IDE/EIDE

Integrated Device Electronics または Integrated Drive Electronics(IDE)

 PC/AT 互換機でもっともよく使われている標準のハードディスクインターフェース。 正式名称は AT Attachment(ATA)で,IDE の標準的な規格を定めたもの。 2つの機器を接続できた。


Enhanced IDE(EIDE),ATA-2
 転送速度,容量,拡張性の3点を中心に改善が施された IDE の拡張規格。


 普通のマザーボードはプライマリとセカンダリの2本の IDE バス(チャンネル)を装備している。 1チャンネルには2台の機器(デバイス)が接続でき,片方をマスター・モードに,他方をスレーブ・モードに設定する。 この設定は機器のジャンパーで行い,1台目に設定されたほうをマスター(マスタードライブ Master Drive), 2台目に設定されたほうをスレーブ(スレーブドライブ Slave Drive)と呼ぶ。 市販されているドライブは,ほとんどがマスターの設定になっているので,増設する場合にはスレーブに変更してから取り付ける。
 接続に用いる IDE ケーブルの長さは最大 46 cm と仕様で決められている。 信号の品質からすると,ケーブルの端をマスター・モードの機器とマザーボードに接続するのが望ましい。
 IDE は HD,CD-ROM 等の読み書きに必要なさまざまな処理をすべて CPU が行うため,この負担が増している。 近年 CPU の能力向上に伴い,処理速度は向上した。
 2003年5月にロサンゼルス郡の保護監察局の職員が,デバイスの関係を表す Master(主人),Slave(隷属)という言葉が使われていることに気づき,11月中旬から一般的には不快感を与える言葉だとして,表現の変更を求める文書の送付を開始した。



シングル FIFO,デュアル FIFO(ダブル FIFO) EIDE の FIFO について

 一般的に EIDE には完全に分離された二つのチャンネルがあり,それぞれに2つ(計4台)のデバイスが接続できる。 チャンネルごとに FIFO が用意されるが, シングル FIFO は二つのチャンネルに対して,一つの 32 Byte のバッファーしか持たないため, IDE コントローラーは常に一つのチャンネルのドライブにしかアクセスできない。 デュアル FIFO(ダブル FIFO)はそれぞれのチャンネルに専用の FIFO を持つため,マルチタスキングも可能である。 バスマスターモードでは2つの DMA チャンネルとバッファーを使うのでさらに CPU の負荷を減らすことができる。



歴史

 1986年に Compaq と Western Digital が開発。 その後,ATA の名称で,
ANSI の正式な規格になっている。 当初は1チャンネル2台で,容量は 504 MB,転送速度は2〜3 MB/秒であった。 HD,CD-ROM のコントローラーが SCSI より簡便ですむ為,価格が安く広く普及した。
 1993年に Western Digital が中心となって EIDE を推進。 転送速度・容量・拡張性の3点を中心に改善が施され普及した。 現在,単に IDE と言えば EDIE のことを指している。

 IDE ドライブの元になった WDIOO3 は,PC/AT に採用されたディスクコントローラの上位互換チップで, AT の BIOS で直接コントロールでき,特別なドライバーは必要ない。 この簡便さが IDE の大きな魅力の1つである。 また,信号線は,ISA バスとほぼ同じで,接続にはアドレスデコーダとバッファなどがあればよい。 このため一般に IDE コントローラとして販売されていたカードは, 極めて低価格で,今ではマザーボード上に IDE インターフェイスを持たせている。 IDE インターフェイスでは,1つのチャンネルに2つまでの IDE ドライブを接続することができる。

初期の詳細はこちら


転送速度

 最初の IDE では2〜3 MB/秒であったが, バスタイミングの改善により高速化され,DMA 転送や 32 bit のワイド転送などもサポートされた。



接続する HD の容量

 最初の IDE の規格では最大 504 MB であった。 EIDE では
LBA 方式により, PC 側の BIOS の限界である 7.8 GB(63 セクタ / 255 ヘッド / 1024 シリンダ)まで拡張された。 LBA の仕様は,最大 112.5 GB(225 セクタ/16 ヘッド/65536 シリンダ)のハードディスクまで対応している (最大 137GB との表記もある)。 これは LBA が 28bit からくる制限である。
 この LBA の制限を越えるべく Big Drive が提唱されている。

Big Drive

 Maxtor などが開発した ATA インターフェイスで,144PB(PetaBytes)=144,000,000 GB まで対応できる。 LBAs を 28 から 48bit に拡張することで実現した。 これは,ドライブのレジスターにデーターを2度書き込むことで実現する。 Maxtor は,Compaq などと共同で,ATA 規格を策定する「The ANSI NCITS T13 TechnicalCommittee」に提案中で, 現在策定中の次世代 ATA 規格「ATA/ATAPI-6」での採用を目指している。



拡張性

 接続可能なデバイスの数は当初の IDE は1チャンネル2台のハードディスクのみであったが, EIDE になるとプライマリとセカンダリの2チャンネルを使って,最大4台まで可能となった。 接続可能なデバイスの種類は ATAPI などのサポートにより CD-ROM などのハードディスク以外のデバィスも接続できるようになった。 現在では MO,PD も可能である。(1996年11月13日)



Program I/O mode(PIO mode)

 IDE インターフェイスにおけるデータ転送方式の一種。 CPU が I/O ポートを直接アクセスし,IDE インターフェイスとデータのやり取りをする。 ATA-2/3/4 で,PIO Mode 0〜4 まで定義されており, それぞれ 3.3/ 5.2/ 8.3/ 11.1/ 16.7 MByte/sec という速度でデータを転送できる。



IDE(DMAモード)のバスマスター

 伝統的な PIO(プログラマブル I/0)の IDE では,遅い機械系からのレスボンスを待つなど, すべての IDE アクセス・イベントに CPU が関わり合う必要があった。 この CPU の負荷を軽減するために開発されたバスマスター IDE では, マザーボード上のチップセットが転送を行うため, IDE 装置とメモリーの間でのデータ転送中は CPU は解放され,他の処理を行うことが出来る。 このためには,バスマスター IDE ドライバーとバスマスター IDE ハードディスク・ドライブが必要である。



Singleword DMA Mode

 IDE インターフェイスにおいて,データを1個ずつ DMA 転送するモード。 現在の ATA 規格では廃止されている。



Multiword DMA Mode

 IDE インターフェイスで,複数のデータを連続・一括で DMA 転送するモード。



Ultra DMA Mode

 Ultra ATA で追加された転送モード。 常にデータを送信する側が,データが出力されていることを示すストローブ信号を生成・出力する。 ストローブ信号の立ち上がりと立ち下がりの両方でデータを転送する。 など,従来の Multiword DMA Mode とは,制御信号の使用方法が大きく異なっている。 ただし,ストローブ信号の周波数は Multiword DMA Mode と大差がないため, ケーブルに要求される周波数特性もそれほど変わっていない。



Fast AT Attachment(Fast ATA)

 Quantum 及び Seagate Technology が中心になって提唱した IDE インターフェイスの実装方式。 ATA-2 で規定されている PIO モード3および,Multiword DMA mode 1に対応。 最大転送レートは PIO で 11.1 MBytes/sec,DMA で 13.3 MBytes/sec。
 Fast ATA は IDE インターフェイス部分のみを規定しており, 528 Mbytes を超えるディスク容量の扱い方, 2ボート以上の IDE インターフェイスの実装, ハードディスク以外のデバイスなどについては規定されていない。



Fast AT Attachment-2(Fast ATA-2)

 Fast ATA の改良版。 ATA-2 で規定されている転送プロトコルの PIO モード4と,Multiword DMA Mode2に対応した。



Ultra DMA/33(UDMA),ATA-33,Ultra ATA(UATA)

 Quantum ほかのメーカーが策定した ATA/IDE の拡張仕様。 IDE のデータ転送レートを向上させるための仕様で, Enhanced IDE や Fast ATA と同様,業界標準として位置づけられ, ATA-33 とも呼ばれるが,正式な名称は ATA/ATAPI-4。
 従来の PIO モードのデータ転送は,IDE コマンド信号の立ち上がりエッジだけを利用していた。 DMA/33 では立ち上がりと立ち下がりの両方のエッジを用いる。 これによりデータ転送レートは PIO モード4や DMA モード2の2倍となった。 (16.6 MB/s ×2=33 MB/s) さらに転送されるデータの CRC を計算することで,データの信頼性を向上させている。 また互換性も維持されているので,ケーブルも同等のものが使える。
 Ultra ATA では,新たに UltraDMA モード0〜2という転送モードが追加された。



Ultra DMA/48

 Ultra DMA/33 より転送レートをさらに高めた,IDE の拡張仕様。 最大転送レートは 48 MBytes/sec だが, 2001年3月の時点で,この規格を採用したデバイスはない。



Ultra DMA/66,Ultra ATA/66

 Ultra ATA より転送レートをさらに高めた,IDEの拡張仕様。 その名のとおり,最大転送レートは 66 MBytes/sec。 正式な規格名は,ATA-4 と ATA-5 のどちらかになると思われる。 66 MBytes/secの最大転送レートを発揮する転送モードは,Ultra ATA の場合と同様に,Ultra DMA/66と呼ばれることになると思われる。
 Ultra ATA/66 では,差動伝送を採用し,クロックの両エッジで転送を行っている。 従来規格とは電気的互換性が無いため,専用のインターフェース,ドライブ,ケーブルが必要となる。
 Ultra ATA/66 の総てのスペックは公開されておらず,秘密保持契約を結ぶと教えてもらえる。



Ultra ATA/100

 Ultra ATA/66 の転送速度を 100 MB/秒に高めた規格。 従来の IDE と異なり,1チャンネルに1台の機器(デバイス)しか接続できない。 ただし,マザーボードに4チャンネルが準備され予定なので,接続できるデバイス数自体は変わらない。 従来の ATA/33,ATA/66 との下位互換性もあり,ケーブルは 80 ピンコンダクタ・ケーブル(約5センチ幅で長さは約45センチ)を使う。 Quantum 社は,次世代の HDD インターフェイス規格「Ultra ATA/100」を発表し, その仕様は2000年6月中に公開される予定,ライセンスは無償提供される。

 COMPUTEX TAIPEI 2000 では,各社から ATA/100 対応製品が発表された。 Quantum からの ATA/100 対応製品は 2000 年秋から出荷分される。 Intel 820E と Intel 815E チップセットも ATA/100 に対応しており,各社から搭載製品が発表される見込み。  Quantum はリリースの中で「来年には HDD の転送速度が 66 MB/秒を超え,データのボトルネックを回避するために ATA/100 が必要になる」としている。 また,2005年頃に予想されるシリアル ATA の台頭まで,ATA/100 は広く普及するとみている。



Ultra ATA/133

 Maxtor が2001年7月に発表した,最大データ転送速度 133MB/Sec を実現する HDD インタフェース規格。 パラレル方式の最後の規格。 2001年第4四半期にはオープン仕様として ANSI に登録申請をおこなう予定。 Ultra ATA/100 と互換性があり,従来の80芯ケーブルと80ピンのインタフェースを用いる。 データが出力されていることを示すストローブ信号のサイクルを 40ns から 30ns として,転送速度を向上。 同社は Ultra ATA/133 を「Fast Drives」と名付けており, 今後数年の HDD インタフェースの中核を担う規格として展開していく予定。



IDE PIO と DMA モードの転送レートの一覧表

 IDE バスは 16 ビット幅,すなわち常に 2 バイト同時に転送する。 PCI は 33MHz のクロック周期 30ns で計算した。
モードクロックカウントサイクルタイムデータ転送レート
PIO mode 020600 ns 1/600ns×2byte=3.3 MB/s
PIO mode 113383 ns 1/383ns×2byte=5.2 MB/s
PIO mode 28240 ns 1/240ns×2byte=8.3 MB/s
PIO mode 36180 ns 1/180ns×2byte=11.1 MB/s
PIO modc 44120 ns 1/120ns×2byte=16.6 MB/s
DMA mode 016480 ns 1/480ns×2byte=4.16 MB/s
DMA mode 15150 ns 1/150ns×2byte=13.3 MB/s
DMA mode 24120 ns 1/120ns×2byte=16.6 MB/s
DMA /334120 ns 1/120ns×2byte×2=33 MB/s
DMA /662 60 ns 1/60ns×2byte×2=66 MB/s
DMA /1001 40 ns 1/40ns×2byte×2=99 MB/s



EIDE のHDD が動かない チェックポイント

・接続のフラットケーブルが逆向きに差さっていないか。
・ハードディスクのマスター,スレーブのジャンパースイッチ設定はあっているか。
・BIOS セットアップは正しいか。
・初期化(領域確保と論理フォーマット)はなされているか。



戻る 
英語『I』最初のメニュー