのも、ドーパミンの過剰消費と同じ原理です。 ドーパミンを抑制するのがGABA(ギャバ)神経と呼ばれる神経系で、ドーパミンを細胞内に取りこむことでドーパミンの過剰消費を防ぎます。 が、このGABA神経による抑制機構が快楽神経系の末端(前頭葉)では欠けているため、ドーパミンが前頭葉でえんえんと過剰に消費されることがあります。 また、GABA神経には脳内麻薬様物質(オピオイド)を放出する神経細胞がつながっていて、麻薬様物質の放出を受けると、GABA神経の抑制作用が弱められてしまいます。