Itanium
2000年に出荷を開始した,64ビット高性能サーバ用 CPU。
『IA-64』ファミリーに属する,アーキテクチャは正統な64ビットアーキテクチャ。
Intel 社初の 64bit CPU で,IBM の Power やサンの SPARC と競合する。
HP とインテルの協力で開発され,開発コードは『Merced』。
名称はインターネット時代のサーバー向けを意識したことから,頭に i を取り入れ,
既存の Pentium との互換性を意味するために末尾に ium を残したらしい。
また,Intel 初の 64bit CPU でることから,Intel の『i』とも言われる。
2次キャッシュまでがダイに統合され,1クロックサイクルで6つの命令を実行できる。
大型の筐体を持った従来型のサーバー用に設計され,消費電力は 130W で,並外れたサイズの冷却装置が必要。
低電力バージョンが望まれているが,発売は数年後らしい。
しかし,採用は事実上,日本 HPと NEC,富士通の3社のみである。
その原因としては,ハイエンドサーバ市場で主要 IT ベンダー各社が独自の RISC プロセッサ,独自 UNIX 搭載マシンを持っているため(独自 RISC プロセッサを持つ企業は,同時に独自 UNIX を持っている場合が多い)。
出荷は年間数千個にしかならないと見られている。
2004年12月16日,HP は Itanium プロセッサ設計から手を引くと発表。
HP の Itanium 設計担当チーム (コロラド州フォートコリンズで勤務,約100人) は,Intel に移籍する。
彼らは,『Montecito』『Montvale』を設計するなど大きく貢献してきた。
今後は,『Tukwila』をはじめ,将来の Itanium プロセッサ開発に取り組むことになる。
各社のハイエンドマシンに取って代わるものとして設計が進められ,
基礎となるアーキテクチャーを開発した HP は,当初このチップが1990年代半ばから後半に発売されると予想していた。
インテルは,1999年にチップを発売したかったが,これ以降,2度にわたり発売を延期。
2000年発売予定とされたが,新しいアーキテクチャーの性能を確保するためのテスト作業などでさらに延期。
2001年5月29日にクロック 733 MHz および 800 MHz を発表。
2次キャッシュ 96KB と3次キャッシュを搭載するが,3次キャッシュは別のチップ上に置かれている。
IDC によると,Itanium ベースのサーバー市場は,2009年までに66億ドル規模に成長する見通し。
| クロック | L3 キャッシュ容量 |
| 733 MHz | 2MB |
| 800 MHz | 4MB |
表面積は400〜450平方mm とチップとしては,過去に誰も製造したことのないほど大きさ。
2002年9月,インテルは2005年までにデュアルコア化すると発表。
90nm か 65nm 製造プロセスで行われる。
90nm プロセスだと1個が150平方mm になる。
Itanium の登場を受けて各社から,複数の CPU を搭載したワークステーションやサーバーの発表が相次いでいる。
対応 OS は Windows(XP 64bit版,Whistler Server 64bit版),
ヒューレットパッカードの HP-UX 11i v1.5,IBM の AIX-5L,及び Linux の 64 bit版など。
Linux の 64 bit版は,レッドハット,カルデラ,ターボリナックス,SuSE などから発売。
Intel はこれと後継プロセッサーで,64bit CPU による最高の性能を実現しようとしている。
現行の 32bit のインテルチップ向けに書かれたソフトウェアを稼動できる回路を搭載するが,性能的な向上は得られない。
それは,以前と非常に異なるアーキテクチャーであるため Pentium ラインとは大幅に異なる命令しか理解しないためで,
このチップが持つ本来の利点が発揮されるのは,ソフトウェアが 64bit のアーキテクチャー向けに書かれるだけではなく,Itanium の使う新しいコードでなければならない。
インテルと HP は,数十年間もちこたえる新しいアーキテクチャーを開発するために抜本的な改訂が必要だったと主張している。
SPEC が設定した基準的な2種類の測定を行うと Itanium 800MHz 版は,
UltraSPARC III と接戦かそれ以上の性能を発揮した。
浮動小数点演算では手堅く UltraSPARC III に勝っていて,登場予定の 900MHz版 にさえ勝っている。
しかし,整数演算は,UltraSPARC III よりも低く,Xeon にすら負けている。
数度にわたって遅れが生じ,月並みな性能,対応ソフトウェアの不足,景気後退などが失敗の原因になった。
2002年10月30日,米連邦地方裁判所はインターグラフ社の訴えを認め,製造,販売を差し止める判決を下した。
ただし,30日間猶予され,インテルは上訴する意向を表明。
2011年6月15日,Hewlett-Packard は Oracle が Itanium 向けのソフトウェア開発を打ち切るのは違法だとして,同社を提訴したと発表。
これに対し,Oralce は直ちに声明文で『HP の申し立ては真実ではない』と主張。
2010年9月に契約を結ぶ際,HP は Oracle に Itanium のサポートを保証するよう求めたが,Oracle はこれを拒否し,最終的に契約からサポートを保証する条項は削除されたという。
マルチコアの Itanium
インテルは4つの Itanium コアを1つのチップに載せ,キャッシュを共有させることもできるとしている。
Itanium 搭載サーバー
サン・マイクロシステムズの大型の UNIX/RISC サーバーに対抗するマシン。
重要な内部技術のすべてを1,2社の企業が占有しているようなサーバーより,
コストが低くなると見られているのが魅力の1つ。
コンパックの Itanium 搭載サーバーが負荷テストで不合格となり,発表が延期された。
まったく新しい設計をベースとしているため,Itaniumを搭載したサーバーで稼動するソフトウェアは2001年の時点でほとんど存在しない。
また,厳しい景気後退のより状況はさらに悪化し,移行には莫大な投資が必要なため,顧客の関心はほとんどない。
その結果,遅延や性能面での不安といった要因が重なり,メーカーは Itanium の初期バージョンを搭載したサーバーの発売にあたって宣伝をほとんどしなかった。
米 IDC によると,2001年第3四半期に出荷されたのは,わずか500台らしい。
各社は,2002年発表予定の McKinley に重点を置いている。
Itanium Solutions Alliance
2005年9月に Intel,富士通,日立,HP,NEC などが創設した,Itanium 推進で利害の一致する団体。
2006年年1月16日 Itanium Solutions Catalog を公開。
1月26日,Itanium ベースシステムの普及促進を支援するため,共同運用資金100億ドルを投じる計画を発表。
2006年10月5日付で新たにインフォテリアもアライアンスに加わり,メンバー数は合計106社となった。
サイト:https://www.itaniumsolutionsalliance.org
2007年3月29日,日本地域委員会は Linux 開発技術者に対し,高信頼・高可用な基幹システム構築に必要な技術・ノウハウを啓蒙する活動を開始すると発表。
Itanium Solutions Center Network の一環として,エンタープライズ Linux 対応アプリケーションへのポーティング,動作検証やチューニングを支援するため検証用サーバを貸し出す。
Japan Windows on Itanium(JWI)ワーキンググループ
Itanium Solutions Alliance(ISA)とマイクロソフトが2006年10月19日に設立。
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