Operating System(OS)

 適当な日本語訳はなく,無理に訳して基本ソフトともいわれる。 コンピューターシステムの中で最もハードウェアに近い位置にあるソフトウェアで,コンピューターを操作するのに必要なもの。 ハードウェアを統合的・一元的に動かす基本的なシステムで, ハードウェアとアプリケーションの間にあって,コンピュータ全体を管理する。 言い換えると,ハードウェアやソフトウェアなどのコンピュータ資源を管理し,効率よく働かせるためのプログラムの集まり。 ユーザーは,直接ハードウェアを扱うのではなく,OS を介して提供されている仮想的な機械を扱うことになる。 狭義にはカーネルのみをさす場合もある。 最近は OS とアプリケーションの間に,ミドルウェアと呼ばれるソフトが置かれることもある。

 従来から大型・汎用コンピュータは,各メーカーが独自の OS を開発していたため互換性はほとんどなかった。 しかし,最近はワークステーションやパソコンは,どのメーカーの機種にも使用できる標準 OS が出現した。 さらに組み込み用コンピューターや携帯電話にも特有の OS が開発されるなど, コンピューターを利用する機械には OS が付き物と言っても良い。 またネットワーク機能を強化しサーバーとして使うものはネットワーク OS とも呼ばれる。

 OS は主として, 1)カーネル, 2)処理プログラムの実行を制御する制御プログラム, 3)実際に処理を行う処理プログラム,などで構成される。


代表的な OS
 大型・汎用コンピューターでは MVS などが, ワークステーションでは UNIX が, パソコンでは Microsoft 社の Windows が主流で,ほかに MacOS,Linux などが, ハンドヘルドでは Windows CE や Parm がある。 2000年に世界全体で新しく取得された OS ライセンスは,Windows 41%,Linux 27% だった。

 IDC Japan によると,2001年の国内 OS は,Windows 39.8%,UNIX 28.9%。 Linux 0.6%(対前年 82.2%増)。 今後は,メインフレームが担っている基幹業務の Windows への移行が進み,2006年には Windows のシェアが過半数を越えると予測している。


レガシーOS
 2010年4月22日にトレンドマイクロが発表した調査結果では,サポート切れ OS を利用する企業の半数がウイルス感染を経験していた。 ベンダーがサポートを終了した OS は,『利用している』42.2%,『利用していない』39.3%,『不明』18.5%。 ウイルス対策ソフトの定義ファイルでは検出の難しい『未知のウイルス』に感染した経験は,サポート切れOSを利用する企業で50.6%,利用していない企業で24.7%。 セキュリティ上の不安は,『パッチが提供されないこと』76.3%,『ウイルス感染の恐れ』38.9%,『OSベンダーに質問できないこと』25.3%。 調査は2010年3月にインターネットを通じて実施し,企業で情報システムを担当する412人から有効回答を得た。


OS の役目と機能
 コンピュータが処理プログラムを実行するためには,その前後に様々な作業が必要である。 また,その実行中に種々の処理が必要であるが,OS はこれらの作業・処理や様々な監視を行う。 つまり,システムの処理能力(スループット)の向上,応答時間の短縮,信頼性・可用性の向上,ヒューマンインタフェースの向上などが,OS のねらいである。 アプリケーションがディスクやメモリの容量などハードウェアの多様性にいちいち対応するのは不可能であり, またマルチタスク環境下で複数のアプリケーションを同時に実行する際には,その動作を管理することも必要になる。
 そのため OS は,デバイスなど入出力機器の管理と制御・メモリー管理などのハードウェアの有効活用,などハードの管理を行う。 アプリケーションに対しては,ファイル・システムの提供などのファイルの管理と保護,様々なユーザーインターフェイスの提供, 並列処理におけるタスクの制御と管理などのソフトウェアのプラットフォームとしての機能を提供するなどがある。

 このように OS はハードウェアとアプリケーションとの橋渡しとなり,かつユーザーの命令によりアプリケーションの実行を管理するなど,コンピュータシステム全体の土台となる。 そのため,それ自身が安定して動くことは当然,アプリケーションのトラブルをそれ以外に波及させないことも求められる。 また最近はセキュリティーの必要性が高まったことから,セキュリティホールが少ないことが望ましい。



パソコン用の OS の歴史

1973 年,CP/M 発売。
1975 年,Microsoft 社 設立,マイクロソフト・BASIC 発売。
1976 年,Apple 社 設立,Apple II 発売。
1981 年,MS-DOS 発表。
1985 年,Windows 発表。
1990 年,Windows 3.0 発表。
1995 年,Windows 95,漢字 talk 7.5 発表。
1998 年,Windows 98,Mac OS 8.1 発表。



パソコン用 OS の進歩

 Microsoft 社の MS-DOS では,MMTM などを除くと一般的に一度に一つのタスクしか管理できなかった。 MS-Windows でマルチタスクが可能となったが,プリエンプティブなものではなく, 一つのタスクが他のタスクを止めてしまうことがあった。 またメモリー管理がないため、プログラムの暴走を OS が止められなかった。
 Windows NT,Windows 95,OS/2 などの 32 Bit OS はプリエンプティブなマルチタスクを目指し, パソコン OS に一つの完成をもたらした。



パソコン用 OS の売れ行きとシェア

 売上パターンは最初の1週間がピークで,その後は大幅に減る。 ただし,新しいパソコンに搭載されて出荷されたプリインストールは入らない。 小売店で売られるのは,Windows を最新バージョンに移行させたい一般ユーザーのためのアップグレードバージョンとフルバージョン。 そのため,パソコンメーカーや企業に提供されたライセンスの数の方が尺度としては適切といわれる。 また消費者は,使っているコンピューターに新しい OS をインストールするよりも,パソコン自体を買い換える時にアップグレードする方が多いといわれる。

Windows 95最初の1ヵ月で60万本
Windows 98最初の1ヵ月で60万本
Windows Me発売後4日間で25万本
Windows XP発売後1週間に小売店で約23万2000本


 シェアは2001年は Windows 95%,Mac OS 2.4%,Linux 0.5%。 2002年9月の時点では Windows 98 約37%,Windows XP 19.94%。 2002年(末?)では,Windows 93.8%(前年は93.2%),Mac OS 2.9%,Linux 2.8%(無償版は除く)。 2003年5月,Windows XP 34.7%,Windows 98 24.93%。
(ウェブサイドストーリー社の発表などによる)
 Linux の人気上昇にともない,Mac OS のシェアは低下。 Mac OS のシェアは,1999年 4.6%,2001年 3.1%(IDC による)。 2003〜2005年の間に Linux が Mac OS を追い抜いて第2位の OS 環境となる。
 2004年6月に発表されたグーグル社の集計(同社はアクセスする際に使われた各種 OS を記録している),マック3%,リナックス1%だった。



OS のアップグレードでのトラブルの原因

1)性能不足のハードウェア
 新しい OS では従来のものよりも高性能のハードウェアが必要となる。 ほとんどの場合にはメモリ増設が必要だし,場合によってはより高速なプロセッサが必要になることもある。 そして,複数のコンポーネントをアップグレードする必要があるという場合には,新しいコンピュータを購入する方が安くつく可能性もある。
2)セットアップ時のエラーやフリーズ
3)ドライバの問題
 OS のアップグレードに関係するさまざまな種類の問題を引き起こす最もよくある原因の1つ。 古いデバイスに新しい OS のドライバーが供給されないのは,ユーザーに新しいカードやプリンタを買わせることでベンダーは利益を得ているのだという皮肉な見方もある。
4)アクティベーションのエラー
5)互換性のないアプリケーション
6)不適切な OS のエディション(特に Windows Vista)
7)データの喪失
8)パフォーマンスの問題
9)権限管理とアクセスの問題
10)インターフェースの問題


OS のインストール
 2010年4月20日,アイシェアは『OS のインストールに関する意識調査』を発表。 現在自宅でパソコンを『利用している』人は95.1%(814名)が対象。 パソコン利用歴は,『5年未満』1.4%,『5年〜10年未満』12.7%,『10年〜15年未満』37.8%,『15年以上』48.2%。 OS を自分でインストールしたことはあるのは72.7%。 利用歴別では,『5年〜10年未満』41.7%,『10年〜15年未満』69.2%,『15年以上』85.5%。 インストールしたことがある OS は,『Windows』76.7%,『Mac』11.5%。 インストールしたが,設定などが以前と同じようにいかず,困ったことがある人は45.6%。 利用しているパソコンの最新版 OS が発表された場合,OS の入れ替を検討するのは,『必ず検討する』10.4%,『検討すると思う』34.3%。 検討する理由は,『新しい機能に興味がある』『処理速度が速くなることに期待するから』といった積極的なもののほか,『旧 OS のサポートが切れると困るから』『仕事で使うかもしれないから』など。 検討しない理由は『必要性を感じないから』『面倒だから』『お金がかかるから』といった声が多く挙がっている。また,『初期トラブルが落ち着いてから考えるので』『パソコンのスペックが新 OS に見合わないから』『パソコンごと買い替えを検討するから』。 有効回答数は856名。 男女比,男性:56.7%,女性:43.3%。 年代比,20代:28.4%,30代:32.6%,40代:38.9%。 調査期間は,2010年3月31日〜4月5日。



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