x Digital Subscriber Line(xDSL)

 ADSL,RADSL,HDSL,SDSL,VDSL などを総称して呼ぶ言葉。 最初に ADSL が登場。その後,用途や最大転送レートなどに応じていくつかの派生的な技術が生まれ,これらを総称して xDSL と呼ぶ。 最近は単に DSL と呼ばれることが多い。 アナログモデムで使う周波数の上限だった 3.4kHz 以上の帯域を使用することで,既存のメタル電話線で高速のディジタルデータの伝送を可能にしている。
 電話回線は本来,人間の声を伝えるもの。 そのために必要な周波数の音が伝わるようになっている。 モデムやファクスも,その範囲の音を使ってデータのやり取りをしている。 しかし,もっと高い周波数を使うと,今よりはるかに高速な通信ができるようなる。 この技術を xDSL という。

 2000年現在,xDSL が利用できる距離は,標準的な銅の電話回線でおおよそ5km 程度だ,それを越えると通信速度が極端に遅くなる。 デジタル・ループ・キャリア(DLC)と呼ばれる小規模な技術的設備を用いることで, 通信企業は光ファイバーケーブルをより広範囲に敷設できるようになる。
 電話会社の中央にある交換台から30キロメートル以上離れた地域まで光ファイバーを拡張できれば, 銅回線の5キロメートル程度という制限はそのままでも,距離的な制限は事実上なくなる。 電話会社側では,単に光ファイバーと xDLC システムをより広い地域に設置すればよいだけとなる。

回線数(加入者数)の推移
2000年12月 9,723
2001年3月 70,655
  同年4月112,182
  同年5月178,737
  同年6月291,333,末で330万回線。
2003年5月末時点で約800万回線,5月単月の加入者数は429,492回線(4月は454,906回線)。 9月末現在922万8,686万回線(NTT 東日本 191万1,724回線,NTT 西日本 152万3,394回線,ソフトバンク 324.8万)。 11月末 991万1,306件。
 総務省は,2003年12月末の提供数(速報値)を1,027万2,052回線と発表。 NTT東日本が7万5,586回線増の209万7,531回線。NTT西日本が5万2,829回線増の167万6,592回線。 Yahoo! BB接続総数は369.4万件。
 2005年12月末14,480,958契約(前年同期比1,155,550増,総務省調査による)。
 2006年3月末の回線数は約1,452万契約で2005年12月末に比べ 3万6,000増と伸びが止まった。

 2000年末は 9,723,2001年1月末は 16,194。 既存の電話回線をそのまま使用することができることから,光ファイバー網が完備されるまでは,インターネットのブロードバンド環境普及のための切り札としてかねてから期待されてきたが,依然,利用料金が高かったことや,NTT がそれほど積極的ではなかったことなどから,2000年までは普及の速度はゆるやかなものだった。
 2001年の Yahoo!BB の登場いらい爆発的なブームとなり,同年11月に100万に達し,翌2002年2月には200万,5月には300万,9月に400万,11月に500万に達し,国内ブロードバンドの中核としての地位を不動のものとし,そのおかげで日本はインターネットのブロードバンド環境が世界一安くなった。 今後は,ブロードバンドの本命は最終的には光ファイバーだが,未整備の地域もあり,DSL は2,000万までは伸びる,との意見もある。
 2005年2月22日,ポイント・トピックは DSL の料金が世界的に下げ止まり傾向にあるとの調査結果を発表。 2004年は値下がりが続き,平均で14%低下したが,下半期に限れば約5%の下げだった。
 2005年3月10日にポイント・トピックが発表した集計データによると,2004年末の世界のユーザー数は9690万人(前年比60%増)。 ユーザーが多い国は,中国 1710万人,米国 1370万人,日本 1330万人,韓国,ドイツ,フランス,イタリアの順。 人口100人当たりの回線数では,韓国 14.24回線,台湾 13.86回線,ノルウェー 12.34回線,デンマーク 11.89回線。

 2007年6月に DSL Forum が発表した,世界の DSL ブロードバンドサービス利用者数に関する最新調査レポートによると,2007年5月時点で世界の DSL サービス利用回線数は2億を突破(前年比29%増)。 国別では,1位 中国 約4,340万回線,2回 アメリカ 約2,751万回線,3位以下は,ドイツ,フランス,日本,英国,イタリア,スペイン,韓国の順。



Discrete MultiTone(DMT) 変調方式 離散的多周波数

 DSL に使われる変調方式の一種。 ANSI の標準として認定され,アルカテルなどのベンダーはこちらを支持している。 サブキャリアを多数持つためノイズ耐性が高いとされる。  電話回線の 1MHz の帯域を,4KHz づつ256個のチャネル(サブキャリア,ビン)に分割,それぞれのキャリアに変調を加える方式。 回線の状況に応じてそれぞれのチャネルの信号強度を調節することで,雑音や干渉に対する耐性を向上させる。 状況のよいチャネルのスループットを最大にし,干渉の大きいチャネルのスループットを最小限にするため,CAP より回線状況の悪い場合には優れているとも言われ,特定の周波数成分を制御しやすいのが特徴。 信号を多くのチャンネルに分割して伝送しているため,雑音の影響を受けて SN 比が低下したチャンネルの情報を,伝送容量に余裕のあるチャンネルに振り替えることができる。 また,特定の周波数規制に対応したり,雑音による干渉を避けることもできる。 支持する企業は,Alcatel,Analog Devices,Broadcom,Ericsson,Ikanos Communications,Intel,LSI Logic Corporation,Nokia,STMicroelectronics,Texas Instruments,Thomson Multimedia の11社。



High data rate Digital Subscriber Line(HDSL)

 2対かそれ以上の銅線の組を使い,ADSL よりもさらに高速なデータ通信を可能にした xDSL の技術。 転送速度は両方向とも同じという,対称な転送方式も ADSL と異なる。



Rate Adaptive Asymmetric Digital Subscriber Line(RADSL)

 通信路の状態に応じて,最大データ転送レートを動的に変えるようにした ADSL 技術。



Symmetric Digital Subscriber Line(SDSL)

 双方向で対称なデータ転送速度を実現した xDSL 技術。 最大データ転送速度を抑える代わりに,対称な転送速度を実現。 上り下りの転送速度はともに1Mbit/秒で,4kHz までの音声通話と同じ帯域も使用する。



Very High Speed Digital Subscriber Line(VDSL)
Very high-bit-rate Digital Subscriber Line 超高速デジタル加入者線

 電話線を使ってデータ転送を行うネットワーク規格の一種。 接続距離を限定する代わりに,最大転送速度を高速化した xDSL 技術で,当初は通常のインターネットのトラフィックに加えデジタルテレビ信号を伝送する目的で開発され, 従来は集合住宅構内などでの光ファイバ分岐といった短距離で用いられていた技術。
 上りと下りの速度が異なる非対称速度型で,データーリンク層は ATM, 伝送距離は約 1.5km,理論的には上り 13〜52Mbps での高速な通信が可能。 実用的には標準的な銅の電話線を使って最大25Mbpsでデータを伝送できるが,距離は1km が限度。 アメリカでは電話会社の交換局から1km 以内に住んでいる利用者はほとんどいないため注目されていないが,韓国と中国では普及が始まっている。
 変調方式としては2003年現在,DMT と QAM が標準化作業で競合している。 DMT 方式は ADSL 用チップ・セットですでに採用され実績がある。 また ADSL の加入者が日本を中心に急速に増大した結果,ADSL 用チップ・セットのコストは急速に低下した。 DMT 方式であれば VDSL と ADSL でほぼ同じハードウエアを流用できるので,IC チップの開発コストが低下する。 また ADSL 機器メーカーにとっても,VDSL 機器を開発するときにコストを抑えられる。
 2003年6月3日,Intel など複数の通信用半導体および機器メーカーが,VDSL 用の変調方式として,DMT 方式を支持すると発表。 一般的な意味でいうところの DSL 用変調方式としては,DMT の運用例が最も多い。
 2004年7月22日に行なわれた社団法人情報通信技術委員会で一般電話回線での VDSL 使用が承認され,長野県協同電算が8月1日より有線放送回線でサービスを開始。 総務省の認可が下り次第,9月から NTT の電話回線でもサービスを提供する予定。


VDSL Alliance
 DMT 変調方式を支持する企業が作った団体,技術の検討や標準仕様策定のために会合を行なっている。 よりスムーズな VDSL への移行を目指している。



コロケーション,コロケーションスペース

 ADSL 用の接続装置を置くスペース,または,そのスペースに機器を設置すること。 ラックなどの(に入った)通信機器を設置する。 NTT はこの設置場所を賃料を取って,貸し出す。
 場所取りは早いもの勝ちで予約だけでは無料なため, 2001年,Yahoo!BB が NTT 局舎のコロケーションスペースの大部分(1000万回線分)を確保。 2001年10月,他社がサービスに必要な機器を設置するスペースが足りなくなり,客から申し込みがあっても開通できないという事態が発生。 NTT 東西は同30日,総務省にコロケーションスペースを無料で予約できる期間を一年間から半年に短縮する約款変更の申請を行ない,総務省情報通信審議会の審議の後,受理され12月に変更。 まず,2002年2月に170万回線分が返還される。 しかし,再発防止策などが含まれておらず,ADSL 事業者は更なる対策を求め,NTT 東西は2002年3月25日に再び約款変更を申請。 それには,リソース配分に係る上限方式の導入,情報開示の充実の二点が盛り込まれた。 無料で予約できる期間が終了する2002年6月下旬に Yahoo!BB は990万回線分のコロケーションスペースを返却。



DSL 事業者

 自前で NTT 電話局に設備を置き,ISP に回線を卸し売りし,サービス自体は ISP が自社ブランドで行っている。


DSL 事業
1999年12月 東京めたりっく通信がサービス開始。
2000年4月 イー・アクセスが都内で試験サービスを,11月から商用サービス開始。
2000年12月 公正取引委員会が NTT 東日本に対し,DSL 事業者の新規参入を阻害したと警告。
      NTT 東日本,NTT 西日本が参入。
2001年2月 日本テレコムが開始。
   6月 ソフトバンク系のヤフーが参入表明,ソフトバンクが東京めたりっく通信を買収。
   8月 日本テレコムがイー・アクセスへ出資。
   9月 ヤフーが月額2280円でサービス開始。



JJ100.01

 DSL の各方式間での相互干渉を回避するための技術的な基準を示す文書。 2003年11月に第2版が制定されたが,上り速度の高速化技術が,下り速度に影響を及ぼす場合があり,新たな技術標準として,第3版を定めるため,事業者間で審議してがされている。



DSL Forum DSL フォーラム

 1994年に設立された電気通信事業者の業界団体,カリフォルニア州。 2004年9月に発表した6月末の世界の DSL ユーザー数は約7800万人。 普及率(電話100回線当たりのDSL導入率),1位 韓国(28.66%),2位 台湾(20.76%),3位 香港(19.59%),4位 アイスランド,5位 ベルギー,6位 イスラエル,7位 日本(16.96%)。
サイト:
http://www.dslforum.org

 2006年3月17日,2005年末の世界の DSL 契約件数は,前年比42%増の1億3880万件に達したと発表。 国別の契約数は,1位 中国 2636万件(前年末は1710万件),2位 米国 1883万件(同1370万件),3位 日本 1454万件(同1330万件)。 電話100回線当たりの DSL 回線数は,1位 韓国 28.1%,2位 台湾 27.9%,日本は20.4%で10位。



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