PC-98(PC-9800)シリーズ

 かつての日本のパソコンの大部分を占めていた NEC の PC-9801 シリーズPC-9821 シリーズなどの総称。 呼び名は『キュッパチ』と Windows98 発売時点に NEC が宣言した。 微妙にアーキテクチャが異なるノートの LT 系,ハイレゾの XA 系も含まれる(非常に怪しい位置付け)らしい。 PC-98NX シリーズは含まれない。
 1982年10月13日発売の PC-9801 を嚆矢とし,独自アーキテクチャーが中心だった16bitパソコン時代に独占に近い高いシェアを誇り,市場の中心的存在だった。 1997年9月に主流は独自アーキテクチャから PC98-NX へ転換し,以後は過去の資産を生かすための機種として企業向けを中心に販売されていた。
 2003年9月30日で受注を終了。 最終モデルは,2000年発売の 98MATE R PC-98 21Ra43 と PC-9821 Lavie Nr300/S8TB。
 このシリーズの 2HD では1セクタ/1クラスタであり,SASI タイプのハードディスクでは8セクタ/1クラスタである。 通常テキスト画面(文字画面)1枚とグラフィック画面2枚を持ち,それをアナログ的に重ね合わせて表示できる。


PC-98互換機
 エプソンは,Windows 95 によって PC-98 互換機のメリットがなくなると,すぐさま撤退してしまった。 しかし,その後もエルミック・ウェスコムの『iNHERITOR』(2008年9月に出荷中止),ロムウィンの『98Base』といった互換機が製造・販売されている。


汎用拡張スロット,NEC98バス,通称『C バス』
 NEC の PC-98 シリーズの拡張スロットまたはその規格で,様々な機能や周辺機器を拡張するのに使われた。 互換性を保つため,PC-9801 の出現から規格はほとんど変更されなかった。 PC-98 シリーズが広く使われたため,非常に多くのボードが発売された。 バス幅は16bit。 ISA と同等ではあるが使い勝手が優れ,若干ではあるが性能が高かった。 拡張カードを入れる時,本体後方の拡張スロットの蓋をはずし,そこからボードを挿入するだけで,本体ケースを開ける必要はなかった。 ISA カードは低速なものをのぞき,PCI へ移行したが,C バスは SMIT 転送形式を用いて少し命脈を保った。 2002年の時点では業務用などでは生き残っているらしい。


98ローカルバス(通称)
 NEC の PC-98 シリーズの,グラフィックス機能を強化するために32bit バス。 NESA バスとコネクタ形状が同一であるものの,互換性はまったくなかった。


セカンドバス規格
 アイ・オー・データ機器が提唱した,拡張ボード1枚分のスペースで2枚の拡張ボードを取り付ける拡張規格


I/O バンクメモリ
 アイ・オー・データ機器が開発した,PC-9800用のメモリ拡張仕様。 メモリアドレス 512KB〜640KB の部分に EMS のページフレームのような窓を設けて別に用意した大容量の拡張メモリを扱えるようにした。 RAM ディスクなどに使われてた。 仮想 86EMS のようなソフトウェアエミュレターがなかったため, FD ベースのゲームでバンクメモリ対応のものは専用のボードを追加する必要があった。


ファイルスロット
 PC-9801FA で初めて採用された周辺機器増設用のスロット。 ファイルベイ(5インチベイ)とは互換性がない。 フロントパネルを外して挿入するだけで増設ができ,PC-9821A シリーズ,PC-H98モデル105 などに採用。 対応機器は,SCSI 機器(CD-ROM,MO,HD),フロッピーディスクなど。 ただし,SCSI 機器を搭載する場合は,専用スロットに専用 SCSI ボードを取り付ける必要があり, CD-ROM 搭載の C9T には,PC-9821A-E10 という専用 SCSI ボードが搭載された。


常駐パレット
 PC-9800 シリーズでは一部を除いてパレットデーターの書き込みはできても読み出しが出来なかった。 その内容を保存するために確保しておくメモリ領域のこと。 1989年に PC-VAN の SIG で TK-80 氏により提案され,Hirofumi 氏の maki.exe で採用。 その後,多くのフリーウェアの画像ローダ等で使われた。



30行計画

 PC-9800 シリーズのグラフィックコントローラをいじって垂直解像度を増やし,30行表示を可能にするプログラム。 当然ながら CRT 専用で液晶モニタでは使えない。



NEC チェック,通称『ネコチェック』

 PC98 シリーズ・の主に C バス拡張ボードの ROM の一部に文字列で NEC と入れ,BIOS・OS の確認時に導入制限を行ったもの。 ハードウェアだけでなくシステムソフトウェアにもあった。 ソフトの起動時に,BIOS に NEC の文字列があるかどうかをチェックし,純正 PC 以外ではリセットがかかるようになっていた。 主に問題となったのは SCSI ボードで,ID チェックの際周辺機器が本体に特定の文字列(NECITSU ?)を返さなければその周辺機器の認識を止めた。 これは,サードパーティ製の SCSI 機器を除くために導入されたもの。 最初の3文字のみを確認していたので,各互換ボードメーカーは NEC ではなく NECO を入れたり,確認を無視するドライバ・BIOS を創造し販売した。 特に問題となったのは NEC 自身が自社製品すべてに対応しなかった(できなかった)ことと,組み合わせ上で動作不能になるものが自社製品で存在したことである。 (当時,相性問題は同一メーカではないとされていた) SCSI ボード以外には,GP-IB,RS-232 拡張,ネットワークボード(当時はボードと呼ばれた)とドライバ,デバイスドライバにも存在していた。



PC-98DO

 NEC の PC-98 と PC-88 シリーズの互換機。 CPU V30(10MHz)と μPD70008AC-8(8MHz) を搭載。 メモリ 640KB だが PC-88 モードでは 192KB しか利用できなかった。 後に CPU 強化版の PC-98DO+ も発売された。



PC-98LT
 PC-98 と名乗りながらも,微妙に独自アーキテクチャだったラップトップマシン。 NEC の PC-98 シリーズとしては初めてのラップトップマシンで,MS-DOS を ROM で搭載。 画面はモノクロ 640×400(?)。



PC-98XA
 PC-98 シリーズのハイレゾ専用機。 PC-98HA なんていうのもあった。



98MATE R PC-98 21Ra43
 PC-98 シリーズの最終生産機種の片方。 Celeron 433MHz,メモリー32MB,HDD 8GB,CD-ROM,Ethernet。 OS は MS-DOS 6.2/Windows 98SE。



PC-9821 Lavie Nr300/S8TB
 PC-98 シリーズの最終生産機種の片方。 MMX Pentium 300MHz,メモリー32MB,HDD 8GB。 OS は Windows 98SE。



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