昔はインフォームド・コンセントや情報開示という考えはありませんでした。“赤ひげ”的医療が主流でした。従って次のように考えるほうががむしろその時代として正しかったと思います。清水先生も、もし、現在生きておられれば、この部分はきっと現代風に改訂されたことと思います。


<[処方箋受付]の2の原文>


患者の質問にはていねいに答える。質問には鸚鵡(おうむ)返しに答えずに、少し間をおいて答える。この際処方の内容を批評してはならない。患者はよく(1)病気は何ですか(2)この薬は何ですか(3)効きますか、などと尋ねる。この際医薬品の名称、性質、病名、効果等を語るのは、処方医の信用にかかわることがあるから注意を要する。効用や使用法は必ずしも一定しないものである旨を答える。もし、しいて質問を受けたときは、最小限に答え、なおその内容を話さないのが、処方者への礼儀である旨を告げ、質問は処方者に向けるようにしなければならない。答えをして処方者と意見を異にし、自己の信用を害することがある。医師は治療上薬剤師と共同作業者であるから、互いに尊重するを要する。