電子カルテ事始 その1

Kindersメーリングリスト(平成13年12月〜14年6月)に投稿したものです。


  現在、電子カルテの機種選定をしているところです。もしかして、ご興味のある方もいらっしゃるかと思いまして、ご報告させていただきます。よろしければ、今後も機種導入から軌道に乗るまでを随時書き込みさせてください。
  
 「今なぜ電子カルテなの?」と改めて問われると「はて?本当に必要?」と返答に窮しますね。単なる“新しもの好き”だけなのか・・・。そこで、「電子カルテのメリット・私の場合」を考えてみました。

  1. 診察後の待ち時間が短縮される。
  2. カルテのカルテ庫からの出し入れがなくなり、診察室に持っていったり取ってくる手間もなくなる。さらに、レセ入力も不必要になり(電子カルテでのオーダーが即点数計算となります)、受付業務が簡素化される。その分患者さんに愛想良くできるはず(経営者の期待だけ?)
  3. カルテ庫のスペースが空く。しかもカルテ(電子)が永久保存できる。
  4. カルテのデータの取り出しが容易となり、当MLなどで発表しやすくなる。
  5. 情報開示。希望の方にその日の診察内容のコピーを渡せる。指導内容・注意事項も文書化できる。将来は患者さんがインターネットで自分のカルテが見られる。他の医療機関とカルテの共有ができる。
  6. きれいなカルテ(文字も絵も)ができて、読みやすくなる。
  7. 診察机の上にゴム印やボールペン・クリップがなくなりすっきりする。

   情報開示以外は医療事務の簡素化が最大のメリットのようです。ということは、私ではなく事務員が一番楽になる・・。電子カルテの最大のデメリットは文字入力のところだと思いますので、結局文字入力する私の負担が増え、逆に事務員の負担が減るという構図になります。これではとってもまずい。そこで、考えたのが事務員を医療秘書(メディカル・クラークというそうです)に仕立て上げ、問診と診察内容・検査・薬を私の横で入力してもらうという方法です。そうすれば、私は診察だけすればいいということで患者さんに集中できることになるはず。 そこで、3名の事務員に尋ねたところ、1名はたまたますでにブラインドタッチをマスターしているとのこと。他の二人も家にパソコンがあるので練習ソフト(「特打」と「北斗の拳」)で練習してもらうことにしました。

                                               

ご質問ありがとうございます。分かる範囲内ですがお答えします。

  1. コンピューターの故障対策は? :メーカーの話では「滅多に壊れない」と言っているのですが、信用していいのか どうかとっても心配です。B社のいう故障時対策としては、東京から遠隔操作で 直してしまう。これでほとんどオーケーだそうです。ハードが壊れたとき技術者 が金沢から来て、その日のうちに直す。直しているあいだはパソコン3台ありますので壊れていない2台で運用する。落雷などによるデーター消去対策として、 (1)ミラーリング(2)MOドライブの2種でバックアップする、とのこと。そ れでも心配は心配ですが・・・。 M社の対策は金沢から技術者が来て直す。修理中はレセコンだけ動かし会計はできる。電子カルテのデータをノートパソコン(私個人の)に入れておいて閲覧す る(入力できない)。バックアップはB社と同じ。 なお、ウィルス感染に対しては両社とも当分はインターネットに接続しないこと で対策とするそうです。これじゃ情報開示の良さが薄れてしまいますね。                                                                   
  2. パソコンが何台必要か?: 私の場合ですが、B社:受付2台、診察室1台(診察室ではディスプレーは医者用・クラーク用と2台)、M社:受付1台(+レセコン)、診察室1台(ディスプレーは2台)。患者受付と会計が別々にできれば患者の流れはスムースに行く のではと考えています。 M社の場合は以前から使用しているレセコンとつなげて使う接続型です。受付は 従来通りレセコンだけでも可だそうです。その場合は電子カルテは診察室だけと いうことになります。また、B社の場合、受付に2台置くが、ふつうは1台だけでも受付・会計とも十分こなせるそうです。(1台は遊ばせておく?)。                                                             
  3. ソフトの値段は?:B社:270万円、M社200万円、と見積書に書かれていますが、そのほかにハード の値段もあり、さらに値引きもあって、約500万円前後になると思います。た だし、M社の場合、今、手持ちのレセコン+電子カルテ1台であれば300〜400万円です。このほかに保守料が結構かかりまして、B社:年間48万円、M社 :約20万円+レセコンの保守料です。こっちの方が問題かもしれません。レセ コン接続型のM社の場合保守料は若干安いのですが、数年後にレセコンだけ買い換える必要が出て来るはず。その時、余分の出費ということになります。                                     
  4. 医学用語はどうされるのか?: 病名のことでしょうか?電子カルテに載っている病名を使おうと思っています。

                                                   

  さて、メディカル・クラークの件ですが、10月に中古ノートパソコン(4万円)が手に入ったので、2名の事務員(ともに就職2年目)に「一太郎」でカルテ入力の練習をしてもらうことにしました。彼女たちは「乾性ら音」とか「ケルニッヒサイン」などの医学用語はすぐ覚え、処方も私が指示する前にもう打ってあったりして(私の処方がシンプル&ワンパターンのためもあると思いますが・・・)、メディカル・クラークとしていけそうだという感触が得られました。2人とも決して超ベテランというわけではないのに・・・。残りの一人は新人ですので、まだ入力練習させてはいません。ちなみに3名とも短大卒です。 「一太郎」は医学用語の変換が苦手ですので、彼女たちが用語登録などを自主的にしていました。なお、電子カルテには医学用語辞典を入れてくれるそうです。

  2名交代で入力練習して一ヶ月ほどたったとき、B社が「デモ機を置かせてほしい」と言ってきました。「他社に決まったら申し訳ないので、もっと見込みのあるお客さんのところに持っていかれた方がいいと思うよ」「いえ、ぜひお願いします。」「そーお、じゃもしデモ機が余っているんなら持ってきてください。あわてなくてもいいんですよ」実は他社(M社)の担当者とは開院以来のつきあいだったし、電子カルテの画面が見やすくて洗練されていましたのでM社にしようかなぁと思っていたのです。 診療が終了後、一時間ほど使い方の説明を聞きました。意外と簡単でした。私はその後3晩かけてマニュアルを最初から全部チェックしたら全容がつかめました。職員は後日担当者に質問していましたが数日でマニュアルも見ずに基本的なことはマスターしてしまいました。短大でのパソコン授業のおかげなのでしょうか?「一太郎」や「ワード」が扱えれば電子カルテも扱えるということのようです。 そうこうするうちに、M社も負けじとデモ機を持ってきました。そして、2社の機器を並べて比較検討しました。

  

                                   
  電子カルテ2社(B社とM社)の比較です。 一言で言えばどちらもいろんな工夫がなされており、素晴らしいソフトです。 正直言って甲乙つけがたい。どちらを選択するかは、むしろ好みの問題かなぁと 思っています。 2社には大きな違いが2つあります。B社は「一体型」と言って電子カルテのみでレセプト業務もすべてまかないます。M社は、「接続型」と言いまして、現在使用中のM社のレセコンに連動させて使うタイプです。将来は「一体型」に集約されていくのではないかと予想はしているのですが、現在「一体型」はB社のみだそうです(B社談)(注:その後R社が一体型を開発しました。また、ソフトだけ買うタイプ[これは安い!]はたぶん一体型。)。

  接続型では、電子カルテが万が一トラブッた時でも、レセコンは動くので会計だけはできるとM社は言うのですが・・、接続型が開発されたのはM社の作戦ではないかと思っています。というのは、将来は電子カルテが普及するでしょうが、今そしてここ当分はレセコン市場も大きいと考えられるので、レセコン・電子カルテ両方で収益を上げたいという思惑があるのでは・・・。接続型は使い勝手が悪い印象ですが、実際は電子カルテに入力後、レセコンのキーボードを一つ押すだけだそうです(ここのところはデモ機だけでは不明。確認できませんでした)。接続型の一番の問題点はレセコンの買い換えが来たときに出費がかさむということでしょうか・・。 ただ、保守料が安いので、場合によってはトントンかもしれませんが・・。

  2つ目の大きな違いは、B社はウィンドウがいくつでも同時に表示でき、M社は1画面だけです。しかし、M社にも良い点があります。それは“見やすい”と言うことです。カルテ画面はいつも使っている2号用紙と同じように表示され違和感がない。ウィンドウが一つなので落ち着いてゆっくり見られる。しかも、洗練された画面構成で入力が楽しくなる。でも、その裏返しとして、他の画面(たとえば、アレルギーなど患者の注意情報)を見たいときクリックが必要ということになります。「見やすい=クリックが増える」ということかと思います。B社はウィンドウがいっぱい出せて便利なのですが、画面がごちゃごちゃした感じになり、ちょっと落ち着かない・・・。もっとも、各ウィンドウを自由に動かしてM社のような2号用紙の画面構成にすることもできます。すなわち使い勝手がいいと言うことでしょうか。まとめますと、見やすさではM社、機能重視ではB社ということになるかと思います。現時点では・・・・。もっとも電子カルテはどんどん進化していますので、この差異はいずれなくなるだろうと思います。(なお、バージョンアップ代は保守料に含まれて いますので、新機能が追加されても新たな出費はないそうです。2社とも。)                                                             

  Kindersの皆様、今年もよろしくお願いいたします。 年末の「電子カルテ」の続きです。ご興味があればお読みください。 文字入力にはメディカル・クラークが必要かと考えていましたが、もしかしたら、よほど忙しい時期以外は(そして場合によっては忙しいときも)診察医の入力だけで十分やっていけるかもしれません。と言いますのは、ペンタブレット(orマウス)での 入力が思った以上に簡単で便利にできていたからです。

  B社の文字入力ツールを「所見ワードツール」と言います。実際のものをB社のホー ムページでご覧になれます。クリックされると、そこに電子カルテが表示されています。文字が読みにくくて恐縮ですが、画面の右上が所見欄(さらにその上には過去の診療の一行メモ欄があります。病名欄みたいなものです)が、右下が過去の所見欄になります。左上が指示欄、左下が過去の指示欄です。 画面の真ん中に表示されているのが「所見ワードツール」です。縦に3つのリストが 同時表示されており、それぞれのリストに15〜20種ほどの語句があります。左側のリストには「2日前より」などの「時間」に関する語句が記載されており、中央 のリストには「熱がある」などの「症状」が書かれており、右側のリストには「湿性 ラ音あり」などの「所見」が書かれています。このリストは自由につくり込みができます。たとえば、「所見」の代わりに36.0℃から0.1度きざみで体温表を作ってお くこともできます。そうしますと「2日前より38.0℃熱がある」などの文章を3回のクリックで簡単に作ることができます。

  このリストは何種類でも作ることができ、リスト表をドロップダウンで表示し、ク リック一つで必要なリストを3つまで同時表示できます。例えば「小児の症状」をク リックすると「時間」「症状」「体温」の3つのリストが表示されるようにします。 そして、一つのリストにつきそれぞれ3ページまで作ることができる。1ページに20〜25語句載せられるので3ページで計60〜75語句となる。「次」や「前」をクリックすることによりページをめくったり、前のページに 戻ったりすることができます。 また、よく使う語句は3列リストの下の部分に常時表示されます。「あり」「なし」 「改善している」「悪化している」などの語句を作っておくと便利なようです。ゼロ から9までの数字の欄を作っておくとテンキーとして使えるかもしれません。この頻用リストは常時約58語句の表示ができますが、さらに横にスクロールすることによ り108語句まで表示できます。ただし、「・」「〜」「。」「、」「/」などはスク ロールされず常時表示されます。

  3列リストと頻用リストを合わせると約118〜133種の語句が同時表示でき(リストのページをめくることによって最大338語句にまで増やせます。それを一つ 一つクリック(orペンタッチ)することにより現病歴や所見を作ることができます。3列リストはいくつでも作ることができますので、語句は無限に作れるともいえますね。ただ、作りすぎると今度は求める語句を探すのが厄介ですね。
            
  338語句ぐらいじゃとても足りないと思われるかもしれません。確かに高尚な文章を書 き上げるとすればとても足りないと思います。しかし、自分の現在のカルテを見てみると、お恥ずかしいですが、ボキャブラリーの少ないカルテです。今と同じカルテにするならこれでも十分すぎるくらいでしょう。今、診察した子のカルテを見てきまし た。前回受診時のところには「熱なし、せき(+)鼻(+)咽頭発赤なし」とし書かれていませんでした。

  電子カルテは確かに高尚な文章を作ることはできませんが、ワンクリックで長い定型 文を記載できる点が優れていると思います。例えば、私の場合、患者さんに今後の方針と してよく言う言葉ですが「2日たっても熱が下がらなかったら必ず受診してくださ い。肺炎などになっていないかのチェックが必要です。」という文章を例えば「2日後」という名前で頻用リストに載せておきます。「2日後」をクリックするとこの文章がカルテに記載されます。

   B社の話によればこの電子カルテを導入したある小児科医は月約2000枚のレセプ トにもかかわらず、メディカルクラークなしでご自身で入力されているそうです。私のところでは忙しいのはインフルエンザ流行期 の年に4〜5週だけです。担当者の話によればインフルエンザ流行期こそ電子カルテ の威力が発揮でき、診察医の入力でも十分とのことです(わたしは半信半疑ですが・ ・)。ま、たしかに同じ様な症状の患者さんばかりで診察・検査・薬はワンパターン 化しますね。電子カルテはワンパターン診療には確かに便利です。インフルエンザ用 の定型文を作っておけばワンクリックでどんどんカルテができるかもしれません。 もっともパターン化しすぎて誤診につながらないかという心配もありますが・・。

     

  今日はM社の文字入力ツールについてです。 M社のホームページにアクセスしてみてくださいます。 このページの「 (3) 違和感のないカルテレイアウト」の電子カルテをクリックしてください。拡大されます。2号用紙と同じ表示で確かに違和感がないと思います。 このカルテ画面をペンタッチすると文字入力ツールが現れます。 「 (4) 問診も従来 のままに」のカルテを拡大してください。文字入力ツールが拡大されます。この画面で説明しますと「データ選択」で「胃腸」をクリックしますと「既往歴・原因・主 要症状・経過等」の画面が現れることになっています。そして、左下にある定型文・ 語句から適当な文字を選択して主訴・現病歴を作ります。定型文のリスト(語句数は約15)は一つしか表示できません。この点がちょっと不便かもしれません。ただ し、リストはいくつでも作れますので語句に不足は生じないことになっています。

  M社の特徴の一つは2種類のチェックボックスがあることです。 画面で説明しま すと、「胃痛(強度)」の右端の逆三角マークをクリックしますと「弱、中等度、 強」などと書かれた文字がドロップダウンされ、適当なものを選択できます。「ストレス感」 のところはチェックを入れるだけで「ストレスあり」とカルテに表示さ れ、チェックを入れなければ「「ストレスなし」 と書かれます。入力が終わって 「「OK」 をクリックするとカルテ画面が現れ、今入力した文章がきれいに整理され て表示されています。(説明が下手でご理解できませんでしたか?)

  いろいろ工夫の跡が見られ、全体の表示がきれいで見やすい点が優れています。ただ その分、クリック数が増えるのと、一度に見られる入力用の語句数が少ないのが欠点とも言えます(チェックボックスのつくり込みで補えるのかもしれませんが・・ ・)。この点はいずれ改善されるとは思います。それと、カルテ画面に直接文字入力できないのも欠点かもしれません。

  しかし、捨てがたい利点が他に3つあります。一つはカルテを5人分まで同時表示でき、“最小化”して画面の下段に置いておける点です(Windowsと同じですね)。これは兄弟受診したときと、検査の結果待ちの時に便利です。B社はいちいち終了させないと次のカルテが表示できません(これはとっても不便です)。2番目の点は 「(5) シェーマ図の貼付もワンタッチ」をご覧ください。シェーマの貼付が簡単にできます。M社のシェーマ・ツールよりも便利です。もう一つの点は「視認性に優れたカルテ時系列表示」 をご覧になってください。過去カルテがきれいにまとめて一括表示されています。これも他社にはありません。

  次回は電子カルテにひそむ“重大な欠陥(?)”について書き込みます。よろしく。

                                 

  吉田均です。辰口ではインフルエンザの気配もなく朝から暇なので、メール書いてます。 電子カルテの利点で一つ忘れていました。毎年カルテを更新しなくてもよいという点です。今までこれが結構手間だったんですが(主に事務員が・・・)、電子カルテは通しで5年、10年、15年(or もっと)保存ができます。
  
  さて、きょうは『電子カルテにひそむ“重大な欠陥(?)”』について書いてみたいと思います。この欠陥が本当にあるのかどうか、電子カルテをまだ未経験の私がこんなことを論じてもいいのか、不確定なことが多いのですが・・。もしかしたら、単な る杞憂にすぎないのかもしれません。いろんなところで電子カルテの良さが言われている中ですので、無責任発言と言われるかもしれませんね。

  昨年秋、事務員にメディカル・クラークの練習として、ノートパソコン(一太郎)でカルテ書きをしてもらいました。 それを切り取ってカルテに貼っていたのですが、再診時にその部分を見たとき、 ちょっと違和感を感じました。パソコンの文字ですから私の書いたものから見れば とても読みやすいのですが・・・。ある患者さんの前回受診時の状況が全く思い出せなかったのです。単なる記憶力の低下(加齢のため or もともと?)によるものかもしれ ないのですが・・・。手書きでも時には(特徴のない患者さんではしばしば)そんな こともあるかと思いますが、再診なのに白紙の状態に戻ったような感じでした。実は、ノートパソコンを購入する前に事務員に手書きでカルテ作成の練習をしてもらったのですが、その部分を読んだときも同じ様な違和感を感じました。もちろん、クリ ニックのことですからややこしい経過の患者さんは少ないので、このような違和感は一瞬のことで診療にほとんど影響はなかったのですが・・。

  自分でカルテを書くということは、書いたときの状況やその時何を疑っていたかなどの記憶を呼び戻すための重要な作業なのでしょうか。「自分の手で書く」ということと「記憶」は直接結びついているのかもしれません。もちろん自分で書いていてもすっかり忘れてしっまっていることも結構多いのですが・・・。でも、半年前、一年前の患者さんでも、ちょっとややこしかった患者さんでは、自分の書いたものでしたら瞬時にその時の状況を思い出すことも確かです。電子カルテではどうなるかは未経験で分かりませんが・・・。 電子カルテが悪いというよりは、クラークに書いてもらうということが記憶力を低下 させるのかもしれません。実際キーボーで作ったメール(自分の過去ログ)や自分のホームページなど後で読み返しても書いた当時のことが簡単に思い出せます。時間をかけて(少なくとも20分、30分orもっと)書くのでカルテとはまた違うのかもしれませんが・・・。

  とすると、最初 good ideaと思ったクラーク制に問題があったということになります。「楽をしようと思う心が落とし穴を生む」ということになるのかも・・・。自分で苦労(?)しながら文字入力することが大切ということになるのかもしれませんね。 じゃ、自己入力なら問題がないのでしょうか?

                                                  

  ネットサーフィンで以下のホームペー ジを見つけました。電子カルテの導入を考えている私には衝撃的でした。  「私が電子カルテを止めた理由」 この方は歯科医ですので、小児科と同列にはできないのかもしれませんが・・・。手書きの良さというものは確かにあるようですね。文明の利器を活用するということは同時に何かを捨てざるを得ないということなのでしょうか?たぶん電子カルテはオールマイティーではないということだと思います。

  今後、電子カルテが普及していくのは間違いなさそうなので、この“欠陥”を克服あるいは軽減する方法を考えていかなくてはならないでしょうね。例えばドローツールを多用して手書き部分を多くするとか・・。

  日経メディカルの今月号(平成14年1月号)に「手書き入力の電子カルテに脚光」という記事が載っていますね。専用ペンでディスプレー上に直接書き込みそのまま保存できるというものです。すでにオプションとして製品化もされているとのこと。これだと手書きカルテと 同じですからこの「記憶」の問題は解決できそうです。ただ、私のような字の下手なものにとってはカルテ開示という点で(読みにくいので)問題が残りますね。 (注:今回の2社ともディスプレーを完全に倒して机に寝かせられます。したがっ て、“手書き”でも普通のカルテと同じ感覚で書けるということです。)

  電子カルテの欠陥(?)についていろいろ書きました。しかし、もしかしたら末梢的な問題かもしれません。よしんば、本質的問題をはらんでいたとしても、電子カルテのメリットを消し去るほどではないように思います。私としては電子カルテの導入をこのまま押し進めようと思います。といいますか、すでに機種選定が終わり、導入までの手順をメーカーと作成するところです。診療終了後に・・。(02/8/27)