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●No.0032 弱者を切り捨てる社会は恐ろしい社会
動物の世界では、親は子を守ろうとしますし、その懸命な姿を映像で見て、涙した経験を持つ人は多いと思います。
しかし、逆に子が親を守ろうとしたり、面倒を見る習慣は動物にはないそうです。
「弱肉強食」が掟の動物や自然の世界では、年を取り力のなくなった親が群れを離れて孤独な死を迎えるのは象の世界だけではないという話を聞いたことがあります。
この話を聞き親の面倒を見る必要はないというふうに思った人は、動物と同じでいいという考え方の人です。
年を取れば、見た目もきれいではなくなるかもしれませんが、社会的には役目を終え、一見役に立っていないかのように見える老人のような弱い存在を大事にできるかどうかで、人間になれるかどうかが決まりそうな気がしています。
老齢者の人は、自分の子に、「面倒をかけたくない、邪魔者になりたくない」と言い、それは優しさからきていて、子供の側から言えば、大変有難い配慮ではあっても、それは根本的なところで、共同体の一員であることを放棄していく考え方です。
それは、強いもの、富めるもの、力のあるものだけが存在すればいいという考え方であり、ナチスと変らない大変恐ろしい社会になってしまいます。
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