Controlling the Assault of Non-Solicited Pornography and Marketing Act(CAN SPAM Act)

 受信者にスパムメールを受信拒否できる選択肢を与えるアメリカの法律。 未承諾のポルノグラフィーおよびマーケティング攻撃に対する規制法。 州を越えてその効力をもつ連邦法として2004年1月1日から施行。 セクシャルな表現を含んだメールやポルノ関連のメールに関しては,メールの Subject ヘッダ内に特定のラベルを付けることが義務づけられ,違反者は罰金もしくは禁固の刑に処せられる。 残念なことに,受信者個人がスパムメール送信者に対して訴訟を起こす権利については認められていない。 ただし,消費者団体や専門家からは,効果が期待できない,既存の州法に比べて抜け穴を増やす結果となる,との意見も聞かれる。
 2003年12月8日,米国議会下院が392対5の賛成多数で可決。 その直後から,この法案に抜け穴が多いとする意見が表面化した。 中には,もじりで『Yes, You Can Spam Act』(はい,スパムを許可します法)と揶揄する声もある。 同16日,Bush 大統領が署名。 Eメールマーケッタは,発効日から120日以内に新法を遵守しなければならない。 発効後も,2004年3月まではスパムメールは減少していない。
 免責条項の中に,メールが広告である旨を明示し,送信者の正規の住所を記載し,以後のマーケティング・メッセージ配信を停止できる方法(オプトアウト)を提供し,無効でない返信アドレスをつければ,各企業は消費者に対してこうしたメッセージを送付できるという項目が含まれている。 ただし,消費者はスパム業者のメーリングリストから削除してほしいという依頼メールを絶対に送らないよう教え込まれているため,大部分のスパムは合法ということになってしまう。 また,米国を拠点としているスパム業者の多くが,連邦法の及ばない国外に業務を移すと見られている。 また,商用電子メールを『商業的な製品またはサービスの商業広告あるいは販売促進を主目的とする電子メールメッセージ』と定義しているが,『主目的』という肝心な言葉の定義がなされていない。 この,定義が明確でないことは,明らかな抜け道になっている。
 施行されると,スパム業者たちは,この法律の抜け道や定義の曖昧な部分をついた対抗手段をあれこれと試しはじめたらしい。 2004年1月には,スパム20業者のうち19業者がこの法律を完全に無視していると発表された。 3月4日,アメリカの ISP,Hypertouch は CAN SPAM Act に違反したとして,BobVila.com(有名日曜大工サイト)と BlueStream Media(広告会社)を提訴。 3月10日,マイクロソフト,ヤフー,AOL,アースリンクは,CAN-SPAM 法に基づき同国内のスパムメールの送信者を相手取って6件の訴訟を起こしたと発表。 4月の段階では,Eメールマーケティング メッセージの約 1/3 が遵守していない。 1/4 近くがオプトアウト要求があった後も Eメール広告を送信し,16%は法律で定められた受信拒否連絡後の10営業日を過ぎても Eメール広告を送信している。 6月15日,『スパム拒否リストは効果なし』という報告書が発表された。 これは FTC が連邦議会向けに,スパム拒否リスト計画についての報告書を作成することを義務づけていたもの。
 2005年12月20日,FTC はスパムメールの比率は2004年の平均77%から今年は68%に減少したとする報告書を発表。 CAN-SPAM 法を土台に,州や地方自治体のスパムメール対策,民間企業の技術を加えた総合力が,違法なスパムメールから消費者を保護するのに貢献したと分析している。 報告書は MX Logic の調査を基づいている。

 スパマーが使う手口としては,記載が義務付けられた住所や商業メールの通知をスパムフィルターには検知できないグラフィック画像の中に埋め込む,フィルターを潜り抜けるためスパムメールの中にさまざまなファイル名のさまざまなグラフィック・ファイルを添付したメールを混在させる,HTML 形式の電子メールを使う,などがある。 また,自分たちのメッセージの主な目的は商業的なものではないため,CAN-SPAM法の規制の対象にはならないと主張する業者もいる。
 アンチスパム法については州法が先行しており,カリフォルニア州などは非常に厳格なアンチスパム法を布き,一般的なメールマーケティング事業すら立場が危うくなっていた。 CAN SPAM 法案も,基本的に悪質なメールマーケティングを規制するものだが,規制が比較的ゆるく,同法の施行によって州毎に異なる規制状況が解消することから,メールマーケティング関連各社は CAN SPAM 法の施行を歓迎している。
 メッセージ1通あたりの賠償額上限を100ドルと定めている。
 2008年5月12日,米連邦取引委員会 (FTC) は,消費者が Eメールによるマーケティング メッセージの送信者を特定しやすくするため改正。



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