Open Source Development Labs(OSDL) オープンソース・デベロップメント・ラボ

 2000年に発足したアメリカの Linux の推進団体,ハイエンド・システム向け Linux の開発に取り組む非営利組織。 日米欧のハイテク企業30社以上で運営している。 Linux を企業システムや通信インフラなどの環境に適用させることを目的とし,日本企業を含む大手ハイテク企業各社が運営している。 エンタープライズ向け Linux 開発・普及のため,各国の企業(コンピューター大手,複数の Linux 開発業者,日本のエレクトロニクス企業など)から支援を受けている。 現在は,Alcatel,Cisco Systems,Computer Associates,DELL,HP,Intel,IBM,NEC ,Nokia,SGI,SuSE,VA リナックス,カルデラ・システムズ,コバレント・テクノロジーズ,ターボリナックス(米),富士通,日立製作所,三菱電機,ミラクル・リナックス,リナックスケア,リナックスワークス,レッドハット,などが支援している。

 開発者は,ハイエンドな企業向けハードウェアやオープンフォーラムへのアクセスが可能となり,そこで強力なサーバーやビジネス環境向けのソフトウェアを開発したりテストしたりできる。 運営方針は,独自にプロジェクトを立ち上げることはせず,オープンソース・コミュニティーがすでに取り組んでいる,あるいはこれから手がけるプロジェクトを支援・促進するというもの。 最初のプロジェクトは,16個の64Bit CPU に対応できる Linux の開発。 第2弾はインスタント・メッセージを手がけるオープンソースのコミュニティー,『ジャバー』がすでに着手しているもので,リナックスの TCP/IP 同時接続のサポートを現在の2万から 6,4000以上に増やすこと目指している。
 2006年12月,スタッフ約 1/3 の削減,最高経営責任者(CEO)の辞任,そして,技術的事業の縮小を発表。 設立時の目的であった企業間の共同作業の管理が,各企業が独自に対応できるようになったため,目標修正は適切であると取締役会で決定されたことによる。 最高責任者の Stuart Cohen 氏も同団体を去った。 残るフタッフは,エンジニアリング担当 Tom Hanrahan 氏,法務担当 Diane Peters 氏,Linux 主席プログラマー Linus Torvalds 氏および Andrew Morton 氏を含む19名。 人員削減により得られた資金は,団体のメンバーが重要視していた法的業務に当てられる。
 2007年1月22日,Linux Foundation となる。

サイト
 http://www.osdlab.org
 http://www.osdl.jp

 2001年1月24日にリナックス開発を推進する共同研究施設をオープン。 オレゴン州ポートランドの西,ビーバートン(ハイテク産業の街)に設けられ,敷地面積およそ1000平方メートル。 極東地域の活動拠点として横浜にデータセンターを持つ。 19の企業から2400万ドル以上の支援を受けた。
 2002年11月,バグ追跡を強化する動きを開始。
 2003年6月に Linus Torvalds 氏が同団体のフェローに就任。 Linus にこれに参加する最終決断を促したのは,2003年6月に Microsoft の CEO, Steve Ballmer が全社員に対して出した『オープンソースは怖くない,あれは幻想だ』という内容のメールだと言われている。 11月26日,リナックスへの理解を深める活動を強化すると発表。 手始めに開発プロセスの説明図を作成し,ウェブサイトで公開した。
 2004年1月30日,Beijing Co-Create Open Source Software が中国初のメンバーとして加盟したと発表。 6月17日,Carrier Grade Linux ワーキンググループ参加企業が22社に増えたと発表。 8月11日,中国の北京に同国初のオフィスをまもなく開設すると発表。 12月15日,世界の Linux 市場が2008年に357億ドルに達するという予測を発表。 出荷後に OS を変更したものや,『セカンダリOS』として利用されるものも含めると,2004年のサーバー市場ではリナックスを動作させるサーバーの数は新規出荷分の37%増になる。 また,データベースなどのパッケージソフトは年平均44%の成長率で伸びている。


カーネル・バグ・トラッカー
 OSDL が発表したプロジェクト。


Carrier Grade Linux(CGL)ワーキンググループ
 通信事業者の厳しい要求を満たす Linux 標準の作成を目指している OSDL の取り組みの1つ。 通信事業者のインフラに Linux を導入しやすくなるような仕様および開発条件の確立支援を目指した活動を行なっている。 2003年10月,Linux に対する通信業界のニーズを標準化する取り組みの一環として作成した要件定義書の新版 OSDL Carrier Grade Linux Requirements Definition v2.0 (CGL 2.0) を公開。


Desktop Linux Capabilities (DLC) v1.0
 OSDL が2005年2月14日に公開した,デスクトップ Linux を成功に導くために,必要となる機能要件をまとめた文書。 独立系ソフトウェアベンダー (ISV),パソコン供給業者,エンドユーザーなど,Linux をデスクトップパソコンで使うことを想定しているあらゆる人々の関心を集め,フィードバックを得ることを目的に,OSDL のメンバーで起草。 求められる機能要件について,ハードウェア,OS サービス,アプリケーションサービス,システムセキュリティ,ブラウザ,インストーラ,アクセシビリティ,基本ネットワークサービスについてまとめている。


Mobile Linux Initiative
 Open Source Development Labs が2005年10月に設立を発表した,携帯端末をターゲットとした Linux の作業部会。 Linux を採用した携帯端末の市場拡大を図るとともに,OS が抱える技術的な課題に取り組む。 MontaVista Software,Motorola,PalmSource,Trolltech,Wind River がメンバーとして参加,携帯端末の分野で需要の増加が見込まれる Linux の普及促進にあたる。


Linux/OSS システム構築情報
 OSDL ジャパンが2006年3月13日に公開した,Linux やオープンソースソフトウェアの活用情報を集めたデータベース。 日本の OSDL 参加企業13社の有志メンバーで構成されるワーキンググループ『SI Forum』の活動成果として公開したもので,業種やシステムの用途分類,利用したオープンソースソフトウェアの名称や CPU タイプ,稼働開始時期などを基準に検索できる。



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