file-trading ファイル交換
Microsoft,AOL,ヤフー社は IM サービスにファイル交換機能を付加している。
しかし,企業規模や音楽業界とのつながりのおかげで,大手音楽レーベルから訴訟を起こされる可能性はなさそうである。
ヤフーと AIM では,友人たちに自分のハードディスクを開放できるオプションを設けている。
インターネットの世界では配布のコストが限りなくゼロに近くなりなる。
また,『匿名性』により人間が大胆になることは,昔から数々の分野で実証されている。
P2P のファイル交換では,大容量ファイルが大量に交換されることで ISP のバックボーンが圧迫されることも問題となる。
ポルノ業界は,数枚程度の画像なら喜んで無償で提供し,もっと見たいという人に,料金を払って膨大な画像アーカイブのすべてを閲覧してもらおうと,むしろビジネスチャンスと捉えている。
file-trading network ファイル交換ソフトウェア,ファイル共有アプリケーション
file-trading はユーザー同士がファイルを交換すること。
その後に,netwark,software などの単語を付けて,それぞれの意味を表す場合もある。
音楽ファイルを交換する場合は trading music,MP3 traders と表される場合もある。
1人がコンテンツをファイル交換ネットワークにアップロードすると,誰でもそのコンテンツをダウンロードできるようになる。
P2P のファイル交換ソフトウェア(システム)はハイブリッド型とピュア型に分ける場合もある。
前者はクライアント/サーバー的に一部機能(最初の接続先やデータ保持者の検索など)をサーバー部分で担っているもので,後者はそのような中心機能がないものを指す。
ハイブリッド型はクライアント/サーバー型として,P2P=ピュア型 P2P と捉える人がも多い。
いずれにせよ,これは Napster(旧)が最初だが,この仕組みは, 純粋に技術的な観点で IT 業界に大きな衝撃を与えた。
P2P が注目されるきっかけとなった Napster は,ハイブリッド型で,どの音楽ファイルを誰が保有しているかという,インデックス情報をサーバー側で保有し,実際の音楽ファイルは保有している相手から直接入手していた。
これが違法行為の仲介と見られ,Napster はサービス停止まで追い込まれた。
そのため,その後の不正ファイル交換ソフトは一様に仲介部分を排除する形に進化した。
ネットアーク社の調査によると,交換されているファイルは,動画 38%,音楽 20%,画像 17%。
また,Winny のようなキャッシュ型は,必要のないファイルまでコピーするため,トラフィックさらに増える。
2004年現在のインターネットのトラフィックにおけるファイル交換ソフトが締める割合は40〜60%とも言われる。
ファイル交換ソフトは,ネットワークの負荷は考えず(効率的な取得ルートを選択しない)に,ファイルを持っている対象から直接ファイルを持ってこようとするため,ネットワーク負荷が高いとされている。
1999年,Napster の登場によってブレイク。
しかし Napster は全米レコード協会などからの激しい攻撃で2001年7月にサービスを停止。
その後,Napster ベースで OpenNap サーバを使ったさまざまなファイル交換ソフトが乱立したが,その中でもっとも人気の高かったのが WinMX だった。
結局,Napster 社とスカウア社は事業が立ちゆかなくなりサービスを停止。
オーディオギャラクシー社も6月にレコード会社との和解に応じた。
Morpheus,KaZaA,Grokster に対する著作権侵害訴訟は,会社には責任はないとする判断が下された(下記)。
P2P によりファイル交換は以前にも増して広く行なわれている。
ソフトに個人用ファイアーウォールのアプリケーションを統合するようになり,さらに自動更新機能を作り出したとき,メディア企業にとって真に面倒な事態が訪れると言われる。
このためのソフトは2002年現在,ほとんどが,いわゆる『アドウェア』や『スパイウェア』と呼ばれるものと抱き合わせで提供されている。
また,トロイの木馬がしかけられ,ユーザーは,気づかないうちにオーディオ・ファイルのコレクション以外の情報まで他人と共有している可能性がある。
BearShare β7?,LimeWire 2.0.2,KaZaA,Grokster の一部のバージョンには W32.Dlder.Trojan と呼ばれる,トロイの木馬プログラムが含まれているらしい。
ファイル交換ソフトを提供している会社は海賊版に頭を悩ませているが,ファイル共有ネットワークは非常に開放性が強いため不正なクライアント・ソフトを締め出すことは実質的に不可能に近い。
逆に言うと,ファイル共有技術の発達は,開放的なネットワークがあったためである。
2006年3月,アイシェアはこの利用者のうち,18.5%がウイルスに感染した経験があると調査結果を発表。
調査は,同社が提供するメールの転送サービス『CLUB BBQ』の利用者に対し2006年3月15日〜3月17日に実施,有効回答数は783。
2006年8月に発表された『2006年ファイル交換ソフト利用実態調査』では行う理由は,音楽関連ファイルは『無料なら聴いてもよい楽曲がダウンロードできる』33.8%,『購入したいと思っていた楽曲を無料でダウンロードできる』22.1%,『希少な楽曲や珍しい楽曲がダウンロードできる』20.2%,『CD購入前に試聴をする』15.6%,『CD店に行かなくても聴きたい楽曲がダウンロードできる』15.2%,『レンタル店で借りる代わりに聴きたい楽曲がダウンロードできる』10.4%,『好きなアーティストやジャンルのコレクションがしやすい』8.5%,『アップロードされている楽曲の種類・ジャンルが豊富』7.5%など。
映像関連ファイルでは,『見逃したテレビ番組をダウンロードできる』14.9%,『レンタル店やDVD店に行かなくても観たい映像がダウンロードできる』12.6%,『過去のテレビシリーズやCMなど,希少な映像や珍しい映像がダウンロードできる』11.3%。
調査は,ファイル交換ソフト利用者2,235人(現在利用者645人,過去利用者1,590人)に,ファイル交換ソフトを利用する理由・目的について尋ねた。
ファイル交換サービスは大きな人気を獲得し,
ナップスター(旧)やエイムスターなどのサービスが生み出したコミュニティーは,ウェブ上で最も急激な成長を遂げている。
ファイル交換という孤立したデジタルコミュニティーからは,時おり頭角を現す企業がいると言える。
RIAA の発表いらい,ユーザーの身元を隠すためのツールへの関心が高まっている。
ピアツーピア推進派たちは,米国とヨーロッパにおいてそれぞれ組織を築きつつあり,力を合わせてロビー活動や PR 活動に取り組んでいらしい。
ファイル交換を行なうユーザーたちは今後,匿名で参加できるネットワークや,少人数のグループ間で交換を行なう『スニーカー(こそこそとした)ネットワーク』に移行すると予想している。
あるいは,IM や Waste などのツールに移行すると考えられている。
旧バージョンのプログラムはユーザーの情報を公開する。
新しいバージョンでは情報は暗号化されているが,旧バージョンとやり取りしないわけにはいかないため,無効となるらしい。
熱心なユーザーの多くはファイル交換をやめるつもりはないと話しているが,ほとんどのユーザーが KaZaA から比較的無名なファイル交換プログラムに移ることを計画している。
RIAA が違法に音楽をダウンロードした個人を提訴する準備を進めていると発表(2003年6月24日)の影響か,P2P ファイル交換ソフトの利用者が100万人以上減少したらしい。
Nielsen//NetRatings が行った6月29日と7月6日のユニークビジター数は Kazaa 557万7000人(94万9000減),Morpheus 23万1000人(41,000減),iMesh 21万4000人(41,000減)で合計103万1000減となる(減少率は15〜16%)。
ただし,学生が夏休みで大学にいないことが影響していると言われる。
このように,レコード業界が態度を強硬化させているため,ソフト会社側も対抗策を次々打ち出しており,業界団体を設立し,議会へのロビー活動も繰り広げている。
2003年の Jupiter および Pew の調査によると,アメリカで音楽ファイルをダウンロードする人は3500万人,ファイル交換を利用する人は約2600万人,法的問題を恐れてファイル交換を控えたのは成人インターネット利用者の17%で,ダウンロード利用者の67%およびファイル交換者の65%が,音楽に著作権があっても気にしないと回答している。
2003年初頭に急減したものの,同年11月から再び増加し始めた。
だが,11月と比べて12月には21%減じ,世帯数でも2%ほど少なくなっている。
その後,RIAA 訴訟攻勢で,個人を提訴したことにより,2004年1月にはユーザー数にして3,500万が1,800万に減ったとされる。
カザーのユーザーは2003年11月から2004年2月まで間で,500万人以上減少。
しかし,iMesh・BitTorrent・eMule などのユーザーは増えている。
2004年12月5日にアメリカの民間調査機関の『ピュー・インターネット・アンド・アメリカン・ライフ・プロジェクト』が発表した調査結果では,ファイル共有を『アーティストの許諾なく,収入にならない形でコピーされるので,よろしくない』47%,『幅広い聴衆にアーティストの作品を宣伝,販売できるため,それほど悪いものではない』43%だった。
ほかアーティストの権利については,『ネットユーザーが無許可でコピーファイルを共有するのは違法』52%,『著作権者は作品への完全なコントロールを持つべき』64%だった。
対象はアーティストを自認する809人。
2005年になり,取り締まりの緩い領域を探して『ユーズネット』のニュースグループに移ってきているらしい。
ユーズネットのトラフィックをすべて記録している米マイクロソフト社の『ネットスキャン』システムによると,主要な『ウェアーズ』ニュースグループである alt.binaries.multimedia への投稿数は,2001年の70万から2004年の280万へと4倍に増えた。
ユーズネットの利用を監視するサイト NewsAdmin の統計によると,DVD を丸ごとリッピングしたファイルが,ユーズネットの1つのフォーラムだけで毎日 60GB 以上投稿されているという。
2005年3月,P2P システムが使用される割合が減少したという調査結果を,ピュー・インターネット・アンド・アメリカン・ライフ・プロジェクトが発表。
2005年8月29日,キャッシュロジック社が発表した P2P アプリケーションのトラフィック調査によると,eDonkey 2000 が『ビットトレント』を抜いて,世界でトップになった。
アジアでは依然ビットトレントの人気が高いが,韓国は例外で,イードンキーが P2P トラフィックの92%を占めた。
2005年11月29日にジュピターリサーチが発表した調査結果では,ヨーロッパでは,違法なファイル交換ネットワークから音楽を入手しているネットユーザーが,合法的にダウンロード購入しているユーザーの3倍だった。
とくに若い層に多く,15〜24歳での利用率は34%。
12月に発表された NPD Group の調査結果では,アメリカで違法な P2P サービスを通じて1曲以上ダウンロードした世帯の数は,6月の640万世帯から10月は570万世帯と11%減少していた。
日本国内のファイル交換ソフトの利用実態
動画共有サービス
ファイル交換ネットワーク
2002年ころから,単なる音楽ファイルの交換から,人気のテレビ番組やビデオゲーム,あるいはソフトウェアといった多様なコンテンツの交換へ移行している。
P2P によるファイル交換サイトは,2002年中に300%以上増加。
2002年11月の 2002 ACM Workshop on Digital Rights Management の会議で,Microsoft の研究者たちは,P2P ファイル交換による違法コンテンツの撲滅は不可能との論文を発表。
それは,違法に入手したコンテンツが著作権保護システムを利用したコンテンツよりも利用者にとってはるかに使いやすいという経済学的な帰結による部分が大きいとしている。
2003年1月現在,インターネットで利用できる P2P アプリケーションは,KaZaA や Grokster をなど130種以上とされる。
BitTorrent
LimeWire
Perfect Dark
Share
WinMX
Winny
Soulseek
海外で広く利用されているファイル共有クライアントで,特にクラブ系音楽の共有が多いらしい。
違法なファイル交換
これを阻止するために,レコード会社や映画会社はオーバーピア社やメディアディフェンダー社などのソフトウェア企業と個別に契約して,P2P ネットワーク上に偽のファイルを大量配布している。
2004年5月,タルサ大学のジョン・ヘイル教授と博士課程の学生であるギャビン・メイニーズ氏は,楽曲の海賊版に見せかけた偽のファイルをネットワーク上に氾濫させる『スプーフィング』と呼ばれる方法で特許を取得した。
ファイル共有ソフトを悪用した著作権侵害対策協議会
2008年5月12日にコンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)や日本音楽著作権協会(JASRAC)など著作権関連団体と,電気通信事業者協会など通信事業者団体が設立を発表した団体。
ファイル共有ソフトを利用した著作権侵害の実態について情報共有し,対策を検討する。
Darknet
Microsoft の研究者たちが述べた,P2P 技術に基づくファイル交換サービスの総称。
定義は,オブジェクトがコピーできるような状態に置かれること,ユーザーが望みかつ可能ならばオブジェクトをコピーできること,ユーザーがそれぞれ広帯域の通信チャンネルに接続されていること。
eDonkey イードンキー
ファイル交換ネットワークの一つ。
初期には,ナップスター的な集中管理インデックスがあったが,その後,トラフィックを管理するサーバーはなくなり,ファイルの提供側と探し手との照合は個々のユーザーのコンピューター上で行なわれるようになった。
2004年になり人気が急上昇した。
2006年5月23日,音楽ファイルを大量にアップロードして著作権を侵害していたとして,このユーザー3,500人がドイツで刑事訴追された。
Shareaza
P2P クライアントで,BitTorrent や Gnutella など4種の P2P ネットワークに接続できる。
欧米を中心に多くのユーザを擁するファイル共有ソフト。
2004年6月1日 v2.0 がリリース,ダウン/アップロードといった作業を Web ブラウザ経由で指示できる『リモートWebアクセス』などの新機能が追加されている。
対応 OS は Windows 95 以降。
サイト:http://www.shareaza.com
Soapbox on MSN Video
ユーザー投稿型の動画共有サイト。
MPEG-1/2/4やAVI/ASF/WMV/MOV/3GPP/H.264 などに対応,動画の全画面サイズでの表示も可能。
カテゴリ分類やタグ,人気度などによる検索が可能で,コミュニティ機能によりユーザー間で評価やコメントなども行なえるほか,投稿した動画を公開しない設定も可能。
2007年2月13日,利用条件を招待制から公開ベータテストに変更。
サイト:http://soapbox.msn.com
P2P によるファイル交換に対する裁判
AOL Time Warner,Vivendi Universal,Sony,Viacom,News Corporation,Walt Disney などが,Grokster と Morpheus を訴えていた。
2003年4月25日,ロサンゼルス連邦地裁判事は,ユーザーの著作権侵害行為について,Grokster と Morpheus はソフトの使用方法については全く関与していないと指摘,法的責任は問えないとする判決を下した。
それによると,Betamax 訴訟を引き合いに出し,両者は法的なアプリケーションで,それをユーザーがどのような使い方をするのかまで管理することは不可能だと述ている。
RIAA は同日,ただちに控訴すると発表。
また,P2P ネットワークでファイル交換を行なっているユーザーに,著作権で保護されたファイルを共有することは『重大な結果』を招くという内容の IM メッセージを送り始めた。
この判決により,多くの著作物を持つ大手メディア企業がファイル交換サービスを運営する企業を訴えることが実質的に難しくなると見られている。
2004年8月19日,サンフランシスコの連邦控訴裁判所は Morpheus と Grokster について,ソフト自体は違法ではないとの判断を下した。
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