天国とんぼ 「一寸一言二言三言」

 ●No.0045 精神活動の麻痺や感情を鈍麻させる脳内麻薬様物質 

 脳内麻薬様物質(オピオイド)は交感神経系の興奮によって、GABA神経系から分泌されるエンケファリン、β-エンドルフィンなどを指します。オピオイドは阿片などの麻薬に極めて近い構造をもちます。
 オピオイドの大量分泌により、精神活動の麻痺や感情鈍麻といった状態に入ります。これは、闘争も回避もできない深刻なストレスにさらされた生物に、「最期の救い」をもたらします。精神活動の麻痺や感情鈍麻によって、完全な降伏と受身の態勢をとり、現実感のなさによって、生物は「静かに捕食者の餌食となる」のです。

 長期間反復的に回避不能のストレスにさらされた個体は、脳内オピオイド受容体の感受性が上昇します。これは阿片などの麻薬を反復投与された個体に見られるものと同じ、生理的な反応です。そしてこのような個体にストレス刺激や麻薬の反復投与を急に中断したり、オピオイドの拮抗物質であるナロキソンやクロニジンを投与すると、同じような退薬症状(禁断症状)を呈します。そのため、オピオイド受容体の感受性が上昇した個体は、強烈なストレス刺激……自分で自分の命を危険に晒したり、自分の身体や心を痛めつける行為……なくしては生きていけなくなります。

 オピオイドの過剰放出は、大脳辺縁系の扁桃体、海馬などにダメージを与えることで知られています。扁桃体に損傷を受けた個体は、「恐ろしいもの」「いやなもの」に直面しても、避けようとしなくなります。

 マラソン中にオピオイドが分泌されることはわりと有名で、マラソンによってオピオイドが分泌された状態のことを「ランナーズ・ハイ」と呼びます。オピオイド濃度の上昇は、他にも手術、接食障害者の嘔吐などで確認されていて、また、リストカット、車での暴走等の自傷行為によってもオピオイドは上昇するそうです。

 オピオイドの大量分泌は離人症的な症状をもたらします。現実感の喪失、自己と外界を隔てる透明な壁のある感じ、自分のことを遠くで自分が観察している感じ、自分の手足の消失する感じなどです。


 以上、神経伝達物質に関する情報は、「家族という名の強制収容所」というサイトに書いてあったことの丸写しであり、神経伝達物質に関する正しい情報を知りたい方は、そちらへ、どうぞ。

 神経伝達物質を検索してたどりついたサイトで、興味のある部分だけを拾い読みするという例によって行儀の悪い読み方で大変申し訳なかったのですが、家族から暴力を受けるという、私のような小市民家庭でぬくぬくと育った人間にはなかなか実感しにくい出来事が書かれてあり、怖がり、臆病者の私にはショック過ぎる内容の部分が一部あり、正直すべてを読むことを断念しました。

 しかし、読むことですら辛いことを、実際体験した方がおられるのですから、怖いという本能に打ち勝ち、それよりもこうした現実があることに目をつぶってはならないと主張してきた人間ですので、心と体調のいい日に、覚悟をもって、すべて読ませて頂きたいと思っています。

 自らの苦しい体験を勇気を持って公開し、多くの皆さんにエールを贈ろうとしておられる朔さんの働きに心からの敬意を表するとともに、こうしたサイトを紹介出来たのも、私にとっては喜びであり、それがネット生活者にとっての醍醐味であり、また使命の一つかも知れないと思っています。
 そんなことを、これほど強く思ったのは十年を超えるネット生活でも初めてのことでした。
 朔さんに心から感謝申し上げます。


  


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