Windows Consumer Electronics(Windows CE)
マイクロソフトが,小型の携帯用端末(ハンドヘルド PC)向けに開発した OS。
そのためのハードウェア及びソフトウェアの規格のこと。
組込みシステム設計に適したリアルタイム OS である。
中身は Windows をベースに作られた Windows 風のユーザーインターフェースを持つ,別の OS である。
従って,これを搭載したほとんどのマシンの CPU は Intel 製ではない。
表示画面に並んだアイコンをペンで選ぶことで手軽に操作できる。
デスクトップマシンの Windows と簡単にデータ通信する機能もある。
各デバイスに特化した機能を拡張することで,そのデバイスに必要な機能を提供してきた。
そした各デバイスに特化した機能が実現されると,それを次バージョンに採用するといった過程を経てきた。
Bluetooth との互換性テストに合格したので,サポートするようである。
2002年の出荷台数は900万台。
2003年以降は急速に伸び,2008年には2億〜2億2000万台と予想されている。
この2008年の値は Windows を搭載したパソコンの出荷数に並ぶものである。
1996年11月に発表された,マイクロソフトによる汎用の組み込み機器向け OS。
公式には CE は,特定の言葉の略称ではなく,Compact,Connectable,Compatible,Companion,Efficient などの意を含むとされている。
しかし発表当時は,Consumer Electronics,Compact Edition などの略ではないかと言われた。
PC 用の Windows と直接的な互換性は低く,対応するプロセッサは,MIPS,SuperH,x86(発表当時)で,ARM は後に追加されたが,現在は ARM が主流。
開発のベースとなったオリジナルのプロセッサは MIPS だと言われている。
アプリケーション開発においても,PC 向け Windows に類似した API セット(Win32 APIのサブセット)やライブラリ(MFC および.Net Framework のサブセット)の提供,共通した開発ツールの利用など,Windows での開発経験を持つプログラマが,その経験を生かせるよう配慮された。
開発当初,アプリケーションを含むパッケージとして 4M バイトの不揮発メモリ(ストレージ)に収納可能で,2M バイトのメモリで動作することが目標とされた。
1996年に公開された時点において,Handheld PC という特定のプラットフォーム向けのパッケージにも同じ名称が使われた。
その後 Windows CE は,車載用の Auto PC,いわゆる縦型 PDA の Pocket PC など,Handheld PC 以外のプラットフォームへも拡大。
そのため,OS コアとしての Windows CE と,特定プラットフォーム向けのパッケージを名称で区別する必要が高まった。
そこで Windows CE 3.0 以降,OS コアの名称が Windows CE となる一方で,パッケージにはそれぞれのプラットフォームの名前を用いることになった。
携帯端末向けパッケージの名称が Windows Mobile になったのは2003年の Windows Mobile 2003 から。
Windows CE 1.0
1996年11月17日に発表された,Windows 95 に類似した操作性で,
Windows を搭載したパソコンと連携して運用できるハンドヘルド PC 向けの OS。
画面はモノクロ4階調で,I/O はシリアル,赤外線に対応。
だがメーカーでのカスタマイズがほとんどできなかったため普及しなかった。
これを搭載したハンドヘルド PC はカシオ計算機と NEC から発売されていた。
Windows CE 2.0
1998年3月11日発表。
Windows CE 1.0 の上位互換だが,メーカーでカスタマイズが可能となったのが大きな改良点。
画面はカラーもしくは16階調グレースケール対応で解像度はハーフ VGA。
シリアルまたは赤外線でプリンターと接続可能となり。
カラー表示,電子メールへのファイル添付などの機能が追加。
ソフトでは VGA 出力が可能な Micosoft Pocket PowerPoint が追加された。
オプションで Ethernet へアクセスが可能となった。
Windows CE 3.0
1998年7月に発表され,2000年6月15日から出荷開始さた,Windows CE 2.12 からの改良版。
ハンドヘルド向けの Handheld PC 2000,パームトップ向けの PocketPC,車載コンピュータ向けの WindowsCE for Automotive といったプラットフォームがある。
USB に対応したほか,解像度が VGA に向上 65000 色が表示可能となった。
ブラウザーを搭載し,「ダイレクトX」および「ウインドウズ・メディア」対応によるマルチメディア機能の向上,
ソフトウエアの遠隔アップデートが可能なダイアルアップ・ローダー,リアルタイム性能の改善,
ウェブサーバー搭載などの機能強化が図られ,世界の10言語に対応している。
また,割り込みのネストが可能となり,実行レベルが 256 段階になった。
また開発者向けに,「エンベッデド・ビジュアル・ツールズ 3.0」を含む包括的な開発ツール「プラットフォーム・ビルダー3.0」を出荷開始した。
2001年6月20日,Windows CE 3.0 のソースコードが開発者に公開された。
同社のウェブサイトからダウンロードでき,開発ツール『Platform Builder』の評価版またはフルバージョンを使って入手する。
ただし,商業目的による Windows CE 修正版の使用と配布の禁止に加え,入手する前にマイクロソフトの Passport サービスへの登録が必要となる。
Windows CE 4.0
Microsoft が開発中の,次期 Windows CE,開発コードは『Talisker』。
2001年4月にβ1 が開発者向けにリリースされている。
対象は,PDA,携帯電話,インターネット・アプライアンスなど。
Windows CE 3.0 に比べると,ワイアレスとマルチメディア機能が充実しており,『.NET』構想に即している。
一層のコンポーネント化が進み,周辺機能として Bluetooth,USB,DVD がサポートされている。
Kerberos 認証プロトコルを組み込んでおり,HTTP サーバー向けに SSL をサポートしている。
多数のチップメーカーはソースコードへのアクセスが可能で,
自社チップに Talisker を最適化できるが,機能を追加するなどの修正を加えることはできない。
Windows CE 5.0
2004年3月31日,VoIP 機能を強化すると発表。
機能のコンポーネント化,プログラミングモデルやユーザーインターフェースの改善などによって,短期間で IP 電話機器を開発できるようになる。
同時に発表したパートナーは,NEC インフロンティアや LG,韓国のアトリウム C&I,ミカサ商事,台湾のネットシス,中国の ZTE など。
従来の「シェアード ソース ライセンス」が拡張され,公開されたソースコードを改変した派生物は,同社やそのパートナーなどと共有する必要がない。
ストリーミング再生の高速化を実現する Fast Start,家電機器やパソコンとの連携を担う UPnP A/Vプロファイル などがあるほか,ゲーム向けの Direct3Dモバイル,60種以上のデバイスドライバのサンプルを備えた。
2008年5月12日,Secunia は深刻な脆弱性に関するアドバイザリーを公開した。
JPEG 処理(GDI+)と GIF 画像コンポーネントに存在し,悪用されると任意のコードを実行される可能性がある。
Windows CE 5.0 日本語版
2004年9月30日,提供開始を発表。
T-Kernelとの統合環境を実現する基盤が整い,NECエレクトロニクス,東芝セミコンダクター社,フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン,ルネサス テクノロジ,イーソル,日立超LSIシステムズ,ハードベンダーでは,横河ディジタルコンピュータがパートナーとして実際のビジネスを展開する。
Windows Embedded CE 6.0 旧称『Windows CE 6』
2006年5月8日,β版の提供を開始。
OS のカーネルが新設計され,パフォーマンスおよびセキュリティが向上。
同時実行可能なプロセス数は従来の32から32,000に,仮想メモリも従来の32MBから2GBに拡大され,アプリケーション開発のボトルネックを解消。
2006年11月13日 Windows Embedded CE 6.0 として公開。
Windows CE 5.0 の後継バージョンで,組み込み向け OS を統合する意味合いで,ブランド名が変更されている。
WPA2(TKIP/AES暗号化),QoS,RTC 1.5などのプロトコルをサポート。
Windows Embedded CE 6.0 R2
2007年11月14日提供開始。
Windows CE .NET
ハンドヘルド・コンピューターやインターネット閲覧機器などに向けた OS のアップグレード版。
Windows CE の『.NET』版。
802.11x,認証技術,スマート ID などが導入され,Windows XP などマイクロソフト社の他の製品との通信機能が含まれている。
共有ソースプログラムに基づいて発表され,150万行以上のコードが,広く一般に非営利目的で利用できる。
POS など主に産業機器向けの組み込み OS としての実績を上げてきたが,表示能力,操作性では優れている反面,リアルタイム性では十分とはいえない面がある。
Windows CE .NET 4.1
2002年7月30日発表。
IPv6,音声認識が追加され,ウェブ閲覧や Windows Media Player の性能が向上(各々 15%,20%)している。
Windows CE .NET 4.2
2003年中にリリース予定。
VoIP サービスへの対応を進め,Telephony User Interface と Session Initiation Protocol をサポートした VoIP Application Interface Layer(VAIL)が実装される。
GSFinder+
ZIP/LZH 形式の圧縮・解凍ができる Windows CE 用ファイル管理ソフト。
2004年11月16日 v1.01 が公開,対応は ARM/MIPS/SH3 系 CPU を搭載する Pocket PC,Pocket PC 2003,ARM/MIPS/SH3/SH4 系 CPU 搭載の Handheld PC,NTTドコモ製 sigmarion III など。
サイト:http://www.geocities.jp/todamitsu2004
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