Microsoft Office 2003 開発コード『Office 11』

 Office XP の後継となる統合オフィスソフト。 人,プロセス,データの有機的結合による,インフォメーションワークの実現をキーワードとして開発。 サーバー,サービスとともに,Word・Excel・PowerPoint・Access・Outlook・Visio・FrontPage などからなる。 ドキュメントを XML ファイルとして保存する際,スキーマ (メタデータ) を使って,情報保存法を記述している。 2002年6月25日発表,2003年8月19日,マイクロソフトは,Microsoft Office 2003 をパソコンメーカー向けにリリースし,10月21日に店頭発売すると正式に発表。
 XML をデフォルトのファイル形式として試験的に加え,表計算やワープロ文書などと,顧客関係管理などの業務システムに保存された企業データに簡単にリンクできるようになる。 大きな変更点となる XML 機能の統合は,Word や Excel などで作成された情報に『意味を持たせる』ことになる。 たとえば,Excel のシート上に入力された項目に,XML で相当するタグを関連づけると,どの Office 11 アプリケーションで利用する場合でも,共通のデータベースが利用可能になる。 つまり,タグを設定することで,同一のデータベースから情報を吸い上げることが可能になる。

 2002年10月にβテストを開始したが,ここで Windows 2000 SP3 か Windows XP のみをサポートすることが明らかになった。 この,旧 Windows を締め出すことによる影響は予測しがたいとされる。 ベータテストは,Microsoft 社員約6000人と同社が選定したベータテスター約6000人で行われた。
 2003年2月に,正式リリース日(2003年6月2日)と正式名称を決定。 名称は,これまで『Microsoft Office .NET』が最有力候補だったが,2003年始めに発表された Windows Server 2003 の名称変更に伴い,『.NET』を付けることを断念。 これを構成するアプリケーションの正式名称も,Microsoft Outlook 2003,Microsoft Word 2003,Microsoft Excel 2003,Microsoft PowerPoit 2003,Microsoft Access 2003,Microsoft FrontPage 2003,Microsoft Publisher 2003,Microsoft Picture Library 2003 などになる見込み。
 2003年4月21日,7,000名にβ版の無償配布をすると発表。 プレスリリースキットは,Word,Excel,Outlook,PowerPoint,InfoPath,OneNote を含む『アプリケーションセット』,SharePoint Services,SharePoint Portal Server,Windows Server を含む『サーバーセット』,デベロッパー リソース CD を含む『コンテンツセット』などで構成。 Word 2003,Excel 2003,Outlook 2003,PowerPoint 2003,Access 2003,Publisher 2003,InfoPath 2003,SharePoint Portal Server 2003,FrontPage 2003,OneNote 2003 で構成され, SharePoint Portal Server 2003,FrontPage 2003,OneNote 2003 は単体パッケージのみ提供される。 また,Enterprise Edition,Professional Edition と単体パッケージ版の Word,Excel,Outlook,PowerPoint,Access は,IRM の搭載,ユーザー定義 XML スキーマの完全サポートなどプロフェッショナルバージョンとなる。
 2003年6月,β2 Technical Refresh 版を近くリリースすると発表。 β1 のテスターから寄せられたフィードバックに基づいて,機能強化およびバグフィックスが施された。 Office System 2003 β2 は,Microsoft社員,企業パートナー,ベータテスター,パブリックベータテスターを中心に,世界で約60万人が試用している。 ボリュームライセンスを取得している顧客に対しては9月末から10月初旬に正式出荷。 10月21日にパッケージ版を発売。
 2003年11月,PowerPoint 2003,Word 2003,Excel 2003 などに,OfficeArt の図形を含む Office 2003 ファイルを,Office XP など旧バージョンの製品で開いて保存したのち,再度 Office 2003 で開くとエラーが発生すると発表。 修正プログラムの無償配布を開始した。
 2008年1月4日,このセキュリティアドバイザリで過去に提供した情報が誤っており,影響を受けるユーザーの数を低く見積もっていたことを認めた。 セキュリティの問題があったのはファイル形式そのものではなくて,Office 2003 がそれらのファイル形式を開いて保存するために使用する構文解析コードだったと述べている。
 2009年12月11日,Microsoft は同社のデジタル情報保護技術『Rights Management Service』(RMS) を用いて保護されたファイルに,アクセスできない問題が発生していると発表。 しかし,翌12日バグを修正し,影響を受ける複数のソフトウェア向けにホットフィックスを公開。


製品ラインナップ
1)Enterprise Edition
 Word 2003,Excel 2003,Outlook 2003,PowerPoint 2003,Access 2003,Publisher 2003,InfoPath 2003
 企業向けのボリュームライセンスのみの提供で,パッケージ版はない。

2)Professional Edition
 Word 2003,Excel 2003,Outlook 2003,PowerPoint 2003,Access 2003,Publisher 2003

3)Standard Edition
 Word 2003,Excel 2003,Outlook 2003,PowerPoint 2003

4)Personal Edition
 Word 2003,Excel 2003,Outlook 2003


プレリリースキットの構成
1)アプリケーションセット
 Microsoft Office Professional Edition 2003
 Microsoft Office FrontPage 2003
 Microsoft Office OneNote 2003
 Microsoft Office InfoPath 2003
 Microsoft Office Publisher 2003
2)サーバーセット
 Microsoft Windows SharePoint Services
 Microsoft Office SharePoint Portal Server 2003
 Microsoft Windows Server 2003 RC2
3)コンテンツセット
 プロダクト ガイドCD
 シナリオ ビデオCD(字幕版)
 デベロッパー リソースCD
 GroupBoard ワークスペース CD


Office 2003 Service Pack 1
 2004年7月リリース,性能改善やバグ修正のほか,OneNote や InfoPath を活用するための環境が整えられている。


Microsoft Office 2003 Editions Service Pack 2
 2005年9月28日公開。 2004年7月に公開された SP1 と,それ以降,2005年4月までに個別提供されていた複数の修正プログラムを1つにまとめたもの。 JPEG 処理に関わるコンポーネント Graphics Design Interface Plus の脆弱性といったセキュリティの問題をはじめ,多くの問題が修正される。


Service Pack 3 for Office 2003
 キュリティに重点を置いたものになる予定で,Office 2007 で強化されたセキュリティ機能の一部を採用。


Microsoft Office 2003 Service Pack 3 日本語版
 2008年2月27日,Windows Update および Microsoft Update による自動更新を開始。 カスタマエクスペリエンス向上プログラムやサポートサービス部門へのフィードバック,Office 2003 の自動エラー報告機能により送信されたエラーレポートなどにより収集された情報に基づいて開発された各種アップデートのほか,すでに個別のアップデートとしてリリースされているセキュリティアップデートが収録されている。


Office 2003 Editions 日本語版
 Office XP の後継,ボリュームライセンス製品は9月1日から,パッケージ製品を10月24日から発売,対応 OS は,Windows 2000/XP。 対象は PC を利用する就業者や主婦や学生。 Professional Enterprise Edition,Professional Edition,Standard Edition,Personal Edition の4製品がある。 Professional Enterprise Edition および Professional Edition では,Information Rights Management 機能に対応し,ドキュメントレベルでのセキュリティ機能が強化されるほか,ユーザー定義XMLスキーマに対応するなど,企業内でのセキュリティ・情報共有能力が強化された。 また,ブロードバンドの普及や IT 家電の出現に対応して,Office Online や Office Home Style+,Office ツールなどを装備。 Professional Edition および Personal Edition には,ビデオチャットメールやグリーティングメールなどが利用可能な,日本独自の個人向けツール Office Home Style+ が同梱される。


Microsoft Office Professional Enterprise Edition 2003
 Word,Excel,Outlook,IME,Picture Manager,Document Imaging/Scanning,PowerPoint,Access,Publisher,InfoPath を含み,ボリュームライセンスのみ。


Microsoft Office Professional Edition 2003
 Word,Excel,Outlook,IME,Picture Manager,Document Imaging/Scanning,PowerPoint,Access,Publisher,Home Style+ を含む。 ビジネスマンが会社と家庭の双方で利用することを想定し,最も広い利用範囲をカバーしている。


Microsoft Office Standard Edition 2003
 Word,Excel,Outlook,IME,Picture Manager,Document Imaging/Scanning,PowerPoint を含む。 ビジネスエントリーユーザー向けで,仕事で利用する必要最低限のアプリケーションを装備。


Microsoft Office Personal Edition 2003
 Word,Excel,Outlook,IME,Picture Manager,Document Imaging/Scanning,Home Style+ を含む。


Microsoft Office Home Edition?
 家庭の母親や子供,学生の利用を想定し,コミュニケーションツールなどを意識的に拡充したエディション。


Microsoft Office Home Style+
 デジタルカメラや携帯電話などの周辺機器との連携を実現する個人向けツール集,またはコミュニケーションツール。 日本市場に合わせて独自に開発され,ビデオチャットメール,似顔絵や絵文字,グリーティング メールなどのツール,Microsoft Office Word 2003 向けの『おまかせ!スピーチ原稿ウィザード』,Microsoft Office Excel 2003 向けの『目的別!カンタン関数ウィザード』といった,Office 製品を拡張するためのツールを含む。



International Character Toolbar

 Microsoft が2005年6月15日に発表した,Microsoft Office 2003 上でのヨーロッパ言語の文字入力を支援するアドイン。 フォントにヨーロッパ言語の特殊文字が収録されている必要がある。



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