Operating System/2(OS/2)

 IBM と Microsoft 社が共同で開発した 80286 以上の CPU のための OS。 Microsoft 社が見切りをつけた後は IBM 単独で開発が進められた。 80286 のプロテクトモードを利用して 16 M バイトまでのメモリ領域を 扱うことが可能になり,複数のアプリケーションを同時に動かすことができる(マルチタスク)。

 1980年代後半の IBM と Microsoft の OS 共同開発プロジェクトがもとで,IBM と Microsoft の共同開発としてスタート。 1987年に OS/2 が誕生。 当時はその先進性や Windows との互換性もあり,企業ユーザーを中心に普及が進む。 1995年の Windows 95 の発表に対し,32ビット完全対応の OS/2 Warp V3 を販売したが,シェアを獲得できなかった。 1996年の OS/2 Warp 4 発表から積極的なシェア争いをやめ,既存ユーザーのサポートのみに注力するようになる。
 2005年12月23日,OS/2 Warp 4,OS/2 Warp Server for e-business Version 1 の CD の提供を中止し,2006年12月31日をもってスタンダードサポートを打ち切る計画を発表。 以後のサポートに関しては,IBM が提供する Service Extensions または Total Content Ownership の有償サービス契約を結ばねばならない。

 OS/2 はプリエンプティブなマルチタスクにより DOS や Windows のソフトを安定して動作させることができる。 つまり,DOS や Windows のソフトが OS とは 別のメモリー空間に配置されるため, これらが不正処理などを引き起こしても,OS や他のメモリー空間のソフトには影響しないのである。

OS/2 上の GUI としてはプレゼンテーションマネージャがある。  OS/2 では,OS/2 用のアプリケーション以外に,MS-DOS 互換ボックスと呼ばれる機能を利用して MS-DOS 用のアプリケーションを動作させることもできる。

 開発コードには Startreck に出てくる言葉が選ばれていた。
OS/2 2.1『ボーク』,OS/2 for Windows 『フェレンギ』,OS/2 V3『ワ−プ』

 OS/2 は 80286 の時代に,当時としては最高のできばえの OS として登場,Windows 3.1 に比べても非常に安定していた。 しかし,要求するマシンのスペックが高く,IBM 製ハードしかサポートしなかったため普及しなかった。 ちなみに当時の代表的マシンは 80286/8 MHz,メモリー 4MB である。
 クライアントシステム用 OS としてバージョンアップを繰り返した期間のほとんどは,Windows との競争だったが,結局圧倒するには至らなかった。 1999年に IBM が Linux の全面採用姿勢を示した際に終焉が決定付けられた。 OS/2 のオープンソース化を求める嘆願書 (提出済み) には,13000人を超える署名が集まった。
 教訓,どんなに素晴らしいプログラムでも,多くのユーザーのマシンで快適に動かなければ意味がない。



OS/2 の歴史

 1985年,IBM と Microsoft が,PC 向けに GUI を搭載した標準の OS を開発することを目的に共同開発を発表。
 1987年,OS/2 1.0 を発表。16 Bit マルチタスク OS で,DOS と互換だった。
 1988年,OS/2 1.1 プレゼンテーションマネージャーの追加。
 1989年,OS/2 1.2
 1990年,OS/2 1.3
  同年,Microsoft が開発から離脱。  1992年,OS/2 2.0 32 Bit マルチタスク OS(PC 向け OS では初),Windows 3.0/3.1 と互換。
 1992年,OS/2 2.00.1 AT バス対応
 1993年,OS/2 2.1 Windows 3.1 互換機能,マルチメディア機能を追加。
 1994年,OS/2 Warp 3.0 高速化される。
 1996年,Vre 4 を公開。
 2006年12月31日,標準サポートが終了。有料サービス延長プランは利用できる。



High Performance File System(HPFS)

 OS/2 で使われているファイルシステム。 旧来使用されてきた FAT システムの問題・制限を解決するためにつくられた。



REXX 言語

 OS/2 用のバッチ処理言語。拡張子は『.CMD』。 DOS の『.BAT』と同じくテキスト形式で記述し,コンパイラせずに実行が可能。 制御構造が C 言語に似ており,よりプログラム的な記述ができ, また複雑な条件分岐やキー入力も可能である。



OS/2 Warp V3

 OS/2 2.1 for Windows 3.1 のバージョンアップ版。
メモリーの節約。 パフォーマンス,ユーザーインターフェース,インストーラーなどの改善。 各種アプリケーションの添付などがなされている。



OS/2 Warp V3 with WIN-OS/2

 OS/2 2.1 のバージョンアップ版。



MVDM マルチプル・バーチャル・ドス・マシン

 メモリー上に必要な数の,仮想の DOS マシンを作りだし,それで DOS 互換環境を提供するもの。 DOS との互換性,安定度は Windows の DOS プロンプトより高いと言われている。



シームレスウインドー

 上記の MVDM を利用し,Windows のプログラムを動かすこと。 OS/2 のディスクトップで Windows のプログラムを動かすことからこのように呼ばれる。 ただし,スピードは多少落ちると言われている。



Win-OS/2

 OS/2 2.1x 以降に搭載された OS/2 の機能。 OS/2 の Workplace Shell 上で Windows システムやアプリケーションを実行できる。 この実現には2つの方法がり,OS/2 に添付された WIN-OS/2 専用の Windows システムを利用するものと, 既存の Windows アプリを直接 Workplace Shell のデスクトップ上で動くようにするものである。



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