円形クロマトグラフィーとショウノウの分離
2008年7月25日
ゼミ担当教授:上田穣一
報告:尾形正宏
食品中に含まれるビタミンCの簡易定量
 第3回目は,私の苦手な「化学」。
 大学は「物理学」を選んで行ったのだし,当然,理科2教科で受験でした(なんと共通一次よりも前の世代です!!)ので,化学も「U」までとっているのですが,どうも苦手感があります。
 今回も,そんな気持ちで参加しました。
 まず最初は,「ビタミンC」の定量実験をしました。

 さて配られた実験所をみると,
計算するI氏 「ビタミンCは組織内では還元型(L+-アスコルビン酸)と酸化型(デヒドロアスコルビン酸)の二つの型で存在する。」
なんて言葉で始まります。私はこれでダウン。何のことかわからないまま,書いてあるとおりに実験していました。これが実験と言えるのかどうか…予想を立てようにも立てるための「基礎・基本」が何もない自分にあきれているだけでした。
 そんなわけで,何も報告することができません。ただただ,書いてあるとおりに液を混ぜていただけです。
やった実験は,
(1)レモン果汁1g中のビタミンCの測定
(2)大根おろし汁1g中のビタミンCの測定
などです。どれもうまく数値が出たようで,安心。
 右の写真は,出てきた値を数式に代入して電卓で計算しているI 氏です。無許可で掲載しています(^^ゞ


円形クロマトグラフィーによる水性サインペンの色素の分離
 この実験は聞いたことがあったので,わかりやすくてよかったです。
 化学実験においては,<混合物>から<純物質>を<分離>することが大切です。で,分離の手段には,蒸留・再結晶,昇華,抽出などの方法があります。
 今回は,円形クロマトグラフィーという方法で「水性ペンの色素の分離」に挑戦してみました。
 とってもきれいに分離したので,けっこう感動した実験でした。

【準備】 

シャーレ(大・小),広口瓶(200ml),攪拌棒,薬サジ,ろ紙(直径11センチ),ガラス毛細管,メートルグラスまたはビーカー(50ml),はさみ,食紅,いろんな色の水性サインペン,食塩,水道水

【実験操作】

食紅クロマト<食紅と水の動き方を観察>
1 食紅を水道水に溶かす(200ml広口瓶)
2 食紅を大変濃い食塩水に溶かす(200ml広口瓶)
3 ガラス毛細管を用いて,食紅を溶かした水道水をろ紙にしみこませる。食紅と水の動きを観察する。
4 ガラス毛細管を用いて,食紅を溶かした食塩水をろ紙にしみこませる。食紅と水の動きを観察する。

 ここでは,食紅を使って,その色素がどのように動いていくのかを見てみました。上の写真のように,水でやったときには,食紅は真ん中に置き去りにされたまま,水だけが広がっていきました。
 しかし,食塩水に溶かした食紅でやったとき(左)には,食紅の色までひっぱりながら同心円状に広がっていきました。
 ここからわかることは,食塩水の方が,「展開溶媒」として優れている溶液だということです。

<水性サインペンの色素の分離>
1 シャーレ(小)に水道水約40mlを入れる。
2 ろ紙の短冊を折り曲げ,折り曲げたところから1,2mm下にサインペンで色をつける(右の写真は緑色をつけたところ)
右:水,左:食塩水3 ろ紙をシャーレ(小)を上に置き,短冊の先を水に浸ける。展開溶媒(今の場合は水)の蒸発を防ぐためにシャーレ(大)をかぶせる。
4 展開溶媒に食塩0.05gを溶解し,実験2,3と同様の操作を行う。

 水性ペンは緑色を使いました。ここでも「展開溶媒」に水を使ったとき(右)と,食塩水を使ったとき(左)では,その分離の仕方がちがいました。
 下の右の写真のように,食塩水を使ったときには,真ん中にピンクの色が現れました。「展開溶媒」に食塩水を用いた方が,きれいに色素が分離されるようです。

 このあと,同様の実験を数種類の水性サインペンを用いてやってみました(下の写真)。ご覧のように,とてもキレイに色素が分離するのを観察することができました。
 また,これら分離した色素に紫外線を当ててみると,蛍光の染料が入っているサインペンはしっかり発光していました(下の右の写真。黄色く見える部分が発光しています)。

いろいろな水性ペン     紫外線で光る!
クスノキの葉から樟脳(ショウノウ)を分離
 クスノキからショウノウを取り出す実験をしました。方法は昇華法。
 まずは,「クスノキ」と「ショウノウ」というものが何なのか,書いておきます。

<楠(クスノキ)>←ウィキペディアより
 クスノキ科ニッケイ属の常緑高木である。一般的にクスノキに使われる「楠」という字は本来は中国のタブノキを指す字である。別名クスナンジャモンジャ(ただし、「ナンジャモンジャ」はヒトツバタゴなど他の植物を指して用いられている場合もある)。

<樟脳(ショウノウ)>←ウィキペディアより
 樟脳(しょうのう)とは分子式 C10H16O で表される二環性モノテルペンケトンの一種。カンフル (camphre) あるいはカンファー (camphor) と呼ばれることもある。IUPAC命名法による系統名は 1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オン、また、母骨格のボルナンが同命名法における許容慣用名であるため、そこからボルナン-2-オン (bornan-2-one)、2-ボルナノンなどの名称が誘導される。ほかの別名は、1,7,7-トリメチルノルカンファー、2-カンファノン、2-カンフォノン、またはカラドリル。
 血行促進作用や鎮痛作用、消炎作用などがあるために主に外用医薬品の成分として使用されている。かつては強心剤としても使用されていたため、現在でも駄目になりかけた物事を復活させるために使用される手段を比喩的に「カンフル剤」と呼ぶことがある。その他にも香料の成分としても使用されている。 また人形や衣服の防虫剤、また防腐剤、花火の添加剤としても使用されている。

 なんか難しいけど,まあそういうことです。そういうショウノウをクスノキからとりだしてみようというわけです。
 方法はとても原始的でした。

【準備】
ビーカー(300ml,10ml),ナス型フラスコ(200ml),温度計(200℃),サンドバス(これがなかなかないだろう),三脚など,粉砕器(またはハサミ),スパテル,時計皿,クスノキの葉,氷

【実験操作】(下の写真をご覧下さい。詳細は省略)
クスノキ
クスノキの葉を粉砕する

クスノキを若い力でふりふりする

ビーカーの中央に小ビーカーを置く

フラスコの下に樟脳がつく

樟脳を下の時計皿でとる

ショウノウ船が走ったよ
ショウノウで遊ぼう
 昔はよくショウノウを使って遊んでいたようです。でも,最近はショウノウで遊ぶことさえ知らないと思います。どんな遊びがあるのか紹介しておきます。
(1) ショウノウ玉
 ショウノウを丸く固めて水に浮かべて点火する。ショウノウは燃えるが,熱くなく,他のものは焼けないそうだ。
(2)ショウノウ火
 ショウノウを燃やすと青い火を出すという。芝居でキツネ火の変わりに用いられる。
ショウノウ船(3)ショウノウ船
 厚紙やプラバンなどでボートをつくる。そのボートの後方に切れ込みを入れ,そこにショウノウをのせると,水上でボートが進み出す。

 ショウノウ船の図(右)は,「身近な界面科学」より転載しました。

 お帰りにの際には,今日使った実験道具を持って帰ることができました。これで同じような実験がいつでもできることになります。ありがたいことです。
 
 

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