2013. 2.18 更新
MN式血液型とは、
M型、N型、MN型に分類する方式の血液型である。
輸血においては、あまり問題とならないようである。
S因子(Sとs)というものとも関連していて、正式には、『MNSs式』という。
が、ややこしくなるので、ここでは、MとNについてだけ述べる。
M因子とN因子との間には、優劣の関係はない。
M型=MM型
N型=NN型
であり、
MとNの両方もっていれば、MN型となる。
優劣の関係はないが 『量効果』 がある。
つまり、ホモ接合体のM型やN型の方が、
ヘテロ接合体であるMN型よりも
MやNの凝集反応が強く出る、というものである。
#ちなみにABO式には 『量効果』 はないとされる。
例えばB型を例にとると
BB型でもBO型でも、凝集反応の強さには差がない。
しかしMN式には『量効果』がある。
ところでこのMN式、
人種による頻度の差はあまりない。
アジアでもヨーロッパでもアフリカでも
概ね
M型 30%
N型 20%
MN型50%
前後の分布率である。
日本人もこの割合である。
遺伝子頻度(遺伝子そのものの頻度)では
M因子 55%前後
N因子 45%前後
という値になる。
♯ 検算すると、
M型=(M因子55%)×(M因子55%)=30.25%
N型=(N因子45%)×(N因子45%)=20.25%
MN型=2×〔(M因子55%)×(N因子45%)〕=49.5%
となり、ほぼ表現型の%どおりの値になる。
繰り返すが、世界の多くの民族は、上記のような頻度である。
日本人もこの頻度である。
ところが、例外的に
M因子やN因子に極端に偏っている民族集団が存在する。
(数字は遺伝子頻度)
イヌイット(エスキモー) M因子95%前後
南北アメリカ大陸先住民 M因子70〜91%
ヤクート族(シベリア先住民のひとつ) M因子67〜81%
インド人 M因子60〜89%
サウジアラビア M因子62〜78%
イラン・イラク M因子60〜72%
コーカサス地方(グルジア等) M因子60〜71%
フィンランド人 M因子60〜65%
(数字は遺伝子頻度)
アボリジーニ(オーストラリア先住民) N因子70〜100%
ニューギニア島 N因子86〜98%
カロリン諸島 N因子53〜80%
マーシャル諸島 N因子76%
ヌガナサン族(シベリア先住民のひとつ) N因子74%
ネネツ族(シベリア先住民のひとつ) N因子70%
アイヌ民族 N因子55〜60%
MN式には 『量効果』 がある。
MN型にはあまり際立った特徴はないが、
M型 および N型 には、何かしら特徴がありそうである。
血液型人間学の基本は、
とにかく多くの人を、血液型毎に比較観察してみることである。
しかし、自分をMN式の何型かを知る人は、極めてまれである。
そこで、ここまで極端に、
M型 および N型に偏った分布を示す
イヌイット および アボリジーニを
『イヌイット ≒ M型の集団』
『アボリジーニ ≒ N型の集団』
とみなして観察してみても、
よいのではないだろうか?
このイヌイットとアボリジーニ、
ABO式とRh式では、奇しくも似たような分布傾向を示す。
ABO式では、どちらもOとAがほぼ半々で、Bは極端に少ない。
(特に、アボリジーニでは、B型は全く存在しない!)
Rh式では、ともに ”E因子”が多い。
(イヌイットはcDEが多く、アボリジーニではCDEがやや目立つ)
つまり、純粋にとまではいかないまでも、
ABO式やRh式の違いに惑わされずに
より高純度に(?)『MN式の違い』による観察ができるのではないだろうか。
イヌイット や アボリジーニ だけでなく、
M因子の多い集団、N因子の多い集団を、それぞれ眺めてみてほしい。
(N因子は南半球に多い傾向はあるが、
シベリア先住民の中にもN因子が多い集団があることにも着目してほしい。)
筆者の印象としては、
M因子の多い集団、N因子の多い集団には
それぞれルックスに、ある共通性を感じるのだが・・・?
大まかに言うと、
M型 ≒ やや神経過敏そうな顔つき
N型 ≒ ややほんわかした または やや楽天的そうな顔つき
という印象である(言葉での表現は難しいが・・・)。
そしてMN型は、
両方の特徴があるか、あるいは、どちらでもないか、であろう。
読者の皆様方は、果たしてどのように感じられたであろうか?
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