Pentium III

 クロック 450 MHz〜,Slot 1,Flex Grid を採用したスロット版とソケット 370版があり,パイプラインは 10ステージ。 開発コードが Katmai,Coppermine,Tualatin の三世代がある。 Pentium II の処理速度を向上し,3次元画像や動画をスムーズに描画するためグラフィック機能を強化している。 ただ,この能力を引き出すためには専用に開発されたソフトが必要。 対応するチップセットは i820,810E,440BX,440ZX などである。

 Katmai はカートリッジ版(SECC2),Coppermine はカートリッジ版(SECC2)及びソケット 370版(FC-PGA)がある。 カートリッジ版(カトマイ)は2次キャッシュに ECC を採用している。 また CPU に個別の認識番号(PSN)が組み込まれ,セキュリティー機能を高めることが可能だが, 反面プライバシー侵害にあたると反対運動が起きた。

 この CPU の『III』は,アルファベットの『I』が3つか,ローマ数字の3番目か,はたまた『!』が三つか様々な噂がある。 当ページが Intel に電子メールで問い合わせた返事では,アルファベットの『I』が3つであった。 これはローマ数字を表示できない機種または OS があるためと思われた。

 なお 0.18μm 版(Coppermine)と 0.25μm 版(Katmai)で同じ周波数の製品が存在するため, 区別するために 0.18μm 品には周波数後ろに「E(Enhanced の略)」をつける。 また,FSB にも 100 と 133 MHzの2種類あり, これを区別するために,後者には周波数の数字の後ろに「B」をつける。



『Katmai』Pentium III(カトマイ)

 トランジスタ数は950万個,チップ面積は128mm2。 コアと2次キャッシュの間のデータ・バスは64ビットで, アクセスは CPU コアの周波数の 1/2。 パッケージとして SSE2 が追加された。
クロック 500,533,550,600,600B は1999年8月に製造終了している。



『Coppermine』Pentium III(カッパーマイン)

 1999年10月25日に発売された,0.18μmルールを用いた Pentium IIIプロセサー。 または,そのコア部分のみを指す用語。 動作周波数 500MHz〜1GHz。 2次キャッシュは Katmai コアの半分 256KB だが,コアに統合したためプロセッサーと同じクロックで動作し,同クロックでの性能は Katmai より向上した。 コアと2次キャッシュの間のデータ・バスは256ビット。 これまで4つだったフィルバッファを6個に,4つだったバス・キュー・エントリを8個に,1つだったライトバック・バッファを4個に拡張。 リード・ライト時の高スループットと低レイテンシ,キャッシュのヒット率の向上を図った。 これにより同一周波数の『Katmai』と比較すると25%高速化されている。 トランジスタ数は2810万個,チップ面積は106mm2,動作電圧は 1.1〜1.65 V と言われる。 1GHz 版もこのシリーズに属している。 FSB 100MHz と 133MHz のものが混在しているため,600/800MHz/1GHz のデスクトップ用製品では,133MHz 品の動作周波数に B をつけて区別している。

 パッケージは SECC2 から Celeron とピン互換の370ピンのパッケージの FC-PGA に比重が移り, その FSB は 100MHzとなった。 FC-PGA 版の FSB 133MHz 版は,コアのノイズの関係から14個のバイパスコンデンサーが必要とされていたが, 2000年12月21日に発表されたステッピング(版)の変更により改善され8個となった。 これは 0.18μm の FC-PGA パッケージ Pentium III のステッピングを C-0 から D-0 へ変更。 CPU ID は 0686h から 068Ah に,コア電圧が 1.7 V から 1.75 V になり,熱設計電力も増加した。
 D-0 のステッピング変更で2001年5月に出荷された Pentium III は,マザーボード側の対応が必須。 また,このとき FC-PGA2 パッケージが追加された。

このコアを使用した製品群
 Pentium III 500, 533, 550, 600, 650, 667, 700, 733MHz
 Mobile Pentium III 400, 450, 500 MHz
 Pentium III Xeon 600, 667, 733 MHz

 クロック 600E,600EB(以上 FC-PGA,SECC2),650(SECC2)は1999年8月に製造終了している。 SECC2 パッケージの 700/733/750/800/850/866/933 MHzと 1 GHz,FSB 100版と 133 MHz 版の両方が2001年5月に製造中止された。


Coppermine-128K
 Coppermine の2次キャッシュを半減させたもの,3代目 Celeron プロセッサに採用された。



FC-PGA2

 Pentium III 1GHz の,FC-PGAパッケージに Integrated Heat Spreader(IHS)を搭載した新パッケージ。



Tualatin テュアラティン

 0.13μm 製造プロセスの Pentium III,Coppermine コア の後継の開発コード。 Coppermine コアを 0.13μmプロセスへシュリンクしたもの。 または,0.13μm プロセスの Pentium III の総称。 販売ターゲットをモバイル市場にしぼっているとも言われる。 動作クロック 1.13 GHz,FSB 133 MHz,電圧は 1.45 V。 L2 キャッシュはサーバー版は 512 KB,デスクトップ版と Celeron は 256 KB。 パッケージは FC-PGA2 で,コアの周囲に IHS(Integrated Heat Spreader)と呼ばれるアルミ製のカバーが被せられる。 Pentium III-S/Mobile Pentium III-M/Pentium III(1.13MHz 以上)/Celeron(1GHz 以上)で採用。 2001年5月より OEM 向けに量産出荷を開始。
 外見は,既に販売されている FC-PGA2 タイプの Pentium III 1 GHz とほとんど変わりはないが, 基板内部に見える配線パターンや,裏面のキャパシタの配置などが異なる。



Mobile Pentium III

 1999年10月発売,0.18ミクロン・プロセス技術で製造。 当初,発売された CPU の設置面積は,PGA で 32.6×36.8 mm2,BGA 31×35mm2 であった。 400 MHz 版(以降,コアは Coppermine)は消費電力の低減のため 1.35 V で動作し, パッケージは,PGA 28.2×34.2 mm2,BGA 27.3×31.112 と小型化された。 現在は,通常版,低電圧版,超低電圧版があり,低電圧版,超低電圧版には Speed Step が付いている。

Mobile Pentium III 600MHz
 初めて SpeedStep 技術を採用したプロセッサで2000年6月19日発表。 0.18μプロセスで製造され,キャッシュ 256KB,FSB 100MHZ。 SpeedStep 技術を採用。 動作電圧 1.35V(バッテリー 1.1V 500MHz)。 内部コア電圧 1.1V で,平均消費電力を 1W 以下。 QuickStart 技術により,キー操作の間の極めて短い時間でも,消費電力を 0.5W 以下に保つ。 2001年1月22日,製造中止が発表された。

Mobile PentiumIII 750MHz
 2000年6月19日発表,FSB 100MHZ。 動作電圧 1.6V(バッテリー 1.35V)。 SpeedStep 技術を採用。

低電圧版 Mobile Pentium III,LV モバイル Pentium III-M
 2001年2月27日,低電圧版 700MHz が発表される。 1.5kg 以下のミニノート PC が対象で,SpeedStep テクノロジを採用, AC モードでは700MHz,バッテリモードでは500MHzで動作。 動作電圧と平均消費電力は,AC モード時が 1.35 V/2 W 未満、バッテリモード時が 1.1V/1W 未満。 主な仕様は従来通りで,0.18μm ルールプロセス,100 MHz システムバス,256KB キャッシュ,SSE 拡張命令など。
同 750MHz は2001年5月発表。 同 850/866MHz は2002年9月16日発表,バッテリーでは533MHz。



Mobile Pentium III - M

 モバイル向けのプロセッサーで開発コードは『Tualatin-512k』。 0.13μm の銅配線技術が用いられ, パッケージングはマイクロ FCPGA,もしくはマイクロ FCBGA。 従来の Mobile PentiumIII(Coppermine) に比べてオンダイの L2 キャッシュは倍の 512KB,FSB も 133MHz になった。 また,実行される命令を先読みして,実際に実行される前に必要ないくつかの準備を可能な限りしておくデータ・プリフェッチ回路も搭載されている。 Pentium III-M は i830 のみに対応し,従来の 815EM や 440BX では使用できない。

発表日時クロック平均消費電力内部コア電圧その他
ACバッテリーACバッテリーACバッテリー
2001年10月1日7334661W 以下1.15V1.05V 0.13μプロセス技術。L2 キャッシュ 512KB,データプリフェッチ。
FSB 133MHZ(800A は 100MHz)。
Intel SpeedStep 技術を採用。
Deeper Sleep モードでは消費電力を 0.2W 以下。
750450
800533
800A500
2002年1月8505001W 未満。1.15V1.05V製造プロセス 130nm,L2 キャッシュ 512KB,FSB 133。
8665331W 未満。1.15V1.05V
8666672W1.4V1.15V 0.13μプロセス技術。L2 キャッシュ 512KB,データプリフェッチ。
FSB 133MHZ。
Enhanced SpeedStep テクノロジー,Deeper Sleep を採用。
933733
1.00G
1.06G
1.13G
2002年9月16日
(18日 ?)
1.26/1.33GHz800MHz製造プロセス 130nm,L2 キャッシュ 512KB,FSB 133。



超低電圧版 Mobile Pentium III

発表クロック
 AC/バッテリー
平均消費電力
 AC/バッテリー
内部コア電圧
 AC/バッテリー
その他
2001年2月500/300MHz/0.5W 以下/0.975V
2001年5月600/300MHz/0.5W 以下/0.975V
2001年10月1日700/300MHz/0.5W 以下1.1/0.95V製造プロセス 130nm,L2 キャッシュ 512KB,FSB 133
2002年1月750/350MHz/0.5W 以下1.1/0.95V製造プロセス 130nm,L2 キャッシュ 512KB
2002年9月18日700/300MHz/0.5W 以下1.1/0.95V
2002年9月18日850/400MHz製造プロセス 130nm,L2 キャッシュ 512KB,FSB 133
866/400MHz
2003年1月900/400MHzFSB 133MHz,L2キャッシュ 512KB
933/400MHz


 2003年3月26日,超低電圧版モバイル Pentium III-M 850/866MHz の製造中止を発表。



高密度サーバー向け PentiumIII 700MHz

 2001年11月発表のブレードサーバー向けプロセッサ。 0.13μプロセスで製造。 オンチップ L2 キャッシュ 512KB,FSB 100MHz。 パッケージングは uFC-BGA,最大消費電力 8.2 W。



高密度サーバー向け Dual 対応の低電圧版 PentiumIII 800MHz

 2002年3月19日発表のブレードサーバー向けプロセッサ。 0.13μm プロセス技術。 オンチップ L2 キャッシュ 512KB,FSB 133MHz。 パッケージングは uFC-BGA,最大消費電力 11.2 W。



戻る 
英語『P』最初のメニュー