小泉旋風が吹きまくっていますね。政治がとってもおもしろくなってきました。参議院選は誰に入れたらいいんでしょう。小泉さんを助けるために自民党に入れるべきか、いやいやそれでは自民党の守旧派を増やすことになり、かえってまずいかも知れない。かといって民主党が大勝しては小泉さんの再選に影響が出るやもしれず・・・。ま、私がどうこういっても国民みんなで決めることなので、結果を冷静に見ましょう。そして、選挙後はもっとおもしろくなると思います。道路族・土建族の橋本派対改革派小泉内閣の激突が始まるはずです。小泉さんは解散権というオールマイティを持っているのできっとやってくれると信じているのですが・・・。一番の心配事は総理の健康ですね。今でも相当のストレスがかかっているはずですが・・・。(2001/6/27)
MYKONOS |
吉田先生、変わらずご活躍の様子でお慶び申し上げます。
先に大阪府の薬剤師先生には申し上げたいのですが、薬剤師に限らず、すべて誠実に自分の務めを果たす自信がある人であれば先生の言われるとおり「あなたのために、私のあらん限りの、知識と、経験を生かすように努力します。あなたに、信頼しますと、言っていただきたいから」と考えていると信じます。 私が尋ねかけているのは「知識・経験が適切・十分でないとしたら、いくら誠実でも期待されているレベルの成果をあげられないのではないか」という疑問であって。誠実さの有無の問題ではありません。この方向での議論はここでは不必要ではないでしょうか。
が問題にしたのは(引用した林一「日本の薬学教育」が問題にしているのも)分業に必要な(あるいは期待されている)知識・経験が教育によって適切・十分に与えられているかという問題です。ここで、薬学は人間を対象とする分野のはずなのに臨床実習はあってもわずか、教育陣にも臨床経験がない人ばかりであるという話が出てくるのです。
大阪府の薬剤師先生の「薬学部の、すべての先生が、薬剤師としての実務に就いている必要もないし」は否定しませんが程度の問題でありまして、大多数の先生にその経験がないというのは奇異です。「医学部にも、看護学部にも、栄養学部にも、時代の養成に応じて、薬学や、化学の先生は、派遣されてしかるべきでしょう」は頷けますし、実際におられますが、それでも私の知る限り、医学部や看護学部(学校)の教育陣の大半は現役ないし相当の実務経験を積んだ人達です。医療は数学や文学のように研究室にこもり沈思黙考していても成果が上がるものではなく、一種の職人芸の面を持ちますから経験者から言葉で教授されるだけでなく、技術や話術 etc.を見て習い覚える必要のあるものです。したがって先達として臨床経験のある教育陣が求められるのではないでしょうか?
私の診療所の近くには薬科大学がありその学生もよく来るのですが、学生に卒後の進路を尋ねるとかなりの学生が「調剤薬局です」と言います。調剤薬局にもいろいろありますが、私の医院の処方箋の一部は卒後病院勤務などの実務を経験したことさえない薬剤師のおられる薬局に流れます。分業が進むということはそのような進路が有望であるには違いがないのですが、数年先にこのまま彼等がさらに後輩を職場で指導する立場になる頃のことを考えるとやや不安を覚えます。 これは私自身が医薬分業について他の医師達と話している際に突っ込まれる質問点と重なりますので皆さんのご意見を聞いてみたいと思ったしだいです。
薬学生である古屋綾子さんも誠実に大学で身につけられる知識・技術が十分なものであるか否かに疑問を抱いておられるのだと思います。確かに分業が殆ど行われていなかった時代に十分であったと称する教育で世の中が変わった分業の時代に対処することには不安があります。万全ではありませんが卒後数年、中規模の病院(個人的には大病院は感心しません)で勤務されるのも良いのではないでしょうか(実際、これが薬学6年制案には取り入れられていました)。
以前、ここにも書いたことですが古い「ファルマシア」(日本薬学会雑誌です)に「患者さんに薬を投与した場合どうなるかを一番良く知っているのが看護婦さん」と書いておられた先生がいます。これは直接薬を投与した患者さんを観察する機会が多いほど薬の効果について知ることが多いという意味です。患者さんがもっとも関心を持つのもこのような『薬についての知識=効果・効能や具体的な副作用』だと思うのですが、これは講義や書物からだけではなかなか得難いところです。また病院におれば他職種の医療従事者との協議・協力にはどのような知識が重要かもわかるでしょう。病院に勤務されている先輩などの意見を求めてみられてはいかがでしょう。
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これから下は以前に書いて放り出しておいた文章です。今回のこととは直接には関連しませんが一部の医師には薬剤師は実際の臨床・日常の診療に疎いと思わせかねないものを含んだご不満だと思います。
近、このページを見ていますと、医師・薬剤師とも分業に慣れていないための単純な誤解からのトラブルではないかと思われることも目につきますので意見を書かせてください。本質的なことで分業について議論が白熱するのは良いのですが、あまり本質でない議論でお互いに信頼を失うようなことは残念です。
先に結論を言えば、患者・医師・薬剤師がお互いに信頼しあっていなければ医薬分業はうまくいかないということです。能力さえ証明されているなら、一応相手は誠実であると信頼して仕事をしなければ何事も前に進みません。その上で信頼に耐えるように事例を検討するなど学習と向上を図りたいものです。ここはお互いに話し合いをせずに文句を言っているより一堂に会して(これが徹底的な面分業なんて言われると計画しずらいのではないかと思うのですが)単純な行き違いは誤解を解くべきだと思っています。とにかく以下のようなことはそうだと思うのです。
ひげの薬剤師さんの書かれていることなのですが...
>先生、こんばんは。今日、門前のドクターより服薬指導について、クレームがありました。こういう事のようです。患者に「診察は受けましたか・・」と聞くな。患者が「薬局でもっと効く薬がある・・」と言われた、と言っている。これは薬局としての行為を逸脱しているので、何とかしろ・・と。 |
門前であれば相手のドクターの診療の実態を知っての上でのことかもしれませんし、実際に患者を診ずに投薬だけを続ける医師、もらい続ける患者もいることは事実ですのでわからない話ではありません。 しかし、診察をせずに処方箋を発行することは明瞭に医師法に違反する犯罪行為です。患者に「診察は受けましたか・・」と尋ねるということは医師が犯罪を犯しているかと疑うことと同じですから誠実に職務を行っている先生は気分を害するでしょうし、患者も処方箋を偽造したのではないかと疑われているのかと思うかもしれません(実際、偽造して薬だけを入手しようとする患者がいるは事実ですが)。私なら(医師としてでも患者としてでも)気分を害するでしょうし、ムシの居どころによっては怒ります。特にそうでないという証拠があるのでなければ自分が真面目にやっているのなら相手も真面目にやっているのだろうと思ってくださらないと対等な関係で仕事はできません。ただ、「もっと効く薬・・」についてはもっと具体的にわからないと何とも言えませんが...。
そして...
>処方箋について、日頃から感じていることを聞いて下さい。医師は「処方箋の書き方」についてどのように考えているのでしょうか。今日、うちに来た「ある大病院」からの処方箋には、5種類以上の薬品が書いてありましたが、全てにミリグラム数が書いてありませんでした。おまけに用法も分1、分2・・のみ。これでは薬局は |
これは吉田先生が理解され意見を書かれていたこと違うことではないかと思います。多分同一製剤で有効成分の含有量の異なる錠剤・カプセルが存在するもののことでしょう。病院ではこのような場合そのうちの一種しか置いていないことが普通ですので(これは処方箋作成時だけでなく調剤時の間違いも防ぐ方法として有効です)勤務している医師は知らないのです。これは外部に処方箋を発行する方針に切り替えた際に病院がそのような薬剤のリストを作って医師に周知させておかなければならないことです。医師の勉強不足と言われればそれまでですが医学的な知識の不足と咎めることでもありません。面倒ですが指摘してあげてください。一度指摘されれば普通は注意するようになるはずです。
>書いてありませんでした。おまけに用法も分1、分2・・のみ。これでは薬局は「お手上げ」です。こんな処方箋に限って「疑義照会」すると「患者に聞いてくれ」なんて言うんです。寂しい気持ちになります。ひどいと思いませんか。事細かに処方箋を |
これも患者も無視されるべきではない立派な当事者であるということを思い起こしてください。患者を信頼してまず患者に尋ねてみるのが正解だと思います。。言い方に問題はあろうと思いますが「患者に聞いてくれ」という医師の発言はあり得ます。 「分1」とは一日一回の服用ということですから薬にもよるのは確かですが、この場合必ずしも朝とか夕とかを指定する必要のないものがあります。私はその場合は患者本人にだいたい24時間前後の間隔さえあければいつ服用するかは自分で決めてもらってよいと説明しています(人によって、いつ服用するのが忘れにくいかが違います)。もちろん診察時に患者さんが「私は朝にのむことにします」と言えば「o.m.」と書きます。でも実際はそんな患者さんばかりではありませんので「分1」とのみの処方箋を発行し、後は患者さんに任せてゆっくり考えてもらう場合も少なからずあります。さらに言えば2交替や3交替での勤務をしている患者さんの場合、薬によっては「o.m.」などと固定すること自体が無意味なことがあります。やはりまず患者さんに尋ねてもよいのではありませんか。
このような場合に医師は処方箋の指示を「ut dictum」としておくのも一法ですが「ut dictum」と書かれた処方箋は患者の指導ができないので薬剤師は受けない方が良いと書かれた書物もあり、私は避けています。
「分2」「分3」「分4」については特に指定がなければ薬剤師は「一日二回朝夕食後」「一日三回毎食後」「毎食後および眠前」そして「食後」とは「食後30分」と理解せよと私は講義で習ったような気がします。このつもりで処方箋を発行している先生なのかもしれません。私も普通は「b.i.d.」「t.i.d.」「q.i.d.」のみで処方箋を作成していますが一度しか疑義照会があったことはありませんし、その内容は「『b.i.d.』とあれば朝夕服用と薬袋に書くが、抗ヒスタミン剤であるので眠気を考慮して夕の分は眠前とすべきではないか。能書にもそのように書かれている」ということでした。この薬剤師の方は良く注意して能書を読んでいると感心したものです。
「分1」はともかく「分2」「分3」「分4」については改めて「調剤指針」などを調べてみましたが私の記憶にあるような記載は見つかりませんでした。もしかすると上記の判断は講義された先生の病院だけの習慣かもしれません。
以上「医者から見た『あいまいな処方箋』について」の意見ですがいかがでしょう。
そして以下のことは別の次元の問題ですが...。(さらに話がそれてすみません)
>コンピューターで事務員が打ち出した処方箋ってのも世間には多いようですが、これは「超」恐いです。何が起こっても不思議じゃない・・って感じ。入力ミスがあったとき、医師は「事務員の責任」だと言うのでしょうか。ぜひ、プリントアウトした処方箋には「ご自分の手」で印鑑を押して欲しい・・と思います。今夜は勢いで書いて |
私は手書きの処方箋の方が怖いと思います。ミミズがのたくったような字で書かれた文書なんて間違いのもとです(医師であっても以前の先生が書かれたカルテの文字の解読に悩むことは...しばしばあるのです)。その先生の字を見慣れている事務員が読みとって入力した処方箋の方がよほど安心です(もちろんその後で本人が確認すべきですが)。
ただ私自身コンピュータ打ち出しの処方箋を発行していて「これはマズい」と思うことがあります。現在のコンピュータプログラムはレセプト作成機から発達しているので薬価計算に重点をおいています。そのため抗生物質など力価で処方することがある薬剤もすべて重量に換算しなければならないことです(少なくとも私の使っているコンピュータはそうです)。これは二度手間であるというだけでなく、計算途中で誤りを生じる可能性があり気をつかいます。分業が広まっていくであろう将来に向けコンピュータソフトを作成する会社にも働きかけが必要だと痛感するところです。これは医師・薬剤師双方から声をあげるべきことでしょう。 他にも錠剤やカプセルなら「××mg のもの○○個」となるのに外用薬の場合「5g のチューブ 4 本」と処方してもコンピュータは「20g」としか出力してくれなかったりします。患者さんにしてみれば 5g のチューブを 4 本もらってあちこちに置いておくのと20g のビンを 1 個もらうのとでは使い勝手が違うので(コンプライアンスが悪くなるので)困りものです。良い機種をご存じの方がおられたらお教え願いたいと切に思っております。(2001/6/27)
ひげの薬剤師 |
先生、こんばんは。昨日、ホームページを開けてみたら、かなり昔の私の発言に対してのご意見がありました。うれしく思います。私の言葉足らずもあり、誤解を生じてしまっているようなので、フォローしておきます。
以上。 一通り、私の考えを書かせていただきました。「医師の考え」「薬剤師の考え」・・、「医師の現場」「薬剤師の現場」・・、そこの違いは、小さくないことを今回実感しました。しかし、「全ては患者さんのため」というスタンスで捉えれば、必ず、ベクトルは同じ方向へ向いているはずです。もっと、もっと勉強しなくっちゃ・・と感じながら、ペンを置きます。 (2001/6/29)
Y.Nagashima(神奈川県、薬剤師) |
ネットサーフィンをしていて先生のHPを見つけました。拝読しとても嬉しくなってしまいました。メールを書かずにはいられない、といった感じです。 1年ほど前まで大病院の小児科病棟で臨床薬剤師をしていました。その小児科でも、解熱剤は使用しない、とりあえず抗生剤という処方はしないと近隣の病院に啓蒙しています。
病棟に上がって思い知ったのは薬剤師がいかに臨床を知らないかということでした。薬剤師はペーパー上の知識で議論する傾向があります。例えば、病棟から「錠剤が飲めないから粉砕してほしい」という依頼がきても、「光りに不安定で力価が落ちるから出来ません」「吸湿性があるからできません」と断るだけ。病棟はどうしているかといれば、目の前にいる患者さんのために乳鉢・乳棒を購入し看護婦が粉砕している。‘目の前に患者がいるか、いないか’の差なのでしょうか。これで薬の専門家といえるのか?と思います。力価が落ちるのならば、どのくらい落ちるからどの程度の増量が必要と考えられるのか、何日分なら粉砕できるのか、など具体的な臨床で役に立つ意見を述べ、情報を提示していくべきではないでしょうか。HPで先生のお考えを伺い、先生のような医師に必要とされる薬剤師になれるようがんばろうと気持ちを新に思いました。
今、勤めている調剤薬局は門前ではなく、地域に根ざした薬局を目指すにはもってこいの立地にあります。ただ、病院が定まらない分、大量の備蓄在庫をかかえ大変困っています。処方箋はほとんどの場合、商品名で記載されてくるため、同じ薬品が違う名前でたくさん備蓄されている状態です。小さい診療所は、問合せによりある程度は変更してくれますが、大病院は薬事委員会があるからだと思いますが変更はいっさい受けつけてくれません。
先発品と後発品の差で変更を受けつけないというのは理解できますが、先発品並売などで変更ができないというのは調剤薬局の経営を大きく圧迫しています。最近は、少量での購入ができるようになってきましたが、返品ができないなどまだまだ問題点を抱えています。門前薬局でないと経営上つらいというのはこういった問題もあるのだと思います。薬品をランク分け(先発、後発など)し、処方箋には一般名とランクを表示、同ランク内では商品名は不問。といったように早くならないものかと思います。 先生のHP、これからも楽しみに拝読させていただこうと思っています。今後ともよろしくお願いします。(2001/6/29)
鮒寿し(薬剤師) |
各投稿内容(特にMYCONOS氏の)は現在の医療における医薬分業及び薬剤師をよく見ていらっしゃると思います。ただ、私は一言で申しますなら、「薬剤師をもっと長い目で見ていただけないかと・・希望します。」
私は3軒の調剤薬局を経営しております。調剤薬局経営をはじめてまだ7年程でありますが・・。最初は小児科医院の隣での所謂門前薬局でのスタートでした。薬剤師は我々夫婦と元ベテラン病院薬剤師の3名で、事務のスタッフに開業医で働いていた経験年数5年〜20年の女性3人程を雇用しました。最初は2度手間、待たせる事、応対姿勢が悪いなどと種々の苦情がありました。毎日が反省ばかりでした。また、私の店に対して同業者から患者さんへ非難めいた言葉などがあり、患者さんに戸惑いもみられました。
私はスタッフには「医薬分業は今スタートしたばかりなので、患者さんの種々の苦言は明日につながるためのものと考え、慎んで拝聴する姿勢が必要」と繰り返し申してきました。それは今もかわりません。調剤薬局を経営するまでは、率直に言って「物売り」の姿勢でありました。お客へのサービスはまず価格追求(低価格販売)と認識しておりました。正に同業者との競争でもありました。
私は現在52歳になります。学生時代のころは医薬分業を願っておりました。しかし、大学では患者さんに接する機会も得られず、この年で調剤薬局を経営し実際のところ毎日戸惑うばかりです。この点は、MYCONOS氏のご指摘の通りです。もっと早く若い内から処方せんが出ていたなら私の薬剤師としての職能を向上させる機会もあっただろうに、そして調剤にも多少は自信が持てたのにと口惜しいばかりです。
さて、皆様の投稿内容での医療制度・医師の処方教育・薬剤師教育及び患者等の問題のご指摘はわかります。ただ、医薬分業は、薬剤師の歴史から見ますと今始まったばかりといっていいほどです。最初からすべて完璧にと言われても・・・。むしろ種々の問題が出てきて当たり前だと思います。全国の薬剤師は知識・技能を蓄積し、それを今ようやく日々の調剤に役立てられるようになった段階です。処方医側から見ますとまどろっこしいかと思いますが、もう少しのお時間をいただければありがたいです。
日本医師会会長から「診断・処方はアート(芸術)を含んでいる。」とのお話がありました。昔のプロパー時代に、患者さんで苦労されている医師を見てきており、はじめはこの発言を肯定的に考えました。しかし、今はこのお考えに若干の危惧を覚えています。医療の情報公開はアート論理では無理じゃないかと・・・。患者さんに対して、診断・治療・処方・調剤(薬剤)の全てを公開するのは当然ですね。この点は異論はないかと思います。ここで、アート論理で考えますと、診断・治療・処方は医師にお任せしなさいという論理になりかねず、つまりアートを理解できない患者さんは黙っていなさいということにつながり、そうなると今までのお任せ医療の体質に戻ってしまわないか・・・・と危惧するわけです。やはり、病気の主役は患者さんですので、医師に遠慮なく質問ができ、患者にも理解できるような言葉で説明を受け、納得の上で医療を受けることが大切かと思います。そういったことから見ますと、医薬分業は患者さんへの情報開示を推進させることとなりますし、その点で薬剤師の果たす役割は大きいと思います。
最後に、前述の開業医勤務経験がある事務スタッフは、次のように申しております。「最初は薬剤師の方を知らなかった。診療に薬剤師の必要性を感じておりませんでした。しかし、調剤薬局に勤め、初めて薬の恐さを感じるようになりました。患者に素人の私達が何も考えずに投薬してきたことを恥じています。仕事には自信を持ってきたのですが、投薬に対する責任は、やはり薬剤師の先生方が持って当たり前なのですね。無資格者による調剤は危険すぎると思います。」(2001/7/2)
古屋綾子(薬学生) |
吉田先生、こんにちは。古屋です。 雨が降ったりやんだり、止んだと思ったら日差しが暑かったり・・・、嫌な季節になってきました(微笑)
>>マレーシアも同じような感じらしいです。薬局と言うと日本のドラッグストアのようなもので、日本の調剤薬局のようなものは主流ではないとのことでした。日本の医薬分業を評価してくれましたが、門前型主流で院内にあるのと変わらないからまだまだだと説明すると、納得していました。 >あちらの方に門前薬局というものを理解してもらえましたか? |
私の説明が非常に極端だったのですが、『薬局そのものが、病院の中から病院の真正面に移っただけに過ぎないような感じで、本来の分業は、地域に根ざした医療体系を取ろうというものなのに、これでは病院と門前薬局とが手を結んでしまって地域全体での医療とは言えない』という説明をしました。
先生のHPを見ました。色んな方が、真剣に、そして熱弁されているのを見て、自分の過去の投稿が恥ずかしく思えることもしばしば・・・・・・。『知識・経験が適切・十分でないとしたら、いくら誠実でも期待されるレベルの成果をあげられないのではないか』の言葉が、とても強く印象に残っています。
確かに皆さんがご指摘の通り、薬学教育はまだまだ乏しいものがあります。臨床経験のない・・・も事実だし、教育内容に関して危機感を持っている教官・学生がどれだけいるかは分かりません。最近、医学部の学生団体と接触しました。その団体は最近は特に薬害ヤコブ問題について取り上げて勉強会をしているのだそうです。医学部では、医ゼミをはじめ、学生の団体が多いですね。しかし、薬学ではほとんど聞いたことがありません。それがすごく歯がゆくて、何で?ってずっと思っていました。薬害エイズや、薬の関わる医療ミスがこんなにも頻繁に起こっているのに、どうしてみんな(学生)は不思議にならないのか?どうしてもっと自分たちの将来・薬剤師/薬学について議論したいと思わないのか?って。
しかし、これはある意味で仕方のないことなのかもしれないと、最近思えるようになりました。ここ何年間かで、やっと薬学教育の是非を考えるようになってきたのだから。そして、医学部は大変だといっても(薬学にいる人間の偏見かもですが)6年あるし、最初の2〜3年はそこまで大変じゃないとも聞いたことがあります(←あくまで一部の意見ですが)。でも、何年通うとかそういうのは結局言い訳にしか過ぎないのですが・・・。
話が少しずれましたが、IPSFのシンポジウムのとき特に感じたのですが、クリニカル・スキルのワークショップ(いわゆる症例検討です)というのがありました。私とさほど年齢や学年が変わらない学生同士が、あらゆる情報が書かれたい患者のシナリオをみて、どこをどう改善すればいいかをディスカッションするというものだったのですが、何も発言できませんでした。シナリオの女性はクローン病を患っていました。クローン病という言葉は聞いたことがあっても、実際にどういう症状なのか、そしてどういう薬で対処すべきなのか、今の私はそこまでやる講義をまだ受けていないので、知識のない自分がとても未熟に思えました。
以前掲載された私の投稿をたまに読み返すのですが、知らないで発言することの恥ずかしさを感じるようになってきました。同時に今日見たMYKONOSさんの投稿を見て・・・。今の自分にできることこれをもう少し直視して考えねばと、そう思いました。自分の思いを空論で終わらせたくない、だから、学ばねばならないのだと。学びたいことが、受身で学べないのは、やっぱり悔しいけれど、でも、自分で手探りで探して学ばなくちゃいけないからこそ、大切だと思えるのかもしれません。逆に、強いられる勉強は、大切であっても、その大切さを軽視しがちになる。とっても危険なことだ・・・と。あとは行動あるのみです・・・ね。自分にムチ打ってがんばります。(2001/7/4)
ひげの薬剤師 |
先生、こんばんは。早速のメール掲載、有り難うございます。今の薬局に入社して約5ヶ月。やっと、少しずつ「自分のキャラ」を活かして仕事が出来るようになってきました。
最近、感じること。薬剤師としての仕事、イコール「調剤」をする上で、医師との個人的な人間関係・信頼関係は必要ないですね。そんな関係が必要なら、「面分業」なんて、「絵に描いた餅」じゃないですか。私は、新入社員なので、処方医の顔・・、知らないです。医師も、私のことは全く知らない。でも、「調剤」にデメリットは全く感じません。どんな医師の処方だろうと、「疑問があれば照会する」・・、それが当たり前。医薬分業ってのは、そういう「システム」のはずですよね。「あれーっ」って思ったときに、「医師」の顔を思い浮かべて、精一杯「善意」に解釈して、そのまま投薬・・。なんて事は許されないと思います。すべては「患者の利益」のために・・、と考えて日々、仕事をしています。
根本の問題は、日本のシステム。「分業するか、院内でやるか・・」が、医師の判断に任されていることではないでしょうか。法律的な、きわめてシンプルな問題だと思うのですが・・。参議院選挙の争点にしたいですねー。個人的には・・。(2001/7/5)