2014. 1.18 更新
欧米人は、一般的に、血液型(ABO式)の違いには全く関心を示さない。
そんな欧米人だが、
Rhのプラスとマイナスの違いについては、何かしら感じているところがあるのではないか?
と言ったら驚くだろうか?
『Rh式について』の項で詳しく紹介しているが、
『Rh(D)因子』とは、Rhesus monkey(リーサス・マンキー)、
つまりアカゲザルの因子である。
このサルの因子(D因子)をもっているヒトが、Rhプラス、
もっていないヒトが、Rhマイナスである。
女性がRh(D)マイナスで、男性がRh(D)プラスの場合、
子供はRh(D)プラスになる場合が多い。<注1>
Rh(D)マイナスの女性が、Rh(D)プラスの子供を妊娠・出産すると、
Rh(D)マイナスの母体の血液中に、
Rh(D)因子に対する抗体(D因子をやっつけるもの)ができやすい。
その場合、一人目は無事に生まれることが多いが、
二人目以降も胎児がRh(D)プラスである場合、
母体中にできたRh(D)に対する抗体が、胎児の赤血球を攻撃し、
新生児溶血性貧血症を引き起こす。
これは軽度で済む場合もあるが、
脳障害を引き起こしたり、死産・流産の原因になったりする場合もある。
Rh(D)マイナスの頻度が高いヨーロッパ系人種(6人にひとり以上がRhマイナス!)にとっては、
これは深刻な問題である。
現在では、妊娠中および出産後に、
Rho(D)免疫グロブリン(抗D免疫グロブリン)を投与することによって、
これらの問題はほとんど予防できるようになっている。
Rh(D)マイナスの頻度の高い欧米人ではあるが、
彼らは、Rh式血液型のことを、
”Rh”とも言うが、”Rhesus(リーサス)”とも言う。
日常的に英語を話す英米人であれば、
Rhesus(リーサス)の意味(アカゲザル)は当然知っていよう。
”Rhesus(リーサス)”と発音するたびに、サルを連想するはずである。
たとえば女子会(?)などで
『ワタシ、Rhesus(リーサス)ネガティヴなんだけど、
旦那がRhesus(リーサス)ポジティヴで、子供もポジティヴだったから、
免疫グロブリンを注射して大変だったわ。』
『えっ!あなたもRhesus(リーサス)ネガティヴ?
ワタシもグロブリン注射うったわ!
ワタシがネガティヴで旦那がポジティヴ!』
みたいな会話が普通に交わされているとしよう。
英米人であればRhesus(リーサス)の意味(アカゲザル)はわかるから、
この会話は、
『ワタシ、サル陰性なんだけど、
旦那がサル陽性で、子供もサル陽性だったから・・・』
『ウチも旦那がサル陽性で・・・』
と言っているようなものなのである。
このように考えると、
英米人のRh(D)マイナスの御婦人方からみれば、
Rh(D)プラスとマイナスの気質や体質、
あるいは雰囲気の違いのようなものを、
サル(アカゲザル)をキーワードとして
何かしら感じ取っているかもしれないのだ。
要するに、
『・・・ Rhプラスって、何かサルっぽくねェ?』
と思っている可能性が十分にあるのだ(笑)!
<注1>
D/D と D/dは Rhプラス
(+/+ と +/−はRhプラス)
d/d は Rhマイナス
(−/− は Rhマイナス)
RhプラスとRhマイナスの夫婦の場合、
そのRhプラスがD/Dホモ(+/+)のRhプラスであれば、
子供は100% Rhプラスになる(D/d = +/−)
しかし白人は、Rhプラスであっても、
ヘテロ(+/−)の方が多い。
ヘテロのプラスとマイナスの夫婦の場合、
1/2の確率でマイナスが生まれる。
ヘテロのRhプラス同士の夫婦の場合も
1/4の確率でマイナスが生まれる。
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