全国協議会共同研究プロジェクト経過報告(1)





2003.07.06.SUN


 塚本@富山総合福祉研究所です。共同研究プロジェクトの第一段階、「6月15日〜7月5日 意見公募・積
算基準の確定」の期間を終了いたしましたので、経過報告をさせていただきます。

 この間の呼びかけについては、
1)共同研究プロジェクトホームページを開設し、参加呼びかけ文を公開、ifncmにて会員に報告。
2)各会員より関係機関、関係者、宛参加を打診。WAMNET掲示板、福祉系メーリングリスト等に情報を掲載。
3)日本ケアマネジメント学会第二回大会で呼びかけ文配布。

 上記1)〜3)を実施しました。うち、大学教員の方で興味を持っていただけた方がありましたが、今のとこ
ろ正式な参加はしておられません。あと、日本全国に会員を擁する大阪の総合社会福祉研究所に協力を打診した
結果、次回の所報にて本件呼びかけについて採り上げていただける事となりました。ディーセントワークとの関
係で労働組合の連合(社会保障審議会に代表が参加しています)宛協力依頼の連絡を行いましたが、今のところ
回答はありません。

 今後、厚生労働省の介護保険担当部局とディーセントワークに係る担当部局、ILO東京事務所等に対し、配
達証明付きで本件呼びかけ文を送付する予定です。

 呼びかけ文掲載後、ケアマネジメントの積算基準に関するご意見などは今のところ寄せられておりません。ご
意見の集約状況によっては、単独型事業所のケアマネジャーだけではなく、ダイレクトケアサービス兼任のケア
マネジャーの労働実態調査も併行して行い、積算根拠の問題を多角的に検討できたのですが、今回の短期計画の
日程を前提とすると難しいものと思われます。積算根拠の問題については、政策提言に向けての短期計画上だけ
ではなく、これから息の長い調査研究を行う必要がありますので、今回の短期計画実施で明らかになった調査方
法の問題などを反省材料とし、時間をかけて少しずつ改善を図っていきたいと思います。

 アメリカのGCMとの交流等を通じた国際比較研究に関しては、当協議会の日本語ホームページをプロフェッ
ショナルに移管するのと併行して英語版を作成する事、GCMに当協議会より使節を派遣する事、今秋予定の第
二回全国大会にGCM関係者をお招きする事などが運営委員会で検討されています。

 尚、「その他」の研究提案として、異なるコンピューターソフト間でもケアプランデータをやりとりできる共
通の土台プログラム(プラットフォーム)構築について議題に上っています。主旨は概ね以下の通りです。


○プラットフォームシステム構築のメリット

 ・同一法人内のサービス提供と同程度の時間と費用で他法人のサービスを用いたケアプラン管理を行
  う事ができるようになるため、囲い込みの原因の一つであるコンピューターシステムの閉鎖性を改
  善する事ができる。

 ・国保連ベースで開発するため、高価なソフトなしで、家庭用の読みとり・修正ソフトをサービス利
  用者に提供でき、プラン原案の送付や修正など、利用者・家族との連絡調整が合理化される。

 ・利用者・家族とのやりとりがメール添付で可能となった場合、厚生省令により利用票・別表の紙媒
  体による訪問配布および確認印押印を略す事ができるようになり、時間・費用の節約になる他、紙
  資源の大幅な節約になる。

 ・ケアマネジャーと各サービス機関の提供票・別表および実績表のやりとりもすべてメール添付で可
  能となるため、紙資源の節約になる他、帳票保管スペース節約、管理コストの軽減につながる。
 ・保険者ベースでコンピューターネットワークを管理している地域では、他の地域の事業所の参入の
  障壁となっていたが、プラットフォーム導入により、当該ネットワークをほとんど変更せずに、相
  互参入が可能となる。

○当協議会が構築を提案する意義

 ・現行制度の囲い込み体質や利用者疎外の問題を解決するために有効である事は、当協議会の理念である
  地域ケアマネジメントシステムの改善を通じた「人としての尊厳が大切にされる地域づくり」の実践そ
  のものである。


 今後の予定

 参加協力の呼びかけは引き続き関係各位に対して行っていきますが、短期目標である今秋の政策提言づくりの
日程も当初の計画通り進めなければなりません。プロジェクトの第二段階「7月6日〜7月20日 調査票原案
の検討、作成」については、新規に専用のメーリングリストstudy-projectを開設し、その場で討議を重ねてい
きたいと考えています。





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