5/4(木)
昨日買っておいたパンで朝食。
7:00にタクシーの待ち合わせ場所へ行く。
昨日交渉したFaisalはいなかったが、代わりのドライバーがいた。さては金額が安かったので割に合わなかったのか・・

列車の線路沿いの道を南下する。
カイロ市街を離れると、麦畑が広がりロバ車が往来するのどかな風景が広がっていた。

メィドゥームまでは約100Km。約2時間経過し、もう少し南下するのかと思っていた頃に右折。
遠景ではあるが、ピラミッドが手前の緑の奥にその茶色の肌を浮かび上がらせていた。
緑と茶色のコントラストが美しい。
ポリスステーションに寄って、パトカー先導でピラミッドに向かう。
うむ、チャーターしたタクシーにパトカーが先導するなんて、私も偉くなったものである・・・
と勘違いすることもなく、あとで「お金くれ」なんて言われないことを願ったのであった。

メィドゥーム・・・この形に惹かれて、ここまで来た・・・
ずっと見ていても飽きないであろう。

観光客は皆無。特に団体客は来ないところでもある。
チケットを購入して歩き出す・・と自称ガイドが、小型機関銃を肩に下げて登場。
ガイドは不要!と言ったら、何かぶつぶつ言っていたが、「ワタシ、ニホンゴしかわからないアルヨ!」
・・無視するに限るのである。
ピラミットに入る前にマスタバ墳の中に入ってみた。・・大したものではなかった。
いよいよピラミッドの中に入る。通路にはライトが点けられているので問題はなかった。
中腰で通路を下る。下りきったところから玄室へは登る。
玄室へ
玄室の天井はキザギザになっているので、少ない蛍光灯の光でも外の光が入っているように感じた。
不思議な光の錯覚・・
レバノン杉の木材も確認。ちょうど梯子がかけられていたので、登ってタッチした。
乾燥している風土では、木は朽ちることもなく残っていたのだ・・・スゴイ!!
バランスを崩して梯子から落ちそうになったが、こんなところで永遠の眠りに着くわけには行かないので
オットット・・・でなんとか助かった。

一通り見たので出入り口へ戻る。
しゃがんだ姿勢での登りはきつい。外の空気がさわやかに感じられた。
肩の部分へ登ってもいいかとポリスマンに尋ねると、OK。
肩といっても崩れた石くずの山の上で、ピラミッドの壁にタッチするためには登らなければならないのである。
いちゃもんをつけられないうちに、トレースをたどりさっさと登る。
積み石は内側に傾斜して積まれているという初期のピラミッドの特徴を確認。
う〜む、これを作った人はエライことを考えてものであると、なんだか感心した。
そのまま時計回りに肩の部分を進む。
行ってもいいのかわからなかったのだが、立ち入り禁止とは書かれていないのでいいのである。
南東の側には保安のためにポリスマンが配置されていたのだが、彼は熟睡していた。
下から何か叫んでいる輩がいるが聞こえないフリしてそのまま進む。
眠っているポリスマンの無線機からも、なにかガサガサと受信音がしていた・・・

南東の角から町のほうの写真を撮ったりして、南側に回りこむ。
ようやく下からポリスが叫ぶようになったので、しょうがなく下へ降りる。
ブツブツ言っていたが、やはり、「ニホンゴしかわからないアルヨ!」
方々の角度からピラミッドを眺め楽しみながら、1周した約1時間半。
憧れのピラミッドを堪能し、充実したひと時であった。

さて、まだ10時半過ぎである。このまま帰るつもりは初めからなかったので、
やんわりとダハシュールへ寄って行こうと切り出す。OKであった。
少々暑くなりだしているが、これでいいのである。
ピラミッドからはまた、パトカー付である。
規則とはいえ、ヤレヤレ・・・
ダハシュールを離れようと国道にでてしばらくすると、パトカーが追い越して前に停まる。
おいおい、なんだ・・そんなにもワタシに名残惜しいのかと思ったが、そうではないようで、
タクシーの運転手が、「5LEやれ」と言うので、しょうがないので差し上げた。
プライベート警備料としては安いだろうか・・

1時間くらい来た道をカイロ方向に戻り、ある町から少し西方向へ少し入ったところがダハシュールであった。

赤のピラミッドが最初に見えてくる。
おお!その向こうには屈折ピラミッド、さらに遠方に黒のピラミッドまで見えているではないか!
まず、目の前の赤のピラミッドへ。メイドゥームでは誰もいなかったが、ここへは観光バスが来ている。
ピラミッドの中へ。中の傾斜は急で長く感じた。

特に変わったものがあるわけでもないので、玄室を見て戻る。
カイロからローカルバスを乗り継いで「サッカラ」を経由してここまで来たという日本人がいた。
結構"充実(タイヘン)"しているらしい。
ピラミッドは石材が赤っぽいというよりは、風化の具合で赤土色に見えているようである。
ピラミッドの周りを一周する。














屈折ピラミッドへ。ここからの道は、バスは走れないので
タクシーなどの乗用車のみ進むことができるのである。
う〜ん、屈折ピラミッド!
屈折しているその形、この目で確かに確認!
北東の角から時計回りに歩く。
下部は、表面の石が剥がれ落ちており、逆スラブの庇状になっている。
ラクダに乗ったポリスが近づいてきた。
「写真を撮ってもいいよ」と言っていたが、その手には乗らないのである。
ピラミッドは南東の状態がもっとも良く、表面の石が残り崩れも少ない。
したがって「美しい」のである。
南側で丸っこい石と砂を採取。「ストーン&サンド」コレクター化してしまういつもの癖である。
西側の面は崩れが著しかった。














黒のピラミッドもここまで来れば割りと近くなったように見える。
東側にはさっき見た赤のピラミッド。
風は乾いていてクール、ただし日差しは強い。
この砂と石のしかない空間がなんともいえなかった。




















まだ、時間に余裕があり、思考的にもテンパってはいなかったので、
「サッカラ」も見てしまうことにした。
そんなに遠くはなく車であっさりと着いてしまう。
サッカラは、これまで見た3つのピラミッドのさらに前のジョセル王のピラミッドコンプレックス。
日干しレンガがメインのマスタバ墳を重ねて大きくしたような形状である。
階段状のその形は独特であった。ちょっと小ぶりである。
やんわりと暑さがこたえてきたが、根性で一周した。
まぁこんなものか・・・
15時過ぎにサッカラを出て、ギザ付近を経由して16時頃帰着。
メィドゥームのみで200LEの約束だったが、他もまわってもらって満足したので
要求はなかったが300LE支払った。
昼食兼夕食でコシャリなどを食べホテルに戻る。
ピラミッド満喫の1日であった。

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