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●No.0029 羞恥心は人間自らが作り出した武器
また羞恥心には、もう一つ、自分の身を守らせるという側面もあります。
食欲、排泄欲、睡眠欲、性欲といった強い本能は、欲求が強い分、熱中し、隙ができる可能性も強く、そこを襲われたらひとたまりもないという状況でもありますが、そうした状況においてこそ、羞恥心が働き、その人間を守っているのではないかと思います。
言わば、羞恥心は、自分の身を守るために人間自らが作り出した武器とも言えます。
その羞恥心が、身を守らせ、或いは動物的な本能の部分を覆い隠そうと、ヒトに衣類を身に着けさせ、道具を用いて作法やマナーにのっとった食事をさせ、家を建てさせ、便所や寝室を設けさせ、一夫一婦制という結婚形態をとらせ、人間としての文化と誇りを持たせたと理解しています。
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