Internet Service Provider(ISP) インターネットサービスプロバイダー,(略称)プロバイダー provider

 インターネットに接続するサービスを行う業者のこと。 個人ホームページを開くためのサーバースペースを貸してくれたり,メーリングリストを開かせてくれいたりといったサービスも提供している。 日本国内にも多数の業者がある。 当初は,Nifty,Biglobe などパソコン通信や VAN の流れを組むもの,OCN,DION,K-COM など法人ユーザーを主たるターゲットとした通信事業者系 ISP,東京インターネットを買収した PSI ネットや鳴り物入りで登場した AOL のような外資系 ISP など3種類あった。
 基本的にはインターネットは誰でも接続できるが,そのための設備や回線を自前で用意・契約するのは大変な労力がいる。 そこで多くのユーザーは,プロバイダーと契約し,提供されるさまざまなサービスを利用している。 最初の ISP はProdigy 社らしい。 現在,消費者は安全かつ確実な接続とスパムなど余分なものを排除するツールを求めているらしい。
 ISP 自身の回線は,多くはバックボーンと呼ばれる背骨の部分とアクセス回線と呼ばれる末端部分に分かれ,いくつかのボトルネックとなる所がある。 バックボーンは末端のアクセス回線と IX を結ぶもので,ここが利用するユーザーが必要とする帯域(の合計)より小さいとボトルネックになる。 また,ISP 同士を接続する IX の接続速度も同様である。
 2000年以前から,ISP 同士が相互接続をするインターネットエクスチェンジ(IX:Internet eXchange)が発展。 お互いにデータの流量が多い場合には,プライベートピアリング(Private Peering)という直接 ISP やデータセンター事業者同士が接続する。

 日本での利用料金は,インターネットが普及し始めた1990年代初頭は毎分約10円で,接続収入の10%以上の利益があった。 その後,1995年ごろから『使い放題』の固定料金制を導入する事業者が登場し,大手もそれに移行しだした。 ADSL は収入を増やすはずだったが,ヤフーが2001年9月に参入したのを機に,平均でそれまでの6000円から3000円に低下した。
 アクセス回線の料金を得ているのはあくまで NTT 東西やイー・アクセスなどのアクセス回線事業者で,大抵の ISP は定額で月額2,000円程度の利用料金を得るという状況のままである。 したがって,ISDN の時代にトップシェアを占めていた ISP 事業者は,アクセス回線高速化に応じた利用料金を利用者から追加で徴収できない。 そのため,アクセス回線事業者は高速化により利用者の確保に躍起だが,バックボーン側の ISP 事業者は,急速な高速化は望んでいないことになる。
 今後は事業の効率化のために,会員を増加させるざるをえず。 そのために企業の買収も始まった。 安定経営には会員200万が必要とも言われる。 また,収入増加のために多角化も盛んだが,どれかの会社が始めると1ヶ月もしないうちに各社が追従するため独自性は一瞬に失われる。
 2001年1月で全国に3000社近くあり,当分の間激戦が続く。

 アメリカでは,ISP は加入者がオンラインに掲示するコンテンツに対する責任を問われることはないことになっているが,非合法的にファイルを交換していることを知った場合は,この免責条件は消滅する。 2002年,RIAA は,ある ISP に対し加入者の個人情報の提出を強制するよう求める訴えを起こし,そこで問題の加入者が犯した著作権侵害行為について通知した時点で,免責保護は消滅しているはずだと主張している。 2003年現在,スパムメールに対してユーザーが強い拒否反応を示していることから,大量に発信する広告メッセージなどの Eメールに厳しく対応している。 Eメールマーケティング会社の多くは,ISP のメールフィルタ機構がスパムメールだけではなく,正規の Eメールもブロックしてしまうと不満の声をあげている。
 2005年10月に Arbor Networks が発表した調査結果では,ISP にとって最も大きなセキュリティ上の脅威は DDoS 攻撃らしい。


ISP 事業の大連合
 2002年4月,NEC,KDDI,日本テレコム,松下電器産業は ISP事業で提携し,メガコンソーシアム(仮称)を5月下旬に設立,6月から活動を開始すると発表。 コンテンツ互換と相互乗り入れを進め,ブロードバンドへの対応とユーザーの利便性向上を目指し,いずれは共同出資の事業会社を設立する計画。 今後,他のプロバイダーや CATV 事業者にも参画を呼びかける。 まず,IP 電話,IM の仕様を統一し,次いでブロードバンド対応コンテンツを共同展開する。 それ以外のサービスの共同開発なども行う。



社団法人日本インターネットプロバイダー協会
Japan Internet Providers Association(JAIPA)

 日本の ISP の業界団体,東京都。 1999年12月,日本インターネットプロバイダー協会として設立。 2000年12月解散し,現協会に引き継ぐ。
サイト:
http://www.jaipa.or.jp



無料 ISP

 無料でインターネットに接続できる ISP。 アメリカではかっては人気を呼んだが,2001年6月自力で生き残っていた,NetZero と Juno が統合され United Online となる。 両者は経費を広告収入でまかなってきたが,財務状況が思わしくなかった。



1次プロバイダー,2次プロバイダー

 後者は,IX に直接接続してない,ユーザーが直接契約するプロバイダーのこと。 前者は一般(2次)プロバイダーの上流に位置するプロバイダーのこと,アメリカではティア1プロバイダーとも言われる。



接続障害

 NTT の一般回線からプロバイダーへの接続する制御装置周辺の障害。 同装置の処理能力を超えるアクセスが原因と見られている。



プロバイダー責任法
正式名称,『特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律』

 日本で2001年11月22日成立,2002年5月施行の法律。 インターネット上に公開されている情報によりプライバシーや著作権などの侵害があった場合に,プロバイダーが負う損害賠償責任の範囲を規定した法律。 また,該当する情報の公開を止めたり削除などの措置をとった場合の,情報発信者に対する責任の範囲も規定している。 ここで定義されている『特定電気通信役務提供者(プロバイダー)』とは,ISP だけでなく,掲示板を設置するウェブサイトの運営者なども含まれる。

 これによると,権利侵害の被害が発生しても,プロバイダーはその事実を知らなければ,被害者に対して賠償責任を負わなくてもよい。 被害者からの削除依頼などを受けたプロバイダーが情報発信者に照会してから7日経過しても発信者から同意がなかった場合などは,発信者に発生した損害について賠償責任を負わななくてもよい。 被害者は正当な理由がある場合には情報発信者の氏名や住所などの情報開示をプロバイダーに対して求めることができる。 インターネット上の情報によって自分の権利が侵害されたというユーザーからの要求に対して, ISP がその発信者の,氏名または名称,住所,電子メールアドレス,IP アドレスの4項目を開示できると定めている。

詳細はこちら:
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/top/denki_h.html

 2002年2月からプロバイダ責任法ガイドライン等検討協議会において,運用のための指針を示すガイドラインの作成が始まった。 これには,テレコムサービス協会,日本インターネットプロバイダー協会,ヤフー,コンピュータソフトウェア著作権協会,日本音楽著作権協会,日本レコード協会,インターネット協会などが参加している。


プロバイダ責任制限法 名誉毀損・プライバシー関係ガイドライン
 『プロバイダ責任制限法』の施行にあわせて2002年5月に公表。 インターネット上のBBSやホームページなどにおける名誉毀損やプライバシーの侵害行為に対する削除依頼について,プロバイダーがどう対応すべきか行動指針が示されている。
 2004年10月に改訂された法務省からの削除依頼については,被害者以外の第三者から法務省に対して人権侵害の指摘が寄せられた場合などは,各法務局・地方法務局において,人権擁護上,看過できない事案であるか,被害者自らが被害の回復・予防を図ることが困難と認められる事案かどうを検討。 その上で,法務省人権擁護局による再検討と承認の後に,各法務局・地方法務局の局長名でプロバイダーに対して削除依頼を行なう。 緊急時には法務省人権擁護局長名で直接削除依頼を行なう場合もある。 これを受け取ったプロバイダーでは,URL などの侵害情報が特定され,侵害情報をプロバイダーが自ら確認し,ガイドラインの判断基準に照らして,他人の権利を不当に侵害したと信じるに足る相当の理由があることが明白であることなどの条件が満たされた場合に,実際に情報の削除を行なうかどうかの判断に移る。


プロバイダー責任制限法ガイドライン等検討協議会
 プロバイダーの業界団体などで組織される団体。 テレコムサービス協会,電気通信事業者協会,日本インターネットプロバイダー協会で構成する。 2004年7月は29日,サイトや掲示板での人権侵害に対し,法務省からインターネット上の書き込み削除を求められた場合の対応方法をまとめた指針案を作成。 2002年にプロバイダー責任法施行にあわせて,プロバイダーの情報削除に関するガイドラインを作成したが,法務省からの削除要請に関する明確な対応方法を明記していなかった。 2004年10月6日,『プロバイダ責任制限法 名誉毀損・プライバシー関係ガイドライン』を一部改訂。 法務省の人権擁護機関からプロバイダーに対して情報の削除依頼があった場合の対応プロセスを明確化した。
サイト:http://www.isplaw.jp

 2007年1月10日に公表した『プロバイダ責任制限法 発信者情報開示関係ガイドライン(案)』では,インターネットにおけるプライバシー侵害や著作権侵害などについて,ISP が発信者情報の開示に応じる手順や基準が示されたが,BBS など Web サイト上での権利侵害だけでなく,P2P ファイル交換ソフトによる権利侵害についても言及されている。



Information Provider(IP) 情報提供業者

 パソコン通信やダイヤル Q2 の情報提供側の呼び名。



Global online Japan(GOL)

 グローバルオンラインジャパン株式会社または,同社が提供するインターネット接続サービスのこと。 国内初の政府公認の商用インターネットサービスプロバイダー。 その後,ネットワークの開発も行っている。



Japan Internet Exchange Co.,Ltd(JPIX) 日本インターネットエクスチェンジ株式会社

 インターネットプロバイダー間の相互接続環境を提供している IX サービス会社。 商用 IX サービスを提供している。
 2008年9月1日,インテック・ネットコアの協力で進めて来た IX 内設備の IPv6 対応作業を完了,サービスを開始。



Bekkoame ベッコアメ

 日本有数のインターネットプロバイダー。 格安料金の草分け的存在で急成長した。 安いが重たく,18禁のサイトが多い。

サイト:
http://www.bekkoame.ne.jp/



WebONE

 北海道江別市でサービスを展開する ISP。 2003年6月4日,同市江別・野幌地区と札幌市厚別地区においてエリア限定の低料金 FTTH サービスを開始。
サイト:
http://www.webone.ne.jp



関西ブロードバンド

 2001年(平成13年)8月16日設立,2002年4月30日創業,神戸市中央区。 兵庫県内の全エリアに対して,ADSL によるブロードバンドサービスを提供。 京都,和歌山などに対象エリアを拡大し,関西地方の地域情報化を進め,都市部と地方の情報格差の解消に努めてきた。
サイト:
http://www.kansai-bb.com

 2007年9月12日,ソフトバンク BB と協業に合意したと発表。 ソフトバンク BB の通信回線を用いたブロードバンドサービスを関西ブロードバンドが2007年10月から提供する。



つなぐネットコミュニケーションズ

 2001年1月設立のマンション専門プロバイダー,東京都港区。
サイト:
http://www.tsunagunet.com

 2003年7月1日現在,約620棟49,000戸において,ブロードバンドサービス e-mansion の導入実績がある。
 2007年7月24日,同年10月1日から気象庁による緊急地震速報の一般提供が開始されることを受け,これまで培ってきたマンションのインターネットインフラ構築技術を活用した,マンション向け緊急地震速報サービス『SCOOP (スクープ) 』を発表。



ネットワークス

 無線 LAN 技術を活用した常時接続サービス事業でスタートした通信ベンチャー。 2003年現在,青森県内の7エリア/8基地局で『ノーラインネットライト』という無線サービスを提供。 2003年4月1日,12Mbps ADSL サービス ノーラインネット常時接続サービス ADSL12M の提供を開始。
サイト:
http://www2.networks.ne.jp



Speekeasy スピークイージー・ネットワーク社
 シアトルの ISP,自社の広帯域接続パッケージとイーミュージック・コムのサービスをバンドルして販売している。
サイト:http://www.speakeasy.net



  • SANNET"

    戻る 英語『P』最初のメニューへ戻る