| “ハリコフ攻防戦”を概観する
 では、本題の「ハリコフ攻防戦」を見てゆきましょう。
 このゲームは 1ターンが実際の7日間に相当し、 1943年1月19日 〜 同年3月15日を 8ターンに区切って進行させます。
 ユニット規模は、ソ連軍が軍団、ドイツ軍装甲・装甲擲弾兵ユニットは連隊、ドイツ軍歩兵ユニットは師団です。
 スタック制限は、ドイツ軍が 3ユニット、ソ連軍が 2ユニットです。3つのゲームの中でスタックが許されているのは、このゲームだけです。
 シークエンス(1つのターンの手順)は、
 a. ソ連軍の援軍フェイズ
 b. ソ連軍の移動フェイズ
 c. ソ連軍の攻撃フェイズ
 
 d. ドイツ軍の援軍フェイズ
 e. ドイツ軍の移動フェイズ
 f. ドイツ軍の攻撃フェイズ
 
 と至極単純です。
 
 ルール上の特徴は、前述のとおり補給ルールが無いことと、戦闘結果の後退は攻撃側が行ってユニットを裏返すこと、戦闘後前進は歩兵ユニットが1ヘクスのみで、それ以外のユニットは2ヘクス。ただし1ヘクス目の隣に敵のユニットが存在すると2ヘクス目の前進は不可、などなどです。
 
 勝利条件は、第8ターン終了までにソ連軍がポルタワ(1)かドニエプルペトロフスク(6)に進入すると、その時点でソ連軍の勝利でゲームが終了します。しかし、これは余程のことがない限り実現しません。通常は、第8ターン終了時に両軍が獲得している勝利ポイントを比較して、多い方が勝ちになります。
 ポイントの獲得方法は、
 
 a. 都市占領 :ゲーム終了時に占領している 1都市につき、2点。
 b. 都市突入 :ソ連軍ユニットが初めてその都市ヘクスに進入した時点で、1点得られる。
 
 ちなみに都市数は20個であり、その内の4個はハリコフ市である。ゲーム開始時は、全ての都市がドイツの支配下。
 都市突入した都市を明確にするため、マーカー(20個)を自分で用意する事をお薦めします。ドイツが再占領したら
 裏返しにすると良いでしょう。
 
 ※コマンド・マガジン日本版 第48号に、オマケとして専用マーカーが添付されました。さっそく活用しませう。
     c. ユニット潰滅 :戦闘の結果、ドイツ軍装甲・装甲擲弾兵ユニットを除去すると 2点、その他は1点。d. 鉄道の切断 :ソ連軍の移動フェイズ終了毎に確認する。ソ連軍ユニットがオレンジ線上に存在
 すると 2点、黄色線上のみに存在すると 1点。ただし、複数のユニットが線上に存在
 していても、得られるポイントは増加しない。
 大概、30点台か40点台で勝敗が決まるようです。マップ左上の勝利ポイント表示欄(空色)でその時点でのポイントを表示します。 地形効果は、「ドイツ戦車軍団」の3つのゲーム毎に異なっているのが少々困る点です。 
                よく間違えます。(笑 
                 
                  | 地形名 | 移動コスト | 防御効果 |   
                  | 平地 | 1 | 特になし |   
                  | 森林 | 2 | 防御力 
                    2倍 |   
                  | 都市 | 1 | 防御力 
                    2倍 |   
                  | 大河川 | 2+ | 攻撃側が全て河川越しなら 防御力 2倍
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                  | 小河川 | 1+ | 特になし |   
                  | 鉄道 | 1 | 特になし |  このゲームのマップ上の鉄道線は、道路と同じ扱いです。ユニットを鉄道沿いに移動させた場合、森林ヘクスや河川を通過しても 1コスト消費するだけで済みます。    次ページ、“「ハリコフ攻防戦」の特徴”へ続きます
 
 
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