分泌型・非分泌型(ルウィス式血液型)と気質についての仮説

2014. 12. 6 更新




『血液型』(ABO式)とは、全身の細胞に存在する糖鎖の違い、

すなわち、全身の『体質型』、『材質型』である。

つまり、全身の材料の違いを表す指標である。


例えばB型であれば、B型物質(D・ガラクトース)が、

毛髪、皮膚、爪、脳、神経系、内臓、唾液や精液・・・等々

全身くまなく含まれている。


よく犯罪捜査などで、タバコの吸殻などからでも血液型を鑑定することがあるが、

これは、唾液にも『血液型物質』を分泌しているからである。


ところが人によっては、タバコの吸殻では、血液型を鑑定できないタイプが存在する。

このタイプは、唾液や精液といった分泌液中に『血液型物質』を分泌していない

(していても極々微量のため検出されない)。

このタイプのことを『非分泌型』という。

(現在では、DNA鑑定の技術が進歩し、『非分泌型』であることまでもが鑑定可能かもしれない?)


これに対して、唾液や精液といった分泌液中にも、大量に血液型物質を分泌しているタイプを『分泌型』という。

(毛髪などの組織での血液型物質の含有量は、両者による差はないとされている。)


人種による差はあまりなく、概ね『分泌型』8割、『非分泌型』2割となっている。

つまり、多くの人は『分泌型』である。



さらに、なんと!

『分泌型』であるか『非分泌型』であるかが、血液を調べることで判るのだ!


これを『ルウィス式血液型』という。


日本人における『ルウィス式血液型』の頻度(多くの人種で同じ傾向)

Le(a+b−c−):非分泌型 22%

Le(a−b+c−):分泌型  77%

Le(a−b−c+):分泌型   1%(10%前後とする報告もある)

ルウィスの、Le(a)抗原に陽性の人は、ほとんど全部が『非分泌型』であり、

陰性の人が『分泌型』であることが、わかっている。


唾液などの分泌液中に『血液型物質』を分泌しているか否かが、

血球の抗原を調べるだけで判るとは、実に面白い!



ABO式の『血液型物質』は、『胃粘膜』や『腸粘膜』にもっとも多く存在することがわかっている。


ところで、口の中から肛門へと続く「消化管」の粘膜は、「体内」だろうか?

実は、常に外の病原菌や毒物にさらされる危険のある、「外界」である。

そこに『血液型物質』が最も多く存在する、ということは、何を意味しているのであろうか?


消化性潰瘍の発生率に、血液型による差が報告されている。


ABO式では『O型』に有意に多く、

ルウィス式では『非分泌型』に多い。

また、胃潰瘍よりも、十二指腸潰瘍において、その傾向は顕著であるという。

『O型の非分泌型』であれば、さらにリスクは高いとされる。


消化管の防御機構に『血液型物質』が関与していないとは言い切れない。

『血液型物質』そのものが防御因子のひとつであるならば、

消化管粘膜に、A型物質もB型物質ももたないO型が弱く

さらに粘液中に『血液型物質』をもたない『非分泌型』が弱いのではないだろうか?


潰瘍の発生原因には、ヘリコバクター・ピロリ菌の存在や

胃酸(O型は、とくに胃酸の分泌量が多いとされる)など、

「攻撃因子」の側面もあるので、一概には言えない。


ただ、「防御因子」の側面からみた場合、

『血液型物質』が関与していないとは言い切れないのではないだろうか?


胃には、胃酸(塩酸)から胃粘膜自体を守る防御機構があるが、

十二指腸には防御機構がない。

だからこそ、十二指腸において、

『血液型物質』の有無が、より顕著に影響を受けるのではないだろうか?




いっぽうで、『非分泌型』は、ノロウィルスに感染しないという報告もある。


ノロウィルスが口などから体内に入ったとき、

ノロウィルスは、胃や腸の粘膜に存在するABO物質(ABO式の糖鎖)を足掛かりにして体内にとどまり感染するという。

しかし『非分泌型』では、消化管の粘膜(粘液)にABO式の糖鎖が存在しないために、

ノロウィルスはとどまることができずに、体外に排出されてしまうのだという。

感染が成立しないのだ。


このように、『非分泌型』は、ノロウィルスに対しては有利なようである。




腫瘍マーカーのひとつに『CA19-9』というものがある。

健康診断でもよく調べられる項目で、体のどこかに腫瘍があると高値になるものである。

特に、すい臓ガン、胆管ガン、胆のうガンで、高率に高値を示すことが知られている。


ところがこの『CA19-9』という腫瘍マーカー、

ルウィス式血液型の Le(a−b−c+)型のヒト(日本人の1〜10%存在する)では、

疾患の有無に関わらず、常に陰性(または低値)を示す。


Le(a−b−c+)型のヒトに対しては、腫瘍マーカーとしては役に立たないのだ!


自分がLe(a−b−c+)型であることを知らずに

(殆どの人が自分のルウィス式血液型なんて知らない!)

『CA19-9』の検査値を見て、異常なしだと安心している現状を考えると、

これはとんでもないことである!


少なくとも献血の際には、ルウィス式も本人に通知すべきであろう。


かつて(1984年前後?)首都圏近郊の献血センターでは、

ルウィス式を、ABO式、Rh式に次ぐ『第3の血液型』として、

献血手帳に記載をしていたことがあったらしい 。

(山本 茂 著「血液型」化学同人 より)


ぜひ、全国的に復活させてほしいものである!




ところで筆者は、『B型の非分泌型』と判明している方を、ごくごく少数だが存じ上げている。


そのほんの僅かな観察経験しかないのだが、

筆者の印象としては、一般のB型に比べて見かけがサラッとした感じ

(まさに『非分泌的』な感じ!?)で、

性格的にも一般のB型に比較して、遠慮がちで繊細な印象を受ける。


ただ、観察例数がきわめて少数なので、責任は持てない(笑)。


Le(a+b−c−):非分泌型 日本人の22%



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