平成15年度介護福祉士養成研修(講義)
老人福祉論レジュメ




  • 目次ページにもどる





  •      平成15年度介護福祉士養成研修(講義)老人福祉論レジュメ
           場所:富山県総合福祉会館サンシップとやま602研修室
               日時:2003.08.19.TUE.13:30-16:30
                 主催:富山県福祉カレッジ


                                  富山総合福祉研究所
                                  所長 塚 本   聡


     目 次
    (1)はじめに
    (2)老人福祉論の骨格(体系)
    (3)各論のポイント
     ※添付資料 「模擬問題」「質問票」「アンケート票」


    (1)はじめに

    1)覚える時のちょっとしたコツ(参考 NHK教育テレビ「にほんごであそぼ」)

    ・考えたり覚えたりする時は心身ともにリラックスして
    ・ただし感覚は集中する → テレビを見ながら聞きながらはダメ
    ・語感を働かせて覚える → 身体を動かしながら、声を出して耳で聞きながら、etc
    ・覚えた後は何もしないで寝る → 宿題を手伝わない、食器は家族に洗わせるなど
    ・繰り返し思い出す(記銘・保持・想起)
     → 一旦想起できるようになるまで新しい事を行わない
    ・関連するものとひとまとめで覚える → ラベルをたくさん貼る
    ・海馬の扁桃体を刺激する → 興味を持つ いやいややらない
    ・まず幹(骨)をおさえ、次に枝葉(肉)へ向かう
    ・整理上手になる。どこに何をしまったかを覚える。使いやすいしまい方をする(アウト
     プット型記憶)
    ・たまに講師をする。グループで講師と受講者の役割を順番にこなす。

    2)解く時のちょっとしたコツ

    ・あっさりあきらめない
     ウェクスラーの知能検査→大人用と子供用がある
     どっちが大人用?  1 WAIS  2 WISC
    ・「必ず」「すべて」「全く」や「ねばならない」は疑う
      例題 養護老人ホームに関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい
         1 入所申請手続きは市町村に対して行う
         2 入所要件として経済的理由は全く必要ない
         3 65歳未満の者の利用は一切認められない
         4 すべて個室である
         5 市町村が措置した場合の費用は、国が2分の1、都道府県が4分の1支弁
           し、市町村が4分の1を負担する。本人および扶養義務者に資力がある場
           合は、能力に応じ負担する。

    3)持続するためのちょっとしたコツ

    ・練習の時は本番のつもりで、本番の時は練習のつもりで シミュレーション
    ・理想とするイメージを明確に持つ 自分の型
    ・最悪の事態を想定する。最悪のコンディションの時に出る力がその人の本当の実力

    4)分からない時はどうする?

    ・テキストを読む 辞典を調べる
    ・インターネットで調べる
    ・それでも分からない時は質問する

      宛先 富山総合福祉研究所 介護福祉士養成研修老人福祉論係 担当:塚本 宛
         電話は不可 ファックス:076-468-9124 電子メール:mcbr@po2.nsknet.or.jp
         ホームページ:http://www2.nsknet.or.jp/~mcbr/e32.html
         手紙は 富山県上新川郡大沢野町上大久保618-47 の上記宛先まで

    5)ところで講師は何者か?

    ・国家試験受験者OB
    ・介護福祉士 介護支援専門員(ケアマネジャー) 居宅介護支援事業所管理者
    ・ボランティア相談員 たまに大学教員
    ・目指している事:社会保障・社会福祉領域における理論と実践の統合
    ・専門性を向上させたい人の味方
    ・資格をとってしまえば勉強なんかしない人の敵

    6)この講義のルール

    ・私語は禁止。受講料を支払っていても、他者の学ぶ権利を侵害する自由はありません。
    ・途中の出入りは自由。
    ・携帯電話は電源を切るかマナーモードにする。話す時は会場の外で話す。
    ・質問は質問時間内に簡潔明瞭に。


    (2)老人福祉論の骨格(体系)

    1)現代社会と高齢者問題(第1章 第2章) ◎
      ・何故「老人福祉」を「論」ずる必要があるのか? その背景は?
      ・何故介護福祉士は老人福祉論を学ぶ必要があるのか? その実益は?

    2)高齢者に関する法制度(第3章 第4章)

      ・高齢者の介護に関する法制度にはどのようなものがあるか?

      A)介護保険法 ◎

      B)老人福祉法 ○

      C)老人保健法 ○

      D)その他の施策・関連施策 ○
        ・成年後見制度
        ・地域福祉権利擁護事業
        ・税制
        ・年金制度

    3)高齢者の生きがい・社会参加(第6章) ○
      ・福祉の客体としての高齢者像→積極的主体への(意識)転換

    4)民間活動とシルバーサービス(第5章) ○
      ・行政責任によるサービスから民間(営利・非営利)によるサービスへ

    5)保健・医療・福祉の総合的援助(ケアマネジメント)(第7章 第8章) ◎
      ・施設から在宅へ
      ・住み慣れた地域で暮らす権利

    6)時系列的に見た老人福祉論の流れ(輪郭)


    戦前  恤救規則 → 救護法
    社会事業 → 社会事業法 → 厚生事業
    戦後  社会事業法 → 社会福祉事業法
                福祉三法

                日本国憲法(第25条 第13条 第14条)


    保健・衛生水準の向上   → 人口の高齢化
    急性期医療体制の向上 要援護高齢者の増加 福祉国家論
       ↑ 福祉六法
      技術革新 → 老人福祉法

    高度経済成長→ 人口の流動化 → 過疎独居・都市独居
     家族観の変化 → 核家族化       → 家庭介護力の低下
    共働き    → 日中独居


    オイルショック → 低成長時代へ → 社会保障・社会福祉予算削減 → 老人保健法
     施設から在宅へ → ケアマネジメント
     老人医療費抑制
                       自助・互助・公助 → NPO 地域活動
                       市場原理導入 → 混合福祉
                       小さな政府へ(日本型福祉社会論・・・)


    → 地方分権 8法改正  → 介護保険法 → 年金制度改正・・・
      社会保障構造改革  医療制度改正・・・
                 → 措置から契約へ → 成年後見制度
                             地域福祉権利擁護事業
    → 自立支援・介護予防
                 → 尊厳死・生命倫理の問題


    (3)各論のポイント

    第1章 現代社会と高齢者

    ・「高齢化社会」と「高齢社会」の違いは? 2頁

    ・「前期高齢者」と「後期高齢者」の区別の基準は? 4頁

    ・平均寿命は? 合計特殊出生率は? 従属人口指数は? ← 統計数字 3頁

    ・「健康日本21」とは? 7頁

    ・老々介護 サンドイッチ世代症候群(子育て・孫育てと介護の挟み撃ち状態) 9頁
     →48頁

    ・高齢者世帯の生活保護受給率はだんだん「上がっている?」「下がっている?」11頁

    ・出された年の早いもの順番にならべると?

     「長寿社会対策大綱」 12頁
     「高齢者保健福祉推進十か年戦略」
     「21世紀福祉ビジョンー少子・高齢社会に向けてー」
     「新たな高齢者介護システムの確立について(中間報告)」
     「高齢社会対策基本法」
     「高齢社会対策大綱」

      追加質問 → 上記のうち「ゴールドプラン」はどれ?

    ・「新ゴールドプラン」と「ゴールドプラン21」 新しいのはどっち?    14頁

    ・「ゴールドプラン21」で目標とされている介護サービス提供量は? ←数値 16頁


    第2章 高齢者の生活実態と福祉需要

    ・「生涯発達理論」とは? 23頁

    ・「動作性能力」と「言語性能力」の違いは? 26頁

    ・「手段的サポート」と「情緒的サポート」の違いは? 28頁
      → グリーフ・ケア  ピアカウンセリング

    ・「有訴者率」と「有病者率」の違いは? 30頁

    ・要介護状態になる主な原因 36頁
       脳血管疾患 老衰 骨折・転倒 痴呆 パーキンソン病
       → 試験問題にこれ以外が混ざっていたらチェック


    第3章 高齢者に関する法と諸施策

    ・「恤救規則」と「救護法」、どっちが古い? 54頁

    ・福祉3法の中に老人福祉法は含まれる? 55頁

    ・福祉6法は何と何? 56頁他

    ・老人福祉法、老人保健法、介護保険法のうち、「母法」はどれ? 58頁

    ・老人福祉法第1条、第2条、第3条は穴埋め問題を出しやすい? 57頁

    ・市町村福祉事務所と都道府県福祉事務所の役割の違いは?

    ・厚生労働省に設置されているのは、「社会保障審議会」? 「地方社会福祉審議会」?

    ・老人福祉施策の表は大事。介護保険法、老人保健法の表と対比して覚えるとよさそう。
     62頁 63頁  介護保険法は78頁

    ・老人福祉法には、有料老人ホームについての定めが ある? ない? 68頁

    ・介護保険法の目的と基本理念 → 穴埋め問題を出しやすい? 72頁

    ・「保険者」と「被保険者」の違いは? 73頁

    ・被保険者のうち、「第1号保険者」と「第2号被保険者」の違いは? 74頁

    ・「要介護者」と「要支援者」の違いは? 75頁

    ・「特定疾患」と「特定疾病」の違いは? 75頁

    ・「介護認定審査会」と「介護保険審査会」の違いは? 76頁

    ・要介護・要支援認定手続きの流れとケアプラン作成・実施の流れは重要。 77頁

    ・介護保険サービスの利用者負担は何割? 78頁
     ケアマネジャーのケアマネジメントサービスの利用者負担は何割?
     低所得者に対して払い戻されるのは「高額医療費」? 「高額介護サービス費」?

    ・「指定事業者」と「基準該当事業者」の違いは? 79頁

    ・財政安定化基金が設置されるのは、厚生労働省? 都道府県? 保険者? 82頁

    ・「介護給付」と「予防給付」の違いは? 85頁

    ・市町村特別給付とは? 88頁

    ・老人保健法第1条、第2条は穴埋め問題を出しやすい? 89頁

    ・国民健康保険法等の一部を改正施行 → 2002年10月より実施
     → 改正が新しすぎて本年度は出題されず? 93頁

    ・要介護者、要支援者は原則として介護保険の訪問看護を受けなければならないが、例外
     として老人医療の訪問看護を受ける事ができる場合がある。 その例外とは? 94頁

    ・保健事業の概要は要チェック。 97頁

    ・国民年金の「第1号被保険者」、「第2号被保険者」、「第3号被保険者」の区別の基準
     は? 101頁

    ・年金制度改正の概要は要チェック。103頁

    ・医療費控除の対象となるものは? 108頁
      → 保健・医療系サービス および 併用する福祉サービス

    ・成年後見制度の補助、保佐、後見の違いは? 成年後見制度と地域福祉権利擁護事業の
     違いは?  重要!  111頁
     → 取り消し権があるのは「補助」?「保佐」?「後見」?

    ・「福祉用具」、「補装具」、「日常生活用具」の違いは? 118頁
     → 「治療用装具」

    第4章 高齢者支援の体系と実際

    ・介護保険の個々の居宅サービスの理解は必須! 127頁

    ・養護老人ホームと特別養護老人ホームの違いは?  132頁
     介護老人福祉施設と特別養護老人ホームの違いは?

    ・軽費老人ホームA型とB型、ケアハウスの違いは? 132頁

    ・介護予防・生活支援事業は重要! 133頁

    ・「高齢者サービス総合調整推進会議」と「高齢者サービス調整チーム」、都道府県にあ
     るのはどっち? 135頁 232頁

    ・ケアマネジメントの流れは把握しておく必要あり。 136頁〜

    ・岡村重夫の理論は重要? 古い? 147頁
      (要求→充足) → なんらかの不具合発生 → 社会福祉援助の必要
      <問い>社会福祉援助の4つの原理をあげなさい。
      <解答例>  全体性の原理 社会性の原理 主体性の原理 現実性の原理

    ・「スティグマ」とは? → 烙印 148頁

    ・「アドボカシー」 → 代弁 149頁

    ・バイスティクの7原則は重要! 150頁


    第5章 高齢者のための民間活動とシルバーサービス

    ・「ボランティアアドバイザー」と「ボランティアコーディネーター」の違いは?
     172頁

    ・NPO(特定非営利活動法人)の理解は重要! 177頁
     → 中間法人法上の中間法人は新しすぎて出題されない?

    ・住民参加型在宅福祉サービスの有料・有償である事の意義(気兼ねなく+責任を持って)
     はポイント。 180頁

    ・高齢者向け民間サービス → 厚生労働省は市場化に積極的  187頁
     → 但し、市場化が家庭介護や行政直轄サービスよりも優れているかどうかについては
       調査研究が進んでいない(Mary daly ed."Care Work the quest for security",International
       Labour Office ,2001)。

    ・シルバーマーク → 介護保険後はあまり・・・。 195頁


    第6章 高齢者の生きがいと社会参加

    ・「中年の危機」、「ゴーギャン症候群」、「空の巣症候群」とは? 199頁

    ・A.H.マズロー「人間欲求の階層説」は重要! 段階の上下の並べ替え問題が出るか
     も? 202頁

    ・要するに高齢者は社会参加しましょうという趣旨。


    第7章 保健・医療・福祉の連携とチームアプローチ

    ・社会福祉士と介護福祉士の専門性の違いは? 228頁

    ・看護師と介護福祉士の専門性の違いは? 229頁
      →ALS患者への生活関連行為にかかる看護業務の例外実施

    ・チームアプローチとは何か? ケアマネジメントとは何か? の整理はとても重要!
     234頁〜

    第8章 高齢者・家族に対する相談援助活動の実際

    ・事例問題を解く参考程度に。


    老人福祉論索引 275頁

    ・知らない単語がないかチェックするリスト代わりに。





        平成15年度介護福祉士養成研修(講義)老人福祉論模擬試験(略)





       平成15年度介護福祉士養成研修(講義)老人福祉論模擬試験解答例(略)





         平成15年度介護福祉士養成研修(講義)老人福祉論アンケート票
                 実施・回収日:2003.08.19.TUE

     以下のアンケートにご協力下さい。

    (1)老人福祉論の講義の内容について
       □ とてもわかりやすかった
       □ まあまあわかりやすかった
       □ ふつう
       □ やや難しかった
       □ とても難しかった
       □ その他( )

    (2)老人福祉論の講義の方法について
       □ とても良かった
       □ まあまあ良かった
       □ ふつう
       □ あまり良くなかった。
       □ とても良くなかった。
       □ その他(                              )

    (3)老人福祉論の講義の講師について
       □ とても良かった
       □ まあまあ良かった
       □ ふつう
       □ あまり良くなかった。
       □ とても良くなかった。
       □ その他(                              )

    (4)老人福祉論の改善点、要望点、その他ご意見など





     アンケートに御協力いただきありがとうございました。アンケート結果は、インターネッ
    ト上で公開しますのでご高覧下さい。http://www2.nsknet.or.jp/~mcbr/e32.html


       富山総合福祉研究所 塚 本  聡 拝





             平成15年度介護福祉士養成研修(講義)老人福祉論質問票(略)



  • 地域医療・保健・福祉等関連情報へもどる

  • 社会保障と人権連絡会議inとやま目次ページにもどる