4、通信・ネットワーク |
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制御構成を考えたときPLC単体での制御は僅少です。少なくともTPL(タッチパネル)を装備してい
ます。計測機器のコストが下がっていることから計測器が接続される場合もあります。
これらの機器を通信という手段で接続され制御システムになります。使い勝手の良い制御システムを考えるとパネルコンピューター(スーパバイザー)を接続
して統括制御する方法をとると良いと思います。通信方法はシリアル通信とパラレル通信に大別できます。
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@ シリアル通信 |
呼称 |
内容 |
RS232C | 古い技術だが未だに盛んに利用されている。測定器等も最近この方式を取るようになった。ワンチップマイコンにも汎用ポートとして装備している。 |
RS422、485 | 基本的にはRS232Cと同じだが遠距離の通信手段に用いる、485はマルチドロップ接続のため端子台の配線になる |
USB1.1、USB2.0 | ホストコンピューターから発行される転送要求でシリアル転送を行います。4芯のホスト側・デバイス側のコネクターを持つ専用ケーブルを使用します。USB1.1のコントローラ規格にUHCIとOHCIの2種類があり両者の互換性はありません、それが動作トラブルの原因となることがしばしばあります。USB2.0では統一規格EHCIを採用しUHCI,OHCI双方の上位互換となっています。USBには長さ制限があり、低速1.5Mbpsで3m中速12Mbps・高速480Mbpsは5mです。USBハブを最大6階層まで使用できるので計算上30mが限度です。電源を入れたままケーブルの着脱ができる利点があり、現在ではパソコンと汎用シリアル機器を接続する手段の主流となっています。 |
無線モデム | モデムとの接続はRS232Cである。送信側と受信側にモデムを接続すれば無線で通信ができるので移動体との通信に使用する。 |
LAN | FDDI・同軸・ツイストペアーと接続方法がLANの規模によって選択できる。接続にはLANアダプターが必要、IPアドレスを設定する場合とサーバーから自動割り付けされる場合がある。同時アクセスした場合にはCSMACDという信号チェックシーケンスで混信を防止する。監視制御を行うときに最も適した通信手段と思う。IT化に欠かせない技術。 |
光ファイバー | 高速ブロードバンド通信に利用されている。LANを光通信終端装置を経由して光ファイバーでISPサーバーへ接続する。電気信号を光に変換することにより信号の立上がり立下りエッジの遅れを改善し、ISPまでの通信速度を100Mbps実現する。 |
PLCのリンク | PLCメーカは、独自のプロトコルでコントローラーリンクを実現している。 |
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A パラレル通信 |
呼称 |
内容 |
GP−IB | 測定器の一般的な通信方法、マスター・トーカー・リスナーの分担で送受信を行う。 |
セントロニクス | プリンターの一般的なインターフェースで8ビットのデーター線と1ビットのストローブ線、3ビットのステータス線を持つ。 |
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B 無線通信 |
呼称 |
内容 |
PDCデーターリンク | 携帯電話の強力なデータ通信機能を利用して遠隔地と無線接続する。PDCプロトコルにはパケット通信と非同期通信があるがタイミングを重視する制御には後者が適している。 |
無線LAN | ノートパソコンには送受信カードが標準装備されていて、無線LANルーターを介して有線LANに接続する形態となっている。IEEE802.11規格で2.4GHz帯を使ったDS(直接拡散)方式、FH(周波数ホッピング)方式、赤外線方式を総称する。通信速度は2Mbps、後に追加されたIEEE802.11bでは、11Mbps最近では5.2GHz帯を使用するIEEE802.11aの規格が注目されている。 |
Bluetooth | 携帯電話をハンズフリーで使用したり、PCの音楽データーを離れた場所で聞くなどを目的とする。1台のマスター機器と最大7台のスレーブ機器が無線ネットワーク接続する。通信速度は723Kbps、通信距離は10〜100m(クラス1)、10m(クラス2,3)の機器がある。Bluetooth標準規格はBluetooth SIG(メーカー2000社参加)が定めている。認証はその機器を使用する国でそれぞれ必要になる。 |
ZigBee | ホームオートメーションをターゲットにした無線ネットワーク規格で、CPUに接続するマザーモジュールと、キーボード・センサー・リレー接点・押釦スイッチを接続するドータモジュールで構成する。IEEE802.15.4規格は2.4MHz帯を使用するため無線LANと通信チャンネルが衝突する可能性がある。衝突を検出(波形の乱れ)した場合は、新しいチャンネルを再構築(Orphan)する機能を提供しているが、実際の自動回復処理はアプリケーション側で行わなければならずソフトウエアーの負担が大きくなる。 |
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手軽さから無線LANの普及が急激に拡大しているが、当初から問題を指摘されていたセキュリテイについてはほどんど進展がない。最近ZigbeeをFAなど広範囲の分野を対象とした制御への利用で注目されているが、有線方式と違って無線方式のLANはネットワークの中に偽者や観客を潜ませることがいとも簡単にできることを危惧する。ましてや今でもネットワークの傍受が行われている可能性は否定できない。新型ワームやスパイウエアーごときの危険性をはるかにしのぐものではないだろうか? |
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