Power Line Communication(PLC) 電力線搬送通信,電力線通信技術

 電力線を使って行う通信,またはその技術。 ラジオ放送への影響を回避するために,電力線に流せる信号は電波法により 10kHz〜450kHz に限られている。 そのため通信速度は 9.6kbps 程度である。 これは,電力線が電話線などと異なり,高速データ通信に適した構造になっていないためで, 漏洩電波が既存の無線通信に及ぼす影響が規制緩和の問題となっている。

 2001年8月,関西電力と ITRAN,松下電工の3社は,この技術開発や実用化を目的とした合弁会社を設立した。 通信速度は 24 Mbps を目指している。
 問題点としては,家電からの雑音が通信の邪魔をする。 周波数によっては電力線がアンテナのように振る舞い,かなりの電磁波を放出する。 接続する家電の数によって信号が安定しない。 屋内から外に漏れる信号の影響を防ぐ機器の開発などの技術的課題がある。
 波数の拡大について検討されてきたが,2〜30MHz 帯を開放すると,同じ周波数を使う航空管制や短波放送に対して混信を与える可能性が確認されたため,2002年8月規制緩和は見送りとなった。
 2004年9月,総務省関東総合通信局は,NEC が申請した高速電力線搬送通信の実験設備設置を許可。


PLC モデム
 電力線通信で AC 100V と信号の分離・合成を行うモデム。


HD-PLCアライアンス
 2007年9月28日に松下電器産業が設立を発表した,同社が提案する高速電力線通信方式『HD-PLC』の普及を目指す団体。 メーカーなどに参加を呼び掛け,同方式のPLC関連製品間での通信互換性向上に取り組むほか,展示会への共同出展などで普及に取り組む。


電力線インターネット
 電力線通信の技術を応用し,家庭のコンセント(電力線)を通信線代わりに使い,高速にインターネット接続を実現する技術。 実用化に向けて,電力線の規制緩和が検討され,電器メーカーや電力会社は実証試験に取り組んでいる。 ドイツでは2000年から実証試験が始まったが, 2001年の時点では克服すべき技術的課題も多く,実現への道は遠い。

 電力線で高速にインターネットに接続できると,家庭内に新たに通信線を引き回す必要がないことがメリットとなり, ネットの普及が飛躍的に高まると考えられている。 現時点では電柱まで光ファイバーを敷設し,そこから電力線に乗せるらしい。
 電力線でのブロードバンド接続はネットワークの干渉や変圧器や避雷器など存在で,ブロードバンド配信が妨げられる。 また,データは,高圧電線では送れないため,まず光ファイバーか電話線で送信し,中圧電力線から電力網に入る。


Broadband over Power Line(BPL) 電力線ブロードバンド,高速 PLC
 電力線に信号を重ねて通信する技術で,ブロードバンド配信の新しい経路として注目されている。 敷設済みの電力引込線や屋内配線をそのまま利用できるため,ホームネットワークも簡単に作れるメリットがある。 米国,ドイツなどで商用化されている。
 各メーカーが独自に機器を開発しているため,異なるメーカーの機器間では周波数帯が重複して干渉が発生し,通信に障害が発生する可能性がある。
 2004年2月には,米国内の十数ヵ所の地域で試験運用がされている。 これまでの試験で問題となっていた技術的な障害のいくつかは克服されたが,ネットワークの改良には大きな費用がかかる。 また,約400m ごとにデータ信号を整形する中継機を設置しなければならないことも問題。 電力会社は,遠隔地からメーターを読めるようにするなど,独自の目的のために,データ伝送機能を追加しようとしている。 10月14日,FCC はこの商用展開への道を開く諸規制を承認。 航空機の通信を保護するために,BPL が完全に避けるべき「禁止周波数帯域」を定め,また,沿岸警備隊の基地など,重要施設の周辺は「禁止区域」に指定している。 すでにバージニア州マナサスやオハイオ州シンシナティで実用が始まっているほか,米国中で40件を超す試験運用が進行中。
 日本では,電力会社,メーカーなどでつくる団体『高速電力線通信推進協議会(PLC-J)』が技術検証や実用化のための制度改正を求めて活動。 2004年末,屋内利用や使用周波数帯など制度整備に向けた研究会を設置するよう総務省に要望。
 2009年2月18日,IBM と BPL を推進する International Broadband Electric Communications(IBEC)は,アラバマ,インディアナ,ミシガン,バージニアの電力協同組合7組織から電力供給を受けている約20万人に向けて,電力線ブロードバンドサービスを提供する設備の構築に着手したと発表。


CE-Powerline Communication Alliance(CEPCA)
 2005年1月5日に松下電器産業,三菱電機,ソニーが設立を発表,2005年6月に設立した,高速電力線通信で相互接続の仕様共通化に向けたアライアンス。 ソニー,松下電器産業,三菱電機が,各社各様に提案している CE PLC 宅内高速電力線通信の共存を目的として米国に設立。 新たに,東芝,日立製作所,三洋電機,パイオニア,ヤマハが参画,8社による協調体制が整った。 他の団体とも連携しながら技術的課題を明確化し,共存仕様を検討する。
サイト:
http://www.plc-j.org



Ambient Devices
 電力線ブロードバンドの通信ソリューション開発会社,マサチューセッツ州 Cambridge。 2004年2月20日,Earthlink から50万ドルの出資を受けたと発表。
サイト:
http://www.ambientdevices.com



PowerWAN Inc. パワーワン社
 電力線用データ伝送機器メーカー,カリフォルニア州パロアルト。
サイト:
http://www.powerwan.com



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