Los Alamos National Laboratory ロスアラモス研究所

 原爆誕生の地,今でもアメリカの核兵器研究の中核をになっている。 第二次世界大戦中の1943年,核兵器の開発を急ぐ少数の科学者と軍関係者によって創設。 2003年現在,約110平方キロメートルの敷地に2224棟の建物が並び,12,000人以上の所員を擁する。 研究は,核爆弾の設計と管理,気候研究,スーパーコンピューターの開発,高度なスパイセンサーの研究など多岐にわたっている。 核兵器の製造と保守を行なう米国の3大施設の1つ。 また,大陸間弾道ミサイル『ミニットマン3』を含む,6つの主要な核兵器システムの責任を担っている。 開設当時から,60年以上にわたりカリフォルニア大学が管理・運営にあたり,健康保険と退職後の保障制度を供給している。 その契約は2005年に終了する。
サイト:http://www.lanl.gov

 1999年には,研究所の科学者だったウェン・ホー・リー氏が中国のスパイではないかとの容疑で拘束された。 スパイ容疑は不十分で,リー氏は機密情報の管理ミスで有罪を認め,連邦裁判官から謝罪を受けて釈放された。
 2000年,セログランデの山火事がバンデリア国定公園を越えてロスアラモス周辺に迫ったため施設全体が封鎖された。
 2003年1月,公用クレジットカードの不正使用,多数の備品の盗難とその組織的隠蔽などのスキャンダルが報道された。 7月,同研究所が行った超高速な大陸間インターネット接続実験が,ギネスブックに登録されたと発表。 同研究所,Caltech,CERN,SLAC の共同で,市販のパーソナルコンピュータを用い,カリフォルニア-スイス間(10,037km)で 2.38Gbps の高速転送を実現した。 8月14日,リナックスを採用したスーパーコンピューター『ライトニング』を導入すると発表,9月に納入される予定。 理論上は毎秒11兆2600億回の演算が可能。 リナックスと,オプテロン 2GHz版 2816個の採用で,費用を1000万ドル弱に抑えた。
 2005年12月21日,米エネルギー省は,同所の運営を,カリフォルニア大学が続けることになったと発表。

 2001年には核兵器の設計図が保存されたハードディスク2台が行方不明になり,後に同研究所のコピー機の裏にあるのが見つかった。 さらに多数の CREM(機密扱いのリムーバブル電子メディア)が紛失したが,2002年1月,2002年11月,2003年1月と続いて発見された。 2003年12月には10件の CREM の紛失(10枚のディスク?)が露見した。  2004年5月,エネルギー省は,2009年までにロスアラモス国立研究所とその他の核研究所から CD,フロッピーディスク,外付けハードディスクといった着脱式メディアを完全に廃止し,「ディスクを使用しない作業環境」へ移行するよう要求。 その2週間後,定例の点検作業の際に,着脱式ハードディスクが行方不明になっていることが判明。 7月16日,機密データが保存されたコンピューター用ディスクの紛失,さらにインターンの学生が強力なレーザー光線で目を負傷するという事故が1週間のうちに立て続けに起こったことを受け,研究所の活動停止に踏み切った。 紛失したのは,機密情報を保存した2枚の ZIP ディスクと2つの外付けハードディスク。 また,事故は14日午後,研究所の高度化学診断・機器グループにおいて,インターン学生らが強力なクラス4レーザーを使った実験を行なっている最中に起こり,20歳のインターン学生の目にレーザー光線が当たり,網膜を損傷し出血した。
 2009年2月,1月に従業員の自宅から3台のコンピュータが盗まれるなど,過去1年間に合計80台のコンピュータが紛失したり盗難にあっていることが発覚した。



ASCI Q
 HP 社がロスアラモス国立研究所のために構築したスーパーコンピューター。 『アルファ』プロセッサー8000個から成り,処理能力 13.8テラフロップ。 2003年秋の時点で,トップ500スーパーコンピューター・サイトのランキング第2位。



Roadrunner 開発コード

 IBM が米エネルギー省のロスアラモス国立研究所に納入したシステム。 Palystation3 に用いられている Cell/B.E.プロセッサとは違い,従来のSPEに2個の倍精度浮動小数点演算器を付け足した拡張倍精度(eDP)SPE コアを搭載した PowerXCell プロセッサを使用したスパコン。
 2006年9月6日に開発を発表した,Cell Broadband Engineプロセッサを搭載した初のスーパーコンピュータ。 Cell 搭載の BladeCenter H システムと,デュアルコア Opteron 搭載の System x 3755 を組み合わせたもので,Cell 16,000個以上,Opteron 8,000個以上を搭載。 『Hybrid Programming』と呼ばれる新開発のソフトウェアと,AMD の HyperTransport 応用技術『Torrenza』(コードネーム)を利用することで,異なるプラットフォームを接続。 OS はレッドハット Linux。 Cell システムが複雑な計算を行い,Opteron システムはファイル I/O や通信など基本的プロセスを担当する。 複数タイプのプロセッサ能力を最適化する“ハイブリッド”設計は IBM の特長。 ピーク性能値は 1.6PFLOPS 以上(目標)らしい。
 2008年6月18日に発表された最新のスーパーコンピュータ Top500 ランキングで首位を獲得。 性能は1.026P(ペタ)FLOPSに達した。



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