2003.8.19


ペルーの旅その11
哲也さんがうれしそうに、山に日が当たっていくのを見つめています。このあと、哲也さんは、急に思い立ったように、一人、ワイナピチュを駈けて昇っていきました。その速さと言ったら、驚くほど。哲也さんのグループは朝ご飯のあと月の神殿に行くことになっていました。そして、阪根さんのグループはワイナピチュ登山へ。そして、両方がむずかしい人はマチュピチュでゆっくり風を感じていようということになっていました。誰もが、私はおそらくはマチュピチュグループと思っておられたのですが、実は、私はワイナピチュに昇りたいとなかなか言い出せないのだけど、思っていました。そして、ついに、ぽつっと「私ワイナピチュに、のぼろうっかなあ」と言ったのでした。小林さんにとっても阪根さんにとってもきっと青天の霹靂(へきれき)。
ワイナピチュにも朝日の光が届きました。帯のように光が、どんどん広がっていきます。ああ、あの山に登れたらなあ・・・山だったら、きっとつらくなったら、降りてくればいい。月の神殿は降りて、登って、降りて登ってだから、きっと無理だけど、ワイナピチュなら、みんなから遅れて、ゆっくりと行って、降りてくればいいから・・・私はまだ光り輝くワイナピチュを見ながら、そう思っていました。
マチュピチュにも朝日があたって、マチュピチュが虹のように輝き出しました。朝だけど、私は宇宙にいるようだと思いました。
遺跡の入り口には、マチュピチュを発見したハイラム・ビンガムをたたえるプレートが掛けられている。最初、マチュピチュこそが、新インカ帝国の都、ビルカバンバかと思われたそうだが、やがて、そうではなく、もっと大きな遺跡エスピリトゥバンバという大きな遺跡が、そうであろうということがわかったのだそうだ。「どうして、その遺跡がマチュピチュほど有名じゃないの?」と私。阪根さんは「マチュピチュがそうだったように、その遺跡はもっともっとアマゾンに近いジャングルにあって、どんなに草や木をとりのぞいても、あっという間にジャングルにのまれてしまうから」ということでした。
ホテルから見たワイナピチュ。私がワイナピチュにのぼりたいというわがままを言い出したため、小林さんが、「僕は山もっちゃんが、昇りたいところまで昇って、そのあと、引き返そうと思ったら引き返すから」と、阪根さんは「うちのフリオにかっこちゃんの近くにいてもらうようにするから」と言ってくださる。本当に私はわがまま・・・それなのに、他のみんなも、私の気持ちを組んでくださって、本当にありがたかったです。