2003年9月20日
居宅介護支援(ケアマネジメント)
ソフト開発・提供企業担当者殿
独立・中立型介護支援専門員全国協議会
副代表・共同研究プロジェクト担当
塚 本 聡
ケアマネジメントソフト改善の共同研究について(お願い)
はじめてご連絡を差し上げます。当方は、独立・中立型介護支援専門員全国協議会(介
護保険法の居宅介護支援事業を併設サービスなしで行っている単独事業所の介護支援専門
員等の全国組織です)の副代表をしております 塚本 聡 と申します。当協議会では、
介護保険法の改正日程に合わせ、制度改善の提言づくりを進めております。その提言案の
中に、居宅介護支援(ケアマネジメント)ソフトの改善についても言及する部分がありま
すので、内容をご高覧の上、改善に向けて共同研究のご協力を賜る事ができましたら幸い
です。よろしくご検討下さい。
連絡先:富山県上新川郡大沢野町上大久保618-47 富山総合福祉研究所内
独立・中立型介護支援専門員全国協議会共同研究プロジェクト係
(担当:塚本)
電話:076-468-9123 ファックス:076-468-9124
電子メール:mcbr@po2.nsknet.or.jp
全国協議会ホームページ:
http://www2.nsknet.or.jp/~mcbr/ifncm.html
共同研究プロジェクト:
http://www2.nsknet.or.jp/~mcbr/ifncm-project-20030615.html
備 考:本メールは、社会福祉・医療事業団が公開しているソフト開発・提供企業一覧
掲載の46業者の方々に配信しております。
http://www.wam.go.jp/ca10/ca10b50.html
記
(提言案の関連箇所抜粋)
1 どのケアマネジメントソフトを使用している事業所でも、そこから送信したサービス
提供票・別表等の電子データが、共通の土台(プラットフォーム)を経由して変換さ
れ、どのサービス事業所のソフトからも取り込んで編集できるようにする。また、逆
にサービス事業所からの情報も、同プラットフォームを経由して変換され、どの居宅
介護支援事業所のソフトからも取り込んで編集できるようにする。
2 サービス利用者・家族とのケアプラン原案のやりとりについても、希望する利用者・
家族向けに端末ソフトを開発し、上記プラットフォームを経由して、相互に編集した
り情報をやりとりできるようにする。
3 上記プラットフォームは、国民健康保険団体連合会宛伝送請求を行う際に作成するC
SVファイルの形式をベースとする。また、同伝送ソフトの機能を拡充し、各事業者
相互のデータ交換なども可能となるよう改善する。
4 上記プラットフォーム開発に際して、国は各ベンダーおよび介護支援専門員当事者で
構成される共同研究チームに補助金を交付し、その開発を支援する。
(提言の理由)
2003年4月より介護保険法の運営基準が改定されました。これにより、居宅介護支
援事業所および介護支援専門員に対しては減算事由が創設されるなど、より一層の業務負
担増が求められる事となりました。このような中で、減算を出したくない事業所サイドの
思惑、業務負担をなるべく軽くしたいという介護支援専門員サイドの思惑から、これまで
も運営基準に違反する行為として禁じられてきたいわゆる「囲い込み」行為 (具体的に
は、介護支援専門員が所属している法人や関連する法人のサービスしかサービス利用者・
家族の方々に紹介しない、あるいは、介護支援専門員に他の事業所のサービスの利用希望
を伝えても介護支援専門員側が拒否する行為など)が、この6ヶ月の間にますます公然と
行われ、事態が悪化している事が明白になりました。
このような現象が発生する理由はいくつかありますが、看過できない理由の一つにケア
マネジメントソフトの欠陥が挙げられます。既存のケアマネジメントソフトは、いずれも
自法人のケアサービスソフトと連動し、業務を省力化できる事がセールスポイントになっ
ており、結果としていわゆる「囲い込み」の積極的な誘導要因となっています。ケアマネ
ジメントサービスとは、本来当該地域において利用できるサービスを最大限活用するネッ
トワークの形成を通じて、各利用者に提供し得る最善のサービスパターンを提示する行為
であり、「囲い込み」とは対極にある行為です。
そこで、自法人や関連法人のサービス提供を前提としたケアマネジメントにかかる時間
・費用と同程度に他法人等のサービス提供を前提としたケアマネジメントのそれを抑える
ような改善策を、ケアマネジメントソフトそのものに導入する必要があります。
しかし、そのような改善は、個々の企業努力だけでは達成できません。基準違反の「囲
い込み」を予防し、最善のケアマネジメント環境を確保する目的から、国が共同研究のプ
ロジェクトを主導ないし支援する事が必要となります。
当協議会では、この点の問題提起と共同研究の呼びかけを行う事により、改善の口火を
切りたいと考えています。
(プラットフォームシステム構築のメリット)
・同一法人内のサービス提供と同程度の時間と費用で他法人のサービスを用いたケアプラ
ン管理を行う事ができるようになるため、囲い込みの原因の一つであるコンピューター
システムの閉鎖性を改善する事ができる
・国保連ベースで開発するため、高価なソフトなしで、家庭用の読みとり・修正ソフトを
サービス利用者に提供でき、プラン原案の送付や修正など、利用者・家族との連絡調整
が合理化される。
・利用者・家族とのやりとりがメール添付で可能となった場合、厚生省令により利用票・
別表の紙媒体による訪問配布および確認印押印を略す事ができるようになり、時間・費
用の節約になる他、紙資源の大幅な節約になる。
・ケアマネジャーと各サービス機関の提供票・別表および実績表のやりとりもすべてメー
ル添付で可能となるため、紙資源の節約になる他、帳票保管スペース節約、管理コスト
の軽減につながる。
・保険者ベースでコンピューターネットワークを管理している地域では、他の地域の事業
所の参入の障壁となっていたが、プラットフォーム導入により、当該ネットワークをほ
とんど変更せずに、相互参入が可能となる。市町村合併の影響も受けずにすむ。