・後編『ほっとけないよ』もしくは『愛の戦士』
・プロット
前回がわりと重い感じの人情話だったんで、今回はなるべく明るくやろうと決
めてみたんです。明るくやると言っても、話のメインテーマは亜美ちゃんがい
かにして戻ってくるかな訳で、その部分が重くなるのは避けられそうにない。
それならギリギリまでメインテーマからは目をそらさせよう、くだらない話と
真面目な話を1つの話で同居させてみよう、と思った訳です。
・今だから言える初期構想
最初の段階で決まっていたのは、亜美が男を連れて戻ってくる事、サキコが出
る事、浦和とその男が亜美をめぐって対決することくらいだったんです。
ちびうさなんて、いるだけ邪魔だと思ってた(^^;)
あと、全体にアニパロをいれようなどと思ってました(本編にそのなごりがあ
る。若さ故の過ちとか、渦の中心をねらえとか、ペナルティエリアの外から云
々とか)
・うさぎの手紙・亜美の手紙
普通こういう手紙で始まる書き出しの場合は、相手側からのだけを紹介するん
ですよね(今の場合亜美からのだけ)
でも、筆無精のうさぎ(授業中に書いたり、追伸が多かったり、話をまとめな
いでとりとめなく書いてみたり。一応それっぽく表現してみました)が、どー
にかこーにか国際郵便だした(まずやりそうにもないことを、相手が亜美だか
らやった)というのを、出しておきたかったんですよ。
対する亜美の方は、追伸などつけたりしないで要点(よくある話題に難しい解
説、ドイツ生活の簡単な紹介、帰国の説明)まとめて書くことで、ここはまぁ
この2人ならこんな書き方するかな、などと思ってもらえればよいかな、など
と考えて書きました。
・うさぎとまことin昼休み
言う事ないっす。
・お出迎え
亜美が連れてきた男の名前は最初ドイツ人という事で、シュナイダーとかにし
よう(アニパロの事もあるし)と思ってたけど、相手が浦和という事で唐突に
ジェフ・市原というのが浮かんでしまった。これなら名前としても普通だし、
Jリーグというのもタイムリーかなぁ、などと思ったのでした。
で、まこちゃんの「そっくりだ・・・・」なんですが、本当は亜美・浦和・ジ
ェフの争いにまこちゃんも噛ませたかったんですよ。ただバイト数の都合上、
あまり話を詰め込む事が出来ず、結局いれなかったんですけどね。
そうそう、浦和君は亜美とジェフの間に何かある、と思わせるためにこの場に
いたんですよ(^^;)
ちなみに長編の場合だと、まことを交えた四角関係は勿論、この日の夜の話と
か、ジェフが亜美の家に泊まると聞いて、引っ越し先からTOKYOに出てき
てカプセルホテルに泊まる事にしていた浦和とすったもんだする、というエピ
ソードが入ったりするんだね。
・駅
ここって一体どこら辺なんでしょう? 私としては千葉のどこかというイメー
ジなんですけど、あるいは茨城あたりまで行ってるのかな?
当初サキコを出そうと決めたのは、ただ単にその後のサキコを見たかった、と
いうだけの理由だったんですねぇ(^^;) それと夏よ海よとくれば・・・・って
のもあったし。
・道すがら・・・・
このあたりはネタふりの山ですね。お話の展開上、前半でネタふりしておいて
後半で1つずつときあかしていく必要があったもので。
あとこの辺でのネタふりは、亜美が戻ってくるというメインテーマを隠す役割
も果たしています。読んでいる人が、ジェフと亜美ってどういう関係なんだ?
とか、ペンションの幽霊騒ぎの方に目が向いてくれれば成功ってとこですね。
・「えーっ、亜美ちゃんが結婚!」(うさぎ)
で、メインテーマから目をそらすためにダメを押す。当然インパクトのある台
詞を冒頭にもってくる訳です。
美奈子ちゃんっていうのは、早とちりさせるにはもってこいだなぁ。諺のこと
といい、彼女は1を聞いて10を知ったと思いこむ人なんですね。
おまけに、美奈子が言うとそれなりに真実味があるというのがいい。しかも、
まことやレイに否定されて、「それもそうねぇ」と1度意見をひっこめる所が
ミソですね。
・浦和登場
ここで浦和を亜美にぶつける事によって、先ほどの印象づけが生きてくる訳で
すね。そんなことはない、という話を、ひょっとしたら、という部分まで持っ
てくる。
もっともそれは登場人物の話で、読者は「わっはっはっ、そりゃ考えすぎだよ」
と見てればいい。
でも、この時点で読者は完全にメインテーマから目がそれてしまっている。と
いう意図があったんですけどどうでした?
・パーティ
その後の展開を考えると、これはいい場面でしたね。話全体の流れを見ると、
あらかじめ考えて作ってそうに見えるけど、そんな事はないんですよ。伏線と
かにしても、後から見ると勝手に出来ている時とかあるもんね。
ちびうさの作戦はいかにもやりそうだね。みんなが酔った状態というのも、私
の想像ではあぁだけどなぁ。もっとも宴会芸大会になれば、また違ってきたと
は思いますね。
「1番、レイちゃん歌いまぁーす」とか
「2番、木野まこと。瓦を割ります」とか
美奈子ちゃんあたりは脱ぎそうですね(おいおい)
・サキコとちびうさ
この取り合わせに誰も気付かないのだろうか? 私もしばらく気付かなかった
けど。亜美がサキコに自分の昔を見たように、サキコもまたちびうさに昨年ま
での自分を見るんですね。
うさぎの積極さと亜美の優しさを兼ね備えたサキコは、成長すれば1人で主役
をはれるくらいのいいキャラだなぁ。セーラーV3を名乗らせてあげやう。
・亜美とサキコとちびうさ
言う事ないっす。ここの回想は自然な流れっすね。サキコとちびうさの姿に、
亜美にとってのうさぎの存在(プリンセスとしてではなく)というのを、さり
げなく認識させておいて後のベルチェ戦にひっぱっていく訳です。
・「どじょう!」
一方で盛り上げといて、いきなり落とす。好きだなここ(^^;)
この前のシーンでのペナルティエリアの外からフリーキックというのは、キャ
プテン翼の若林君が好きなやつですね。むしろこれはレイちゃんが提案すれば
よかったかな?
浦和に質問されて困るドロイドも、せらむんらしくていいと思う。もちろんこ
のニセ亜美ちゃん、アニメにおける偽物の法則でちょっとツリ目なのは言うま
でもありません。
・対ベルチェ
サキコちゃんはいいよなぁ、やはり主役級ですね。浦和なんかとは格がちがう
よ格が。亜美やうさぎはこの娘の性質を引き出してあげただけで、もともと素
材は良かったんですよね。
で、問題の場面なんですが、亜美ちゃんは頭がいいせいで、自分の悩みという
のが戦士としての立場とか、使命という事についてだと思っているんですね。
ところがそんなのとは関係ないサキコが、純粋にちびうさを守るために戦って
いる姿を見て気付く訳です。これぞ晴天のヘキレキ(^^;)
ところでTVでは、捕まっている亜美ちゃんをうさぎが助けるというシチュエ
ーションは、亜美ちゃん初登場のあの時だけなんですね。(レイちゃんが助け
るというのはあったけど)
このシチュエーション探すために、あたしゃ頭からビデオを見返しましたよ。
だから「こらあっ妖魔。亜美ちゃんを放しなさいっ」という台詞も、いかにも
ありそうだけど実はないんです。この台詞の原型は「ムーンファイト2」にあ
るけど(「亜美ちゃんを放して」)、やはり実際には言ってないですねぇ。
・「許さない!」
この台詞や、あとに続くモノローグはトップをねらえの第5話のモチーフです。
お姉さまの台詞「合体しましょう!」のとこですね。
・シャインスノーイリュージョン
わはは、原作でも登場してない原作技。今月のなかよしの付録の亜美ちゃんカ
ードの裏に、必殺技としてシャインアクアイリュージョンと一緒に書かれてい
たんで使ってみました。イメージはキグナス氷河のダイヤモンドダストをもっ
と華麗にしたやつということで。
・ドロイド・シュトローム
ネーミングは、Zガンダムのグリプス2攻防戦におけるエウーゴの「メールシ
ュトローム作戦」別名「宇宙の渦作戦」からです。ひとり科学忍方竜巻ファイ
ターの使い手なんだね(^^;)
・「お待ちなさい!」
月をバックのシルエット、格好いいなぁ。
・渦の中心
美奈子ちゃん、この場でクレセントビーム・シャワーを使わなくってよかった
ね。もちろん元ネタは「さらば宇宙戦艦ヤマト」。サブタイトルの愛の戦士達
にひっかけてて、この場面は「愛の戦士」をBGMにしながら読むのが通(^^;
実際イメージではマーキュリーが「お待ちなさい!」と現れた瞬間から「愛の
戦士」がBGMに流れるような感じです。
・TOKYO国際空港
全てのネタ振りの集約の場。直前までドイツに行く格好をしていたのは、本人
の言っている通りです。前編でドイツに行ったのは、うさぎの友情を汲んだ為
であって、完全に自分の意志でか? というと怪しいものがある。ジェフに日
本に来てもらった事についてもそうで、この事に関しては以前にまことが指摘
している(「もう恋から逃げない! 亜美と衛対決」)ように、亜美は自然と
言い訳を用意してしまうんですね。
だからある意味でTVの「さよなら亜美ちゃん」は、「もう恋から逃げない」
の教訓を全く忘れてるんだよなぁ。
最後のオチは新喜劇風にしてみました。美奈子にはこの後罰ゲームが待ってい
るとかいないとか。
なおここの場面はBGMに「ほっとけないよ」をかけてもらうと良いです。そ
れがこの後編のサブタイトルでもありますし。
ちなみに話のムードにあわせて前編のラストは夜、後編は昼にしたんですけど
分かっていただけました?
うーん、本当に解説に終始してしまいましたね。けど雰囲気くらいは分かって
もらえたかな?
93.6記
HTML化にあたって
亜美・浦和・ジェフにまこちゃんを加えた四角関係ねぇ…今書いたら全然違う
展開になってるだろうなぁ(^^; Jリーグがタイムリーなネタというのが時代
を感じさせますね。
ところで本来Rの世界では、サキコちゃんや浦和は亜美ちゃんと面識がない筈
なんですが、そこんところはまぁ目をつぶってやってください(^^;
しっかし今更「夏よ海よ〜」のエピソードを覚えてる人って、どれくらいいる
んでしょう? サキコちゃんは亜美ファンの間では結構人気高いと(個人的に)
思ってるから、ほとんど説明つけんかったけど…。ほんとあの娘にはもう1度
TVに出てほしかったです。
浦和と言えば彼は今頃どうしてるでしょう? もし今高校生の亜美とまことの
前にひょっこり浦和が現れたらどうなるでしょうね? 無印の記憶を受け継い
でいても、あるいは全く亜美との関係がない本来のRの世界の住人だとしても、
それはそれで(亜美とまことの間に)一波乱おきそうだよなぁ。
97.10記