天国とんぼ 「一寸一言二言三言」

 ●No.0039 女性アレルギー?

 福井から東京の小学校に転校した時、私は吃音症の上に、訛りがあり、それを笑われ、「(いな)かっぺ」と呼ばれて以来、一種の対人恐怖症、あがり症、赤面症になったと思っています。
 大学のときに、大学で受けられる講義はほとんど全て受けていたにも関わらず、教職課程だけは取らなかったのも、教育実習で人前に出るのが怖いという理由からでした。
 何人かの教授からは勧められましたが、当時は本当に全く考えられないことでした。

 それから十数年経ち、それらがようやく収まってきた頃、女性アレルギーになりました。
 ある年配の女性から、「あんたのように醜男で、チビで、ズングリムックリで、三流大学出身の、他人様に自慢してお薦めするところのない人間から、お見合いを世話しろと言われても正直困る」と面と向かって言われた事がありますし、それ以外にも、複数の女性から厳しい言葉を毎日、或いは毎週言われ続けた経験がトラウマとなっているようです。
 その方たちに悪気はなく、正直に自分の気持ちを伝えただけですので、「私は全く恨んでいません」と断言できますし、私自身、故意ではなかったにせよ、多くの人たちを傷つけてきた加害者であろうことは疑いのないことだと思っていますので、被害者面をするつもりはサラサラありませんが、身体は正直です。
 私は犬が苦手で、近づいてきただけで身体が硬直するのですが、女性の場合も同じです。
 最近は、冗談のように女の人に話しては、「私たちは犬と同じか」と突っ込まれて、笑いをとっている私ですが、女性に前から見つめられると、冗談ではなく本当に、手が震え、足が震えてきます。

 「私は信仰を持っています」と胸を張って言えるほどの信仰は私にはありませんし、「なんちゃってクリスチャン」を自称している人間ですので、信仰を強く持っておられる女性クリスチャンの方の前に出ると、更に恐怖心が加わります。
 そうした人たちには、赤ちゃんにいきなり一メートルのハードルを越えろと言っても無理なように、クリスチャンとしては赤ん坊同然の私に出来ることと出来ないことがありますので、出来ないことを責めるのではなく、出来ることを誉めて伸ばすようにして下さい、どうか温かく見守って下さい、とお願いすることにしています。
 全く理解して貰えなかった人もいますし、寛容に受け入れて下さった方もいます。
 信仰を持っていると自負している人ほど他人に厳しく自分に甘い傾向があるのはパリサイ人ばかりではないと思っているはないと思います。

 私の恩師S先生は、貴方に信仰があったとしても、それは神様から与えられたものであり、自慢するほどのことはありませんとよく言っておられました。
 毎週礼拝に来て、教会の行事に参加しているとしても、それは楽しいからやっているのでしょうから、自慢する方がおかしいし、もし我慢していやいややっているとしたら、その方が問題ですとも言われ、信仰に自信のあると自負している人たちに冷水を浴びせかけていました。
 しかし、逆に信仰以上に愛のある人もいるなど、人それぞれですが、その両方があることを示して下さったNさんには、心から感謝しています。


  


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