Microsoft マイクロソフト社

 1975 年設立。最初の商品は Microsoft BASIC。 1981年に,MS-DOS が IBM パソコンの基本ソフトとして採用されたのがきっかけで大発展を遂げた。 1998 年現在,世界最大のパソコンソフト会社である。 MS-DOS,Windows 95,Windows NT など世界のパソコン OS の8割を支配する。 ワープロソフトの『ワード』,表計算ソフトの『エクセル』,データーベースの『アクセス』なども発売している。 Apple 社の最大の目の敵だが,実は Mac の有力なのアプリケーション供給元で,Apple 社の株を取得している。 大口の購入者に対しては,特別のライセンス契約がある。 2003年7月1日の時点で従業員約55,000人で,2004年6月までにさらに5000人ほど採用する予定。
 企業文化として技術を過剰に投入して問題解決を計るという姿勢があると言われる。
 2003年の売上は約320億ドルで,約20%は,ヨーロッパ,中東,アフリカ地域における。 これ以上詳細な地域別の売上は公表されていない。

 2003年2月,Connectix から Macintosh 用 PC エミュレーションソフトウェアである Virtual PC を買収。 開発担当者の大半が Microsoft に移動し,開発を継続する。 買収したものには,Virtual PC for Mac,Virtual PC for Windows,Virtual Server と未発表のサーバ用ソフトが含まれる。 Connectix Virtual Server ソフトを利用すれば,Windows Server 2003 を搭載した1台のコンピュータ上で複数の NT 4 のインスタンスを実行できるとアピールするらしい。 同月,社内の年次行事『テクフェスト』を開催し,研究者たちが互いにプロジェクトを披露し合った。 3月,スパム対策として Hotmail の1日に送信できるメール数を100通に制限。 6月17日,MSN および Hotmail のユーザー宛に,20億件を超えるスパムメールを送信したと思われる組織を相手取り,米国とイギリスで15件の訴訟を起こした。 オハイオ州デイトンの2社 Email Gold と NetGold,および3名の個人,ニュージャージー州ハドンフィールドの企業 The E-Offer Store などを訴えている。 7月,MSN と eBay の,マーケティングおよびコミュニケーション分野における提携を発表。 7月8日,ストックオプション廃止し,代わりに全社員を対象に現物株式を支給する新たな賃金制度を9月から導入すると発表。 制限付き株式が付与される。 2000〜2003年の間に何千人もの社員を新しく雇い入れているが,株価はほぼ半分近くに値を下げたため,新しく入った社員と古くからの社員との格差が問題になった。 ストックオプションの廃止は,いまやマイクロソフト社は15年前の同社よりもコカ・コーラ社に近い企業に成長し,新世代の技術に毎年社運をかけるような立場にはない,ことが動機とも指摘されている。 7月24日,Longhorn 時代に向けて R&D 投資を活発化させると発表。 4,000〜5,000人を新たに雇用する。 10月,Shared Source Initiative を拡大し,Most Valuable Professional に Windows 製品のソースコードや技術情報を一定の条件下で閲覧する権利を与えると発表。 10月7日,Amazon と Amazon.com Research Services for Microsoft Office System を共同開発すると発表。 10月15日,同社の企業向け IM プラットフォームをサポートするベンダーパートナーを新たに10社発表。 企業向けインフラソフトウェア開発の IMlogic や,IM のセキュリティ,管理,および制御に関するソリューションを提供する FaceTime Communications などが名を連ねる。 10月23日,ネットワーク上の PC を検査するツールの最新版 KB824146 scanning tool を公開した。 MS03-026 と MS03-039 の検査が可能。 11月18日,Computer Associates のウイルス対策ソフトとファイアウォールセキュリティスイート eTrust EZ Armor および定義ファイル更新サービスを Windows ユーザーに限り,1年間無償で提供すると発表。

 2001年 Nimda や Code Red などのワームが猛威をふるい,さらにセキュリティホールが次々と発見されたため,専門家は IIS は安全ではないと警告し,一部のマイクロソフト製品は取り返しのつかないほど信頼性を失った。 いくつかの保険会社は,ハッカーによる損害の保証で Windows NT を使用する企業に対して保険料の値上げを決めた。 これに対し,Microsoft 社は10月2日最大手顧客1000社に向けて STPP と名付けたプログラムを発表し威信回復に乗り出した。 同社は今まで,修正を施すのはユーザーの責任という立場をとっていた。 しかし,2001年10月2日に発表した変更から,この考え方がもはや有効ではないことがわかる。 なお,2002年に入ってから8月までに41件のセキュリティホールの警告をリストアップしている。

 同社は,今まで『何事も Ver. 3 が出るまで成功しない』という不名誉を被ってきた。 しかし Xbox でその歴史に終止符が打たれた。 これは Ver.1 で成功しなければ,ソニーと任天堂によってゲーム機市場から追い払われてしまうこともあるだろう。
 同社のソフトは『簡潔性』というものがないとの意見もある。 それによると Microsoft は,オプションを隠す,埋設する,もしくは無効にするユーザーインターフェイスによって過度な複雑性を遮断することが簡潔性だと考えており, Windows Vista は,この欠陥のあるビジョンを象徴する存在とされる。
  • Microsoft の1995〜2002年の出来事・発表
  • Microsoft の2003〜2004年の出来事・発表
  • Microsoft の2005年の出来事・発表
  • Microsoft の2006年の出来事・発表
  • Microsoft の2007年の出来事・発表


     2005年9月,組織全体を,PSD,ビジネス,エンターテインメント&デバイスの3部門に統合。 2006年3月23日,プラットフォームおよびサービス部門(PSD)の再編を発表。 新生 PSD 部門は,新旧含め8つの事業グループを包括。 4月6日,同社のゲーム部門,マイクロソフト・ゲーム・スタジオは,英国のゲーム開発会社 Lionhead Studios を買収したと発表。 5月4日,ビデオゲーム内広告制作会社 Massive の買収手続き中だと発表。 また,『写真測量法』『画像データ処理』『遠隔探査』の Vexcel を買収したと発表。

     2001年1月に DoS 攻撃を受け,主要ウェブサイトが2日間閲覧できなくなった。 トラフィック管理の中心を担っている4台のコンピューターすべてが,社内ネットワークの同じ部分に接続されていたのが原因で,その後修正されている。
     2002年7月25日,社内のパソコンやネットワークで音楽などのファイル交換を禁止する通達を出した。 P2P プログラムの実行で,ネットワークのハッキング,ウイルスの侵入,内部文書の流出の可能性が非常に高くなるとしている。 10月16日,SQL Server,Windows XP,Word,Excel などにあるセキュリティーについて警告した。 10月,香港のコンピューター販売業者 Able System Development Ltd から,違法コピーを行ったとして3500万香港ドル(5億5800万円以上)の損害賠償を裁判で勝ち取った。 また,あるウェブサイト上でマイクロソフト社の内部資料が大量に公開された。 11月19日,同社が公開しているファイルサーバーのシステム内に同社の内部資料が大量に含まれていることが発見された,オフラインとなった。 これには,プレゼンテーションやスプレッドシート,社内報告書などが含まれ,また膨大な数の氏名とメールアドレスが記載された1GB のデータベースもあった。
     2004年7月15日,度を超える虚偽スパムの送信,虚偽広告,商標侵害,サイバースクワッティングを行なったとしてカリフォルニア州の会社経営者 Daniel Khoshnood 氏らを訴えていた裁判で,被告に400万ドルの損害賠償を命じる略式判決を勝ち取った。 9月,cheapbulletproofhosting.com というドメイン名で運営する Web ホスティング会社 National Online Sales と,同社オーナーの Levon Gillespie 氏を,スパムの送信扶助を違法と定めたワシントン州法 Electronic Mail Act などに基づいて提訴した。 11月,同社製品の違法コピーを正規のものと偽り販売する行為に関わったとして,8社を相手に訴訟を起こした。 これら業者は,Microsoft のライセンス供与証明 Certificate of Authenticity (COA) を偽造し,ハードウェア本体やソフトウェアのパッケージに貼付して,製品を正規版にみせかけていたとされる。 12月,スパム規制法案に違反し,アダルト情報関連のスパムを大量送信したとして,7件のスパム送信者に対する訴訟を起こしたと発表。
     2005年3月31日,フィッシングの犯人を追及するため,一気に117件の訴訟を起こしたと発表。 4月,著作権ならびに商標権侵害でコンピュータ再販業者7社と,Anti-counterfeiting Amendments Act of 2003 違反で別の1社を提訴。 4月11日,同社ソフトウェア偽造版の販売を阻止するべく,米国7州で8件の訴訟を起こしたと発表。 同社ソフトウェアおよびソフトウェアコンポーネントの偽造版販売に関わり,著作権ならびに商標権を侵害したとして,システムビルダーと再販業者8社を提訴。 6月15日,同社ソフトウェアの偽造版を消費者に販売したとして,業者を相手取り4件の訴訟を起こしたと発表。 訴えたのは,East Outlet,Super Supplier,#9 Software,CEO Microsystems,Wiston Group の5社。 同社製品の違法コピーや,同社の正規製品に貼付するライセンス供与証明 Certificate of Authenticity (COA) を偽造,販売していたらしい。 いずれの訴訟でも,Microsoft は1997年から行なっている一種のおとり調査によって業者を特定した。 その調査とは,さまざまな再販業者からソフトウェアやハードウェアを購入し,Windows プログラムが正規のものかどうか確かめた。 8月9日,『迷惑メール王』のスコット・リクター氏に対する賠償請求訴訟が,和解金700万ドルの支払いを受けることで決着したと発表。 ホットメールのユーザーに違法な迷惑メールを送信されたため損害を被ったとして,2003年12月に提訴。 総額1880万ドルの支払いを求めていた。
     2006年12月,電子メールアドレスを販売した Bizads という会社を所有する Paul Martin McDonald 氏に対して有罪判決を勝ち取った。 判事は,Bizads の PECR 違反によって Microsoft が損害を被ったことを認め,McDonal 氏に対し,損害賠償命令および Hotmail アカウントへの迷惑メール送信を扇動する行為を禁止する差し止め命令を出した。


    マイクロソフトディベロップメント株式会社
     2006年1月18日に設立が発表された,日本向け製品を開発する会社。 2005年11月16日付で設立,2006年4月1日付で,現在のマイクロソフトプロダクトディベロップメントリミテッドの事業を移管する。


    Microsoft イギリス法人
     巧妙で斬新な販促キャンペーンを得意としている。 英国は同社にとって初の海外拠点を設置した国で,米国外初の研究施設である Microsoft Research Cambridge も同国に存在。 イギリスだけでも2000人の雇用を行っており,同研究機関には全世界クラスの研究者80人が在籍する。


    Microsoft 中国法人
     1998年,同社の海外で2番目となるリサーチセンターとなる Microsoft 亜州研究院(Microsoft Research Asia:MSR Asia)を設立。
     2003年,Microsoft 亜州工程院(Microsoft Asia Advanced Technology Center:Microsoft Asia ATC)を設立。
     2006年1月,Microsoft 中国研究開発グループを設立。
    9月18日には中国政府と共同でビデオゲーム研究開発機構を設立。 9月27日,今後5年以内に中国での戦略の展開と,ソフトウェアパッケージの開発にそれぞれ1億ドル投資し,さらに中国内の研究開発に1億ドルを毎年投入して,8万人の各種ソフトウェアのエキスパートを育成すると発表。


    Microsoft の社内情報システム
     5000人が従事し103カ国に散らばる14万ユーザーに対してサービスを提供している。 2005年は新規プログラムへの投資が40%以下だったが,2008年は52%にまで向上。 予算は,様々なタスクを自動化することにより人員を削減して捻出した。 維持管理費の削減は,中央管理(全ての管理作業を中央に集中させ1つのチームが担当),仮想化(サーバのフットプリント,設置スペース,電力コストを削減),自動化が鍵らしい。


    Microsoft 直営店
     2009年10月29日,直営店第2弾をカリフォルニア州ミッションビエホのショッピングモールにオープン。 同じモールには Apple ストアも入っている。 壁には大型スクリーンを張り巡らせ,店内に多数のノート PC を展示し,顧客が体験できるようにしている。



    Microsoft Users
     2000年6月から公開したサイトで,Microsoft Officeや家庭用ソフトウェアなどを活用するための情報を提供している。 2003年7月4日,“マイクロソフト製品の個人向け総合情報サイト”というコンセプトでリニューアルした。
    サイト:
    http://www.microsoft.com/japan/users


    Channel 9
     Microsoft のスタッフらが2004年4月5日に開設したサイト。 包括的な開発者フィードバック用のサイトで,フィードバック用掲示板,マイクロソフト社内の重要人物のモバイル・ブログ(モブログ)やビデオ・ブログが含まれている。 名前の由来は,旅客機の乗客がコックピットの様子をうかがえる機内チャンネル。 開発者との対話を促進し,Microsoft 製品をさらに広めることが狙い。
    サイト:
    http://channel9.msdn.com


    Club Microsoft
     マイクロソフトが2007年12月10日に開始した,マイクロソフト製品を購入した一般のユーザーを対象に,従来の製品ユーザー登録システムを拡充した無料会員制サービス。 購入製品やユーザー属性にあわせて PC の活用方法を提案するほか,製品の利用促進を支援するコンテンツやサービスの提供や各種キャンペーンの紹介を行う。


    Security Advisory
     Microsoft が2005年5月10日に開始した,セキュリティ修正プログラム(パッチ)を補う情報を公開するサイト。 月例セキュリティパッチではカバーしきれない情報を随時公開する。
    http://www.microsoft.com/technet/security/advisory(英文)
    http://www.microsoft.com/japan/technet/security/advisory/default.mspx(日本語)


    MSDN Solution Architecture Center
     Microsoft の開発者向けリソース。 2006年8月,サービスとしてのソフトウェア (SaaS) 開発問題に関心のあるエンジニアを対象とした,SaaS アーキテクチャの手引きサイトを追加。
    サイト:http://msdn.microsoft.com/architecture


    Microsoft Store
     マイクロソフト直販サイト。
     2009年12月21日,ハードウェア製品のアウトレット販売を行う“アウトレットストア”をオープン。 パッケージに傷や変形などの難がある品物を低価格にて販売する。



    Windows Marketplace

     Microsoft が2004年9月にベータ版を開設した,マウスから企業向けサーバーソフトウェア製品まで,Windows 対応製品なら何でもそろうオンラインショップ。 サードパーティ製の Windows 対応製品や自社製品を含め,他の Eコマースサイトで販売している商品を並べた,Eコマース ポータルサイト。 メーカー/価格帯/互換性/販売業者/送料無料サービスの有無といった条件で,商品を絞り込むことができるほか,製品を評価し,コメントを投稿することもできる。 およそ10万点の価格や情報は,Eコマース ポータル事業とコンテンツ事業を手がける CNET Networks が提供。
    サイト:
    http://www.windowsmarketplace.com


    Windows Marketplace Labs
     Microsoft が2006年7月3日に開設した『デジタルロッカー』技術のベータ版を使い,自社製およびサードパーティ製のソフトウェアをダウンロード購入できるサイト。


    Windows Marketplace for Mobile
     Microsoft の Windows フォン用のアプリケーションを開発者自ら販売できるマーケットプレイス,スマートフォン向けのアプリケーション配信サービス。 開発者がアプリケーションの価格を設定し,その売上から7割を得る。
     携帯電話アプリケーションを提供する企業の第1陣には,共同通信,ビジネスニュースの CNBC,ゲームメーカーの EA Mobile,ナムコ,SNS の Facebook や MySpace,DVDレンタルの Netflix,音楽サービス Pandora,レストランガイドの Zagat Survey などが名を連ねる。
     2009年7月27日,アプリケーション登録の受け付けを,日本を含む29カ国で開始。 Marketplace に登録済みの開発者は同日からアプリケーション,ゲーム,ウィジェットなどをアップロードできる。 Microsoft の審査後,正式に登録される。
     2009年10月,Windows Mobile 6.5 のリリースとともにアプリストアを開設。
     2009年11月12日,マイクロソフトは日本語版を12月上旬に始めると発表。 『Windows Mobile』を搭載するスマートフォン用のアプリケーションやコンテンツを入手できる。
     2010年6月7日,登録ポリシーを改訂したと発表した。
     2012年5月9日終了。



    Windows Hardware & Driver Central
     Microsoft 社のハードウェア開発者向けサイト。
    サイト:
    http://www.microsoft.com/whdc/default.mspx



    Center for Information Work(CIW)

     MIcrosoft が2002年9月26日に本社キャンパスに開設した Contoso Widget Corporation という架空企業のオフィス。 2006年のオフィス環境を提供している。



    MSN TV

     Microsoft の子会社,以前は WebTV の名で知られていた。 50歳以上の年齢層を,インターネット接続に関しては未開発の市場と見ている。


    MSN TV 2 Internet & Media Player
     MSN TV サービス(以前の呼称は WebTV)用セットトップボックス。 テレビに接続して利用し,ホームネットワーク端末として,MSN の有料コンテンツ,パソコン内のデジタルメディアや E メールの利用が可能。



    Confessions of a Mac to PC convert

     Microsoft が2002年10月に出した乗り換え広告。 Mac から Windows XP に乗り換えた女性フリーライターの手記というものだが,フリーライターに原稿料を払って書いてもらい, 写真はストック写真だった事が露見した14日に削除された。
     最初は,広告中の女性の写真が,米ゲッティ・イメージズ社の PhotoDisc から入手できる登録画像であることが発見されたこと発端で。 広告からリンクしていた『マイクロソフト・ワード』文書に埋め込まれた個人データから筆者が特定された。 さらに投稿フォーム文書から,筆者の名前,会社名,個人のウェブサイトなどの情報が流出している。


    Mid-Market NetWare Migration Promotion
     Microsoft が2004年11月に開始した,NetWare から Windows Server 2003 への乗り換えを促すプログラム。 対象はアメリカ国内の中規模企業で,無料の移行支援ツールが提供される。



    Microsoft の開発方針と事業戦略

     Windows に新しい機能を定期的に追加することでアップグレード製品の販売を促進するというもの。 同社は,この抱き合わせ販売は消費者のためになると強く主張している。

     1995年,ビル・ゲイツはインターネットの『高波』が到来するという全社員宛てメールを出している。 この中で,未来のコンピューター利用はインターネットだと断言し,マイクロソフト社のすべての製品にインターネット機能を導入するよう強く要請した。 (このメールは社内では『悪評が高かった』とされている)

     2002年1月,ビル・ゲイツは従業員に対して,今後はセキュリティー対策に重点を置くようメールで呼びかけた。 メールはマイクロソフト社の47,000名の全従業員に送付された。 ゲイツ会長はこの中で,マイクロソフト社の製品開発方針を根本的に変更し,新機能の追加よりも消費者のセキュリティーとプライバシー対策を優先するよう要請した。 それによると,2月中はすべての新しい OS 開発作業を中止し,同社プログラマー7000名をセキュリティー関連の特別研修に出席させる計画らしい。 2002年7月18日,ゲイツ会長から Trustworthy Computing に対する2回目の E メールメッセージが全社員に送付された。



    Microsoft のいう必要条件

     同社は,新しい OS に必要な実際のシステム必要条件を少なめに公表してきた過去がある。 Windows 95 のときも条件を低めに発表した。 2000年の Windows 2000 はマイクロソフトの推奨条件にしたがうと,少数のパソコンしかアップグレードの必要がないはずだったが,実際は大幅なメモリの増強を必要とするものだったため, 多くの企業は,Windows 95/98,Windows NT から切り換える前に,システムの買い換えを強いられた。
     システムの必要条件が低いと,新 OS へのアップグレードを検討する既存の Windows 利用者が増加し,販売数が増えるからである。



    Microsoft のオープンソース戦略と,その『共有ソース・ライセンス』方式

     Microsoft は,オープンソースは悪だと決めてかかり,幹部たちが『非米国的』,『技術革新の抑圧』などと罵倒した。 しかし,オープンソース・ソフトウェア開発手法の一部を,マイクロソフト社は数年前から導入。 最近,態度を軟化させている。 オープンソース陣営は,同社のビジネスモデルは徐々にオープンソースの形態に近づいていると,断言している。

     Microsoft は以前,パソコンメーカーや金融・学術機関などごく一部の顧客に,ウィンドウズの詳細を開示した。 2001年3月,Windows 2000 と Windows XP のソースコードの95%を,主要な開発者たちに対し試験的に『読むことのみ』を許可した。 開発者は,共有ソース・ライセンスを使ってソースコードを修正できるが,修正後のコードを商業目的で配布することはできない。 条件は Windows のライセンスを最低1500本分所有し,マイクロソフト・エンタープライズ・アグリーメントを締結していることである。 同社によると,それに該当する顧客数は約1000社という。 2001年になり,オープンソース・ライセンスの一部,とりわけ『GPL』を『癌』にたとえるとともに,コードの共有を以前よりも進めていると大々的な宣伝を行っている。



    Microsoft と Linux

     リナックスは競争相手でないと言いながら,リナックス対策責任者がいる。 2002年夏に,同社営業幹部が他の上級幹部あてに出した電子メールによると,政府や大企業相手のビジネスで,競合他社のソフトが選ばれそうな場合,特別な資金で大幅に値下げし,場合によっては無料にしてもよい,と指示したらしい。 特に Linux には『どんなことがあっても負けてはならない』らしい。 ドイツ・ミュンヘン市への提案では,当初の予算3,950万ドルを2,370万ドルに引き下げている。



    Microsoft と 迷惑メール

     マイクロソフトが2003年11月に発表した,迷惑メール対策の5本の柱は, 1)業界内での連携や自主規制整備(Self-Regulation), 2)充実した法制度(Legislation), 3)法的執行(Enforcement), 4)利用者へ迷惑メール防止方法の情報提供(Consumer Education), 5)技術開発を中心とする製品・サービス面での取り組み(Technology)らしい。



    Microsoft の知的財産

     2003年12月,同社の知的財産(IP:intellectual property)を IT 業界へライセンス供与すると発表。 まず,フォントレンダリング技術の『ClearType』と,ファイルシステムの『FAT(File Allocation Table)』が対象となる。
     これまでは,パートナー企業や学術機関の一部に限ってソースコードを開示(Shared Source Initiative)したり,政府機関に Windows のソースコードおよび技術情報のアクセスを許可(Government Security Program)したりしていた。



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